海外で暮らしたいと思ったら、まず真っ先にクリアしなければならないのが滞在許可証、通称“ビザ”の取得です。
国際的に信用度の高い日本人は、多くの国へビザなしで旅行へ行けますが、留学や長期滞在となると話は少し変わってきます。
アルゼンチンは特に多くの移民を受け入れきた国でもあり、比較的簡単にビザが取れると言われてはいますが、実際のことろはどうでしょうか。
アルゼンチンの数あるビザの中でも、日本人に身近で、特に取得しやすい4つのビザ/滞在許可証について、その内容と申請方法をご紹介します。
本記事で取り扱うビザは以下
- 観光ビザ
- ワーキングホリデービザ
- 学生ビザ(学位取得などの正規留学)
- 学生ビザ(語学、タンゴ、スポーツ留学など)
尚、ここに記載するパスポートや滞在許可証、預金証明書など、全ての必要書類はあらかじめオリジナルとコピー(2部)を用意しておきましょう。
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1. 観光ビザ:Visa para Turismo
申請方法
日本人がアルゼンチンへ観光目的で訪れる場合、空港到着後の入国審査時に90日間の観光ビザが自動的に与えられるため、日本を出国する前にするべきことは特にありません。
ただし、渡航時には以下の点に気をつけてください。
注意点:
- パスポートの有効期限が6ヶ月以上残っていること
- パスポートの記載欄には2ページ分の余白があること
- 日本ーアルゼンチン間の往復のチケットを持っていること
観光ビザの延長方法
観光ビザは90日間の有効期限が切れる前に、アルゼンチン国内の移民局 (La Dirección Nacional de Migración)で手続きをすると、更に90日間の延長が1度だけできます。
有効期限が切れる10日ぐらい前に移民局へ足を運びましょう。
移民局はいつも大変混み合っているため、オフィスの開く8時よりも30分ぐらい前から並ぶつもりで、以下のものを持参して早めに行くことをお勧めします。
- 有効期限内のパスポート
- 更新手数料の900ペソ=約45ドル(2018年2月現在)
- 有効期限内の滞在許可証
※参照:アルゼンチン移民局のサイト
それでも長い時間待たされることは間違いないので、手続きは午前中いっぱいかかることを想定して、時間に余裕を持って行った方がいいでしょう。
観光ビザが失効した場合
滞在許可証の有効期限が既に切れてしまっている場合には、延長手続きは行えません。
滞在許可証の失効翌日から数えて10日以内に出国する必要があるため、移民局でただちに出国許可の手続きを取ってください。
失効翌日から
- 2年以内の不法滞在の場合、罰金として1500ペソ(約75米ドル)
- 2年以上の場合、3000ペソ(約米150ドル)
を支払うことになりますので、失効には気をつけましょう。
アルゼンチンで6ヶ月以上の長期滞在をしたい場合は?
ブエノスアイレスから毎日出航している船に乗り、パラナ川を最短距離で渡った対岸にある、ウルグアイのサグラメント・デ・コロニアという街を訪れ、その後再び船でブエノスアイレスに戻りアルゼンチンに再入国することで、90日間の観光ビザを取得しなおすことができます。
それを延長するとまた最長180日間のビザが取れるため、多くの外国人旅行者が半年に一度国外に出ることで長期的にアルゼンチンに滞在しています。
こうした形でのビザ更新は違法ではありませんが、あまり何度も繰り返していると入国時に釘を刺されることもあるので、注意は必要です。
また、常に最新のビザ情報を手に入れるよう日頃からアンテナを張っておきましょう。
2. ワーキングホリデービザ:Visa de vacaciones y actividades laborales
日本でもすっかりお馴染みのワーホリビザですが、アルゼンチンー日本間では2017年に締結されたばかりで、しかも南米では初めての試みとなるため、各方面から注目を集めています。
定員は年間50名、期間は1年間となってはいますが、まだまだスタートを切ったばかりで詳細が公開されていない部分も多いため、分かる範囲で次にまとめてみます。
応募資格
- 18歳〜31歳の日本国籍保有者
- アルゼンチンのワーキングホリデービザを今までに発給されていない者
- 犯罪歴がなく犯罪経歴証明書を提出できる者
- 現地で仕事が見つかるまでの滞在費があると証明できる者
- 滞在期間中の病気や事故を保障する保険に加入している者
必要書類
- パスポート(有効期限と2ページ以上の空白ページがあるもの)
- ビザ申請書
- 犯罪経歴証明書(過去3年間に犯罪経歴がないことを示すもの)
- 宣誓供述書(他国で犯罪を侵していないことを宣誓したもの)
- 帰国用の航空券(もしくは航空券購入可能な資金を証明できるもの)
- 資金証明(2500米ドル以上を有することを証明できるもの)
※過去3ヶ月間の銀行預金残高証明書、クレジットカードの明細書 - 医療および傷害保険(最低3万米ドル以上の補償があるもの)
- ビザ申請料150米ドルの支払い証明書
- 親の承諾書(申請者が未成年の場合)
