人口8000万人を数えるトルコは今、欧州や中東圏随一の経済発展を遂げています。
昔からトルコは物価が安いとよく言われてきましたが、今ではそんなのも昔の話。
ケースバイケースですが、日本はもちろんロンドンやパリよりも高い場合もあります。
それにインフレ率が高いので、イスタンブールは特に物価の上昇が激しいです。
ここでは、実際にイスタンブールで生活をしたと仮定した生活費をご紹介したいと思います。
まず結論からお伝えすると、単身での生活費は3000〜4000TL(70,000〜90,000円)程度必要になるでしょう。
では、その内訳を7つの項目からご紹介したいと思います。
※1TLは23円で算出しています
【トルコの関連記事はこちら】
↑トルコ滞在に役立つこちらの情報もご覧ください。過去のトルコの記事一覧はこちら
トルコの家賃
まず一番重要な衣食住の「住」である家賃です。
トルコは日本以上に格差の激しい国なので、その人の収入によって住む家のグレードや家賃、エリアが違うということは知っておいてください。
駐在員は家賃3000〜4000TL
まず海外からの企業等の駐在員で月々3000TLから4000TL程度。
物件によっては2000EURや3000EURの様なユーロ建て物件もあります。
しかしこのクラスになると正直相場は青天井ですね。
関連記事:トルコ・イスタンブールの賃貸住宅事情と各エリアの特徴
留学生などは家賃1000TL〜2000TL
次にイスタンブールに住んでいる外国人や留学生で月々1000TLから2000TLが相場になります。
この中には中小企業の駐在員やフリーランスで働く外国人も含まれてます。
意外にも寮生活を送る学生も月々の下宿代がこのぐらいで、トルコでは結構高い部類になります。
イスタンブールのサラリーマンの家賃は?700〜1000TL
最後にイスタンブールに生活する一般のサラリーマンですね。
一般的に30代前半で2500TLから3500TLのお給料を貰っている人が多いです。
この人たちは家賃に700〜1000TL程度を払っている場合が多いです。
いきなり安くなりますが、これはルームシェアをしていたりする場合が多いのでこの値段でイスタンブールに住めるんです。
もちろんイスタンブールでもエリアや物件によって大きな差があります。
この他に
- アンカラ
- イズミール
はイスタンブールよりも家賃は安くなります。
同じような条件でマイナス1000TLから1500TLくらい安くなる場合もありますよ。
光熱費、水道代、固定通信費は合計500TLが相場
日本では一軒家、マンション、アパート問わず部屋に住んでいる契約者宛に個別請求されるのが一般的です。
ただし、トルコではマンションによって建物のオーナーやシェアルームの場合は家主宛に請求されるところも多くあります。
その場合は住んでいる人や部屋で均等に等分して、オーナーや家主から請求されます。
また家賃に含まれていることも多いので、入居する際に必ず公共料金の支払いを確認する必要がありますので忘れないようにしましょう。
もし個人契約で個別請求される場合は以下のようになります。
- 光熱費:100〜200TL程度
- 水道代:100〜200TL程度
- 固定通信費:30〜100TL程度
もちろん住んでいる人の数や物件の契約条件によっても違いますが、光熱費、水道、固定通信費の3つの合計500リラ以内が相場です。
因みに残念な話ですが中には悪いオーナーや家主もいて、請求額に上乗せをして請求してくる人も時々います。
相場がわからない中で言われるまま払ってしまいそうですが、怪しいと思った場合は請求書を見せてもらいましょう。
食費
これは食べるものやスタイルによって大きく異なりますね。
野菜等の日常に食べるものは以下のような値段です。
項目 | 物価 |
---|---|
パン(1個) | 1.25TL |
トマト(1㎏) | 6TL |
ジャガイモ(2㎏) | 5TL |
キャベツ(1玉) | 3TL |
玉ねぎ(2㎏) | 5TL |
牛乳(1ℓ) | 5TL |
リンゴ(1㎏) | 10TL |
オレンジ(1㎏) | 10TL |
牛肉(1㎏) | 40TL |
