ポルトガルに移住したいなら、現地の医療システムや病院事情が気になりますよね。
ポルトガルでは国の医療サービスの下で、日本人でも低額か無料で病院にかかることができます。
医療レベルもヨーロッパの中でも高いほうなので、安心できます。
もしもインフルエンザにかかったとしたら、どうやって病院に行けばいいでしょうか?
ここでは、病院にかかる方法や、知っておきたい医療事情や、保険の話をしていきます。
ポルトガルの医療システム。外国人もOKのSNSに登録しよう
ポルトガルの公の医療システムはSNS (Serviço Nacional de Saúde) と呼ばれます。
SNSは、外国人でもポルトガルに住んでいれば受ける資格があります。
公の医療は低額かつ、妊婦、子ども、高齢者の方は無料なので、医療費が高くて病院に行けないなんてことはありません。
ポルトガルへ移住したら、いつでも病院にかかれるようすぐにSNSに登録しましょう。
登録は、最寄りの診療センター(centro de saude)に行ってします。
必要なものは、パスポート/在留カード、社会保障番号、住居証明。登録ができたら、ホームドクターが割り当てられます。通院には予約が必要です。
旅行者や短期間滞在の方は
旅行者などは、病院で受付けてもらえますが、旅行保険で支払います。
また、移住しても必要書類がそろうまで時間がかかるかもれません。
SNSに入れない間は、民間保険に入っておくと安心です。
ポルトガルの医療レベルは高い?
ポルトガルの医療水準は低いとよく耳にしますが、実際は良いほうだと感じます。
ポルトガルの医療レベルは、ヨーロッパの中で13位。(2018年ヨーロッパ医療消費者指数)
ランキングでは、イギリスを抜いて、ドイツとほぼ同じレベルになっています。
これは、
- 待ち時間
- 患者の権利
- 情報アクセス度
などを総合的に判断した結果です。
また、日本人にとって心配なのは言葉の問題ですよね。
今のところ日本語で診療する病院は無いようですが、大体ドクターは英語が通じます。
夜に突然具合が悪くなった?救急のときの対応方法
・緊急レベル: 高
ポルトガルの救急車はすぐに来てくれます。費用は少額か無料。
救急・警察・消防: 112
・緊急レベル: 低
自分で救急病院に行ってもいいですが、公立病院は激混みで、家で安静していれば良かったと後悔することがあります。
そこでおすすめなのが、Saúde 24というホットラインに電話相談をすることです。
ここで症状を説明すれば、看護婦や医者からアドバイスをもらうことができます。必要と判断されれば、救急病院につなげてもらうことも可能です。
Saúde 24: 808-242-424 (英語はオプション9)
リスボンの救急病院
・サンタマリア病院
(所在地) Av. Prof. Egas Moniz 1649-035 Lisboa
(電話) 21-780-5000
・エステファニア病院(小児科専門)
(所在地) Rua Jacinto Marta 1169-045 Lisboa
(電話) 21-312-6600
ポルトガルでは公立病院と私立病院どちらが良い?費用差がある
ポルトガルには公立と私立の病院がありますが、費用に大きな違いがあります。
公立病院は低額か無料、私立病院は10倍くらいかかることがあります。
参考の医療費用としては、
・公立病院
ホームドクターによる診察 約5ユーロ
専門医による診察 約8ユーロ
救急診療 約16ユーロ
・私立病院
ホームドクターによる診察 約40〜70ユーロ
専門医による診察(眼科) 約75〜95ユーロ
救急診察 約97ユーロ
保険なしで私立病院で入院し治療を受ければ、軽く数十万はかかることも・・。
そして、公立は私立よりも待ち時間が長いです。
公立の病院や診療所は医者不足で、いつもパンク状態。
特に混んでいる診療所は、予約したくても誰も電話に出てくれません。
また、公の病院で大きな問題になっているのが、専門医の予約のとりにくさ。
眼科や皮膚科の予約が半年や一年、さらには数年先ということも聞きます。
ちょっとした病気なら公立病院でも良いかもしれませんが、他の病気が心配なら、私立の病院を活用するため、民間保険に入るのが得策です。
ポルトガル生活で入るべき民間保険は?
