海外で暮らすとなった時、一番心配なのは住む国の生活環境や生活スタイルではないでしょうか?
憧れの海外生活を送れると思ても、日本とは勝手が違うので不安を抱える人もいるはずです。
特に南アフリカで暮らす日本人は少数なので、現地の生活の様子の情報が得にくいといった欠点もあります。
ここでは在住者による南アフリカの日常生活や、生活スタイルについてお伝えします。
1.南アフリカの生活水準
南アフリカは貧富の差が激しく、生活水準は日本や欧米諸国と比べると低いといえるでしょう。
発展途上国で失業率も低いので、常勤で働いている人の割合は国全体で約30%しかいないと言われています。
国民の半数は貧困層で毎日の食事にも困っている人がいる一方で、都市部に暮らす人のなかには家や土地などの不動産を有し、高級車を乗り回す裕福な暮らしをしている人もいます。
国全体でいうと所得は低い傾向にありますが、仕事の種類や資産の有無によって優雅な生活を送っている人がいるのも事実です。
2. 動物は街の中を歩いていない
日本にいる親族や友人から時々、このような質問を受けることがあります。
南アフリカに対する人々の印象は、砂埃の舞う道路にゾウやライオンなどの野生動物が歩いていると想像する人も少なくありません。
アフリカといえば真っ先に思い浮かべるのは野生動物で、日本のメディアもサファリやマサイ族が住んでいる光景を放映する機会が多いため、こういった印象が定着しているといえます。
野生動物は国立公園や自然保護区といった場所で保護されているので、街中で見かけることはありません。
まれにシマウマやスプリングボック、ダチョウといった草食系の動物を見かけることはありますが、個人で飼育していたり、国で保護されている動物たちです。
3. 民族で違う生活様式
南アフリカは多民族が暮らす国家で、各民族によって文化や生活環境が違います。
生活スタイルが違うことを理解しておくと、長期滞在や永住した時に違和感を強く感じることがないので、極度のカルチャーショックを受けずにすむでしょう。
・黒人
南アフリカの黒人は貧しいイメージですが、近年では広い家に住み自家用車を持ち優雅に暮らすリッチな黒人も増えています。
しかし、黒人全体はまだまだ貧困に悩まされ、スラム街に住んだりホームレス生活を余儀なくされる人がいます。
電気コンロを買うお金がないため、家の外で薪を燃やし調理をしたり、トウモロコシの粉を水で練ったものが1日の食事といった貧しく不便な生活環境といえます。
・白人
アフリカーナと呼ばれるヨーロッパ系の民族で、近代的で欧米のような暮らしぶりです。
戸建ての家に住み、恵まれた生活環境で3度の食事を食べ、余暇を楽しむのが白人といえるでしょう。
4. 南アフリカの生活環境
「南アフリカに住んでいる人って、どんな生活を送っているの?」と疑問を抱く方は多いのではないでしょうか。
次に、実際にどのような家に住み、どんな生活を送っているか紹介します。
住居スタイル
住居は黒人系、白人系によって違いが見られます。
貧困層の黒人はスラム街に住み、家賃がかからないように自分達で家を建て、トイレやシャワーは共同という過酷な生活を送っています。(長期滞在者や永住者はスラム街に住むことはないですが、知識として知っておくと良いでしょう。)
白人やアジア人は安全で閑静なエリアに住み、住宅街や一軒家、アパートなどに住むのが一般的です。
しかし、白人エリアでも「○○のエリアに住む人はお金持ちで、××のエリアはちょっと・・・」という傾向があるようです。
日本でも住む地域によって差がありますが、「南アフリカも同じなんだ」と実感しました。
・一軒家
白人系やアジア人は安全なエリアに住居を構えアパート、一戸建て、セキュリティ住宅(セキュリティガードが付いた住宅)に住むのが一般的です。
家族連れの場合は、子どもがのびのび遊べるように、庭付きの一戸建てやセキュリティ住宅に住むことが多いといえます。
部屋の間取りは3部屋〜4部屋でバスルームが2つ〜3つあるのが通常で、スイミングプール付きの家もあり、暑さの厳しい夏場はあると便利です。
我が家にもスイミングプールがありますが、きちんと管理しないと水が緑色に濁ったり、トラブルの原因になるので、もしプール付きの家に住む場合は管理の仕方にも注意してください。
更に、プールを管理するために定期的にモーターを回すので、電気代が高くなる可能性があります。
・アパート
単身者や二人暮らしに最適な住まいで、間取りは2部屋にバスルームが一つというタイプが多いのです。
