あまりイメージがないかもしれませんが、実はイタリアはヨーロッパの中でも税金が高い国なのです。
すべて内税で表記されているので、気にしていないといくら税金を払っているか分からないのですが、実際には日本よりはるかに高い税金を払っています。
それではイタリアでの生活で何にどれくらいの税金払う必要があるのか見てみましょう。
イタリアの消費税〜付加価値税・Imposta sul Valore Aggiunto(IVA)
日本の消費税にあたる税金として、イタリアには付加価値税があります。
イタリアで買い物をすると誰もが払う税金です。
スーパーマーケットなどでは商品の金額に全てこの付加価値税が含まれています。
2018年12月現在、標準税率は22%と日本よりはるかに高い税率です。
生活必需品など一部の商品は、次のように10%と4%の軽減税率が適用されています。
【軽減税率10%】
食料品(米、小麦粉、卵、鮮魚、食肉、ハム、果物、砂糖、酢など)、薬、映画、観葉植物、肥料、建物、建物の修復関連、ホテル、バール、レストランなど
【軽減税率4%】
食料品(生鮮野菜、牛乳、紅茶、マーガリン、チーズ、バター、オリーブ油、パン、パスタなど)、医療補助器具、書籍、新聞など
イタリア人と付加価値税
お店でそれぞれの商品に税率の記載はないので、イタリア人でもどれがどの税率とすぐに答えられる人はいません。
基本的には22%、生活必需品は税金が安くなっていると理解している人がほとんどです。
お店によってはレシートには税率が記載されていることもあります。
パスタの税率が4%でお米の税率が10%などにもイタリアの食生活が表れていますよね。
また付加価値税は以前から増税が決まっているのですが、ここ数年毎年のように予算法で実施が先送りにされているため、いつ増税になるかは分からない状況です。
イタリアの所得税 Imposta sul reddito delle persone fisiche
イタリアでも働くと所得税を払わなければなりません。
所得税は累進課税方式で、具体的には次のような税率になっています。
- 所得15,000ユーロ(約188万円)以下 :23%
- 所得15,000ユーロ(約188万円)超~28,000ユーロ(約350万円)以下 :3,450ユーロ(約43万円)+15,000ユーロ(約188万円)超過分の27%
- 所得28,000ユーロ(約350万円)超~55,000ユーロ(約688万円)以下 :6,960ユーロ(約87万円)+28,000ユーロ(約350万円)超過分の38%
- 所得55,000ユーロ(約688万円)超~75,000ユーロ(約938万円)以下 :17,220ユーロ(約215万円)+55,000ユーロ(約688万円)超過分の41%
- 所得75,000ユーロ(約938万円)超 :25,420ユーロ(約318万円)+75,000ユーロ(約938万円)超過分の43%
(1ユーロ=125円で計算)
この所得税の中には国民健康保険も含まれていますが、それにしても日本と比較するとイタリアの所得税は高いと言えます。
給与所得者は毎月給与よりこの所得税が引き落とされます。
また州税や市税もあるので、全体の30%以上が税金として給料より引き落とされる計算です。
プラス給料の9.19%または9.49%(従業員数や業種による)の年金も引き落とされるので、一般にイタリアでは手取り額は給料の半分とも言われます。
個人事業者の税金
個人事業者として働く場合には、まず会計士に依頼して商業税番号(Partita IVA)を取得する必要があります。
Partita IVAはたくさん種類があり支払う税金の金額も異なってきます。
各個人の仕事の内容やどのくらいの売り上げが出せるかを会計士が考慮して、適切なPartita IVAを選んで決めます。
一般的には収入の半分以上を税金として納めなくていけないケースが多いようです。
ゴミ処理税 Tassa per lo smaltimento dei rifiuti solidi urbani(TARSU)
日本とはしくみが違うので紹介しておきますが、イタリアでは家の広さや居住人数などに応じて決められた金額のゴミ処理税を払います。
地方自治体ごとに計算方法なども異なりますが、年間100ユーロから300ユーロくらいになります。
引越したら忘れずに自分で市役所に行って登録する必要があります。
滞納すると罰金も加算されるので注意しましょう。
納税者番号 Codice Fiscale
税金を払うときにはもちろんのこと、銀行口座の開設や定期券の購入、携帯電話の購入などでも求められます。
不動産や車の購入にも必要で、イタリアでは様々な場面でこの納税者番号が必要になってきます。
この納税者番号があるために、イタリアでは比較的簡単に国が個人のお金の流れを把握することができます。
パスポートとビザとイタリアでの住所が証明できるものがあればすぐに取得することができます。
取得できる場所はAgenzia delle Entrateと呼ばれるところで、市役所などでCodice Fiscaleを取得したいと言えばどこにあるか教えてもらえます。
税金を納めるかどうかにかかわらず、イタリアで生活を始めたら早めに取得しておきましょう。
イタリアでの税金の使われ方
イタリアの医療制度は長所も短所もありますが「すべての人に医療を」という点ではとても優れた医療制度です。
そのため税金も多く使われています。
イタリアの医療制度を利用するためにはまず、Tessara Sanitaと呼ばれる国民健康保険証にあたるものを取得します。
学生ビザなどで滞在し、所得税を収めない場合にも、年間150ユーロ程度の加入費を払えば取得することができます。
そしてホームドクターを選択し、何かあれば無料でホームドクターの診察が受けられます。
ただ、使える税金にも限りがあるため、ホームドクターはいつ行っても長時間待たなければならない、病院での検査の予約をしても半年先になってしまうなどの問題もあります。
仕事をしてくてもない!イタリアの失業率の高さ
イタリアでは仕事をしたくても仕事がないという状況が続いています。
特に若年層の失業率は40%近くなっており、深刻な問題となっています。
イタリアの郵便局は午前中しか営業していないところも多く、市役所なども窓口の開いている時間が曜日によって午前だけ午後だけだったりします。
スーパーマーケットに行っても、何か店員に聞きたいことがあっても、店員の数が少なくてなかなか店員が見つからないこともあります。
日本人の感覚ではもう少し働く人を増やしたらサービスの向上にもなるし、雇用問題の解決にもなるのではないかと思うのですが、そうはうまくいかないようです。
イタリアでは、会社が人を雇うためには会社も高い税金を払わなくてはならないため、雇用する側もかなり慎重になります。
これがイタリアでの仕事探しを難しくしている原因の一つとも言えます。
ラボロネーロ
税金が高いことから、ラボロネーロと呼ばれる違法での仕事が蔓延しているのも問題の一つです。
会社は正式な契約書を交わさず、払うべき税金を払わずに雇用するのです。
そのため雇われた側は給料が滞納するなど何かあっても泣き寝入りするしかない状況になります。
また家の修理などを依頼すると、支払いのときにネーロにする?と聞かれることも珍しくはありません。
ネーロにすると修理代が少し安くなるのです。職人側も請求書を発行しないため、税金を払わなくて済むからです。
このネーロのシステムは両者ともにメリットがあるので、なくならないのが現状です。
変わる税制
イタリアではあらゆる法律がたびたび変わります。
税制も例外ではないので、常に最新情報をチェックしておく心がけが必要です。
また税金についてはかなり複雑な部分も多いので、自分でさらに確認するようにするといいでしょう。
税金が高くて失業率も高く仕事を見つけるのが大変な国、残念ながら、それがイタリアの現状です。
それでも住んでみたいと思わせる魅力的なことが溢れている国がイタリアです。
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