観光大国モルディブでの教育制度。家族移住には課題となる点もある

モルディブの教育制度

元々、イギリスの保護国であったモルディブ。

その影響からほとんどのモルディブ人が問題なく英語で会話をすることがきでます。

もちろん、モルディブ人同士の日常会話は、彼らの母語であるディベヒ語を用いて会話をします。

幼い頃から既に二か国語を話すことのできるモルディブの教育はどのように行われているのか、また、もし外国人の子どもがモルディブで教育を受ける際にはどのような選択肢があるのかを詳しく見ていきましょう。

このような海に囲まれたモルディブでは、どのような教育が行われているのかモルディブ在住者から紹介します。

さらに、外国人がモルディブで何らかの形をとって教育を受けることは可能なのか?と言う所にも触れていきます。

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モルディブの教育制度は5-5-2/5-2-3-2制

モルディブでは、学校は3段階制(もしくは、4段階制)になっており、

  • 最初の5年間をプライマリースクール
  • 真ん中の5年間をセカンダリースクール(もしくは、2年間をミドルスクール、残りの3年間をジュニア(ローワー)セカンダリースクールとします)、
  • 最後の2年間をシニア(ハイヤー)セカンダリースクール

と言って区別します。

学年の呼び方は通して、グレード1から始まり、最後の学年がグレード12になります。

就学年齢は、基本的には5~6歳からとなっています。

また、三つの学校形式があり、

  1. 一つ目がムスリムの経典「コーラン」に重きを置いたコーラン学校(神学校と呼べばいいのでしょうか)
  2. 二つ目がディベヒプライマリースクール
  3. 三つめがイングリッシュプライマリー及びセカンダリースクール

となっています。

将来の就職のことを考えて、ほとんどの親は、子どもに早期から英語で学習することを希望するため、メインとなっているのが三つ目の形式の学校だと言えます。

現在、モルディブ全土では、合計232の学校があり、全ての地方島に学校が設置されており、教育振興を政府が推奨しているため、国民の識字率は約98%となり、西アジア及びインド洋諸国の中では最も高い識字率となっています。

ちなみに、グレード1からグレード10まで学ぶことのできる学校が187校、グレード1からグレード12まで学ぶことのできる学校が22校となっています。

このことからも分かるように、グレード11及び12の高等教育レベルを修得しようとするとかなり限られた選択肢となります。

また、国民の100%がムスリムであるモルディブならではと言えるかもしれませんが、「Edhuruge」, 「Makthab」もしくは「Madhrasa」と呼ばれるコーラン学校も各地域で設置されており、自費で子どもたちをイングリッシュスクールとは別に通わせる親も少なくありません。

モルディブの学校の掲示板

リゾートからの地方島訪問時、学校の外観を見ることができます。赤い屋根の掲示板に学校からのお知らせが貼り出されます。

 

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プライマリースクール時代には7教科勉強する

このように教育システムからして日本と違うモルディブ。

一体どのような教科を学校で学ぶことができるのでしょうか?

プライマリースクール時代には、7教科ー

  • 英語
  • 数学
  • ディベヒ(国語)
  • イスラム(宗教)
  • 環境学習(生活科)
  • 芸術
  • 体育

となります。

セカンダリースクールになると生活科が社会と総合理科に分かれます。

これらの科目の中で、母語のディベヒ語で授業をしなければならないのは国語と宗教の時間となり、その他の科目については英語での授業を行うことができます。

セカンダリースクールでは、イギリス式の修学試験であるOレベル及びAレベルのスコア獲得に向けての学習に重きをおくようになります。

余談にはなりますが、就学年齢の日本国籍を有する子どもがいて日本国大使館に申請していれば、年齢に応じた学年の日本の教科書を大使館で受け取ることができます。

ただし、郵送などの手配はされないので、通知が来たら、首都マーレにある大使館に出向く必要があります。

モルティブのリゾートアクティビティ

写真はリゾートアクティビティのモーニングフィッシング後の光景ですが、モルディブでは漁業は主要産業で水産科学を学ぶこともあります。

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モルディブでん教育費用。公立の学校は無償

公立の学校については、グレード1からグレード7まで無償で教育を受けることができます。

プライマリースクール前のプレスクール、日本でいう幼稚園/保育園に関しては有償となっています。

もちろん、私立学校(主にインターナショナルスクール)に入学した場合は、月々の教育費がかかってきます。

金額は、それぞれの学校及びグレードによって異なります。

ほとんどの外国人の子どもは、マーレもしくはフルマーレにあるインターナショナルスクールに通うことになりますので、参考までに以下のような学校があります。

  • Billabong High International School Maldives
  • Ghiyasiddin International School
  • Brightway International School
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新学年は1月中旬からスタートして11月中旬に修了

