いま、海外移住先として人気上昇中のオーストリアですが、オーストリアに移住する大きな目的の1つに「留学」があります。
今回も、家族でオーストリアで移住し現地の生活を楽しむサトウタクマさんに、オーストリアの留学関連の情報を紹介していただきました。
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オーストリアへ留学する目的は?
オーストリアには、
- 30校程の公立・私立大学
- 10校以上の語学学校があり
20万人以上の大学生が学生生活を送っています。
人気は音楽留学!
このように留学に適した施設が充実しているオーストリアへは、毎年世界各地から多くの学生が様々な留学目的で移住してきますが、中でもオーストリアで特徴的な留学目的として特に人気なのは、やはり「音楽」です。
オーストリアには世界最高峰のウィーン国立音楽大学を始め、数多くの優れた音楽大学や音楽院があり、実際にたくさんの日本人が音楽留学をしています。
音楽大学の他にも、音楽高校やバレエスクールなど中学・高校に相当する学生を対象とした寄宿学校もあり、世界中から様々な年齢の多くの学生がオーストリアへ音楽を学びに集まっています。
このように音楽を学ぶ環境が整っているオーストリアで実際に音楽留学をしている学生の多くは、学校ではなく師事する先生によって留学先を決める場合が多いとのことなので、留学先を探す場合は、夏季の短期留学等を利用し希望する先生のレッスンを受けてみるなどして事前に先生との相性をチェックしてみるのもいいかもしれません。
ドイツ語と英語が学べる環境
また音楽留学以外でも、世界の様々な地域から人の集まる国際色豊かなオーストリアの各都市では、留学生活における英語の使用頻度が高いことから、母国語であるドイツ語だけでなく、英語を学ぶ目的で語学留学をする日本人も多くいます。
言語習得を目的とした語学留学や交換留学先としては、アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリスといった英語圏に人気が集中しがちですが、音楽や芸術の空気の中でドイツ語だけでなく英語も学べるオーストリアは語学留学先の穴場としておすすめできます。
音楽だけじゃない!さまざまな分野の留学も可能
さらに、ドップラー、シュレディンガー、ボルツマンといった名だたる科学者を産んだオーストリアでは、自然科学を始めとした多くの学問領域でハイレベルな教育を受けることができるため、音楽や語学だけでなく、物理、天文、化学、歴史など様々な学問領域に渡って世界から多くの留学生が集まっています。
オーストリア留学にかかる費用は?
次に、オーストリアへ留学すると一体いくらくらいの費用が必要となるのか、生活費や学費を中心に留学にかかる総費用について紹介します。
生活費
まず、生活費についてですが、過去の記事
関連記事:オーストリアの生活費について
で紹介したように、オーストリアの都市部で学生が1人暮らしをする場合は、家賃は、1ヶ月400ユーロ前後。
ルームシェアでは200−300ユーロ程度が目安となります。
食費・光熱費・通信費等のその他の生活費は、1ヶ月100から200ユーロ前後が目安となります。
ですので、特に贅沢をしなければ、家賃込みで1ヶ月400から600ユーロ程度(5万から8万円程度)の生活費で不自由なくオーストリア留学生活が遅れると思います。
学費
次に、学費についてですが、オーストリアでは、1年を2つのセメスター(学期)に分けるセメスター制が基本となっており、公立大学では1セメスターあたりの学費はEU外の学生は約762.72ユーロ(10万円程度)で、受験料や入学金は無料です。
私立の大学や高等学校についても、各校により入学条件や学費が異なるので、問い合わせが必要です。
しかし、ここで1点注意が必要なのが、多くの大学で入学の条件として「十分なドイツ語能力」が求められる点で、この条件を満たすために入学前に私立の語学学校に通う必要が出てくる場合があります。
オーストリアにおける語学学校の学費は、ドイツ語のレベルや各学校によって大きく異なり、1ヶ月150ユーロ程度から500ユーロ程度と幅広いため、事前にチェックが必要です。
まとめると、1ヶ月の留学生活にかかる費用としては、学費も込みで、
- 公立の大学で、500から700ユーロ程度
- 語学学校で、600から1000ユーロ程度
が目安になると思います。
オーストリア留学に必要なビザ・滞在許可は?