鶏肉(1㎏) | 30TL |
オリーブオイル(1ℓ) | 15TL |
この価格はあくまで参考なので、場所や産地によっても大きく違うのでその点はご了承ください。
ただしパン(太いバゲットの様な形)に関しては1.25TLと国の法律で決まっている全国統一価格です。
基本的に野菜やフルーツの価格は日本に比べるとだいぶ安いですね。
国内生産で賄える野菜などはだいぶ安いので自炊をすれば食費はかなり抑えることができます。
牛肉も日本に比べると安いですが、日本の様に多彩な部位ごとに売っていることは結構稀で、大雑把に分かれていることがほとんどです。
鶏肉もモモ肉やささみなどの部位ぐらいしか街中のスーパーでは売っていません。
そして、この中でお気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、豚肉がありません。
トルコ国民はほとんどがムスリムなので基本的に街で豚肉を見かけることはありませんが、禁止されているわけではありませんのでご安心ください。
では、トルコの食品で例外や高いものをご紹介しましょう。
トルコで高いもの
項目 | 物価 |
---|---|
サーモン(500g) | 50TL |
ベーコン(300g) | 60TL |
豚肉(1㎏) | 85TLから |
ライム(1㎏) | 30TL |
有機野菜 | 市場価格の+10から20TL |
このように外国人や富裕層向けのものになると途端に値段が跳ね上がります。
トルコでは沿岸沿いの地域以外ではシーフードを食べる習慣があまりないので、そもそも売っていないお店も多く、あるのはカルフール等の外資系スーパーや魚屋さんに行く必要があります。
因みにイスタンブールのカドキョイには魚屋さんが集まった市場があるのでそこでは安く手に入りますよ。
豚肉は生産している人が少なく、ほぼ時価に近いので直接お店で確認したほうが良いでしょう。
基本的にはトルコ国内で需要が少ないものや輸入しなければいけないものの値段は急に高くなります。
もし食費を抑えたいのであればトルコ人の食生活を真似すると良いでしょう。
外食費
イスタンブールではトルコ料理以外にも世界各国の料理が食べられます。
ただトルコ人はトルコ料理が大好きで、いつでもトルコ料理を食べたいという人が多いので全体的にはトルコ料理のお店が多いです。ただし残念ながらお酒は置いていません。
トルコの大衆食堂!ロカンタ:予算10〜20TL
ロカンタは大衆食堂のことです。
街中の至る所にあって安くてボリューム満点のお店です。
トルコの大衆食堂、ロカンタ。
安くてうまい。 pic.twitter.com/FgncEUdCyx— 至る (@dokoni_itaru) 2017年8月17日
ビュッフェ形式のお店なので選ぶ料理にもよりますが、10〜20TLでおなか一杯になります。
レストランにはお酒が置いてあるので、もしビールやワインを頼みたいのであればレストランに行くのが良いでしょう。
お酒を飲むならレストラン:予算30〜50TL
どこの国にもある形式のレストランです。
グレードの差が大きいのですが、普通のレストランであれば一人30から50TLもあれば十分でしょう。
ロカンタと違いお酒がおいてありますので、お酒が飲みたいのであればレストランに行きましょう。
トルコの地ビールで大体15TL程度とお酒は意外と高いので注意してくださいね。
因みに高級レストランであれば、トルコの宮廷料理フルコースが120EUR等値段が青天井なのは世界どこの街でも共通ですね。
トルコのお菓子屋「パスターネ」
トルコ語でお菓子のことは「パスタ」と言います。
読んで字のごとくお菓子屋さんのことです。
トルコでは日本以上にお菓子屋さんが多いかもしれません。それはトルコ人が甘いものが大好きだからかもしれませんね。
トルコの代表的なお菓子バクラヴァやケーキ等種類はとても豊富です。
- バクラヴァが1㎏で30TL
- ホールケーキで50TL
などが一般的ですが、お店によって値段はバラバラなのであくまで参考としておいてくださいね。
因みにお菓子はパスタとですが、私たちが思うパスタはトルコ語で何というでしょうか?
