カナダは日本人含め、世界中の人たちに人気の国です。
一度訪れたことがある人は「また戻って来たい、住み続けたい。」と思う事が多いでしょう。
今回は、カナダに魅了され、在住しているカナダの現地スタッフから、人を魅了して止まないカナダ移住の魅力と住みやすさの理由を10個ご紹介していきます。
また、良い面だけじゃなくう〜んと思う5つの側面も記載します。
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まず、カナダってどんな国?
カナダの魅力に迫る前に、カナダってどんな国なのかを簡単に説明します。
ご存知の読者の方も多いかもしれませんが、カナダは世界で2番目の国土面積を誇る英語圏の国です。
全人口は約3500万人程。東京の全人口が2500万人らしいので…スゴイ人口比率ですよね。世界自然遺産にも指定されている大自然が広がり、緯度が高いので冬の期間は1年の約半分に及びます。
内陸部では、オーロラやシロクマが見られます!
移民が全人口の2〜3割を占める、若い国であることも有名です。
40代でカナダの国のトップに立ったジャスティン・トゥルードー首相は記憶にあたらしいですね。
筆者は、2015年11月までバンクーバーに住んでおり、現在はマニトバ州のウィニペグという街に住んでいます。どちらの州も住みやすく、他国からの人たちに優しい街です。
バンクーバーは太平洋に面し対岸にアジアを臨むことから、アジア系の移民者が集中しており、ウィニペグはアメリカやヨーロッパ、そして何よりカナダの先住民人口が多いです。
それでは、カナダの魅力を紹介します。
1. 人が優しい。
人に話しかけることに抵抗がないため、いつでもどこでも誰とでも他愛もない世間話をします。
困っている人がいるとすぐに声をかけてくれて親切にしてくれたり、助けてくれます。そういう輪が広がることで自分も誰かに優しくしようという気持ちになれますよね。
また移民者や多民族が住んでいる為か、英語が出来なくても、しっかり対応してくれたり耳を傾けてくれます。
街では扉を開けてくれたり、バスではベビーカーや車椅子の人が乗車すると何も言わずに皆が席を譲ってあげることが自然にできるのが素晴らしいです。
カナダで初めてこの光景を見た時、「いい国だな」と感じました。
2. 治安が良い
海外移住となると気になるのが、治安について。実はカナダは、海外の中では比較的治安の良い国であると言われています。
実際に筆者がカナダに住んでいて、こわい経験をしたことは幸いにもこれまでありません。
もちろん他の国のように、治安があまり良くないと言われるようなエリアも存在しますし、アルコールや薬物に依存している人もいます。
「絶対に安全です」とは、どこの国にいても言い切ることはできません。ですが個人的な感想としては、十分に気を付けた上で、夜の街を歩いて帰ることもできますし、単独で行動をしても危険を感じることはありません。
ただ一つ日本と違うかな?と感じる点
ホームレスの人々の存在です。
日本にも同じような境遇の人たちはいますが、カナダではよく、「小銭をわけてもらえませんか?」と、むこうから話しかけられることがあります。
日本では経験したことがないことだったので、最初は驚きました。
でもそれは決して威圧的な感じではなく(中にはそうした人もいるかもしれませんが)、カナダではそれがよくある光景なのだと次第に分かりました。そして実際に、多くの人が小銭をあげている姿を目にします。
またこれも、カナダ人の”優しさ”なのかもしれません。
カナダは日本に比べキャッシュレス社会なので、ジャラジャラと小銭をもつのを好まない人も多い傾向にあり、お釣りで出てしまったコインを渡しているという背景もあるようです。
3. 素晴らしい労働環境。
定時で帰れる
日本の労働環境とカナダの労働環境を比較すると全く違います。
カナダで働いていて、労働環境がいい事も永住したいと思った理由のひとつでもあります。
まず何を差し置いても残業がほとんどない。
