子どもを小学校からアメリカの学校に留学させる親御さんは増えています。
少し前は大学生や高校生からアメリカに留学するのが主流でした。
しかし近年、両親の仕事の都合などの理由ではなく「子どもに早い時期から英語を身につけさせたい」、「アメリカに住まわせてカルチャーや色々な体験をさせたい」などの理由から幼稚園生もしくは小学生からの海外留学が増加傾向にあります。
今回は、アメリカ在住者から、子供を小学校から留学させる場合に知っておくべき知識をお届けします。
(Photo by U.S. Department of Agriculture)
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アメリカビザは小学生では取得が困難
高校生や大学生の留学はひとりでホームステイをするのが一般的ですが、小学生の子どもを留学させるためには、母子もしくは家族でアメリカに住むケースがほとんどです。
b>その理由はアメリカビザの問題にあります。
アメリカで出産、両親のどちらかがアメリカ人などではない限り、子どもの国籍は日本国籍やアメリカ以外の国籍です。
このため長期滞在して学校に通うにはグリーンカードを取得するか何らかのビザが必要になります。
通常小学生は義務教育の範囲内なので、年齢的な問題から学生ビザを取得することが難しいのです。
もちろん取得できるケースもありますが、一般的には難しくその理由は小学生にビザを与える必要性がないからとの判断です。
そこで、父親もしくは母親が何らかのビザを取得し、子どもが同行するという形で留学するケースがほとんどです。
そこで、一番取得しやすい学生ビザを両親のどちらかが取得することが多いです。
これはF1ビザと呼ばれ、語学学校、大学、大学院などで勉強するために取得できるビザで、子どもはF2ビザを取得することが可能です。
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アメリカの法律と日本人の感覚
何とかビザを取得しアメリカに住んで日本と同じ感覚では警察が来てしまうのがアメリカです。
たとえば「もう10歳だし学校は歩いて5分だからひとりで通わせよう」などと考えてはいけません。
「ママは料理作っているからスーパーに行ってお醤油を買って来て」などと頼んではいけません。
アメリカは法律で12歳以下の子どもをひとりにすることを禁止しています。
料理中にお醤油を買って来てもらうことはもちろん、買いに行く間ひとりで留守番をさせることもいけないのです。
日本だと学校は子どもがひとりで通うことが当たり前。お使いや留守番は小学生ならみんなできることなのですが、日本の感覚のままだとアメリカでは逮捕されてしまうこともあるので注意が必要です。
実際の体験談ですが、小学生の子どもに留守番をさせて、昼に2時間ほど外出し帰宅したら自宅に警察官が2人いてびっくりしたことがありました。
学校の送迎や習い事なども子どもを連れて行き、迎えに行かなくてはいけないので両親は大忙し。
例えば、子どものお稽古事で送迎のアルバイトをお願いしたところ、レッスン代よりもバイト代の方が高くついてしまってびっくりしたこともあります。
それでも用事があって留守番を子どもにしてもらうときはシッターさんをお願いしなくてはいけません。
日本では不要なことでお金がかかるので子どもが小学生だと節約も大変です。
小学校の選び方ー11のポイント
1. 学校システムは最終学年が5年生の学校と6年生の学校がある
親御さんが日本の教育で育ってくるとアメリカの学校システムに戸惑うことがあります。
たとえばアメリカは州によって学校のシステムが違います。
日本では北海道の小学校から沖縄の小学校まで最終学年は6年生ですがアメリカは最終学年が5年生の学校と6年生の学校があります。中学校が2年生までの学校と3年までの学校があり高校は4年生までとなります。
2. 義務教育はkindergarten(キンダーガーデン)から高校生まで
義務教育は小学校に入る前のkindergarten(キンダーガーデン)からスタート。日本の幼稚園の年長さんの年齢にあたります。
小学校に入る入学準備期間とされていて小学校の校舎と同じ敷地内にあります。
準備期間だからと軽く考えていると普通に勉強をし成績についての個人面談がありびっくりするでしょう。
3. 子どもの入学時期は州や学校によって違う
子どもの入学時期は公立校でも州によって違います。
たとえば12月生まれまでが同じ学年の学校と8月生まれまでが同じ学年の学校など違いがあり入学時期が変わることがあるので注意が必要です。