答えは「マカルナ」と言います。
安いファストフード:
早くて安いというのがファストフードの代名詞ですね。
トルコでも特にイスタンブールではお店がたくさんあります。
バーガーキングやマクドナルド、KFCなどアメリカ系のファストフードからスターバックス等のコーヒーチェーンも沢山あります。
ただしトルコの物価を考えると、ファストフードは決して安いと言えるものではありません。
- マクドナルドのビックマックセットが15TL
- バーガーキングのワッパーセットが13TL
とトルコの物価を考えると少々高めの値段設定です。
少し多めに食べるとあっという間にレストラン並みの値段になってしまいます。
イスタンブールっ子は基本的に外食が大好きでよく仲のいい友達とご飯を食べに行っています。
さらに大体のレストランは持ち帰りや宅配をしてくれます。
宅配アプリというのがあって自宅近くでアプリを開くとレストランの多さに驚かされます。
是非上手に使いこなして世界三大料理のトルコ料理を楽しんでください。
日用品
日用品はトルコの物価から考えると高いと思ったほうが良いでしょう。
歯ブラシやティッシュ、洗剤に絆創膏などが日本よりも高い場合もありますので、少し注意が必要です。
ドラッグストアはドイツ系のROSSMANNなど外資系のお店が多く街中やショッピングセンターにあります。
特にショッピングセンターのお店は品数も豊富なのでそちらの利用をおすすめします。
項目 | 物価 |
---|---|
トイレットペーパー | 20TL |
ポケットティッシュ | 5〜20TL |
歯ブラシ | 10〜30TL |
シャンプー | 20〜30TL |
使うものによってはこれより安くなったり高くなったりします。
プライベートブランドは安いですし、有名ブランドの商品は高くなります。
日用品の月々の費用は概ね日本と同じくらいと思ったほうが良いでしょう。
関連記事:トルコ・イスタンブールの物価7種類37品目を大公開!安い物から高い物まで
トルコの交通費
トルコは交通費が比較的安いと言われています。
今回は生活に必要なイスタンブール市内の交通費を紹介します。
関連記事:トルコ国内の移動手段。交通機関の種類や料金システム、利用方法を紹介
イスタンブール市内には様々な交通機関が走っていて、
- 地下鉄やトラム
- 市営バス
- ミニバス
などがあります。
他にもケーブルカー、フェリー、高速船、メトロバス(専用軌道を走るバス)等ほかの街ではあまり見かけない交通機関も市民の足としてよく利用されています。
ミニバス以外はイスタンブールカードというカードで乗車します。
トルコ版suicaの様なものでチャージした金額範囲内で使います。
メトロバス以外は全区間均一運賃なので距離はそこまで関係はありません。
交通手段 | 料金 |
---|---|
地下鉄、トラム | 2.6TL(1回) |
ケーブルカー | 2.6TL(1回) |
市営バス | 2.6TLから(1回) |
海峡連絡船 | 2.6TLから(1回) |
高速船(市内線) | 8TL(1回) |
メトロバス | 3.5TL以下(1回) |
なお運賃は路線や交通機関によって頻繁に変更されたりしますので、参考程度に考えておいてください。
また乗り継ぎ割引があるので、別の路線などに乗り継げば乗り継いだ先の交通機関の料金が安くなります。
また回数券の様なものがあり、
- 地下鉄やバスなどが月200回まで乗れるカード(205TL)
- すべての料金が半額になる学生カード
もあります。
ただし日本の様な定期券はありませんので、そこは注意が必要です。
全体的に日本よりはかなり安いので、月々6,000円から1万円あればすべて事足りますので安心してください。
スマホ・携帯電話
現代生活では欠かせないアイテムですね。
トルコでもスマートフォンの普及は著しく老いも若きもみんなスマートフォンを持っています。
通信キャリアは主に3つが営業していて
- Turkcell
- Turk Telekom
- Vodafon