アパートも不審者の侵入を防ぐため、リモート式のゲートになっているものが多く、場所を選べば安心です。
実際の家の様子
長期滞在者や永住者が、実際にどのような家に住んでいるのか説明していきます。
・キッチン
多くの家庭では電気コンロを使って調理をしますが、ガスボンベを設置してガスで調理する家庭もみかけます。(南アフリカには、ガス管が通っていないので、ガスボンベを接続して使います。)
電気コンロは調理に時間がかかるうえ、住むエリアによって電気代が高めなので、ガスボンベを使用し電気代を節約する家庭もあります。
但し、賃貸で家を借りている場合は、オーナーにガスボンベにしても大丈夫か確認してから使うことをおすすめします。
そして、家によってはキッチンの奥に汚れた食器を一旦下げておく場所があり、パーティーを開いた後や直ぐに洗いたくない時は、一時この場所に置いて後日、洗い物をします。
・リビングルーム
家族が集まるリビングルームは、広めに作られています。
南アフリカの人はブラーイ(バーベキュー)が大好きな国民なので、週末やラグビーの試合があるために、友達や家族の家に集まってバーベキューを楽しみます。
リビングにはたくさんの人が座れるように、大きめのソファを2〜3セット置いていたり、暖炉を設置している家もみかけます。
南アフリカといっても、冬場は寒い地方もあるので暖房器具は必要でしょう。
・バスルーム
バスルームは、お風呂+シャワー+トイレが一部屋になったタイプで、寝室と独立して設置してあるのがほとんどです。
なかには「スイート」と呼ばれる夫婦の寝室にシャワー+トイレがある部屋や、お風呂+トイレなど家のタイプによって違います。
・寝室
夫婦部屋、子供部屋、ゲストルームで3部屋〜4部屋あるのが一般的です。
夫婦の寝室にはシャワーが付いているのがほとんどですが、古いタイプの家の場合はシャワーが付いていない場合もあります。
日本人は寝室とバスルームが離れていても気にしませんが、寝室にシャワールームが付いている方が便利です。
・ブラーイ(バーベキュー)エリア
現地ではバーベキューが人気でほとんどの家庭にはバーベキューエリアが設けられています。
家によって室内でバーベキューができるように、グリルが最初から設置されていたりしますが、外に作られたものが多いです。
アパートにはブラーイエリアは付いていませんが、ない場合はウィーバーと呼ばれるものや、ポータブルブラーイ(ドラム缶を半分に切ったものに網をのせたもの)でお肉を焼きます。
家の外観を見て屋根に突き出した煙突に、三角形のような物が付いている時は「ブラーイエリアがある」という目安になります。
5. 国内の交通手段
南アフリカには電車やバス、乗り合いタクシー、個人タクシー、自家用車の交通手段がありますが、白人は自家用車で移動するのが一般的です。
バスや乗り合いタクシーなど公共交通機関は本数が少なく、安全面でも不安があるためできれば自動車を利用することをおすすめします。
長期滞在・永住する場合は、海外で運転できるように国際免許を申請したり、現地の大使館で運転免許証を翻訳してもらうようにしましょう。
道路は日本と同様に左側通行です。
公共機関は貧しい黒人の方が利用する乗り物で、タクシーや電車内でスリなどの被害にある恐れがあるので注意が必要です。
自家用車がない時は、個人タクシーを利用したり、友人・知人に頼むのもひとつの方法です。
6. 街並み
南アフリカはサファリや保護地区以外は、舗装された一般道路や高速道路が走り日本と変わらない街並みで、都心部には高層ビルが立ち並び、車が渋滞しているといった、東京や大阪と変わらない光景です。
人々が想像しているような広々とした荒野に伝統的な家が数軒立ち並び、野放しの野生動物がその辺を歩いているような場所ではありません。
実際に筆者の両親や友人は「野生動物が道を歩いている」と思っていました。
ショッピングモールや商店街もあり、日本にいる時と変わらない生活が送れます。
7. ショッピング
日常の買い物はスーパーマーケットでできますが、朝早くに営業を開始して早めに閉めるお店が多い傾向です。
営業時間は月曜日〜日曜日の朝8時〜夕方の18時や19時くらいですが、郊外のお店は土曜日は17時くらいに、日曜日は定休日だったり、13時過ぎには閉めてしまうので買い出しは午前中に済ませるようにしましょう。
早く閉まると言ってもショッピングモールは夜8時頃まで営業していることが多いです。
