日本の成田から4時間半の南国フィリピンに移住する方は年々増えています。
老後の生活から、活力ある国への移住、目的はさまざまですが、その魅力にとりつかれ、永住する方も多い国になりました。
今回は、フィリピン永住権の取得に関する最新情報を永住権取得者のNさんにお聞きしました。
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フィリピン永住権は買うもの
永住権とは「お金を払って買うものです。」と言うと、なんだか違法行為のように聞こえますね。
でも、日本やその他の国々の事情はともかく、フィリピンに関する限り、このように考えた方がいいように思えます。
国籍を変更する「帰化」ではなく、元の国籍を維持したままの外国人を自国に永住させる許可が、永住権を与えるということ。
無条件に受け入れるはずもなく、どんな国の政府でも、原則として、自国や自国民の利益になる外国人に対してしか、この権利は与えません。つまり、投資家・労働者・自国民の配偶者などです。(人道的観点による、難民や亡命者の受け入れは除く)
フィリピンの場合、最近でこそ年率6%を超える経済成長を誇っていても、まだまだ貧困が社会問題。
国家の財政も決して豊かとは言えません。
そこでフィリピン政府の場合、経済的な利益をもたらす外国人が、優先的に永住権を得られるという、とても明快な政策をとっています。
退職者向け永住ビザ SRRV
その政策が形になったのが、SRRV(Special Resident Retiree’s Visa/特別永住退職者査証)と呼ばれる永住ビザ。
簡単に言うと、フィリピン国内の指定銀行に一定金額の預金をして、年齢や無犯罪などの条件をクリアすれば、誰でもフィリピンの永住権が手に入るというもの。
また追加で就労許可を得れば、フィリピン国内で働くことも可能です。
もう少し詳しく言うと、1万米ドル(約110万円)から5万米ドル(約560万円)を指定銀行に預けることが永住との交換条件。
35歳から利用できて、50歳未満か以上かで、ビザ取得後の預金運用の有無、年金受給者かどうかで金額は変わります。
運用はコンドミニアムの購入など、用途がかなり限定されてしまうので、実質的には永住権を買っているようなもの。
ただし、永住をやめれば、預金は全額返金。
また、このビザは、夫婦や家族での永住を想定しているようで、配偶者と子供を含めて、2名までは追加金なしに帯同することができます。
こちらの記事もご覧ください:
「SRRVリタイアメントビザでフィリピン永住を叶える方法」
退職庁という役所
フィリピンには、退職庁(PRA: Philippine Retirement Authority)という専門の役所があり、SRRVの発給はこのPRAの管轄です。
海外の退職者に永住を促し、年金などをフィリピンに落としてもらうのが国の方針。
そのため、他の東南アジア諸国に比べても、フィリピンは永住権を得やすい国として知られています。
それにしても「退職者査証(Retiree’s Visa)」と名付けているのに、30代でも取得できるというのは、露骨にお金さえ払えば誰でもいいと言っているようで、少々違和感を覚えますね。
なお、内容に関しては予告なしに変更されることもありますので、PRAのホームページで確認することをお勧めします。(日本語ページ有り)
結婚ビザでフィリピン永住
ところで平成28年の外務省調査によると、フィリピンの在留邦人数は約1万7千人で、そのうち5252人が永住者としてカウントされています。
日本人のフィリピン永住で、特に男性に多いパターンは、フィリピン女性と結婚し、定年退職などを機に移り住むというもの。
実は、その永住者の多くがSRRVではなく、13aと呼ばれる結婚ビザ(Mon-Quota Immigrate Visa)取得者ではないかと思われます。
このビザは、フィリピン人と結婚した外国人を対象とした永住ビザ。
SRRVと異なり、フィリピン人の配偶者なら申請できて、銀行への預金も必要なく、就労も可。(追加申請の就労許可は必要)
取得には、必要書類の提出に加えて、申請時に弁護士の面接があります。
通常は数ヶ月程度で、仮ビザが発行され、1年後の再申請で永住ビザが出ます。一度取得すれば、離婚さえしなければ、年に一度の記載事項の確認(Annual Report)で手数料310ペソ(約700円)を支払えば更新不要。
オールマイティのクオータービザ
それ以外にも、滞在期間が無制限という点では永住ビザと同様の、投資や事業を行うことを条件に認められるものもあります。
しかしいずれも、高額な投資を続けることや、フィリピン人を最低10名以上雇用するなどの、条件がつきます。
中でもクオーター・ビザの名称で知られる特別割当移住査証(Qquota Iimmigrant Visa)は、フィリピン人と結婚している必要はなく、就労もできて追加費用も不要のオールマイティなビザ。
しかし、年に50人の取得者数制限があり、手続きは極めて複雑。
5万米ドルの投資実績など、フィリピン国内で事業を行っていることが条件で、年々取得は難しくなっていると言います。
