ゴールデンビザでポルトガル移住!現地の不動産事情と購入手順を解説

ゴールデンビザでポルトガル移住!現地の不動産事情と購入手順を解説

ポルトガル移住を叶える手段として、近年注目を浴びているゴールデンビザ。

ポルトガルは、太陽いっぱいで物価も安く、欧州諸国からの旅行先として人気を誇りますが、日本からの観光客を見かけることはほとんどなく、穴場とも言える国です。

ヨーロッパを見尽くした後、ポルトガルの美しさと心地よさにはまる日本人もいます。

ゴールデンビザは、不動産投資をする見返りとして長期滞在の権利が得られるビザ(投資活動用在留許可 (ARI))として注目を浴びています。

南ヨーロッパと聞くと、経済状態がよくないイメージがつきまとい、投資する身としては不安になるかもしれません。実際ポルトガルも、10年以上前に大きな経済危機を経験しました。

しかし、今では危機を乗り越え、経済が回復しています。

世界中のスタートアップ企業が集まる「ウェブサミット」の開催地であるポルトガル。

直近のサミットでは日本企業も参加したことがニュースになっていました。

ポルトガルは、法律やインフラの整備が整っており、家賃が安いという条件がそろっているので、ビジネス拠点としてどんどん活用されているのです。

実際、リスボンのオフィス街(リベルダーデなど)の賃貸料も高くなっています。

海外の富裕層に人気のゴールデンビザ

ゴールデンビザは、特に中国やロシアの富裕層に人気のビザでもあります。

中国人はかなり積極的に不動産投資をしていて、公園ビューのある新築コンドミニアムが一棟丸ごと彼らにより買い取られていると聞いたことがあります。

なぜこんなに不動産投資が盛んなのでしょうか?

ある中国の記事で興味深いものがありました。

それは、経済的自由を9レベルに分けたもの。

レベル1は「スーパーマーケットの自由」つまり、食べ物を選べる権利です。

それから旅行の自由、仕事の自由、家の自由などをたどり、最難関レベル9は「国籍の自由」です。

国籍は、お金をいくら積んでもたやすく手に入るものではありません。

いろんな条件をクリアし、長い手続きを踏まなくてはいけないですよね。

言ってみれば、お金さえ出せば簡単に国籍の自由を手に入るのがゴールデンビザです。

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ポルトガルの不動産購入でゴールデンビザを取得

500,000ユーロ(約6000万円)以上のポルトガルの不動産を購入すれば、ゴールデンビザを取ることができます。(※2020年3月時点)

また、不動産購入以外にも

○100万ユーロ(約1億3千万円)相当あるいはそれ以上の資金のポ
ルトガルへの移動。株式投資または共同出資会社への資金参加を含む。

○10以上の雇用機会の創出。

があります。

これら3つの条件のどれか一つを満たすことがゴールデンビザ申請条件になります。

<国指定の不動産なら350,000ユーロ(約4200万円)から>

6700万円というのはハードルが高いと感じるかもしれませんが、国が指定の地域の不動産なら、350,000ユーロ(約4200万円)以上からと少しハードルが低くなります。

注意点

不動産投資があまりにも人気になってしまい、価格高騰の問題があると述べました。

今後ポルトガル政府がゴールデンビザ発給の条件を制限する可能性もあります。

投資価格を上げたり、購入できるエリアの制限などハードルが上がるかもしれません。

最新情報をチェックしてみてください。

ゴールデンビザの特徴

不動産を購入してゴールデンビザを取れば、1年間の滞在許可がもらえます。

このビザのユニークなところは、居住権を保持するために年間7日間だけポルトガルにいれば、EU内をビザなしで旅行できたりと、自由度が高いとことです。

もちろん買った物件に住んで現地ライフを楽しむのもアリですが、物件を賃貸して家賃収入を得ながら、ポルトガルと日本を行ったり来たりも可能なのです。

そして、ゴールデンビザを5年以上維持すれば、永住権の申請や国籍の選択もできます。

ビザ取得者は家族を呼び寄せることができ、公立の学校や医療サービスを受けられるので、よりリベラルなヨーロッパの国に住むためにたくさん押し寄せる理由がわかります。

さらに、ゴールデンビザ で移住後、海外から持ち込んだ資金は課税対象にならないので、富裕層にとってはタックスヘイブン

あの米歌手マドンナもポルトガルに移住したことは有名ですが、どこに住んでいるかはあまり知られていません。うわさでは、牧場か田園に囲まれた静かなところに住んでいるそう・・・。

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ゴールデンビザのメリットが大きい理由

ゴールデンビザは取得者にとってどうしてこんなにメリットだらけなのか不思議に思う方もいるかもしれません。

ポルトガルがゴールデンビザを推進のには、それなりの背景があるのです。

2009年のギリシャ危機の影響でポルトガル経済は大ピンチに陥りました。

経済復興案として、2012年にゴールデンビザプログラムが始まりました。

このプログラム導入のおかげで、国外からたくさん投資を集めることに成功し、ポルトガル経済になんと50億ユーロ(約5967億円)の利益をもたらすことになります。

ポルトガルのほぼ全ての政党がゴールデンビザを支持しており、現在の政権下でもプログラムが大きく推奨されています。

過去5年間のポルトガルの不動産投資のほぼ大半は外国から。

その結果、不動産価格や家賃がどんどん値上がりしています。(ポルトガル人は市場に入れず、もっぱら売る側だそう。)

