これから中国に留学に行く、または仕事で駐在が決まった、中国移住が決まった方のために、移住の際に準備すべきポイントについて説明します。
予め準備を万端にしておけば、移住後に困ることが少なくなります。
今回はビザ情報、保険、住居、健康診断、証明書手続き関連、仕事探しの6つの点からわかりやすく説明していきます。
中国は日本のようにサービスや行政システムがしっかりしていないところも多々ありますので、しっかりと事前準備をしておきましょう。
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1. 中国のビザ準備について
中国のビザは目的によって様々な種類のビザがあります。
ここでは最初に筆者の取得した就労ビザ(2014年取得)について詳しく説明したいと思います。
まず、筆者の場合は嫁が中国人なので、中国渡航前にすでに中国でも入籍を済ませておきましたので、親族訪問ビザ180日というものを東京で申請しました。
その際の必要だった書類は以下です。
- 配偶者のIDカードのコピー(中国の身分証明書)
- 中国の結婚証のコピー(配偶者の分のみでOK)
- 配偶者の招待状原本(配偶者に直筆で記入してもらう)
の3点です。
3の招待状は配偶者が日本在住の場合は中国在住の配偶者の家族、親族に書いてもらうことになります。
あとは本人のパスポートと顔写真で申請できます。
申請先は東京の中国関連の旅行会社で申請して、おおよそ一週間程度で取得できました。
マルチビザではないため一度中国に入り、出国するともう使用できませんので、注意が必要です。
筆者の場合は中国現地で就職活動したため、就職が決まった後は就職先の必要書類などのサポートを受けて東京に再度帰国し、在日中国大使館にてZビザ(就労ビザ)を申請しました。
取得後、再度中国にて労働許可証と中国外国人在留許可証を取得して晴れて中国で生活ができる資格を得ることができたという流れです。
ですので、その人によってケースバイケースですが、留学にしても仕事にしても、中国での所属先のビザサポートが不可欠となります。
中国では、きちんと公認登録をしていない組織や企業も沢山あるため、稀にビザサポートができないので個人でビザを取ってから働けるというところもあります。
政府も年々外国人に対するビザは厳しく取り締まっており、門が狭くなっているのも事実です。
日本から取得をする場合は在日中国大使館のホームページで最新情報が確認できますので事前にこまめに電話などで確認しておくと良いでしょう。
また自分と同じ種類のビザを取得した方にやり方を聞いておくのも有効です。
2. 中国の保険について
中国では外国人には日本の健康保険証のようなものはありません。
医療機関にかかる場合は現金支払いか、日本人が現地の日系企業に勤務の場合は毎月給与から一定金額が医療カードにチャージされていく仕組みがあります。
その医療カードで支払うという手段もあります。
筆者が勤務した企業は日本人は外国人扱いなので、海外保険に加入してくれました。
海外保険料は全額会社負担で、風邪から死亡の事故まで保険が効きます。
体験談:
インフルエンザで一度保険のお世話になりましたが、電話一本で現地のハイクラスな医療機関にて保険会社から通訳が派遣されて待ち時間なしですぐ専門医が診察してくれました。支払いも全部代行してくれ、見送りまでつくという良いサービスでした。
保険会社は日系の会社から、現地の会社まで様々です。
日本人はやはり日系の会社だと安心しますがやはり現地会社よりは割高です。筆者の場合は年間12万円程度のプランでした。
ただ歯医者は適用外で一度親知らずで歯を抜いたときは1万円程度の自己負担でした。歯医者が適用外というところは多いようです。
駐在員の場合は日本で事前に日本の保険会社に加入して渡航するケースも多いと思います。
渡航者の家族帯同の場合だと、会社負担か、個人で負担するケースが多いようです。あとは、現地でも様々な保険が加入できますが、日本人場合はまず日系企業に問い合わせてみるのが安全だと思います。
3.住居の状況について
中国の住居状況は日本とは大きく違います。
日本語しか出来ない場合は日系の不動産仲介会社が日本語で対応してくれますが、筆者の場合は嫁が中国人なので現地不動産仲介会社で契約しました。
流れはまず、
- 住む場所の近くにある仲介会社に予算と希望の間取りなどを伝え、いくつか紹介してもらう。
- 視察して気に入った物件があったらオーナー立会いで契約を結ぶ。
その際に家賃2ヶ月分をオーナーに、仲介会社に半月分の紹介手数料を支払う。 - 入居する
という流れになります。
中国の賃貸物件は家具、電化製品も一通りついていますが、洗濯機だけないとか電子レンジはないというパターンもありました。
中国の場合はオーナーと直接月々の家賃を交渉できます。
契約内容も例えば、備え付けの家具や電気製品が使えない場合やすぐ壊れた場合などの細かい契約も話し合って盛り込んでいきます。
基本的には1年契約更新で1年後は2ヶ月分の家賃は返却されますが、居住者責任の壁などの修理が必要な場合はそこから差し引かれるというパターンです。
ですのでオーナーとの人間関係が非常に重要になります。
人間関係が良好であれば1年後も家賃が上がることも稀にない場合もありますが基本は1年後は家賃は値上がりすると思った方がいいです。
そこは1年間オーナーが見て判断するところです。値上げしなけばあと1年住みますということも言えます。
何れにしても、水回りや、電気の故障などよく起こりますのでマンションできちんと管理してくれる物件を選ぶのが大事です。
一般的に管理費が高いマンションはサービスもいいし、セキュリティも安心できます。
