ロシア人はあまり笑わなくてちょっと怖い、なんてイメージが強くありませんか?
確かに、ラテン系の国民に比べて笑顔は少ないかもしれません。
でもロシア人は暗い国民かと言うと、そう一概には言えない奥深さを秘めています。
ここでは、日本を愛するロシア人と常に接しているロシア在住者から見た、ロシア人の興味深い性格と特徴をお伝えしたいと思います。
きっと、ロシアやロシア人に対して色々な意味で興味がわいてくると思いますよ。
※筆者の個人的な見解が含まれます。ここでは、ロシア人のおおまかな特徴というイメージで捉えて頂ければ幸いです。
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1. ロシア人は笑わないって本当?
笑うか笑わないか、と言われれば・・・それは、やっぱり笑いません。
でも、誤解しないでください。彼らはシャイなだけなんです。
笑わない=意地悪、という公式は全く当てはまらないのがロシアです。
例えば、ケータイのトラブルでケータイショップへ行って質問すると、、
こちらが笑顔で「こんにちは!」と言っても、お兄さんはもちろん笑顔なしに「こんにちは」。
そこでたじろいではいけません。
きちんと「私はロシア語があまり上手ではありません。でも手伝ってほしいことがあるんです。」と、丁寧に説明すると、もちろん笑顔なしで「はい、お聞きしますよ。」と落ち着いた様子です。
そして、恐らく訳が分からないであろう説明を、文句も言わず聞いてくれ、イライラもせず最後まで笑顔なしでもきちんと対応してくれるのです。
こういう時、「ああ、なんだかとっても信頼できる・・・。」と思ってしまうのです。
そして、最後に「本当にありがとうございました!」と感謝を伝えると、少し微笑んで「どういたしまして。」と一言。
普段笑わない人が見せる一瞬の笑顔の威力。
彼らはそれを意識せずにいるところがまた、素敵なのです。
逆に、明るく元気なお調子者タイプは注意が必要!?
説明しても、「OK、OK!全部任せて!」と言う人に限って、やる事がいい加減な事が多いのです。
最近では、見分けがつくようになってきました。
ロシアでは、笑わない事が信頼に繋がることもあるのです。
2. 年代で変化するロシア人女性と意外に身近な存在のロシア人男性
ロシア人女性というと
ロシアと言えばロシア美女のイメージがありませんか?
確かに、顔が小さくスタイルも良く美しい女性をよく見かけます。
時には、本当に同じ人間なのかと思うぐらい足の長い女性もいて、度肝を抜かれることがあります。
若い女性はかなりスタイルの良い人が多いですが、おばちゃん、お婆ちゃんになるとかなりの確率で貫禄が出てきます。
でも、その丸いフォルムで毛皮を身にまとい、毛皮の帽子などかぶっていると、本当にマトリョーシカのようでとても可愛らしいので、筆者は冬のお婆ちゃんの毛皮姿が大好きです。
ロシア人男性はイメージと違う!?
一方男性ですが、ロシア人は皆背が高いというイメージがあるかもしれませんが、実はそうでもありません。
日本でロシア人を頻繁に見る機会は、バレーボール中継でしょうか。
当然、2メートル級のロシア人男性がゴロゴロいるので、そのイメージがついてしまっているかもしれませんね。
ヨーロッパ寄りの遺伝子とアジア寄りの遺伝子が混ざっている巨大な国ですので、それこそ、目や髪の毛の色、顔の感じも本当に様々です。
日本人にとても近い、黒髪で薄めの顔の人もいて、ちょっと親近感がわくこともあります。
3. ロシア女性の徹底した美意識
ロシア人女性の多くは(もちろん全ての女性ではありません)、
『自分をいかに美しく魅せるか』
というテーマに基づいて生活しています。
夏は、日本でオフィスに着ていったら先輩に怒られそうな露出の多いワンピースに、バッチリメイクとネイルアート、冬は雪道でもピンヒールブーツで颯爽と闊歩します。
でも、あのツルツルの雪道でも、ピンヒールで転ぶ女性を見たことがありません。
友達に聞いてみたところ、『女性らしさ(外見的なもの)を目に見える形で分かりやすくアピールした方が得』なのだとか。
- オフィスに着いたらすぐにメイク直しとヘアチェック
- 鏡があればどこでもチェック
といった、ソ連時代の映画のワンシーンもあながち嘘ではありません。
よく、日本人は写真ばかり撮る、と揶揄(やゆ)されることがあるのですが、その比じゃないくらいロシア人女性は写真を撮ります。しかも自分の。
こればかりは、本気の全力投球です。