新学年は1月中旬からスタートとなり、11月中旬に修了となります。

基本的には、3学期制となり、各学期末には試験が行われ、その後、約1週間のスクールホリデーとなります。

学校のある期間は週休一日制となり、ラマダン(断食月)中も授業は行われます。

一つ日本と違うことが突然祝日ができ、突然休みになってしまうことが時々起こります。

南アジアでのサッカー大会に優勝した時には、優勝を祝うために翌日が祝日になったり、ラマダンが月曜日スタートだった時に土曜日と日曜日(モルディブの公休日はイスラムのカレンダーに従って、安息日となる金曜日です)がラマダン準備のための祝日になったりします。

これには、予測不可能な時もあるので、働いている親にとっては対応に困る場合もあります。

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モルディブで教育を受ける問題点5つ

モルディブは南北に長い国であり、一つの島が一つの機能を果たす(首都の島、空港の島、地方島、リゾート島など)という特殊な環境下にあります。

先に述べたように、首都及び地方島に学校はありますが、次のような問題点があります。

1.教育の質が学校によって異なる

教員養成講習は自宅学習及びスクーリングによって行われ、モルディブ人の教員が養成されます。

また、学年ごとのカリキュラムや学習教材もあります。

しかし、中央省庁の目が行き届かず、各教員がそれぞれよいと思っている独自の学習指導を行ったり、島ごとの独自のカリキュラム(特にディベヒ語、宗教、科学(水産業について))に従って行ったりと統一されていない状況にあります。

これには、モルディブの地理的な条件が邪魔し、中央省庁からオブザーバーを送って、教育の質の確認や教員の指導などが定期的に行えていない現状にあるからと言えるでしょう。

さらに、教員はモルディブ人のみでなくインドや他の国から来た教員、日本の海外青年協力隊の隊員などが授業を行うこともあり、モルディブで統一したカリキュラムに従っていくことをより難しくしています。

そのため、最新の情報が入りやすい首都マーレや比較的人口の多い地方島と首都から離れた地方島では、学習の到達度に大きな差が生じてしまうのです。

裕福な家庭の子どもは、早い時期からインターナショナルスクールもしくは海外の学校に入学する場合があるようです。

2.高等教育を受けられる学校が少ない

前述したとおり、グレード11及び12レベルの教育を受けられる学校は少数です。

また、そのような学校はほぼ首都マーレに集中しており、地方島で高等教育を受けることができる場所はかなり限られています。

仮に高等教育を受けられる学校に入学できたとしても、地方島出身の場合、その学校に通える範囲にある親戚の家、もしくは、下宿できる場所を見つけなければなりません。

首都マーレは、世界一人口密度の高い首都であり、超過密状態にあります。

多感な思春期に親元を離れ、肩身の狭い場所に放りこまれた結果、ストレスがたまりつい安楽な方向(例えば、ギャンググループに属す、ドラッグに手を出すなど)に流れてしまいやすいという危険性を伴います。

3.大学レベルの教育は分野が限られてしまう

グレード12を修了後、より専門的な分野について学びたい、もしくは、大学院レベルへ進み、修士号、博士号を修了したいとなった場合、残念ながらモルディブでは学ぶことのできる分野が限られてしまいます。

今現在、総合大学はマーレにメインキャンパスのあるモルディブ国立大学(4つのサテライトキャンパスが大規模な地方島にあります)、プライベートスクールとしてカレッジを名乗っている中で規模が大きいヴィラカレッジなどがありますが、大学、短期大学、専門学校が一つになったような形式となっており、入学した学生全員が4年間勉強をするという訳ではありません。

それぞれの分野、修了したいレベルによって年数が変わります。

また、モルディブ人のための高等教育機関であり、外国人留学生の受け入れに門戸を広く開放しているとは言えません。

もちろん、今現在、インターネットの発達でオンラインにて学び、修了できる場合もありますが、学部のない医学部や歯学部に関しては、外国の学校に行く必要があります。

その場合、様々な面で出費が重なってくるので、グレード12を修了後にすぐ留学せず、数年リゾートなどで勤務して、十分な学費が貯まってから大学に行くという人も少なくありません。