大体いつも定時で帰ることが出来るので、仕事後の自分時間や家族との時間を大切にすることが出来ます。
チップ制度
カナダにはチップ制度があり、飲食店などでは約10~15%のサービス料を上乗せして支払うという文化があります。
支払いは義務ではありませんが、このチップはウェイターなどサービス業に従事する人にとっては大きな収入源の一つとなります。
働きやすい
様々な人種・バックグラウンドの人達が入り乱れていると、それぞれ文化も違いますし、言葉もままならない事もあります。
カナダはそういった労働者にも寛容です。もちろん、時々クレーマーの様な人もいますが、多くの人は小さなミスや分からないことを「分からない」と伝えても「大丈夫だよ」などと言って笑って許してくれます。
中にはすごく丁寧にお礼を言ってくれたり、褒めてくれたりしてくれるお客さんもいますし、本当に働きやすいです。
4. 生活しやすい
多くの食品が非課税
カナダの消費税率は州によって異なりますが、バンクーバーの位置するブリティッシュコロンビア州(BC州)を例にみてみましょう。
BC州では基本的に、物品に対して12%の税金がかかります。
ただしこの税率は、国に対する税収5%と、州に対する税収7%の合計となっており、購入する物品によって、何パーセントの税率がかかってくるかが異なります。
そして、肉や野菜などの必要不可欠な少量品に対しての税率は0%。
つまり税金がかからないということです。
(ただしこの”食料品”という定義の中には、ジュースやお菓子などの嗜好品は含まれません。)
他にも、子供服やガソリン代などへの税率は5%になるなど、暮らしへの配慮がみられます。
医療費が無料
州や街によって変わりますが、医療費が無料の州もあります。
筆者の住むマニトバ州のウィニペグは無料です(薬代は自己負担)。
前提として、医療はみんな平等に受けられるようにという考えを国が持っており、その医療費の全額若しくは一部を州が担っているためです。これはとても嬉しい制度ですよね。ふと気になったことがあると気軽に病院に行くことができます。(カナダの人はあまり病院にかからないみたいですが)
虫が少ない。
1年を通して気温が低いため、虫が少ないです。
日本でよく見かけるゴキブリやムカデなどは、筆者自身はカナダで見たことが無いです。
これ、大の虫嫌いの筆者にとって、どんなにありがたいことか。特にここウィニペグでは、冬は気温がマイナス何十度になるほど寒いですが、虫が少ないのはカナダの大きな魅力の1つだと思います。
個人的に一番ビックリしたのは、カナダでは州の保険に入っていれば、妊娠に関わる検診や出産費用までもが無料になるという点です。
検診の方法や回数など、日本とは異なる部分もありますが、妊娠から出産までを無料でカバーしてくれるのは大きな魅力の一つです。
アメリカが近い
カナダのほとんどの主要都市から車で1、2時間程でアメリカに行くことができます。
アメリカも日本人に人気の国の1つなので、アメリカに友達がいたり、旅行したいと思ったときにすぐ行けるのは便利です。
5. 街と自然がすぐ近くにあること
カナダは世界的にも知られる、自然環境の保護に力を入れている国です。
名前を聞いたことがある都市でも、バスや車で少し離れると広大な自然が広がっていることに驚かされます。午前中は、ハイキングして、午後は街でお買い物といったような欲張りなことができてしまいます。
街中にもたくさん大きくて広い公園があるのも特徴的です。
大きな街の住宅街でも、野生のアライグマ、リス、ウサギ、スカンク、グース(カナダに生息する雁)などをよく見かけます。
少し郊外に出れば、ビーバーや鹿も見かけることがあります。この野生動物たちは、餌集めをするために人間の住むところに頻繁に姿を現すようです。
また地域によっては、オーロラを楽しむこともできます。
田舎だとお家の窓からヒラヒラとグリーンのカーテンが夜空を輝かせているのが見えるそうです。とても素敵ですよね。
6. 年間を通してイベントが盛りだくさん!
