日本人がイタリア滞在する場合、90日以内であればビザは必要はありません。
しかし、90日を超えて滞在するときには、目的に合ったビザを事前にイタリア大使館で取得する必要があります。
ここではイタリアに長期滞在するためのビザの種類、ビザの申請に必要なもの、手続の方法などをまとめてみます。
以下それぞれのビザに記載しました。
- 就学ビザ(5種類)
- 就労ビザ(4種類)
- 配偶者ビザ
- リタイアメントビザ
- 永住権について
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イタリアの就学ビザ・5種類
学ぶことが目的でイタリアに留学する方は、就学ビザが必要です。
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どのような学校に留学するかによって必要書類や手続の流れが変わってきます。
イタリアのビザの中では比較的一番取りやすいと言われています。
各就学ビザの共通必要書類:
- 住居に関する書類(賃貸契約書、寮などの入居証明書、ホームステイ先からの受け入れ承諾書、など。貸主の電話、メールアドレスが明記されていること)
- 留学資金が自己資金の場合:資金の入っている銀行口座(過去6ヶ月にわたり安定した資産状況が確認できるもの)の通帳
親が資金提供する場合:所定の保証書、実印登録証明書、資金の入っている保証人名義の銀行口座過去6ヶ月にわたり安定した資産状況が確認できるもの)の通帳、およびパスポートのコピー
奨学金を受給している場合:奨学金発給証明書 - 滞在の全期間をカバーする医療費の項目が無制限の海外傷害保険の契約書
1.語学留学用の就学ビザ
私立の語学学校でイタリア語を勉強するのに必要なビザです。
下記の書類を語学学校に依頼して揃えましょう。
前述の共通必要書類と合わせてビザの申請をします。
- 入学許可書(授業内容、レベル、授業時間数、期間が明記されているもの。レターヘッドに印刷し、校長の署名のある正式なものが必要です)
- 教育監督局(州など)より教育機関として認可されていることがわかる書類
- 経営母体の登記簿謄本(商工会議所に法人登録されている場合のみ)
- 学校への支払いが完了していることを示す書類
2.大学・音楽院・美術大学留学用の就学ビザ
在東京イタリア文化会館を通じて出願します。
そして在東京イタリア文化会館の留学者リストに掲載されている人のみ、これらのビザの申請することができます。
ビザの申請には共通必要書類に加えて入学許可書が必要です。
3.大学院留学用の就学ビザ
出願は直接自分で行います。
ビザの申請には共通必要書類に加えて、修士号や博士号を取得することが可能な、イタリアの公立・私立大学の大学院入学許可書が必要です。
4.交換留学用の就学ビザ
ビザの申請には共通必要書類に加えて、下記の書類が必要です。
- 日本の大学からイタリア総領事館にあてた英文ビザ発給依頼書
- 両校のあいだで取り交わされた交換留学協定書のコピー
- イタリアの大学からの入学許可書/受入れ承諾書
5.職業訓練校留学用の就学ビザ
ビザの申請には共通必要書類に加えて、下記の書類が必要です。
- 職業訓練校として州に認可されていることを証明する書類
- 日本で同じ分野の専門教育を修了したことを証明できる書類(卒業証明書)
イタリアの就労ビザ・4種類
すでにイタリアでの仕事が決まっている場合には、日本で就労ビザを取得することができます。
とりあえずイタリアに行って、それから仕事を探そうといている人はこれらの就労ビザは取得できません。
高い失業率が続くイタリアで日本人が仕事を得るのはとても難しい状況なので、これらの就労ビザの取得は簡単ではありません。
また個別で必要書類や申請の手順が変わることが多いので、ここでは基本的なことをご紹介します。
1.被雇用者のための就労ビザ
いわゆる駐在ビザと呼ばれるものです。
給与所得者や研究者がこのビザの対象となります。
あらかじめ移民統合事務局の労働許可を取る必要があります。
2.自由業者のための就労ビザ
自営業、弁護士などのいわゆる士業、オーナー社長や社外取締役、契約教授などが対象となるビザです。
申請には契約書や地方労働局発行の証明書などが必要です。
3.スタートアップビザ
イタリアで新規に事業を始める人が対象です。
あらかじめ経済開発省の許可を取得する必要があります。
4.ブルーカードUE取得者のためのビザ
EUの複数国で就業する専門職の方が対象です。
あらかじめ移民統合事務局の許可を取得する必要があります。
ここでの専門職とは下記のような職業です。
家族ビザ
イタリア長期滞在者の配偶者や子供のためのビザです。
例えば、日本人の夫のイタリア赴任に妻や子供が呼び寄せる場合にはこの家族ビザを取得できます。
この場合あらかじめ日本人の夫は居住地の県庁にある移民統合事務局に申請します。
移民統合事務局からイタリア大使館に許可証が届いたことが確認されてから、妻や子供の家族ビザの申請手続きができます。
一方、EU国籍保持者の家族はビザの取得が免除されています。