4.リゾート島では教育を受けることができない。地方島・首都に住む必要がある

モルディブで勤務する場合、多くの場合は観光業に従事することになり、リゾートでの住み込み生活となる場合が多いです。

その際、カップルで採用されることはあっても、子ども連れで採用されることはほとんどないと言っていいでしょう。

リゾートによっては、ゲスト向けのキッズクラブはありますが、教育に重点を置いた幼稚園/保育園、プライマリースクールは用意されていません。

近くに地方島があったとしても、先生が喋るのはディベヒ語中心となり、英語中心の他の国に移動した場合でも継続できる授業を受けたい場合には、首都マーレに住むしかありません。

また、両親もしくは片方の親がモルディブ人以外で一生モルディブに住む予定でない場合、地方島で通学することはあまり現実的とは言えないでしょう。

リゾートにて部署別サッカー大会を開催中。マーレ出身者は広い場所がない分、運動不足気味。運動の面では、地方島出身者の方が優れています。

5.特別支援が必要な子ども向けの教育施設がない

モルディブには、障害を持った人は家族の恥という封建社会的な面が長い間残っていた影響か、近年、特別支援学級は少しずつ増加傾向にあるもののまだまだ発展途上の段階だと言えます。

もし、子どものニーズにあった教育を受けさせたい場合は、海外にある特別支援学校に入学する必要がでてきます。

以上の点からモルディブの教育はまだまだ発展途上の部分が多く、両親ともに外国人の子どもは、ある程度の年齢になると片親と共に他の国へ行ったり、自国に戻ったりして教育を受けさせることが多いように見受けられます。

インターンシップの可能性

他のアジア諸国などで行われている短期語学留学。

残念ながら、モルディブではそのような外国人向けの語学学校がありません。

物価が高いため教員の確保や十分な生徒数の確保、また、広い土地がないために学校設備および宿泊施設の確保が難しい、生徒がアルバイトをして生活費を捻出することができないというのが現状です。

しかし、毎年、いくつものリゾートがオープンし、いくつかのリゾートが、直接もしくはホテルスクールを通して、インターンシップを探している場合があります。

もし、採用されれば、採用された部署でのトレーニングやリゾート内で行われるトレーニングなどに参加することができ、実地でリゾートでの接客業務を学ぶことができます。

また、海に囲まれた国らしく多くのリゾートでマリンバイオロジストを採用することが多くなっています。

そのアシスタントとしてインターンシップを募集していることがあります。

さらに、いくつかの海洋保護団体があり、その団体がインターンシップもしくはボランティアを探していることもあります。

ただし、条件として、海洋生物学や環境生物学、獣医学の学位を持っていなければならないことがほとんどです。

採用枠としては数少ないですが、採用された場合には、リゾートでの行われている環境保護活動(コーラルナーサリーの設置、リーフクリーニングなど)に携わったり、ゲストのアクティビティに参加して、海洋生物や環境保護の必要性を説明したりなどリサーチと仕事を同時に行い、学ぶことができます。

海洋保護団体の例として、マンタトラストやオリーブライドリープロジェクトなどがあり、それぞれの海洋生物の保護、個体数の確認、モルディブの子どもへの啓蒙活動などを行っています。そのプロジェクトに参加してアシスタント業務を行い、 マリンバイオロジストのインターンシップと同様のことができます。

最後の例として、美しいサンゴ礁に囲まれたモルディブで人気のあるマリンスポーツにスキューバダイビングが挙げられます。

そのスキューバダイビングのプロレベルであるダイビングインストラクターになるための教育を実際にダイブセンターに所属し、働きながら学ぶ、もしくはインストラクターコースを集中して受講することができます。

将来、モルディブでダイビングインストラクターとして活躍したいと考えている場合、実際にモルディブの海で潜り、どのようなコンディションで働くことになるのか、ゲストはダイビングスタッフにどのようなことを期待しているのかなどを見知ることができる環境で学ぶことができます。

学び働きながらこのジャイアントジェントル(マンタ)に遭遇する機会もあるモルディブ。

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観光大国モルディブでの教育制度についてまとめ

教育に関しては、地理的条件に不利があると言えるモルディブ。

教育水準を考えるとまだまだ発展途上の段階にあり、改善されなければならない点が多く見受けられます。

そのため、残念ながら、就学年齢の子どものいる家族の移住にはあまり向かない国と言わざるを得ません。

しかし、観光業の盛んなお国柄、実際に働きながら研究活動を行ったり仕事に対する知識を深めたりするインターンシップ制度は少しずつではありますが拡がりをみせています。

インターンシップ制度を利用して、フレンドリーなモルディブのお国柄の中で様々なことを学び、将来のステップアップにつなげてみるのはいかがでしょうか?

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