【海外駐在中に転職は有利?】私の経験から語る「準備事項」と「注意したいこと」

海外駐在中での転職

平成29年(2017年)10月1日時点の外務省の集計では、海外の日系企業の総数が約75,000拠点で、統計を開始した平成17年以降最多となりました。

グローバルに働けるチャンスはより広がり、今後も海外で働く赴任者数は増加していくでしょう。

そんななか海外駐在中に転職をする方も少なくありません。

ここでは、海外駐在期間中に、転職活動に踏み切り、最終的にはアメリカのIT企業へ転職した経験者から、その体験談や成功の秘訣をお伝えします。

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私が転職に踏み切ろうとしてきっかけ

転職を決めたネガティブな側面

原則として、海外駐在となると駐在期間が決まっており、原則的に途中帰任は認められません。仮に帰任をした場合は、退職を促される傾向もあります。

また、海外駐在は赴任地手当をもらえる企業もあり、海外駐在期間中にお金を貯めると言う人も多いです。

そのため海外駐在期間中に転職を行うと言う人は大企業になればなるほど少ないかもしれません。

一方、現地採用の人間は日本からの出向者と比べ、給与も待遇も低い。そのため他の企業へ移動することもあります。

私の場合は、上場企業でありながら赴任地手当がなく、給与も低かったこと。

上記が転職を決めたネガティブな理由であるが、ポジティブな理由もありました。

別業界でチャレンジしたい意欲

それはミャンマー、カタールといった2カ国で支店立ち上げを経験してきたことです。

その経験を1つの会社で終わらせるのではなく、別の会社または別の業界で生かしていきたいと言う気持ちになりました。

希望した転職先の環境

転職先の希望国は、香港、バンコク、日本でした。

香港:金融関係が多く、教育環境も高め。自身の見聞を広げるためには良い場所。

バンコク:物価が安く、東南アジアの拠点。

日本:生活拠点、仕事拠点 双方で整っている

仕事以外に、生活も考えて転職国を絞りました。

もともと、旅行業界から違った職種を考えており、日系企業が「海外駐在可能の人材」が少ないということも認知していたので、日本だけでなく、海外での転職も可能であれば、選択肢が広がると思いました。

結果的に、アメリカのIT企業への転職が決まりました。

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私の転職エージェントを探し方

転職エージェントは、個人で調べるのもいいですし、周囲に転職経験者がいれば、そうした人たちにどのエージェントを使ったのかを確認するといいでしょう。

1つ、2つの転職エージェントではなく、5つぐらいの転職エージェントに登録することをお勧めします。

それは転職エージェントによって、向き、不向きの業種、求人を抱えている職種が異なるからです。

そして転職活動のペースも、一つの企業の書類審査を終えてから、次を行うのではなく、同時進行で転職活動を進めていくことが効率的です。

参考記事:「外国暮らしを実現する最短の道・教えます

私が利用した転職エージェントは下記でした。

担当者制のためか、しっかりと求人が送られてくる。アドバイスも良いです。

また、他業種を担当している方からも求人がくるなど、社内の情報共有化がしっかりしているように感じました。

最終的には”wahlcase“という、IT外資に強いエージェントで職を見つけました。

こちらのエージェントは、求人を抱えている企業に担当者がはりつき、その求人を転職希望者に送ります。

そのため、求人元の企業とも信頼関係はできていると思います。

また、コミュニケーションは英語で行いましたので、TOEICのスコアが600程度、しかしコミュニケーションではそれ以上の能力があると思いましたので、そうした書類やスコアで見えない部分も、転職エージェントのスタッフが間に入って求人元へ紹介してくれたのだと思います。

AGTによって国に偏りや傾向はあるのか?

AGTでも、向き、不向きの業界があります。

アメリカはビザの取得が難しく、現在のトランプ政権では、外国人労働者より、自国の労働者を守る傾向があるので、ビザ取得はさらに難しいと予想されます。(管理職、上級役職者などは別として)

イギリス、シンガポールなど、ビザ発給に必要な最低給与があるので、それをクリアしなければなりません。

現地採用転職は、日系企業ではまず不可能です。

海外駐在、またはヘッドハンティングが出ないと難しいのが実情かもしれません。

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他業種への転職は難しい?

まず私は、業種を絞りました。

  • 製造業
  • コンサルティング業
    ※海外事業を手がけようとしている会社
  • IT
    ※これからの産業のため

転職活動を行なってまず気づいたのは、他業種への転職が思った以上にハードルが高いということでした。

これは、海外駐在しているしていない関係なくです。

裏を紐解くと、日系企業は先行投資できる資産をもっている企業が少ないためです。

そのため、

  • 日系企業は先行投資の人材は新卒に
  • 中途採用は即戦力を

という傾向にあります。

次に、私が旅行会社社員ということも、他業種への転職を難しくしました。正直、旅行会社という立ち位置は、他業種ではさほど必要とされる業種ではありません。

これまで二カ国で支店立ち上げを行い、特にカタールでは、支店立ち上げに伴い、市場調査、会計事務所の選定、銀行口座開設、ライセンス取得、事業計画など、経営側の業務まで行なってきました。

