南アフリカに移住や長期滞在となったとき、生活を支えるために仕事を始める人もいるのではないでしょうか。
住む国よって経済事情は異なりますが、南アフリカは貧困のイメージが強く収入が少ないのでは?と考える人もいるはずです。
ここでは、南アフリカの平均収入について現地在住者よりお伝えします。
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南アフリカの所得格差による貧富の差は激しい
日本で暮らしていると貧富の差を感じることは少なく、誰もが平均的な生活をしているような印象を受けますが、南アフリカは所得の違いにより貧富の差が激しいのが現実です。
安定した収入で毎月、決まった額のお給料を受け取る平均的な人もいれば、その日暮らしで明日は仕事があるか不安な日々を過ごす人たちもいます。
仕事があっても賃金が安く食べていくのが精一杯という人、たくさんの賃金をもらい豪華な家に住み高級車を所有する裕福な人とはっきりと分かれているのが特徴です。
地域による所得格差。ハウテン州や西ケープ州は高所得が多い傾向
日本の場合、都市部では賃金が高く田舎は低所得の傾向がありますが、南アフリカでも同じようなことがいえます。
南アフリカは9つの州に分かれていますが、最も所得が多い州はハウテン州でヨハネスブルクやプレトリアなどの大都市があり、次に西ケープ州でケープタウンがこの州に当たります。
これらの都市に住む人々は、比較的給与が高く設定されているため条件の良い職業に就けば高所得も夢ではありません。
反対に収入が低い地域は東ケープ州で、約7割の住民は貧しい生活を送っています。
しかし、前述したように貧富の差が激しいので、都市部に住んでいても仕事が見つからず貧しい生活を送っている人もいますし、貧しい州に住んでいても豪華な生活を送っている人もいます。
南アフリカの平均年収は120〜180万円
南アフリカの平均月収は、約10万円~15万程度です。年収にすると120〜180万円。
もちろん平均月収より稼ぎが低い人もいればたくさんお給料をもらう人もいます。
大学や専門学校を卒業して資格やスキルがあれば月収はそれなりに良くなりますが、特別なスキルがないと毎月15万円前後で生活していかなければなりません。
単身者であれば何とか生活できますが、家族がいる場合この程度の月給で毎月やり繰りするのはかなり難しいでしょう。
資格があれば月収は上がり、約20万円~50万円稼ぐ人もいます。
南アフリカでは日本語が話せる人を探していることがあるので移住となった時、日本語のスキルがあれば給与の交渉も可能です。
例えば同じ事務職でも日本語ができると他の人より給料アップも期待できます。
現地の日本人事務職の場合、約20万円もらえると給与が良いということができます。
南アフリカで年収が高い5つ職業
1. 弁護士:年収1100万円ほど
法律の専門家である弁護士は、世界に共通して収入が高いと言ってよいのではないでしょうか。企業が弁護士を雇ったり、個人的な依頼など需要の高い職業です。
企業内で働く弁護士もいれば、独立開業して自分で事務所を構える人もいます。
年収にすると約R1,552,000ランドで、日本円にして約1,150万円くらいで他の職業に比べてかなり高額な収入です。
2. 医師:年収1,000万円ほど
医者はどの国でも高給取りのランキングのトップに入りますが、南アフリカでも収入がよい職業のひとつです。
病院にはたくさんの診療科があり専門性も異なりますが、脳神経外科は専門性が高いため、他の診療科の医師と比較するとお給料が高い傾向にあります。
年収にすると約R1,440,000ランドで日本円に換算すると約1,000万円弱になります。
3. IT関係:年収1,000万円ほど
IT関係の仕事といっても、さまざまな種類がありレベルによってもお給料が異なります。
特にお給料が良いといわれているのは、ITダイレクターで、技術関係やビジネス、組織全般の責任を担う仕事で、年収にすると約1,000万くらいです。
そのほか、ソフトウェアエンジニアやテクニカルリーダーといった仕事も収入がよく人気のある職業です。
- テクニカルリーダーは、チームをまとめる役割を担う責任のある仕事のため年収が約800万円~
- プログラマーは経験年数やレベルによりますが約400万円~500万円程度
となっています。
入社した会社で経験を積み重ねることで、責任のあるポジションに抜擢され昇給したり、経験を積んだ後にお給料をアップする目的で他の会社に移る人もいます。
4. ファイナンシャルアドバイザー:年収800万円〜1,000万円ほど
資産や投資、税金、保険などお金に関するアドバイスを幅広く行う仕事です。
企業や個人に合わせた資産運用やアドバイスを行い、顧客が安心できるように財産運用を進めていきます。
