南の島国でどことなくのんびりとしたイメージが抱かれる「モルディブ」ですが、もし、国民100%がイスラム教徒(ムスリム)と聞くとイメージがガラリと変わってしまうのではないでしょうか?
残念ながら、ごくわずかな情報で「イスラム教徒=好戦的、危険な思想を持っている」と思われ、そのような国に行くことは安全ではないと考えられてしまうこともあるでしょう。
しかし、そこには大きな誤解があります。
元々、イスラム教の教えは、平和を好む穏やかなものなのです。モルディブの人々は、少しシャイですが、南国気質の穏やかで友好的な性格です。
モルディブは、基本的に「治安は良い」と言えます。
特に、リゾート島「一島一リゾート」となっており、警備がしっかりしています。
島内にいるのは、スタッフとゲストのみで、部外者は容易に立ち入ることのできない環境です。ただ、そのような環境だからと言って、油断は禁物!!最低限の注意は必要です。
また、リゾートから離れ、ローカルアイランドや首都マーレ、空港となると勝手が違ってきます。
そこで、どのようなトラブルが発生し、どのような場所に気を付ければいいのか、モルディブのリゾートに勤務している在住者から紹介していきたいと思います。
どんなトラブルがどんな所で起こり得る?
海外から渡航してきている者が、暴行事件や殺人事件と言った凶悪犯罪に巻き込まれる事例はほとんどありません。
しかし、スリや置き引き、ひったくりなどの犯罪に巻き込まれる可能性は十分にあるのです。
スリ
空港や人が集まって混雑しているような所(イベント会場、銀行付近など)で発生しやすいです。
大きく口の開いた鞄は格好の餌食。
さらに、そのような鞄を持って、銀行から出てきた後などは特に注意しましょう。
もし、誰かが当たってきたり、どこかに触れてきたりした場合は、すぐに鞄の中身の貴重品を確認するべきです。
また、最新型のスマートフォンが見える状態でポケットなどに入れていると狙われる可能性があります。
置き引き
空港やカフェ/レストラン、リゾートのプールサイド/ビーチというような所で発生しやすいです。
いくら治安がいい、部外者が立ち入らないというリゾートでも、裏を返してみれば、誰もが赤の他人。
特にポケットにはいるような小さな物、スマートフォンやアクセサリー、現金など、プールやビーチサイドのテーブルやサンベッドのような人目につくような所に置いておくと置き引きを誘引してしまう可能性があります。
特に、プライバシーを重視するリゾート島では、四六時中、スタッフがゲストをジロジロと見ている訳にはいきません。
また、スタッフエリアの宿舎内でも珍しい物や高価な物を目につく場所に置いていると置き引きを誘引する原因になってしまいます(日本人ゲストの方からいただいた貴重な日本のお菓子を勝手に食べられていた、ということもありえます)。
街中や空港などの不特定多数の人が行き来する場所ではより注意が必要です。
空き巣
外国人の居住する中・高級アパートやオフィス、ゲストハウスなどで発生しています。
居住者や勤務者が不在の時間帯を狙い、現金や高価な電化製品などを盗んでいきます(ゲストハウスでデジタルカメラとノートパソコンを外出中に盗まれた、ということを聞いたことがあります)。
また、居住者が寝静まった深夜に侵入してくるケースもあるようです。
ひったくり
首都マーレ、比較的大きなローカルアイランドで注意が必要です。
モーターバイクで後ろから近づいてきて荷物をひったくられることがあります。
特に人通りの少ない狭い路地に入った所を狙って、近づいてくる可能性があります。
会計詐称
買い物を現金、もしくはデビットカードで支払いをする場合は問題がないのですが、クレジットカードで支払いをする場合には注意が必要です。
レシートに署名する前に、通貨が何になっているか確認を怠ると、モルディブルフィアで打ち込まれていると思っていたら、米ドルで打ち込まれていたというようなことが起こっているのです(モルディブでは、米ドルがブルフィア同様、通貨のように扱われています)。
強姦
首都マーレ、ローカルアイランド、リゾートと各所で発生しています。