しかし、それはあくまで一旅行会社の中での話であり、転職先で”事業計画、戦略立案”といった海外戦略などのポジションは、どうしてもコンサルティングファーム経験者が優遇されるのでした。

私の先輩も転職活動を行いましたが、「海外経験はプラスであるが、自分が思った以上に重宝されていなかった」と述べていました。

転職活動を始める前に準備してほしいもの

まず、転職活動するにあたり、作成するのが下記2点です。外資系企業へエントリーする場合は英文履歴書(以下CV)が必要になります。

  • 履歴書
  • 職務経歴書

外資系企業には下記も必要:

  • CV(レジュメともいいます)

転職エージェントによっては、履歴書や職務経歴書をチェック(添削)してくれます。

さらに、周りで転職活動を行なった人がいれば、合わせてチェックをしてもらうといいでしょう。

その履歴書類が完璧だからといって、すべての書類審査が通ることはないと思いますが、完成度をあげて、少しでも書類審査突破の可能性を高めることはできます。

書類審査ですが、中途採用枠は少ないので、大半が書類審査で落選します

あらかじめ、そうであると考えて、気になった企業には片っ端からエントリーすることをお勧めします。

転職期間中に行ったこと

●復習

私は、転職面接の後に、どういった質問をされたかなどを書き出し、復習していました。
「ここはもう少し短く言えなかったか」
「こういう質問があるんだ」
と復習することで、面接の完成度をあげていけると思ったからです。
実際、面接で落ちることは悔しいのですが、「次に繋がる落選」にするためにも、面接の結果に限らず、日々面接後に復習をしましょう。

●予習

もちろん、復習だけでなく予習も行いました。
他業種への転職の場合業界研究も必要になります。
面接の際、聞かれる傾向のある質問です。

  • 転職に至ったきっかけ
  • 自身の強み、弱み(3つ程度それぞれ準備するといいでしょう)
  • 現在の企業のKPI(評価基準)

※多くの面接で、日本語で評価基準と言わず、KPIというビジネス用語を用いてくる面接官が多かったです。

ここでは、KPI=評価基準とだけ認識しておくといいでしょう。

KPIは、主に会社の評価水準です。前職の評価基準は、下記で、ほぼ予約者数が評価の基準でした。
1:予約者数
2:売上
3:利益
利益ゼロでも、10人の予約をとる方が評価される傾向にありました。
企業によって、評価基準が異なるので、どうして予約者数が、評価基準で一番優先順位が高いのかを説明できれば、問題ないです。(予約者数が多いと、シェアが多いとアピールとなり、エアラインやホテルに交渉して、良いレートがもらえるため)
  • 当社を志望した理由
  • その他質問

外資系では特に、質問があるかないかを聞かれます。

実際、質問がない場合は、興味がないとされてマイナスイメージになります。

そのため、あらかじめ質問を3つほど用意しておくといいです。

例えば:

  • 私が仮に入社できた場合、何を期待しますか
  • 今後の、戦略&ビジョンについて
  • 自身が赴任している国(していた国)へ、ビジネス進出があるのかどうか

実際の転職活動を通して感じたこと

あくまで私が感じたことですが、大きくわけると日系と外資の違いが見えました。

日系企業:

書類審査は学歴、出身企業で判断をする

外資企業:

個々のこれまでの経歴、または個性で判断をする

もちろん、外資が「学歴なんて関係ない」というかというとそうではありません。

マッキンゼー、ゴールドマンサックスなどメガ外資は、学歴も重要になってきます。

外資では、もちろん語学力が必要となります。

海外赴任者であれば、語学力はある程度あるのではと思います。

海外駐在の経験や、語学力を用いて、転職する際は、日系企業だけでなく、外資企業への道も検討するともいいかもしれません。

海外駐在者の転職って有利なの?駐在経験って使えたのか?

海外駐在者の転職が有利に働くとすれば、英語がしゃべれると行った点です。

海外での経験が次の職種に最適かどうか、例えば海外駐在時にお客様対応だけ行ってきたスタッフが、転職先で経営戦略のポジションに応募したとしても、通ることは難しいでしょう。

しかし、すべての職種に言えるのですが海外駐在経験者の転職先では、次も海外の業務と言う日本国内ではなく国外の業務の求人の方が取りやすいと思います。

  • 海外駐在経験あり(途上国)
  • 英語可能

この2つがあり、業種を絞らなければ求人先はあるでしょう。

一方、海外駐在をしても生活の大半を日本人コミュニティーの中で過ごしている人も多いです。

そのため思ったより語学が上達していないと人もいると思います。

海外駐在で得た経験を次の職種に活かしたいと言う場合は、普段の業務と語学を磨くことをお勧めします。

代表的なオススメ海外転職サイト

海外転職サイトへの登録は済ませておきましょう。

海外の転職サービスは各国異なるため、ここでは国内の転職市場においてトップに入る転職サイト、およびハイクラス向け海外転職サイトをご紹介します。

登録無料で利用でき、海外求人数は豊富です。また、職務経歴書・面接対策といったサポートがしてもらえます。

  1. リクルートエージェントに登録する
  2. パソナキャリアに登録する
  3. 海外ハイクラス勤務求人のビズリーチに登録
  4. DODAに登録する

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