ポルトガル人の性格といっても、想像がわかないかもしれません。
南ヨーロッパの一番端にあるポルトガルは、いわゆるラテン系の国。ラテン系といえば、陽気で、ノリが良く、情熱的なイメージがありますよね。
実はポルトガル人は他のラテンの国の人と比べると温和で落ち着いているんです。
ここでは、現地在住者からポルトガル人の基本的な性格と10の特徴を紹介していきます。
また、ポルトガル人が喜ぶ接し方などのヒントも加えてみました。
1.陽気でおしゃべり好き
まずは、ポルトガル人の基本的な性格から。
ポルトガルは太陽がいっぱいの国なので、みんな明るくよく笑います。
日本から来た人がすぐに気づくのは、ポルトガル人はおしゃべりが多いこと。いわゆるガールズトークのようなものが街中で繰り広げられているよう。
また、声の大きい人が多いのも特徴です。
男性ならテノール歌手のような厚みのある通る声、女性は若くしてハスキーボイスの人も。それに加え、大振りのジェスチャー、くるくる変わる表情。
言葉以外で伝わることが多いので、ポルトガル人は何を考えているかわからなくて困ることはめったにありません。
ただ、おしゃべりが過ぎて仕事の会議が長引いたり、長電話で人を待たせたりなんてことも。日本には私語を慎むという考えがありますが、ポルトガル人は場の雰囲気が和むことを大事にします。
2.のんびり屋
ポルトガル人は基本的に時間厳守ではありません。
これは日本と大きく違うところで、時間を守ることは最優先課題ではないようです。だから友達との待ち合わせの時間に多少遅れても、あまり気にしません。
ショッピングモールのお店なども、開店時間が数分遅れることもしばしば。
病院や公の機関は、祝祭日や頻繁に起きるストライキを挟むと手続きがかなり遅れます。それはまさにポルトガルタイム。
日本人の感覚からすると、イライラしてしまうかもしれません。でも、こちらが時間に間に合わなくても、さらっと許してくれるので気が楽です。
また、ストレスが溜まりがちな職場でも、突然ラテン音楽をかけて踊り始める人もいるくらいなので、いつでもどこでもリラックスすることができるお国柄です。
3.ロマンチックなポルトガル人男性
こころからは、ポルトガル人の男女の特徴を挙げていきます。
有名なポルトガル人男性といえば、世界のベストサッカープレーヤーのクリスティアーノ・ロナウド。
彫刻のような顔立ちに褐色の肌、マッチョボディのラテン男子は街中にあふれています。
そして若い人でも、きれいに形を整えてられた立派な髭を蓄えている人が目立ちます。
性格面はロマンチックで、女性にあげる花を持ち歩いている人をよく見かけます。
ラテン系は情熱的で激しいイメージですが、ポルトガル人は優しく穏やかなタイプが多いです。
他のラテンの国でありがちな、道ゆく女性に口笛を吹く、声をかける、ナンパをすることはけっこう珍しいです。
今ではジェントルマンなイメージがあるポルトガル男性ですが、約40年前のポルトガルは独裁政権下にあり、男性は女性より偉いという考えで男性側の抑圧的な態度が許された時代でした。
政権が倒れ、EUに入ってからは他の先進国のように男女平等の意識が広まり、今のように女性に優しい男性が増えたそうですよ。
4.芯の強いポルトガル人女性
ポルトガル人女性は、太眉が似合う、大きな笑顔が魅力的な美人が多いです。
身長は日本人女性よりも高めで、中学生くらいの子もかなり大人びたスタイルで驚くでしょう。
日焼けした小麦色の肌が人気で、それに映える明るい色の服や、アクセサリーの重ね付けでゴージャスに魅せるのが彼女たちが好むファッションです。
内面は、自立心が強く、自己主張をはっきりします。
感情が顔に出やすいので、嫌なことはめったに顔に出さない日本人は戸惑うかもしれません。でも、裏表がなく、腹の探り合いなどの気苦労をせずに、フランクに付き合えるでしょう。
ポルトガルで最近放映されている子供向け番組に注目すると、プリンセスものよりは、自分の能力を活かし活躍をするスーパーガールの主人公が目立ちます。
女性の社長、政治家、高度な専門職も増えてきており、この国の女性は強いです。
5.味覚が敏感
ポルトガルは、ヨーロッパでも首位を争うグルメ天国です。
1日に4回食事をするくらい、この国の人は食べることが大好き。
種類豊富なパンやチーズ、お肉と魚介の伝統料理の他、ワインの質は言うまでもありません。ヨーロッパの美味しいものはすべてポルトガルで手に入ると思って良いでしょう。
ポルトガルのお菓子、パステル・デ・ナタというエッグタルトは聞いたことがありますか?