特に、夜間に独り歩きをしていたり、人通りの少ない通りを一人で歩いていたりする場合に狙われやすいです。
聞いた話では、ローカルアイランドのゲストハウスに1人で滞在中のモルディブ在住日本人女性が、夜間、勝手に部屋の鍵を開けられ、強姦されそうになったということです。
首都マーレで気をつけるべき場所
モルディブでの就職先を見つけ、長期滞在となった場合、基本的にリゾート島に住み込みか首都マーレに滞在という人が大部分になると思います。
リゾート島は、最低限のことに注意さえしていれば、日本と同じ感覚であってもほぼ問題ありません。
しかし、首都マーレとなると様々な人が生活しているので、注意すべき場所もでてきます。
そこで、現地の人からどの場所に気を付けた方がいいかを教えてもらいました。
首都マーレの治安情報。注意すべき地域と場所
・国立博物館の裏道、スルタンパーク付近
夜間20時以降(その日最後のお祈りの時間より後)になるとこの辺りはほとんど無人状態になります。
もし、夜間にその周辺を一人で歩いていると不審な人間が近づいてくる可能性が高いそうです。
・高等教育センターの裏にある道の途中にある袋小路
ドラッグ常用者のたまり場になっており、昼夜問わずに間違ってその袋小路に入ってしまうと危険だということです。
・フスノヒナマグとカルフハーアーマグの交差する角地(Pizza Miaから2ブロック西側)
そこにあるビルが、ギャングの集まる場所になっており、この通りに5~6つのセキュリティカメラが設置されているとのことです。
・Tジェッティエリア、ボドゥタクルファヌマグ(No.1ジェッティより南側)
深夜帯になると人通りがなくなり、不審者がうろつき、金品を要求してくるそうです。
・マッチャンゴーリブル(イズディーングマグとハビーリヒグンでできている三角地帯)
ギャングのたまり場になっており、特に夜間は近づかない方がいいとのことです。
・旧アーティフィシャルビーチからカーニバルにかけての海側
プライバシーを求めて夜間ビーチ沿いの方へ行くと、集団で囲み、金品を要求し強奪されることがあるそうです。
このように書くと「マーレは大変危険ではないのか?」と思われてしまうかもしれませんが、日中は気を引き締めて、油断することなくいれば、問題なく一人で歩くことができます。
他の国でも同じことが言えるかと思いますが、夜間、深夜帯に危険度が高くなると言えるでしょう。
モルディブでの注意点まとめ
リゾート島、ゲストハウス
- 必要以上の貴重品を持って歩かない。
- 荷物を混雑している場所や人目につきやすい場所に置いていく場合は、誰かが見張り役となって残るようにする(基本的に荷物は客室/自室において置きましょう)。
- 貴重品を目のつく所に置かない。
- レシートに署名する前にちゃんと自分が利用したものかを確認してから署名をする。
- しつこく言い寄ってくるスタッフなどを客室/自室に入れない、曖昧な態度を取らない。
- 人目のつかない場所などでリゾートのスタッフと二人きりにならない。
首都マーレ、空港、ローカルアイランド
- 大きく口の開いた鞄を持ち歩かない。
- 車道側に荷物を持たない。
- 人通りの少ない路地をできるだけ避けて通る。
- 夜間、深夜帯はできる限り一人で歩くことを避ける。
- 防犯ブザーを持ち歩く。
- 誰かにつけられているような感じがするなど危険を感じた場合には、速やかにそのエリアを離れ、人通りの多い通りに行くようにする。
- 現金やスマートフォンなどを目に付きやすく、取りやすい場所に入れておかない。
- クレジットカードを使用した場合、署名をする前に通貨の確認を怠らない。
- デモや集会が行われているような所に興味本位で近づかない。
最後に
モルディブでは、普段、日本で気をつけているようなことに最低限気をつけていれば、治安についてそれほど心配することはありません。
ただし、海外にいるということを忘れないで下さい!!
思わぬところでトラブルに巻き込まれることがあるので、羽目をはずすことなく気を引き締めて曖昧な態度を取らないようにしましょう。
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