私立の場合も学校によって違うので秋から冬生まれの子どもの場合には通える学校と通えない学校があるので希望校だとキンダーガーデンになるのか小学生になるかをしっかりチェックする必要があります。
4. 公立は留学生もフリーですが学校の見極めが大切
公立の学校を選ぶと義務教育なので高校まで授業料はかかりません。
日本からの留学生も授業料はフリーです。でも、地域によって評判の良い学校と良くない学校があるので事前に見極めが大切。評判の違いは学校によって学校のシステムや設備が違うからです。
たとえば第二外国語の授業がある学校とない学校、体育や音楽の授業数が違ったり給食の内容が違います。
また公立でも日本の学童保育にあたるシステムがあり、学校が終わった後に自宅でひとりで留守番が認められないのでアフタースクールケアがあります。
学校終了から5時半位まで宿題をしたりダンスやコンピューターやスポーツなどのレッスンが有料で受けられます。
この内容は学校によって種類が豊富な学校とそうではない学校があるので習わせたいレッスンが小学校のアフタースクールにあれば送迎してレッスンに通わなくて済みます。
5. 公立校は学区で決まる
しかし、公立校の場合は気に入った評判の良い学校を選ぶことは基本できません。
日本と同じ学区制度があるのです。
評判の良い学校はたいてい高級住宅街にあります。州によっては越境制度や抽選などで学区が違っても入学ができることもあるのですが確実に入れる保証がないので子どもを入れたい学校が決まったらその学区に引っ越す親御さんも多いです。
6. 私立は制服があるところも
私立の場合は受験で入学が決まりますが評判の良い学校はキンダーガーデンで受験生が殺到します。
私立は学校によって授業内容が違い制服のあるところも多いです。さらに靴下の色、通学用の靴の色、体育のときの靴の色など服装や髪型が校則で細かく定められている学校もあり自由の国アメリカをイメージしていると驚くそうです。
7. 学校選びはオープンハウスの見学で決める
学校選びは公立校、私立校ともにオープンハウスという学校を見学できる日があるので希望校をいくつか見てまわります。
なかには、かなりの小学校を見てまわり学校を決めたのですがその理由は「給食が美味しかった」といった理由もあるようです。
8. 給食は選択性
アメリカの学校の給食は日本のようにバラエティーに富んではいないのでピザや野菜はほとんどなくリンゴは丸ごと1個皮付きの学校などもあります。
キンダーガーデンは5歳からなので皮付き丸ごとリンゴはハードルが高い気がします。
ただし、選択性なのでお弁当を持参する生徒も多いです。
9. 小学校の中で英語が学べるクラスがある
小学校によっても違うのですがESLやELL(外国人のための英語を教えてもらえるクラス)があり週に数回通い英語をマスターしていくことができます。
学校の中に教室があるので便利なシステムですが学校によって週のクラスの時間が違ったりそもそもクラス自体がないこともあります。
10. キンダーガーデンや小学校でも留年がある
アメリカの小学校は留年制度があるので小学生でも留年することがあります。
アメリカ人はポジティブに捉える性格なのか「わからないまま先に進むよりももう一年同じ学年で勉強して自信を持って次の学年に進んだほうが良い」とのことで受け止める親御さんが多いです。
11. 学年を下げて留学する子どもも多い
小学生といえども英語ですべての授業をこなすので英語にあまり慣れていない日本人留学生は学年をひとつ下げて入ることも多いです。
子どもは大人よりも英語の環境には慣れますが授業は自宅での勉強と親御さんのフォローは不可欠です。
参考記事:
英語の幼児教育に関心がある人必見!アメリカのプリスクールの学習内容を一挙紹介
まとめとして
小学校選びも、日本とルールが違うため、事前にしっかりと調査しておくことが大切です。
そして、ご自身の目的に応じて、選択していきましょう。
また、語学目的で行かれるかたも多いですが、小学校からの留学は耳で覚えてネイティブにしましょう。
子どもは頭で考えず耳で聞いて英語を覚えるのでネイティブな発音がしっかりと身に付きます。
小学校からの留学は学校やお友達やその家族、地域のイベントを通じてカルチャーなどを知りさまざまな体験をすることによって将来色々な環境に適応できる力が自然に育っていくと思います。
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