注意事項
アルゼンチンのワーキングホリデーは、まだ始まったばかりの制度であることから、手続き準備を始めるにあたって、まずは在日アルゼンチン大使館に最新情報を確認するようにしてください。
また、同じ理由からアルゼンチン国内での仕事探しなどは難航する可能性が高く、仮に職場を見つけたとしても現地の賃金はとても安いため、それだけで生活を賄うことは難しいと思っておいてください。
初期の生活費としてある程度余裕を持って資金を用意しておくことをお勧めします。
アルゼンチンの生活費についての参考記事 「インフレ年率20%!アルゼンチンの物価と生活費をイメージしよう」もご覧ください。
3. 学生ビザ(学位取得などの正規留学) : Visa de estudiante, estudios formales
学生ビザの中でも特にアルゼンチンの大学で学位を取得する等の、いわゆる正規留学を希望する人のためのビザです。
申請方法
日本出国前に在日本アルゼンチン領事館で留学する本人による申請となります。
必要書類
- パスポート(6ヶ月以上の有効期限と2ページ以上の空白があるもの)
- 証明写真2枚(4×4センチのカラー写真で背景は白)
- 滞在許可証申請書(電子データで本人の署名が入ったものが望ましい)
- RENUNE(El Registro Nacional Único de Requirentes de Extranjeros/外国人申請者管理機関)に正式登録された学校からの電子申請書
- 資金証明(留学期間中の生活費を有することを証明できるもの)
- 過去3年間で1年以上滞在した国のアポスティーユ付き犯罪経歴証明書
- 宣誓供述書(他国で犯罪を侵していないことを宣誓したもの)
- ビザ申請料150米ドルの支払い証明書
- 領事館手数料250米ドル
注意事項
手続き方法や必要書類に関しては随時変更があるため、手続きを開始する前に在日本アルゼンチン大使館に必ず確認を取るようにしてください。
また、手続きには時間がかかることも多いことから、渡航予定の半年程度前から確認作業を始め、確実に全ての手続きが終了するようにしましょう。
4. 学生ビザ(語学、タンゴ、スポーツ留学など:Visa de estudiante, estudios no formales
大学等での学位取得などの正規留学ではない、インフォーマルな留学を希望する人のためのビザです。
申請方法
アルゼンチンへ観光ビザで一旦入国した後、アルゼンチン国内の移民局で申請手続を行います。
必要書類
- パスポート(6ヶ月以上の有効期限と2ページ以上の空白があるもの)
- 証明写真2枚(4×4センチのカラー写真で背景は白)
- 滞在許可証申請書(電子データで本人の署名が入ったものが望ましい)
- 資金証明(留学期間中の生活費を有することを証明できるもの)
- 過去3年間に1年以上滞在した国のアポスティーユ付き犯罪証明書(16歳以上で、6ヶ月以上の滞在を希望する者)
- 受け入れ先機関の留学証明書
- 宣誓供述書(他国で犯罪を侵していないことを宣誓したもの)
- 手数料150米ドルの支払い
注意事項
これらの手続きと同時に現地で面接があることになっていますが、実際にはこうしたインフォーマルな留学の場合、受け入れ先機関が移民局に正式申請をするための書類を出してくれない場合がほとんどです。
渡航前に留学先に問い合わせてビザ申請のための入学許可証を出してもらえるかを確認し、できる場合には必要書類を揃えてから渡航しましょう。
また、正式なビザの申請ができない場合は、先述した観光ビザを延長して滞在することとなります。
インフォーマルな留学の場合、実際にはこの方法で留学している人の方が圧倒的に多いのが現実です。
アルゼンチンのビザについてのまとめ
日本人がアルゼンチンへ渡航する際に最も利用すると思われる4つのビザについてまとめましたが、全体的な印象として、3ヶ月〜数年間であればさほどの苦労なく観光ビザで滞在できることがお分りいただけたでしょうか。
南米には魅力的な国も多く、アルゼンチンを拠点として、ペルーの遺跡やブラジルのビーチにも足を伸ばしたいところです。
そうして再入国をすることで取得できる最長180日間の観光ビザは、長期滞在したい方には魅力的と言えるでしょう。
アルゼンチンの永住権
また、正規の学生ビザを取得して3年以上アルゼンチン国内で暮らした場合は、永住権の申請もできるようになります(観光ビザの延長等で3年以上滞在してもこの権利は生じません)。
他にも、アルゼンチン国籍を持つ人との結婚、アルゼンチン国内での出産、アルゼンチン国内に既に親族がいることでも永住権は比較的簡単に申請できます。
現政権(2018年現在)が移民政策の見直しに力を入れていることから、条件は年々厳しくなっていく見通しなので、今後も注意深く最新の情報を追っていく必要はありますが、他国と比べてまだまだ長期滞在、移住、永住の可能性の多く残るアルゼンチンへ、一度下調べも兼ねて訪れてみてはいかがでしょうか。
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