個人で申請するには障壁が高いので、請負い業者が多数あるようですが、必ず取得できる保証はなく、法外な手数料を請求されることもあります。
住むことが第一義ならば、あまりおすすめはできないビザかもしれません。
クオータビザに関する記事はこちら:
「他に類を見ない海外永住権が南のある国に存在!?そのビザの真相」
このようにフィリピンでの永住ビザとして取得しやすいのは、
- SRRV
- 結婚ビザ
ということになります。
しかし最低でも100万円以上もの預金を準備するのは、やはり軽い負担ではないし、日本人同士の夫婦で移住するケースもあります。
そこで次に、永住ビザ取得以外の方法を考えてみましょう。
世界最強 日本のパスポート
日本のパスポートは、世界でも最強レベル。
2017年の調査によると、日本のパスポートがあれば、155か国でビザなし入国できます(最多はドイツの158か国)。
フィリピンも対象国で、59日まではビザなし滞在することが可能。
それ以降は9aと呼ばれる観光ビザを申請すれば、さらに滞在期間が延長。
そして、2か月毎に、追加延長すれば、16か月間はフィリピン国外に出ることなしに滞在することが認められます。
さらなる期間延長も可能ですが、手続きがとても面倒になるので、16か月以上は、一旦出国した方が無難なようです。
観光ビザで長期滞在
永住ビザに拘らないのであれば、帰国時のスケジュールが未定の航空券、オープンチケットで渡航して、ビザの延長申請を繰り返して滞在、16か月以内に一時帰国することで、実質的には永住者とさほど変わらない生活ができます。
オープンチケットは、格安航空券に比べると割高ですし、延長の手数料も積算すれば最大10万円程度にはなりますが、SRRVに比べれば、安い経費と言えるでしょう。
ただし観光ビザだけでは現地での就労は不可。この点は、ご注意ください。
渡り鳥スタイルのフィリピン暮らし
フィリピンでは、外国人による土地付き家屋の購入はできませんが、コンドミニアム(マンション)ならば買うことができます。もし年に何回か海外旅行ができるだけの余裕があるなら、日本で暑さや寒さの厳しい時期のみフィリピンのコンドミニアムで過ごし、春や秋だけ日本に戻る「渡り鳥スタイル」がいいかも知れません。
そしてフィリピンの生活に慣れてきて、生活の基盤を移しても大丈夫と判断してから、日本の住まいを引き払って、フィリピンに永住という選択肢も考えられます。
海外への移住はよほどの資産家でもない限り、人生に何回もできることではありません。
リスクを最小限にするため、いきなり永住ではなく、1年程度の経験を積んでからというのも、一つの方法でしょう。
簡単にはいかない永住!思わぬトラブル
このように書くと、比較的制度化が進んでいて、フィリピンに永住するのは、それほど難しくないと思われるかも知れません。
これが日本ならば、大抵は書いてある通りに事が進むでしょうけれど、フィリピンの役所仕事で困るのは、窓口担当者によって言うことが違ったり、何の告知もなしに急に手順が変わったりすること。
ひどい場合には、賄賂を要求されることもあります。
日本では予想もできないトラブルは、フィリピンでは日常茶飯事。
しかし経験者にアドバイスをもらえれば、ある程度は準備や心構えができます。
フィリピン在住で、実際には会ったこともない人にも相談できるのが、インターネット時代の便利なところ。
フェイスブックで相談しよう
最近では日本でも利用者の多いフェイスブックなどのSNS。
そこではフィリピンに関する情報を交換するグループがたくさんあります。
マニラ・セブなどの住んでいる地域別、英語留学専門、投資関係、夜遊び仲間など、細分化が進んでいて、こうしたグループに参加すれば、永住に必要な情報はきっと見つかります。
メンバーの皆さんは、何かと苦労された人が多く、中には一度フィリピンに住んだけれど、事情があって日本にUターンしてしまった体験をお持ちの方も。
漠然とした問いかけではなく、ご自身の状況や、住みたい街、やりたい事を具体的にして質問すれば、親切で的確な回答が期待できます。
まとめ
「フィリピン永住権最新事情」いかがでしたか?
ここでは主に、フィリピン永住のための手続きとそのコストについて書いてきました。
しかしながら肝心なのは、永住権を得てからです。
フィリピンの文化や習慣、気候や食べ物に馴染めないと、苦労して永住権を手に入れたのに、数年で日本に逆戻りする事にもなりかねません。
また、帰国とまではいかなくても、何年経ってもフィリピン人の思考や行動パターンを受け入れることができず、SNSやブログでフィリピンの悪口ばかり書いている人や、フィリピン料理を毛嫌いして日本食レストランに入り浸り、高い食費を払いつづけている人を時々見かけます。
フィリピンに限らず、海外で永住をするならば、日本との違いへの寛容さと、気候や食事に対応できる柔軟さは持ち合わせたいもの。
せっかく縁あって永住するのですから、末長く快適に、機嫌よく暮らしたいですね。
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