カナダでは、年間を通してたくさんのイベントがあります。
日本では馴染みのない祝日などもあり、とても楽しいですよ。
4月:イースター
イースターとはイエス・キリストの復活祭で、”春の訪れを祝う”という意味もある日。
カナダでは祝日となり、子どもたちはイースターのシンボルでもある卵に絵付けをしたり、エッグハントと呼ばれる卵探しゲームなどをして過ごします。
7月:カナダデー
カナダの建国記念日。愛国心の強いカナダの人々は、カナダの国旗柄のアイテムなどを身に着けてこの日をお祝いします。
8月:バンクーバー・プライドパレード
LGBTへの理解が高いカナダ。街中がシンボルカラーであるレインボーカラーで飾られ、大いに盛り上がります。
10月:感謝祭
サンクスギビングと呼ばれる祝日で、七面鳥の丸焼きやパンプキンパイなどの伝統料理を食べます。
このように、日本とは全く異なる祝日があるのはおもしろいですよね。
他にも、イタリアフェスタやギリシャフェスタなどといった各国のお祭りも数多くあります。
これは、移民が多いカナダだからこそ味わえる楽しさの1つと言えるでしょう。
7. LGBTQへの理解が高い
LGBTQとは、以下の5つの単語の頭文字をとった呼称で、セクシャルマイノリティの人々を意味します。
- Lesbian (レズビアン=女性同性愛者)
- Gay (ゲイ=男性同性愛者)
- Bisexual (バイセクシャル = 両性愛者)
- Transgender (トランスジェンダー = 身体上の性別に違和感を持った人)
- Questioning or Queer(クエスチョニング/クウィアー= 自身の性自認や性的指向が定まっていない人)
カナダはLGBTQに対する理解が進んでおり、日本に比べ、性的指向に対して非常にオープンかつ寛容的です。
毎年夏には、カナダ各地で「プライドパレード」と呼ばれるイベントが開催され、シンボルカラーであるレインボーカラーが街中に溢れます。
また2005年には、カナダ全国で同性婚が認められました。
8. 本格的な多国籍グルメが楽しめる
各国からの移民が集まるカナダ。
例えばオンタリオ州にある大都市トロントには、チャイナタウン、リトルイタリー、リトルインディア、グリークタウン…など、その国にルーツを持つ人々が多く集まるエリアがあるほどです。
そうした人たちが営むレストランの味は、まさに本場の味そのもの。
カナダにいながら、世界中を旅しているかのような本格的な世界の料理を味わうことができます。
また同じ理由から、スーパーマーケットにも各国の食材が揃っています。
見たことのない食材もあれば、逆に日本人にとって馴染み深い食材も色々と置いてあります。
中にはもちろん手に入らない食材もありますが、他の国に比べると、カナダは日本食材のバラエティが豊富な国であると思います。
9. 物を大切にするカナディアン
カナダの街中を歩いていると、”ヤードセール”と呼ばれるイベントをよく目にします。これは家の軒先などを使って、不要になったものを販売(または譲る)、いわば家庭版のフリーマーケットです。
私自身、街中をたまたま歩いていたら出くわしたヤードセールで、とても素敵な家具を安く手に入れられたことがあります。春~夏の気候がいい時期にはヤードセールがたくさん行われますので、街歩きも楽しくなりますよ。
またカナダには、セカンドハンドストア(古着や中古家具などを扱う店)がたくさんあります。古着といっても状態がまだまだ良いものも多く、家具や電化製品、本やキッチンツールなど、非常に幅広い商品を揃えている店もたくさんあります。ときどき信じられないくらいの掘り出し物があるので、宝探しのような感覚を味わうことができます。
なお日本の古着屋では”買取”というシステムが一般的かと思いますが、カナダのセカンドハンドストアの多くは買取をしていません。基本的には譲渡、無料で回収をしてもらうことになります。それでも日々たくさんの品物が店に集まってくるのは、「自宅では不要だが、必要とする誰かに使ってもらいたい」という思いから。これは、カナダ人の物を大切にする気持ちが強いことのあらわれであると思います。
10. なければ作る!DIY精神の強さ。
カナダの人たちは、物を大切にします。少し壊れたくらいなら自分たちで直してまた使います。
例えば、車です。車のサイドミラーや窓ガラスが割れていたとしたら、テープでミラーを固定したり、窓ガラスは透明の袋を貼り付けたりしています。
修理代がかかる為、自分で直してる場合もあるのかもしれませんが、そういった車を街でよく見かけるので、見た目より動けばいいという考えがあるのかもしれませんね。
お家は、壁の色を塗り替えたり、子供がいる家では子供用の遊具を作ったり、お部屋の改造も自分たちで行う家庭が多いです。仕事後や休日のお父さんは、DIYに大忙しです。
(バンクーバーダウンタウンにあるネルソンパークから)
カナダ、これってありなの?