旅行、留学、短期滞在の方は日本の海外旅行保険に入れば、提携先の私立病院が利用できます。
ポルトガルに長期滞在や移住をされる方は、雇用先で入れる保険もありますし、個人で民間保険に入ってもいいですね。
小学校の先生をしているあるポルトガル人は、公務員用の保険と個人で民間保険に入っていて、時には組み合わせて使っているようです。
民間保険に入るメリットは、
- ホームドクターを選べる
- 専門医との予約がすぐ取れる
- 自宅診療ができる
などがあります。
また保険の提携先によって、行ける病院が変わってくるので前もって確認しましょう。
・ポルトガルの主な民間保険会社
メディス (Médis)
https://www.medis.pt/medis-health-insurance/
ムルティケア (Multicare)
https://www.multicare.pt/PT/particulares/Paginas/default.aspx
ちなみに、ポルトガルの大手銀行ミレニウムはメディス、CGD銀行はムルティケアを提供しているので、口座を作った銀行で詳しく聞いてみるのもいいかもしれません。
実体験から語る。びっくりポルトガルの医療事情
実際にポルトガルの医療に触れてカルチャーショックだったことを紹介します。
1. 熱が出たら水風呂??
子どもが熱を出したので、Saude24の健康相談サービスに電話したところ、水風呂に入れるように指示されたこと。
これはポルトガルでは常識で、熱があるときは薄着させるよう言われます。
風邪で熱が出たら暖かくするよう言われて育った日本人の私には驚きでした。
2. ナースとドクター、どっち??
次に、ナースとドクターの区別がつきにくいこと。
個室のデスクに呼ばれ、白衣を来た人に問診をされたのでお医者さんかと思ったら、看護師でした。ポルトガルではナースによる問診の後、別の個室でドクター診察があります。
ポルトガルでは、病院と検査機関は別になっています。
血液や尿検査など基本的なことは病院内でできますが、エコーなど他の検査は、他の施設に行ってすることになります。
その場合、ドクターに検査票をもらい、後日近くの検査センターに行きます。
こちらも予約制。検査結果も指定日に取りに行くので、ちょっと手間がかかります。
3. ポルトガルでマスクは非常識なこと
日本では風邪でマスクをするのは普通ですが、ポルトガル人はマスク文化がないので、マスクをつけて外を歩けば重大な伝染病を疑われ、ぎょっとした顔をされます。
日本から持ってきたい薬
具合が悪いとき、日本で飲み慣れた薬やグッズがあると、いっそう安心できるものです。
- 胃腸薬
- 冷えピタ
- のど飴
- マスク
- 目薬
は、本当に役立ちました。
また、ポルトガルに実際に住んでみてツライと感じるのが乾燥です。
ヨーロッパは日本より湿度が低いので、洗濯物も室内でよく乾きます。
でも、冬にデロンギの暖房をつけて寝た日には、喉がカラッカラになります。そのため喉の風邪にしょっちゅうかかって困りました。
対策としてマスクをして寝たり、日本製のポータブル加湿器(アロマディフューザー)を枕元に置くと楽になるので、とても重宝しています。
いろいろ売っている薬局
ポルトガルで薬局はファーマシア(farmácia)と言います。
リスボン市内は、薬局が日本のコンビニのようにあちこちにあります。日本の調剤薬局とドラックストアを合わせたようなイメージのお店です。
英語が話せる薬剤師さんも多く、薬の飲みかたを丁寧に説明してくれます。
24時間やっている薬局もありますが、深夜は店内には入れず、薬の受取りや会計も入口ですることになります。冬の寒い夜は気をつけてください。
あとは、処方箋なしで買える薬もありますが、少し割高になります。
ポルトガルで健康上気をつけたい3つのこと
1. 暑い日でも日陰は寒い
高温多湿な日本では、日向と日陰の気温差はそれほど感じませんが、ポルトガルでは、日向は汗が出るほどの暑さでも、日陰は冷やっとすることがあります。
上着を持っていれば万全です。
2. あなどれない夏の日差し
ポルトガルの夏は日差しが強く、日射病や熱中症になるリスクがあります。
公園には、真夏日の午前11時から午後4時までは、子どもが遊ぶのは控えるよう注意書きがあります。
紫外線から子どもを守るために、帽子、日焼け止め、サングラスが必需品です。
水分もこまめにとりましょう。
3. インフルエンザの薬には注意!
実は筆者は、ポルトガルでインフルエンザにかかった時、処方された薬で強い幻覚に襲われたことがあります。大事には至りませんでしたが、再度病院に行って違う薬を処方してもらいました。
日本でも抗インフルエンザ薬の「タミフル」で同じような問題がニュースになりましたよね。抗インフルエンザ薬で副作用の経験がある人は、事前にドクターに知らせましょう。
ポルトガルの医療事情まとめ
公の医療サービスが利用できるのが嬉しい反面、長い待ち時間はネックです。
私立の病院は便利ですが、保険に入っていないと高額になるので注意しましょう。
ポルトガルに長く生活するなら、いろんな専門医にお世話になる可能性があります。
より良いサービスを受けられるように、現地の保険に入ることを検討してみましょう。
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