続いて、オーストリアで留学するのに必要なビザや滞在許可についてですが、過去の記事
リンク
で紹介したように、オーストリアでは、オーストリアと日本の二国間の査証免除取極により入国に際して基本的にビザの取得が必要ありません。
また、この制度により1年間のうち最大6ヶ月まで滞在許可の取得が必要なく滞在可能なので、1セメスター(半期)内の留学あれば、ビザ・滞在許可取得の必要はありません。
ただ、交換留学等の目的でオーストリア入国前に留学先が正式に決定している場合など、日本出国前に短期滞在ビザ(Dビザ)を取得することが必要となる場合もあるので、移住前に、下記の在オーストリア日本大使館へビザの要否を問い合わせることをおすすめします。
次に、滞在が6ヶ月以上になる場合は、滞在許可の申請・取得が必要になります。
オーストリアの滞在許可は現地での申請が原則なので、無査証で入国後に各州政府の移民課にて申請することになります。
オーストリアの滞在許可制度の嬉しい特徴
このオーストリアの滞在許可制度で嬉しい点としては、就学目的であっても家族分の滞在許可の取得も可能な点です。
さらにこの留学カテゴリーの家族分の滞在許可は、就労も許可されているので、家族が現地で仕事をすることも可能です。
これらのビザ・滞在許可についての詳しい情報はこちら(リンク)で紹介しています。
関連記事:オーストリアのビザについて
注意点
ただ1点、オーストリアの留学カテゴリーの滞在許可について注意したいのは、語学学校だけを目的とした留学に対する申請が許可される可能性がとても低いという点です。
ですので、大学等に入学しない純粋な語学留学を考える場合は、滞在許可取得の必要のない6ヶ月未満の滞在をおすすめします。
・在オーストリア日本大使館
住所: Hessgasse 6, 1010 Vienna, Austria
電話: (01) 531 92 0 (国外からは +43 (1) 531 92 0)
ウェブサイト: 在オーストリア日本大使館
留学生活におけるオーストリアの言語環境
続いて、留学生活を送るにあたり気になる言語環境ですが、まず、先ほど紹介したように、現地の大学等への入学資格として「十分なドイツ語能力」が必要となります。
具体的には、現地でドイツ語の教育を受けた経験のない多くの人は、この入学資格を得るために、オーストリア政府公認ドイツ語能力検定試験「ÖSD」等の検定試験を受けることになります。
ÖSDの試験は、レベルによってA1、A2、B1、B2、C1、C2と6段階に分かれており、目安としては、
- Aは日常会話レベル
- Bは生活に困らないレベル
- Cは細かいニュアンスまで表現可能なドイツ語環境での就職が行えるレベル
となりますが、多くの大学でB1かB2レベルが入学の条件となっています。
しかし、例えば、B2レベルの試験に合格するには、一般に700時間以上の勉強が必要とされているため、オーストリアの大学への入学を目指すに当たっては、日本にいる時からドイツ語の勉強を始めることが得策かもしれません。
このÖSD試験は、日本でも年に2回1月と6月頃に東京、大阪等を会場に開催されているので、事前に日本で合格しておくと、入学手続きや滞在許可の申請がスムーズに進むと思います。
日本におけるÖSD試験の詳細ついては、下記のサイトから確認できます。
ÖSD日本事務局
しかし、交換留学など、現地の大学への正式な入学でない場合は、現地で手続きをする際にドイツ語能力を示す必要がない場合が多いです。
また、様々な国から学生の集まるオーストリアでは、実際の留学生活において、ドイツ語より英語の方が使用頻度が高い場合が多いです。
例えば、学生同士の会話は英語だけで多くの場合で不自由ないですし、オーストリアの多くの大学や大学院で、卒業論文発表等において英語を許可する場合も多く、また、授業や演習を英語で対応してくれる先生も多くいるので、入学後のドイツ語の心配は比較的少なくて済むと思います。
オーストリア留学のまとめ
今回は、オーストリアの留学関連の情報を紹介しましたが、参考になられましたら幸いです。
オーストリアでは、音楽を始めとし、語学、科学など様々な目的で多くの日本人が留学生活を楽しんでいます。
オーストリアは、留学のための制度が充実しており、費用も安く、さらに過去の記事でも紹介したように治安も非常にいいので、留学先としておすすめです。
今回紹介した留学の条件や大学・語学学校などの留学先の情報などは、短い期間で変わってくるので、興味のある方は、移住を決める前に在オーストリア日本大使館のウェブサイトをチェックし、場合によっては直接問い合わせをすることをおすすめします。
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