の3社がサービスをしていて、3社とも独自の料金プランを打ち出しています。
トルコではインターネット、SMS、通話のすべてがパックになっているプランが一般的でプリペイドプランが主流です。
インターネット5GB、SMS1000通、通話1000分のプランで月々30TL程度で契約できます。
足りなくなった分はお店やオンライン、銀行のATMでもリチャージ出来ます。
大体皆さん30TLから100TLを月々の携帯電話代として支払っています。
もちろんそれ以上の付加サービスが付いたプランもありますので是非たくさんのプランから自分にぴったりのプランを選んでください。
関連記事:120日で使えなくなる!?トルコのSIM・携帯電話事情と利用方法
その他
トルコで生活するからには少し観光もしたいと思う方は多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめのものをご紹介します。
ミュゼカルト
これはトルコ人とトルコの滞在許可証を持っている外国人に発行している博物館と美術館のフリーパスです。
トルコ全国にある政府が管理している博物館や美術館、国定公園などに何度でも入場できるパスが1年間有効のものが50TLで発行できます。
イスタンブールのアヤソフィア、カッパドキアの地下都市、パムッカレの温泉石灰棚、ボドルムのボドルム城など観光客にも大人気の施設に1年間入り放題になります。
1つの施設で入場料が20TLから30TL程度なのでかなりお得なフリーパスと言えるでしょう。もし住むのであれば取得することをおすすめします。
ミュゼカルトは滞在許可証を持って対象施設のチケットセンターでミュゼカルトが欲しいと伝えるとすぐにその場で発行してもらえます。
トルコの生活費まとめ
上記の内容を参考に単身の外国人がイスタンブールで生活するには、月々3000TL〜4000TLが必要になるでしょう。
- 家賃 :1500TL
- 食費 :300TL
- 外食費 :300TL
- 日用品 :200TL
- 交通費 :200TL
- 携帯代 :70TL
- その他 :500TL
合計 :3070TL
この他に光熱費や水道代もありますが今回は家賃に含まれていると仮定しています。
これはあくまで最低限必要な費用として単身でイスタンブールに住むことを想定して計算しています。
もちろん外食の回数を減らしたりするなどの工夫をするともっと安くなります。
またトルコには外国人が加入できる公的保険はありませんので、日本を出国前に海外旅行保険へ加入しておくことをおすすめします。
最後にトルコでは特にセキュリティーや安全といったものにもそれ相応のコストが発生します。
治安の良いエリアや安全な食品など様々なもののグレードがはっきりと別れています。
無用なトラブルを避けるためにも、ある程度グレードが高いものを選択するのもトルコでは必要になってきます。
値段が安いというのは何か必ず裏がありますし、トルコではそれがトラブルのもとにもなりかねません。
是非これらを参考にトルコの生活を満喫してくださいね。
【トルコの関連記事はこちら】
- トルコのリアルな就職事情。おすすめの仕事の探し方と3つの職種を紹介
- トルコの文化を押さえよう!知って安心の慣習・暗黙のルール10選
- 現地在住者が明かすトルコの本当の治安事情。各地域の特徴と安全対策
- トルコのビザ4種類の特徴・申請方法と滞在許可証・イカメット取得の注意点
- トルコ移住は魅力満載!在住者が明かす19の理由
↑トルコ滞在に役立つこちらの情報もご覧ください。過去のトルコの記事一覧はこちら
世界中の日本人が参加する「せかいじゅうサロン」
世界へ広がる海外移住コミュニティ
世界中の日本人同士が繋がり、情報提供したり、チャレンジしたり、互助できるコミュニティ「せかいじゅうサロン」
参加無料。気軽に繋がってください。(2022年6月時点:参加者3600名超えました)
“【特別公開】世界で自由にひとりIT起業”
WEBマーケティングスキルは「世界どこでも働けるワークスタイル」を可能に。
1年で海外居住資金も作れるWEBスキル講座を無料配布中↓