イタリア人とすでに日本で結婚した日本人とその子供はビザが不要と言うことになります。
リタイアメントビザ
年齢は問われず、イタリアで住居を購入し維持することが条件となっています。
イタリアでの就労は一切禁じられていて、働かなくても暮らしていける経済力を証明することが必要ですが、具体的な金額などは公表されていません。
イタリア大使館に予約して相談する流れになっています。
イタリア永住権の取得について
配偶者ビザは、初回は5年。
5年後の更新時に婚姻状態にあり、かつ問題がないかの審査があり、イタリアの永住ビザが取得できます。
ただし、よく変更もあるため、最新の情報を取得されてください。
※リタイアメントビザは大使館も詳細を出さず個別対応しか取らないため、永住権を申請希望される方は、大使館へお問い合わせください。
ビザの申請時期・申請場所
イタリア大使館ではいずれのビザも出発の90日前から受け付けてくれます。
審査には時間もかかり、一度で全ての書類がOKにならないこともあるので、できる限り早めに申請しましましょう。
日本でイタリアのビザが申請できるのは下記の2ヶ所です。ビザの申請は予約制になっているのでまずはオンラインで予約して下さい。
・在日イタリア大使館 (住民票が静岡県以東の人はこちらで申請できます。)
住所:〒108 – 8302 東京都港区三田2-5-4
受付時間:月曜日~金曜日 9:30-11:30
ビザセクション電話番号: 03-3453-5291 (質問受付け時間:平日の14:30-16:30)
ビザセクション問い合わせメール:visa.tokyo@esteri.it
URL:https://ambtokyo.esteri.it/ambasciata_tokyo/ja/informazioni_e_servizi/visti/
・在大阪イタリア総領事館 (住民票が愛知県以西の人はこちらで申請できます。)
住所:〒530-0005 大阪市北区中之島2-3-18 中之島フェスティバルタワー17階
受付時間:月曜日~金曜日 9:30-11:30
ビザセクション電話番号:06-4706-5841(質問受付け時間:平日の14:30-16:30)
ビザセクション問い合わせメール:visti.osaka@esteri.it
URL:https://consosaka.esteri.it/consolato_Osaka/ja/i_servizi/per_chi_si_reca_in_italia/per-chi-si-reca-in-italia.html
イタリア入国後にするべきこと=滞在許可証の申請
イタリアで長期滞在するために必要なのはビザだけではありません。
ビザはあくまでもイタリアに入国を許可するものです。
イタリアに入国したらどのビザを持つ人もすぐに滞在許可証の申請をしなくてはなりません。
ビザを元に滞在許可証の取得ができてはじめてイタリアに合法に滞在できることになります。
就学用の滞在許可証
就学ビザで入国した場合の滞在許可証の申請についてはこちらの記事を参考にして下さい。
まずは郵便局でKITと呼ばれる必要書類一式をもらい、書類記入、申請料の支払いなどを済ませ、警察署の予約を取ります。
ビザの申請よりもこの滞在許可証の申請の方が時間も労力もかかると言われています。
就労用の滞在許可証
就労ビザでイタリアに入国したあとは、就労用の滞在許可証を申請します。
就学用の滞在許可証から就労用に切り換えることも可能ですが、いつでもできるわけではありません。
Decreto Flussi(デクレート・フルッシ)という政府が就学用から就労用に切り替えできる一定数の枠を発表したときにだけ可能です。
デクレート・フルッシの解禁は不定期でいつ発表されるか分かりません。
雇用契約とデクレート・フルッシのタイミングがうまく合ってはじめて、滞在許可証の切り替えができるのです。
家族用の滞在許可証
家族ビザの申請が不要なEU国籍保持者の家族も滞在許可証の申請は必要です。
すでに滞在許可証を持つ日本人の家族は、家族ビザを取得しないでイタリアに入国し、直接イタリアで滞在許可証を申請することもできます。
滞在許可証の申請に時間がかかり日本人がビザなしで滞在できる90日を超えてしまった場合、一時帰国しなければならないリスクもあります。
ただ家族ビザを取得するために必要な移民統合事務局からの許可証も時間がかかったりスムーズに行かないことが多いので、直接イタリアで滞在許可証の申請をした方が早いケースが多いようです。
イタリアのビザのまとめ
2019年1月時点のイタリアのビザの情報をまとめてみました。
実際にビザを申請するときには必ず自分で最新情報をチェックして下さいね。
イタリアのビザは各機関の担当者の判断に大きく左右されることがあります。
事前に調べた情報を参考にしながら、自分のケースに応じて確認しながら進めて行くとよいでしょう。
また、イタリアに長期滞在するためには最終的には滞在許可証が必要です。
ビザの取得はイタリア滞在への入り口だということを常に頭に入れておいて下さい。
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