相場は大都市は東京と同等かそれ以上と見たほうがいいです。ただ郊外や、地方都市は日本よりはまだ少し安い物件もあります。
ただ安いマンションやアパートは日本人からすると少し衛生面や安全面からもオススメはできません。欠陥住宅も多いのが現状です。
駐在員などは現地の日系企業で物件紹介を受けるケースが多いですが、サービスが良い分紹介手数料も高いです。日本語ができるスタッフも多いのでその分は何かあったときも便利です。
いづれにしても、中国の場合はよく物件とオーナーをきちんと見ることが重要です。
4.中国の健康診断について
中国では、健康診断の形態は様々です。基本的に保険は適用されないと考えておいたほうが良いと思います。
しかも、日本と比較しても、しっかりと診断をしてくれない所も多くありますので注意が必要です。
もし現地法人に勤める時には事前に健康診断提出が必要です。勤務開始前提出の際は外国人指定の診療所があるのでそこで診断を受けます。
企業に勤める際にも大抵年に1回の健康診断が必要になります。会社によって指定の診療所が違います。
筆者もビザ申請前と会社勤めの際に健康診断を受けました。日本円で約1万円程度でしたが、診断内容や医師の対応が粗雑な印象は受けました。
きちんとした信頼ある健康診断を受けたいのであれば、現地の有名病院か、外資系の診療機関をお勧めします。
5. 証明書関連の手続きについて
まずは中国に到着してから公安に住居登録をする必要があります。
中国では外国人にとってこの住居登録証明書がかなり重要です。
現地でのビザ申請にも必須の書類となります。
法律では外国人がこの届け出が遅れると罰金になる場合もあるので出来るだけ早めに登録することをお勧めします。ちなみに筆者は登録が遅れて一度4,000円程度罰金を支払いました。
都市によっては取得の際に大家さんの身分証明書や住居の証明が必要だったりします。不要でも手続きできる場合があります。
渡航前ですが、日本の戸籍謄本も取得しておくと良いです。あとは場合によって日本の勤務先の在職証明書や退職証明書、所得証明書も準備すると良いでしょう。
日本の住民票は置いておくと、税金の支払い義務は生じますが健康保険など、一時帰国した時は便利な場合があります。
筆者の場合は中国に長く住むつもりで渡航したので住民票は抜きました。その場合は各種納税義務は生じませんが一時帰国して医療サービスを受けたい場合は保険証が加入できないので不便です。
中国の病院もピンキリですので、日本の医療機関の方が安心という方は、各種保険や税金を日本で家族などに支払いを代行してもらうか自動引き落としにできる場合はその方が無難かもしれません。
現地での銀行口座開設は大手の中國銀行や中国工商銀行の口座があれば便利です。
外国人でもパスポートのみで比較的簡単に開設できます。
6. 仕事探しについて
中国では、現在約2万社と言われる日系企業が進出しています。
現在発展している沿岸部を中心に進出していますが、最近は成長著しい内陸部での進出も目立っています。
少し前は製造業を中心に進出していましたが、最近ではサービス業もたくさん進出してきています。
やはり、最初現地で仕事を探すということであれば大都市の北京、上海、広州、新センあたりが日系企業がたくさん進出していますし、仕事の求人も比較的あります。
参考記事:「中国で現地就職したい方必見!現地の就労状況と実態を解説」
筆者の場合も最初は広州で就職しましたが、最初は日本で何件か大手人材紹介会社に登録して何件か紹介をしてもらい、現地に行って面接を受けました。
やはり、現地に行って実際に会社や交通状況や雰囲気を見ることが重要だと思います。
中国は日本とは全く違うので想像と全然違うことも多いです。
しかも今は以前とは違い、中国人でも日本語が話せる優秀な人材がどんどん出てきています。企業側も人材の実績やスキルを求めますので、自分の売りをアピールすることが重要です。
以前は日本人というとそれだけで優遇される雰囲気がありましたが今は完全に中国人も日本人も同等、実力主義という会社も多いです。
と同時に日系企業であれば駐在員より現地採用者の方がコストが安くすみますので日本人にポジションをまかせたいという企業もあります。
代表的なオススメ海外転職サイト
海外転職サイトへの登録は済ませておきましょう。
海外の転職サービスは各国異なるため、ここでは国内の転職市場においてトップに入る転職サイト、およびハイクラス向け海外転職サイトをご紹介します。
登録無料で利用でき、海外求人数は豊富です。また、職務経歴書・面接対策といったサポートがしてもらえます。
給与相場としては大体日本人は現地社員よりも倍の給与水準ですが、これも能力によってさまざです。
簡単なコールセンターや日本語教師などであればもっと下がりますし、管理職や高度なスキルを生かせればさらに高い水準の給与が期待できます。
まとめ
筆者が感じた中国は経済成長も著しくこれから内陸部もさらに成長が見込まれるなど人々もパワフルで魅力がたくさんあります。
と同時に環境汚染や生活環境、文化の違いなど日本人からすれば受け入れがたい部分もあるかもしれません。
さらに、北部、内陸部、南部と広大な国土なので各地域で文化や言語も違うなどとても興味深い国です。
移住の際にはすでに中国に滞在している日本人や日本人コミュティがありますので、人脈を作っておくと詳しい現地情報が手に入ります。
また中国語も事前に勉強しておくととても便利です。
万全の準備をして渡航に臨んでいただけたらと思います。
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