誰が見ていようがお構いなし。
とにかく、美しいモデルの様にフレームに納まらなければなりません。
自分が一番美しく写る角度でポーズを決める女性。言われるままに撮影する男性・・・。
見ていても気にしないので、興味深く見学することにしています。
娘へと受け継がれる美意識
そして、面白いのは、親から娘へ受け継がれていくこと。
ママがポーズを決めて撮るので、当然それを見て育った娘はポーズを決めるのが常識だと認識します。
そうやって、これからもこの伝統は続いていくのでしょう。
公園や、花がある場所では簡単に見られる光景ですので、ロシアに来た際は是非見学してみてくださいね。
4. 何でも自分で直しちゃうロシア人男性
ロシア人男性は、基本的に何でも自分で修理したり、取り付けたりします。
トイレや洗面所、バスルーム、キッチンなど、設備や部品さえ手に入れば自分で修理するのが普通のようです。
なるほど、町でみかけるホームセンターに、湯沸かしポットや電気機器と一緒に、白い陶器製の洗面台が売っているはずです。
日本では普通自分で購入しないような大きめの部品を地下鉄で持ち運んでいる男性を見かけたり、ゴミ捨て場に便器が捨ててあったり、なんて事もよくあるんですよ。
昔から、直せるものは直して使い、お金を節約して出来る事は自分でやる習慣がついているそうで、筆者のアパートの大家さんも、何か問題があると必要な部品を確認して、すぐに自分で直してくれます。
何か問題があれば、プロに頼まなくてもすぐに対応してくれるので頼りになりますよね。
これも親から子へ受け継がれていく伝統なのです。
5. ロシアの恋愛事情。カップルってどんな感じ?
ロシアは離婚率が世界一の国です。
シングルマザーや2回目3回目の結婚で連れ子が数人、というのも珍しくありません。
そしてロシア、特にモスクワの婚期は日本同様、年々遅くなりつつありますが、それでも日本より早いです。
地方では20代前半までに結婚する人が多く、モスクワでも、女性は25歳前後には結婚したいという話をよく聞きます。
「失敗しても、若ければまた結婚できるから」という合理的な意見もあります。
さすが、離婚率世界一の貫禄です。
こんなに離婚率が高いロシアですが、いつでも一緒に行動するカップルがとても多いです。
通勤中も手を繋いで歩くので、急いでいる時にちょっと困ることもありますね。でも仲が良いのは素敵なことです。
そして筆者が特に驚いたのは、『女友達と会う約束をすると、旦那さんがついてくる』という謎のシステム。
旦那さんがいるとプライベートな話が出来ないので、当たり障りのない会話をして終わる、という事も多かったです。
なので、このタイプの女友達と2人で大事な話をしたい時は、約束する時にきちんと意思表示をした方が良いです。
もしくは、旦那さんや彼氏が仕事の日を選ぶことです。
6. 乗り物でわかる国民性
ロシアで頻繁に見かけるのは席を譲る姿。
日本人は、少し照れがあって譲れない人もいるようですが、ロシアではお年寄りや荷物の多い女性、子供に席を譲るのは習慣になっているので、皆さん躊躇なく素早いです。
筆者も初めの頃は、ロシア人のスピードに勝てず先を越されていましたが、だんだん慣れてきて、スマートに席を譲ることができるようになってきました。
でも、お年寄りに席を譲ると、席を譲った筆者に他の男性が席を譲ってくれるという、何とも温かい循環が出来上がります。
男性に席を譲られるというのも、なかなか悪いものではありませんね。
そして、筆者が好きな光景。これは、日本でもたまに見かけますね。
1人が席を譲ります。「どうぞ。」すると、「そんな、いいんですよ。座っていてくださいな。」
「いえいえ、どうぞ。」
「そうですか?ありがとうございます。」
と繰り広げると、その近くでそれをきっかけに、また他の人が子供やお年寄りに気が付いて、
「どうぞ。」
「いえいえ。」
「どうぞどうぞ。」
と連動して3、4組の「どうぞ」の輪が広がります。
ロシア語では
「サジーチェシ(お座りください)」
「シジーチェシ(そのまま座っていてください)」
と言うのですが、
「サジーチェシ」「シジーチェシ」「サジーチェシ」「シジーチェシ・・・」
が車内で飛び交うのは、とても微笑ましく心が温かくなって、思わず微笑んでしまうのです。
でも、満員の地下鉄では押したり押されたりして、時には女性の怒鳴り声が響くこともあります・・・。
まあ、これも人間らしい光景です。
7. ロシア伝統のお婆ちゃんとは?