また、現地の人は「家族を大切にする」という宗教の教えから、土日祝日、クリスマスはお店を早くに閉めてしまう、または営業しない場所があるのが欠点です。
日本の場合、週末やクリスマスは客のかきいれ時で大忙しですが、南アフリカは休業日とするお店がほとんどです。
更にアルコールの購入は時間が決まっており、平日なら午後18時まで、週末は13時など店舗により異なります。
南アフリカには、アルコールやジュースの自動販売機はないので、スーパーマーケットやガソリンスタンドで購入することになりますが、アルコールはガソリンスタンドは買うことはできません。
レストランといった外食は控える傾向
日本とおなじようにレストランもたくさんありますが、現地の人は生活費を節約するため、外食を控える傾向にあります。
洋食系や中華料理はリーズナブルな料金で、和食レストランは店舗数が少ないうえにやや高めです。
日本と同じように回転ずしもあり、日本食が恋しくなった時に食べると落ち着くでしょう。
ファーストフードもあるので、手軽に食事を済ませたい時は、ドライブスルーを利用する人を見かけます。
8. 水は飲まないように
日常に欠かせない飲料水。
南アフリカの水は硬水で飲みやすいですが、水が合わないとお腹を壊す原因になり、海外旅行の時は「現地の水は飲まないように」と注意されることが多いでしょう。
地域によっても飲んでも大丈夫な場所と、ミネラルウォーターを飲んだ方が良い地域に分かれています。
特に夏場は水不足が原因で、細菌が発生し下痢を起こすことがあるので経済的に余裕があれば水を購入して飲むことをおすすめします。
私自身もウォータサーバーの水を購入して飲んでいますが、水道水を飲んでもお腹は壊しませんでした。
その他、水道水を一旦、沸騰させて冷ましたものを飲料水として飲むことができます。
しかし、生活に困窮している人は水を買う余裕すらなく、水道水を飲んでいる人がいるのも現実です。
水の料金ですが、ミネラルウォーター(500ml)1本、約70円〜80円程度です。
9. 南アフリカの一般的な日常
異国で暮らすようになった時、どのような日常生活を送るのか気になりますが、事前に分かっていれば、ストレスを抱えることもありません。
ここでは、南アフリカでの一般的な日常生活をお伝えします。
仕事は早めに初めて、早く帰宅
仕事といってもたくさんの種類があり、仕事内容によって勤務時間が異なります。
基本的に南アフリカ人は早めに仕事を始めて、早く帰宅して家族と過ごす時間を大切にする傾向があります。
一般事務職やサラリーマンなら午前8時や午前8時30分から就業開始で、午後17時までには仕事を片付けるのが一般的です。
週末前の金曜日は就業時間まで仕事をすることはなく、仕事が終わってなくても終了時間より早めに切りあげて帰宅する人もしばしばみかけます。
「残業する」という概念はなく、仕事が終わらない時は翌日に回すといった考え方をしますし、残業をしても残業代が出ることはないでしょう。
残業をしても認められないのが現実です。
週末の過ごし方はプライベート中心
仕事とプライベートを区別しているので、週末に仕事をする人はほとんどいないと言って良いでしょう。
週末は近場でキャンプをしたり、遠出をしてリフレッシュ、ワインファームでランチ、観光地を巡るなどいろいろな楽しみ方があります。
最も多いのが家族や友達を集めて自宅でブラーイ(バーベキュー)をしてリラックスする方法です。
長期滞在するようになり現地の友達が増えると「週末にブラーイするから君も来ない?」と誘われることが多くなるので、躊躇せず参加すると交流が深まります。
アフターファイブは帰宅
日本のように就業後に同僚や上司と飲みに行くということは少ないように感じます。
仕事が終わると早めに帰宅したいので、同僚を誘って飲みに行くこともありません。
日本の場合、付き合いがあるので参加したくない飲み会に無理に参加しなければなりませんが、南アフリカでは参加したくない時は、はっきり断っても問題はありません。
南アフリカ生活の実際まとめ
今回は南アフリカのライフスタイルや生活様式についてお伝えしました。
広大な大地に野生動物というイメージが強いですが、都市部は近代的で日本と生活するのと、大きな違いは少ないと言えます。
貧困の差が激しい国ですが、長期滞在や永住する日本人は一般的な生活を送っていますし、生活のオン・オフが分かれているので、仕事とプライベートが充実できると実感できるでしょう。
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