ポルトガルから話はずれますが、今日本人にとってポルトガルというマイナーな国よりも東欧の方が旅行先として人気があるかもしれません。

実際、ハンガリーの首都ブタペストに不動産を持っていた人が、東欧ブームで不動産価値が高騰する直前に手放してしまったため、もう少し売るのを待てばかなりの収益があったのに!とくやしがっていました。

ポルトガルは日本からの旅行や移住先としては、まだまだ穴場ですが、これから必ず人気が出てくると筆者は感じています。

住居価格は値上がり傾向ですが、外国からの投資が少なくなれば、値下がりする可能性もあります。

リスボンの家賃相場

リスボンでは、家賃の高騰のせいで部屋探しがむずかしいのが問題になっています。

ポルトガル人の平均収入と家賃相場を見ていただければ、部屋探しがいかにたいへんかお分かりいただけるでしょう。

1DKアパート 家賃相場

  • リスボン中心 : 920ユーロ (約11万円)
  • リスボン中心外 : 650ユーロ (約7万8千円)

参考給料

  • 最低月収 : 635ユーロ (約7万7千円)
  • 平均月収 : 910ユーロ (約10万円)

リスボンの不動産価格

ポルトガルの不動産価値は値上がりしていると言いましたが、2019年末は前年比で15.8%上昇しました。

しかし地域によって不動産価格の値上がり率は大きく変わります。

リスボンは11.5%に比べ、第二の都市ポルトは16%です。

  • リスボン市内のアパート1平方メートルあたりの平均価格は3500ユーロ(約42万円)
  • リスボン市外のアパート1平方メートルあたりの平均価格は2000ユーロ(約24万円)

です。

2DK 中古物件相場

  • リスボン市内(シアード) アパート: 640,000ユーロ (約7700万円)
  • リスボン市外(アマドラ) 一戸建て: 530,000ユーロ (約6400万円)

不動産購入のおすすめエリアはどこか?(※個人的見解です)

リスボンに近い観光地であるカスカイス(Cascais)はヨーロッパやアメリカ人の観光先として密かな人気を誇っています。

カスカイスのビーチ

カスカイスのビーチ

不動産価格の上昇率もリスボンと比べて低くなっています8.5%。

2DK 中古物件相場

  • カスカイス中心地 650.000ユーロ (約7800万円)

夏休みシーズンに、筆者がリスボンの電車駅で多くの人からカスカイスまでの行き先を聞かれたのをきっかけに、実際に行ってみました。

雰囲気の良いビーチ、センスの良いレストラン、カフェ、ブティックのある、ロマンチックで可愛い小さな街でした。

カスカイスはリスボンの中心から車で30分、電車も20分おきに出ているのでアクセス面も良好。

カスカイスはただの観光地でなく、多くの企業が集まり、良質な私立学校があって高等教育が充実しているので、住むのにも好条件な場所といえます。

また、カスカイスの不動産購入者には、南アフリカ人やイギリス人が多くを占めているので、英語がよく通じるエリアでもあるでしょう。

ポルトガルで不動産物件を探す方法

ポルトガルにはたくさんの不動産会社があります。

会社が運営するウェブサイトが下調べに便利なので、紹介します。

最後の掲示板サイトOLX以外はすべて英語で見られます。

物件購入とビザ取得までの流れ

それでは、不動産購入とビザ申請までの主な3ステップを紹介します。

ステップ1 ポルトガルへ行く前の準備

ポルトガルの不動産会社に物件購入とゴールデンビザ対応有無について問合せます。

大手だとゴールデンビザ発給の実績があり、英語での対応可能です。

日本語が話せる不動産会社はまだないようなので、希望なら日本のエージェントに依頼してもいいかもしれません。

不動産会社には、物件の希望条件やその他のニーズなどを伝えます。

不動産は弁護士に連絡をとり、申請書の準備、税金番号の取得、銀行口座開設の予約などをしてもらいます。

ステップ2 ポルトガル到着

ポルトガルに到着してから4日間の流れの例です。

1日目 弁護士と会い手続きの説明を受ける、委任状を渡す、税金番号をもらう

2日目 物件見学

3日目 銀行で口座開設、物件の最終選択

4日目 物件の仮押さえ

日本に帰国後、ポルトガルで開設した口座へ物件を購入するためのお金を振り込みます。

入金確認後、弁護士が購入手続きを完了させます。

ステップ3 ポルトガルにて指紋採取

物件購入後、その他必要書類を持って、ポルトガルに来きます。

指紋採取をし、滞在許可の申請書類を移民局に提出します。

審査に6ヶ月以上ほどかかるそうです。

滞在許可が発行されたら弁護士に送ってもらいます。

有効期限以内で好きな時に7日間ポルトガルに滞在しにくれば条件クリアです。

まとめ

今回はポルトガルの不動産投資によるゴールデンビザの取得についてお話ししました。

ポルトガルは近年、外国からの投資で不動産価格は高くなっていますが、他のヨーロッパ主要諸国と比べると安いのが魅力。

物件を購入やビザ取得に必要書類をそろえる時は、不動産会社や弁護士などのサポートがあれば可能です。

気候がよく、生活水準も高いポルトガルは、移住先や欧州の拠点として人気なのがうなずけますね。

申請のために要件や必要書類等はこちら→ゴールデンビザ申請書類 (ポルトガル大使館)

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