最近は日本でも電子マネーやキャッシュレス決済が普及してきました。
たくさんお金を持ち歩く必要がなくなったり、割引やポイントが使えたりとメリットも多いですよね。
では、中国のキャッシュレス決済事情はどうなっているのでしょうか?
- 中国ではどのくらいキャッシュレス決済が普及しているのか
- どうして中国ではキャッシュレス決済が広がったのか
- 中国ではどんな電子マネーが使えるのか
など、中国の都市部を中心としたキャッシュレス決済の現状をお伝えします。
中国のキャッシュレス決済普及状況
筆者は普段生活している中で、現金を使うことはほとんどありません。
支払いのほとんどがスマートフォンを利用した電子マネーです。
中国での電子マネーの普及状況はすさまじく、路面店や屋台での買い物、バス運賃、公共料金の支払い、ほぼ全て電子マネーでまかなうことができます。
小さなお店はおつりを用意していないので、現金での支払いを断られることもあるのです。
私の周りの知人は、財布を持っていないという方も多くいます。
中国の電子マネーに関して筆者が一番びっくりしたのは、路上生活者の方が道ばたで自分の前に決済用のQRコードを置いていたこと…。
筆者は上海で生活をしていますが、電子マネーが普及しているのは都市部だけではありません。
雲南省や湖南省といった地方都市や山間部を訪れたことがありますが、観光地では問題なく電子マネーが使えました。
筆者が現金しか使えなかったのは、市街地から車で5時間程かかる秘境に行くまでの途中にあった売店です。
また、お寺でのおさい銭も現金で支払いました。
しかし最近ではおさい銭も、バーコードを読み取って金額を入力する方式をとっているところが増えてきています。
中国では、電子マネーなしに生活するのは難しいくらい、キャッシュレス決済が普及しているのです。
中国で電子マネーが広がった理由
中国で電子マネーが普及した理由は、大きく3つあると考えられます。
1つ目は偽札問題。
電子マネーが普及し始めた2000年代には、中国国内で毎年平均すると10億元(約160億円)もの偽札が押収されていたそうです。
現在でも毎年何億円分もの偽札が摘発されています。
現金の信用度は低く、現金を扱うお店には、必ずと言っていいほど偽札をチェックする機械が置いてある状況です。
2つ目は、中国でクレジットカードが普及していなかったこと。
中国ではクレジットカードやデビットカードで決済することも可能ですが、一般的なお店だと、VISAやJCBなど国際カードブランドでも対応していない場合が結構あります。
中国は貧富の差が激しいため、低所得層は国際カードブランドだとクレジットカードの審査で落ちてしまうことが多いのだそうです。
そのため、中国ではクレジットカードを使える人が少なく、クレジットカードでの支払いが一般的にならなかったと聞きます。
カードを使っている人は、銀聯(ぎんれん/Union pay)という中国のカードブランドを使っている人が多いです。
銀聯は中国人民銀行が中心となって作った決済ネットワークで、中国の金融機関が多数参加しています。
中国の銀行口座を開くと発行が可能なので、中国国民にとってとても利用しやすいカードです。
最近日本でも銀聯ブランドに対応したカードを発行しているカード会社が増えてきました。
3つ目は中国に高額紙幣がないこと。
中国の紙幣で一番金額が大きいのは、百元札です。
これは日本円だと約1600円で、1万円分を支払うのに7枚の紙幣を出さなくてはいけません。
低所得者がいる一方、高所得者も多い中国では、支払いのとき現金の場合はたくさんの紙幣を持ち歩かなければいけないことが問題となっていたのです。
電子マネーが普及したことで、現金を持ち歩く必要がなくなりました。
中国の二大電子マネー「支付宝」「微信」
中国で普及している電子マネーは主に2つ、支付宝(Alipay/アリペイ)と微信(we chat/ウィーチャット)ペイです。
どちらもスマートフォンにアプリをインストールして、自分のQRコードを読み取ってもらうこと、または相手のQRコードを読み取って金額を入力することで決済します。
日本ではたくさんの種類の電子マネーがありますが、中国ではほとんどの人やお店が支付宝と微信ペイのどちらかを利用しているのです。
この2つのアプリさえあれば、中国の決済で困ることはないと思います。
【支付宝(Alipay/アリペイ)】
支付宝はアリババグループという流通や情報技術サービスを多数手がける会社が運営しています。
中国国内で最もよく使われている電子マネーです。
アプリ内では公共料金の支払いや携帯電話へのチャージ、列車や航空券の予約などさまざまなことができます。
インターネットショッピングや、タクシーのアプリを利用する際も、支付宝を支払先にするとお金の管理ができてとても便利です。
スマートウォッチに支付宝をインストールすれば、時計に表示されたQRコードをかざすだけでも支払いができます。
最近は日本のデパートなどでも支付宝を使える店舗が増えてきました。
中国からの旅行者に対応するためです。
しかし、日本人は日本国内で支付宝が使えないことがあるので注意が必要になります。
【微信(we chat/ウィーチャット)ペイ】
微信は日本でいうLINEのようなメッセージアプリです。
微信の機能の1つに「微信ペイ」があります。
メッセージアプリということもあり、LINEでメッセージを送るような感覚で簡単に送金ができるため、知人同士のお金のやり取りなどに便利です。
また、割り勘機能というものもあります。
割り勘機能は、そのグループ内の代表者に決まった金額を期限内に支払うシステムです。
誰が支払って、誰が支払っていないかもすぐわかるため、大人数の会費を集めるときに活躍します。
日本人が使える電子マネーと課題点
中国の電子マネーは、基本的に中国国内に口座を持っている人であれば利用可能です。
登録の際に電話番号やパスポート番号が必要なので、1人1人の情報が管理されています。
以前は旅行者や短期出張者など、中国国内に銀行口座がない人は使えないということが問題になっていました。
これを受けて支付宝は、旅行者向けに中国国外のクレジットカードからでもお金をチャージできる「Tour Pass」というサービスをはじめています。
しかしこれもチャージしてから90日と制限があるため、長期滞在や移住を考えるなら、中国国内で口座を作ることが必要です。
また微信ペイは、海外版と中国国内版で決済機能に違いがあるなど短期滞在者には向いていないかもしれません。
電子マネーが普及してとても便利になった一方、スマートフォンを持たない人や低所得層、スマホの操作が難しい高齢者が電子マネーを使えないといった課題も出てきました。
電子マネーでしか支払いができない場所もある中で、国民や滞在者全員がスムーズに支払いをできるようになることが今後の課題です。
他にも、偽のQRコードを読み込ませてお金を抜き取るなど、電子マネーを利用した犯罪も増えています。
簡単に送金や支払いができるようになった分、送金先や金額をきちんと確認するなど注意が必要です。
まとめ
中国のキャッシュレス決済事情はいかがでしたか?
中国では、電子マネーなしでは生活できないと言っていいほど、キャッシュレス決済が当たり前になっています。
中国の電子マネーを使いこなせるようになれば、現金を持ち歩く必要はありません。
以前は外国人を狙ったひったくりや詐欺も多数ありましたが、現金を持ち歩く人が少なくなったので、そういった犯罪は減っているそうです。
電子マネーを上手に使って、ショッピングライフを楽しみましょう!
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