経済状況やお金に関係する法律の変更などを把握して顧客に情報を伝えたり、投資のタイミングやオプション、リスクについてアドバイスをします。
そのほか、個人の目標に合わせて資産計画を立てたり、保険や年金、株式や債券なども販売することもあります。
年数や経験、コミッションにもよりますが、毎月約100万円程度稼ぐ人もいます。年収にすると平均約800万円~1,000万円以上など能力によって異なります。
5. インシュアランスブローカー:年収1,000万円ほど
大きな保険会社のエージェントとして働いたり、独立開業する人など働き方はさまざまですが、主に保険やリスク管理の専門家として働く人を指します。
保険の種類には、健康保険(個人のもの)、生命保険、車両保険などあらゆる保険関係の商品を取り扱います。
顧客に利益をもたらすためアドバイスやリスク管理を行ったり、保険会社の代理人として働くこともあります。
保険の知識や契約上の規則、メリット、コストなどを把握しているため最適な保険を見つけるのに役立ちます。
月収は約100万円以上で、年収にすると約1,000万円以上稼ぐ人もいます。
南アフリカで人気の職業
日本にも人気の職業がありますが、南アフリカも同じように人気の高い仕事があります。
ここでは、筆者の経験や現地の人から調査をした南アフリカで人気のある仕事をまとめました。
・IT関係
IT関係の仕事は他の仕事と比べてお給料が良いことや安定した就職率から人気のある職業といえます。
プログラマーやウェブデザイナーなど仕事も多岐に渡りますが、独立すれば自宅がオフィスがわりとなって家で仕事が可能です。
IT関係は育児と仕事の両立面から女性にも人気が高く、ある程度スキルを身につけた後で独立開業する人もいます。
都市部では通勤時間帯の交通渋滞が激しく、また子供の学校への送迎は親の役割ですが、渋滞を避けたい人や送迎の負担を軽くする目的で自宅で仕事をする人も増加傾向にあります。
関連記事:【世界的な人材不足】海外移住を叶える仕事にアノ職業をオススメする理由
・受付・事務職
求人数が多いことや8時~16時までというように勤務時間が決まっているので、働きやすく、残業もほとんどないため育児中の母親に人気です。
出産・育児で職場を退職しても、受付や事務職は常に求人があり、更に特殊な資格がなくても応募できるため再就職しやすい職業といえるでしょう。
一般的な事務職の平均月収は約R5,000ランド~R12,000ランド(約5万円~10万円程度)ですが、経理の資格があればやや高めのお給料も期待できます。
ホテルの受付や旅行オペレーターなどは日本人観光客の対応や、輸出入関係の仕事は日本との取引の関係から日本人には狙い目の職業ではないでしょうか。
・教師
幼稚園や小中学校の先生は女性に人気の職業といえるでしょう。
年収が抜群に良いわけではありませんが、長く務められることや午前中で終了することから家庭と仕事の両立が可能というのが理由といえます。
幼稚園の先生は、学校が午前中で終わるため、残業や午後の部活動を教えることはありませんが、小学校の教師は午後に部活動を担当することもあります。
男性の場合は、ハイスクールや大学教員といった少しハイレベルな選択を好みます。
・土木技師
現地ではCivil Engineerと呼ばれる職業で、道路や建物を作る時の現場監督の役割を果たします。お給料も比較的良く仕事の特徴から男性に人気の仕事です。
さまざまな場所に出向くため出張が多いので、柔軟に対応することが大切です。
・看護師
医師や看護師、薬剤師、医療技術者なども男女に共通して人気があります。
特に看護師は仕事が安定していることや、資格を取得すれば海外で働くチャンスにも恵まれ、実際にイギリスや中東方面に数年出稼ぎに行き、貯蓄を増やす現地の看護師もいます。
大学や専門学校を卒業後、現地の保健省に登録すれば国内のどこに行っても求人がありひっぱりだこです。
日本と同じように現地でも看護師は人手不足なので就職に困ることが少ないのも人気のようです。
但し日本人の場合、日本の看護師免許があっても現地の看護師として働く時はある一定の条件を満たすことが必要です。
まず、現地の保健省に登録して必要なコースを受けたり、試験を受けて合格しなければ看護師の仕事に応募したり、登録することはできません。
関連記事:日本人が海外で働ける職種23選(体験談付き)!有望分野や変わり種も
高収入の仕事に就くためのコツ
IT関係といった需要の高い仕事は常に募集しているので、リクルートエージェントに登録しておくことをおすすめします。
代表的なオススメ海外転職サイト
海外転職サイトへの登録は済ませておきましょう。
海外の転職サービスは各国異なるため、ここでは国内の転職市場においてトップに入る転職サイト、およびハイクラス向け海外転職サイトをご紹介します。