カフェや駅のスタンド等どこにでも売っていて、コーヒーのお供やテイクアウトにします。ちなみにこのお菓子は、中国の飲茶のデザートにも出てくるので、ポルトガルに来る前は、この国の食べ物だとは知りませんでした。
ヨーロッパの他の国だと、食事が質素で味気なく、日本食が強烈に恋しくなることがありますが。
ポルトガルは日本にも負けないくらい食文化が豊かなので、安心できますよ。
そして意外にもポルトガル人は、日本のようにお米を週に半分以上は食べます。
彼らは自国の伝統料理にかなりの自信を持ってるので、作り方を聞けば熱心に教えてくれますよ。寿司好きも多いので、お互いに作り方を教え合うのも、仲良くなるきっかけになるでしょう。
6.サッカーへの強いこだわり
ポルトガル人の情熱は、サッカーにも注がれます。
ポルトガルのチームには、ベンフィカ、スポーティング、ポルトがあります。
それぞれのチームカラー、赤、緑、青はサポーターが日常に取り入れるほどです。
普段は大人しめのポルトガル人も、サッカーの話になると絶対に譲りません。
自分は赤のチームだから、緑(のモノ)は使わない!など、ジョークなのか本気なのかわからないことを言い出します。
サッカーの試合の日には、チームカラーをまとったサポーターたちが歌いながら闊歩し、壁にチーム名を落書きする若者の姿も。
公園でサッカーをする子供たちでさえ、ボール使いが上手く、レベルの高さが光ります。日本人の空手家の、気合の入れ方が抜群に違うのと似ています。
7.仕事よりもプライベートが大事
ポルトガル人はおしゃべり好きと前に書きましたが、恋人や家族から電話がかかってくると、仕事中でもかまわず出て話します。急用でもないのにしばらく会話することがしばしば。
祝祭日には家族や親戚一同が集まり、ご飯を囲んで団欒を楽しみます。
実際にポルトガル人に聞いたところ、仕事より家族が大事なのはあたりまえ。
優先順位は、その次に友達、同僚だよ、と言っていました。
仕事が忙しく家族との時間がないことが多い日本とは違いますね。
また、ポルトガル人は子供好きの人が多く、道で会う赤ちゃんに
「Tão giro(a)!可愛いですね!」
「Muitas felicidades.ご多幸を願います」
としょっちゅう声をかけます。
公共交通機関でも、ベビーカーを持ち上げてあげる、席を譲ることは当然のようにする優しいポルトガル人です。
8.休暇のために仕事をする
ポルトガルは世界の中でも有給休暇が長く、35日もある上、消化率も抜群に高いんです。
男性が育児休暇を取ることも普通になってきています。
日本の有給休暇は最低10日が保障されているが使い切る人が少ない、とポルトガル人に話したら「それだけ?」と信じてもらえませんでした。
ポルトガル人を含むヨーロッパ人の考え方は、仕事は人生の一部であり“中心ではない”です。
休暇は、自分の人生を楽しみ充実させ、家族との絆を深めるための必要不可欠なもの。
仕事で忙しいポルトガル人の決まり文句は「私にはバカンスが必要だ」です。
バカンスの過ごし方は、生活レベルによって様々で、家で料理をしてまったり、ビーチや山など自然の中でバーベキューやキャンプをすることが多いです。
中にはホリデーハウスを長期で借りて過ごしたり、海外旅行に行ったりする人もいますが、何か特別なことをするよりかは、普段の生活の延長をする感覚です。
9.自国の文化に誇りを持っている
ポルトガル人は自国の文化に誇りを持っていますが、それを鼻にかけることがありません。
世界で最も古い文学はポルトガルから生まれたことを知っていますか?
ポルトガルを代表する詩人フェルナンド・ペソアはポルトガル人の心をうまく表現しました。彼の言葉は、地下鉄駅ホームの壁に大きく書かれてあったりと、国中で愛されています。
日本の歴史の授業で、ポルトガルの大航海時代の活躍は耳にしましたよね。
リスボンには世界の海を航海したヴァスコ・ダ・ガマの名にちなんだショッピングモールがあり、内装やエレベーターのデザインが航海をイメージさせるような工夫がされています。
また、ポルトガルの伝統料理は種類が多く、日本人の味覚に合うと言われています。
魚で一番人気なのがバカリャウ(鱈)で、食べ方はなんと365日分もあるそう。
ポルトガル料理は、植民地の国々や移民先の国々、日本にまで影響を与えました。
ハワイのお菓子マラサダはポルトガル発祥なんですよ。日本の金平糖やカステラは定番ですよね。
10.日本人との共通点は?ポルトガル人と仲良くなるには
ポルトガル人の性格や文化は、日本人と共通点があることがわかりましたね。
ここでは、ポルトガル人と仲良くなるためのポイントをいくつか挙げます。
まずは挨拶。
ポルトガル人はハグとキスをします。
男性同士なら、握手かハグでもいいですが、男性と女性、女性同士ならハグとキスは基本です。
外国人には遠慮するポルトガル人もいますが、こちらからしてあげると喜びます。
また、相手のファーストネーム(下の名前)を覚えてあげて、挨拶の時や、会話の途中、別れる際にちょこちょこ挟んであげると、向こうがぐっと親近感を持って接してくれることがわかります。
日本人より明るく陽気な印象のポルトガル人ですが、実際はシャイな一面もあります。
外国人に対しては心の距離が生まれがちですが、ポルトガル流の挨拶の仕方や名前の呼びかけをマスターすれば、怖いものはありません。
まとめ
陽気で親しみ深く、自分の情熱に正直なポルトガル人。
彼らの人生の楽しみ方には、学ぶことが多いと思います。
楽しいことや美味しいことが大好きなポルトガル人と仲良くなれば、きっとあなたの世界が広くなることでしょう。
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