カナダの魅力は伝わりましたでしょうか?では、カナダのう〜んなところは無いの?と気になる方もいるかもしれませんので、少し書かせて頂きます。
1. 時間が曖昧
バスは、1本前なのか後のが来たのか分からないくらい時間に曖昧です。
仕事の出勤でバスを使う時は1、2本前のバスに乗らないと間に合わないこともしばしばあります。遅れてくるだろなと思ったら、予定時間より2分早く来たりなど、バスの時間には振り回されることがよくあります。
人との待ち合わせやバスの時間がとても曖昧です。
人と「◯時に待ち合わせね!」と約束しても30分前後遅れることもしばしば。
最初はイライラすることもありましたが、慣れてくると自分自身も遅れていくことも…みんな結局遅れるので、もう誰もそれを咎めないみたいです。
ただ極寒のカナダの冬、いつくるかもわからないバスを寒空の下で待つのだけは、いつまでたっても慣れません…。
2. 冬の期間が長い
今、筆者が住んでいるウィニペグは、冬の期間が半年くらいあります。
10月には気温が一桁代になり、11月には既に雪が積もっていて、2月頃は気温がマイナス◯十度です。4月頃でも吹雪になったり、雪が積もっています。
外に出るときは寒さ対策をしっかりしないと、命の危険を感じるほどです。
また冬は太陽がのぼるのが遅いので、まだ外が真っ暗なうちから仕事や学校に行かなくてはいけません。また冬は晴天も少なく曇天が続くので、気分も曇ってしまいがちになります。カナダの人は太陽の光を浴びられない冬の間、ビタミンDをサプリメントで代用する人が多くいます。
3. サマータイムで時間が変わる
カナダでは「サマータイム」を取り入れています。英語では、Daylight Saving Time と呼ばれ、毎年3月の第2日曜日に時計の針を1時間進め、11月の第1日曜日に1時間戻すというシステムです。
なぜこんなことをするのかというと、太陽の出ている時間帯を最大限に活用するため。照明などに使われる電力消費量を削減しようという、エコな役割も果たしています。
時間を戻す11月のときは「1時間多く眠れる!」というボーナス感を味わうことができるのですが、逆に3月は目覚ましをセットしなおし忘れると大変なことに…。
毎年のことなので次第に慣れていきますが、日本にはないシステムだけに、時計の時間を変える必要があるサマータイムに煩わしさを感じることもあります。
4. 公共トイレが少ない
日本は、どこにでもトイレがあるイメージですが、カナダには公共トイレが少ないです。
カフェなどでトイレを借りようと思うと鍵を借り、合わせてコーヒーを買わないといけないこともあります。また、公共トイレは少ないのに、なぜかゴミ箱はいたるところにあります。(でも、ストリート上のゴミは少なくない…)
5. ファッションにこだわらない男性が多い
地域にもよりますが、ファッションにこだわりがない男性が多いです。
カナダの国技はアイスホッケー何ですが、自分の応援するチーム名やロゴの入ったジャージ・トレーナーを普段着として着ていたり、カナダ大好きな人はCANADAのロゴの服を着ています。
男性用のファッション雑誌は、日本に比べてかなり少ないです。
その代わり、ワークアウトやスポーツの特集をした雑誌が本屋の男性向けコーナーに並んでいます。
(秋色に染まる、今住んでいるアパートの裏手のストリート)
頭を振り絞って考えてみたものの、これってありなの?と思えるカナダのマイナスポイントで思いついたのは、実はこのくらいです。
カナダ在住歴10年の友達に聞いても同じような解答でした。
彼いわく、いくら良いところがたくさんあっても「これは絶対嫌だ。無理だ。」と思う数が多いと住みにくいと感じてしまうそうです。
カナダの人の優しさは心の余裕から
人間、余裕があると人に優しくできますよね。都市部でも日本みたいに人で溢れているわけではないですし、自然もすぐ近くにあって、労働環境もいいので、人の心にも余裕があるのだろうなと感じます。
カナダのそういう所がほんとうに魅力的で日本人からも人気の高い理由だと思います。
またカナダには、「多様性に寛容であれ」という意識が根付いています。
これは私自身が、日本という別の国からやってきた立場であるからこそ強く感じる、カナダの魅力です。
海外旅行などでいろいろな国を訪れたことがありますが、外国人だから好奇の目で見られたり、排他的な扱いを受けることがこんなにもない国は、他にはないと思います。
筆者がどうしても伝えたかったカナダの魅力、読者のみなさまにも伝わったでしょうか?
この記事をキッカケに、少しでもカナダに興味をもってもらえるとと嬉しいです。
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