登録無料で利用でき、海外求人数は豊富です。また、職務経歴書・面接対策といったサポートがしてもらえます。
希望条件を伝えることで条件に合った仕事を紹介してくれますし、定期的に連絡が入ります。条件が合わないときは遠慮せず断っても問題ありません。
最初は月給が安くても経験を積んだり「自分はこれだけできる」と、スキルをアピールすることで高額な収入を得ることも可能です。
就職面接で聞かれること
南アフリカで年収をアップさせるためには、条件の良い仕事に就くのがポイントです。
日本の場合、仕事に関する専門的な質問をされることは少ないですが、南アフリカは自分が携わる仕事に対してどれくらい知識や技術があるか、専門的な質問をされることがあります。
面接で好印象でも専門的な質問に答えられないと希望の仕事に就くのが難しくなります。
年収をアップするために職場を変えたり、昇進希望を出すことがありますが、新しい職場の面接では、今までやってきた仕事や新しい職場で何ができるかが問われるので、答えを準備しておきましょう。
また昇進するときは、テクニカルテストや面接にパスしなければならないので、日々の努力が大切です。
南アフリカの富裕層の仕事は・・
南アフリカは貧困の差が激しい国ですが、自宅のほかに別荘を所有し豊かな暮らしをしている人もいれば、住み家がなくテントを張って野宿生活を送ったり、スラム街でトタンやベニヤ板をつなぎ合わせた家の住む人もいます。
富裕層といわれる人達はどのような仕事に就いているのかといえば、
- 自分で不動産を所有している人
- 自分で会社を経営し成功している人
- ワイナリーの経営者
- インターナショナルな仕事に就いている
という人が多いといえるでしょう。
インターナショナルの場合、お給料は南アフリカランドではなくアメリカのドルやイギルスのポンドというように、海外の通貨に換算してお給料が支払われるので、現地の会社で働くより高額なお給料を受け取れるのです。
また、収入ランキングでもトップに挙がる医師や弁護士も富裕層の一部ですが、医師のなかには農場を持っていたり、不動産投資をして豊かな生活を送っています。
収入がなく貧困に苦しむ人々
南アフリカは世界的にも貧しい国であることは知られていますが、特殊な技術や能力がある人、働く意欲のある人は何らかの仕事に就いています。
しかし、手に職がない人は仕事が見つからず日々貧しさとの戦いです。
収入が少ない人や無職の人は、「タウンシップ」と呼ばれる家賃や電気代が不必要な家に住んでいます。
住居はトタンやレンガを組み合わせた手作りの家に住み、狭いリビングルームに何世帯もの家族が集まって寝床を共にしている人もいます。
キッチンがある家もあれば、キッチンがない家は外で炊き出しをして毎日料理を作っています。洗濯機はなく手洗いで洋服を洗うといった生活です。
更にトイレやシャワーは、家の中に設置されなく外にある共同トイレやシャワーを使うといった生活を強いられています。
移住後の子供たちの将来を考えたとき
収入が少ない貧しい家で育った子供は、学校に行きたくても行けない状況です。
子供が将来の夢を抱いていても大学や専門学校へ行くための授業料が払えず中退したり、進学をあきらめざるを得ないのが現実です。
そのため成人しても学位や専門的な知識がなく仕事に就くことがでなかったり、仕事が見つかっても収入が低く貧困生活から抜け出すことができません。
また、南アフリカの教育システム上、専門性の高い職業に就きたい場合、選ばれた者しか大学への入学が許可されません。
弁護士や医師など専門的な仕事に就きたい場合、学校の成績をトップクラスに維持する必要がありますし、学費もかかるので収入が少ないと夢をかなえることができません。
日本のように誰でも希望の学部に入学して勉強できるのではなく、医療技術者や弁護士など専門的な分野は成績優秀者でないと入学できないのです。
これから家族で移住を考えている方で小さなお子さんがいる時は、子供の将来を考えて進路を検討することが大切です。
子供の将来を考えて、良い職業に就かせたいと願う時は、常にトップクラスの成績を維持する努力が必要です。
南アフリカの収入事情や貧富格差のまとめ
南生アフリカは経済状況が安定せず貧困な国と思われがちですが、なかには収入が多く裕福な暮らしをしている人もいます。
経済情勢が不安定といわれていますが、きちんと仕事を見つけて真面目に仕事をすれば人並みの収入が得られ日本と変わらない生活が送れます。
また、南アフリカに住む日本人は少ないため、日本語ができることを積極的にアピールすることで仕事が見つけやすくなりでしょう。
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