昔日本には、いわゆる『頑固爺さん』がいましたが、ロシアには『肝っ玉お婆ちゃん』がいました。
今でもいますが、圧倒的に人数が減ってしまいました。
昔はとにかく、知らないお婆ちゃんに叱られたそうです。
例えば、真冬に帽子無しで歩いていると、知らないお婆ちゃんに、いきなり「ちょっとあんた、帽子をかぶりなさい!」と叱られることもあったそうです。
でも、これはお婆ちゃんの優しさ。
ロシアの真冬に帽子をかぶらないということは、下手をすると命にかかわるのです。
今も、友達のお婆ちゃんから、
「こんなに薄いコートを着ていたらダメよ!はい、きちんと帽子をかぶってから帰りなさい!」
と、愛情のこもったお叱りを受けることがあります。
そして先日、地下鉄で子供が騒いでいました。隣には貫禄のあるお婆ちゃん。
前に立っているお母さんは、「静かににしなさい。お隣にぶつかっているわよ。」と注意をしますが、聞きません。
すると、そのお婆ちゃんが、その子を自分の方へ向かせ、「静かにしなさい。私は落ち着いて座っていられないわ。」と、貫禄のある表情でピシッと叱りました。
凍り付く子供たち。でも、「ごめんなさい。」と、きちんと謝ることができました。
こうして、お婆ちゃんは、知らない子供達の教育をしているんですね。とても微笑ましかったです。
8. ロシア人にとっての友達の概念
ロシア人と話していたら、『友達』の概念に日本人よりこだわりがあることに気がつきました。
例えば日本では、すごく頻繁に付き合う仲ではないけれど、知り合いになってお話をするようになって、時々集まってお茶をしたりする人は、『お友達』と呼ぶことがありますよね。
でも、ロシア人にとって『友達』とは、頻繁にメールや電話で話したり、会ったり、個人的な事を相談し合ったりする人のこと。
先日も、日本語を勉強しているロシア人大学生と、大学のクラスについて話していた時に、彼女が「その友達が・・・。いいえ、友達ではありません。友達はもっと近い人。大学の知りあいです。」と言いました。
ですから、「大学のクラスメイト、の方が良いかもしれないですね。」とアドバイスをしました。
わざわざ言い換えるほど『友達』という概念にこだわりがあって、大切にしているんですね。
そして、ロシアでは日本のように心療内科やカウンセリングにかかる人が少ないと聞きます。
理由を聞くと「友達がその役割をしているから」という答えが返ってきます。
何かあればとにかく『友達』と話すことで精神を安定させるようです。
筆者も、モスクワに来て初めて出来た『知り合い』が、今では『友達』になりました。
向こうからも『友達』だと言ってもらえると、とても貴重な感じがして嬉しいですね。
ロシア人は日本のことをどう思っているの?
日本でロシアが大好きな人にはあまり出会えませんし、ちょっとコアな感じがしますが、ロシアには日本が大好きな人達がいっぱい。
日本関連のフェスティバルはいつも大盛況で、コスプレや和服、日本のお菓子やコンサートを毎年楽しみにしています。
特に、先日プーシキン美術館で開催されていた江戸時代の展覧会は、大変盛況でした。
国宝や重要文化財が多く、展示規定に従って最大4週間しか連続展示ができなかったので、1か月ずつ、2パターンの展示でした。
ロシア人にとってだけでなく、日本人にとっても大変貴重な展覧会だったので、筆者も2パターン見学しました。
ネット予約のチケットもかなりの売れ行きで、当日券にいたっては、1時間から最大3時間程度の行列でした。
でも、みんな寒い中ひたすら並んで、日本の浮世絵や屏風画を興味深く見学していました。
夢中で鑑賞しているロシアの皆さんの姿が何とも嬉しくて、誇らしい気持ちになりました。
そして、日本語を勉強しているロシア人に話しかけられたりもしました。ロシアには、日本語を勉強している人が本当に多いんです。
2018年は、日本とロシアの文化交流年だったので、展示会や歌舞伎、古事記の舞台など、様々なイベントがあり、ロシア人の日本に対する興味はますます深まるばかり。
日本にもロシアの魅力がもっと伝わればいいな、と願ってやみません。
ロシア人の性格や特徴まとめ
ミステリアスなロシア人の本性、いかがでしたか?
時には、どうしてなの!?と理解しがたい経験をすることもありますが、国籍関係なく、人間は十人十色。
ついつい自分の物差しで測ってしまいがちですが、理解しよう、歩み寄ろうとする気持ちがあれば、お互いの国民性や特性も面白いと思えるものです。
それに、日本とロシアはお隣同士。お互いに興味を持って理解し合えれば素晴らしいと思います。
是非、ロシアやロシア人の魅力に目を向けてみてくださいね。
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