EU加盟国エストニアは近年まれにみるIT大国ですが、そんな最新技術と先進性を駆使する部分とは裏腹に「綺麗な水源」や「良質な土壌」が育まれており、その広大な大地を利用しての有機農業、畜産業なども盛ん。
外国人労働者も数多くいます。
エストニアの大学は留学生の招致にも力をいれており世界各国から留学に訪れています。
以下、三つの特徴により観光客や留学生、移住者などが年々増加傾向にあります。
- 通貨はEURであり外国人が短期または長期で滞在しやすい環境 である
- シェンゲン協定加盟国であり、他のヨーロッパ諸国への行き来をパスポートコントロールなしに行き来できる
- 近々、新しいビザの発行により一年間は居住できるようになる
エストニア人の語学力は堪能で、英語あるいはロシア語を理解する人がほとんどでです。
また、最近日本のメディアでも活躍している元大関バルトもエストニア出身であり、日本食も人気なことから日本人への印象もよく、移住者に対しても寛容なのが暮らしやすい一面です。
では、「魅力あるエストニアライフはいったいくらかかるのでしょうか?」
エストニアに居住するメリットとなりうる生活費について、現地在住者からご紹介します。
エストニア労働者の平均収入はどのくらい?
まず、エストニアの生活費を紹介する前に、賃金事情について触れておきたいと思います。
国の統計では
一か月平均で1,221EUR (2017年時)
1EURを日本円で130円として計算すると約16万円ほどで、日本は平均26万円ぐらいですので、10万円程度低いです。
そして、エストニアの最低月収は500EURです。これは保険などに加入できる公共福祉の税金(年金や健康保険料が自動で支払える)を支払うのが可能な最低賃金です。
その他にはパートタイマーやアルバイト、短期の仕事などももちろんありますが、500EUR以下の賃金だと国の健康保険には加入できません。(配偶者が在職である場合などは別)
こうみると収入はさほど多く無いように見えますが、手取りでもらえる前に収入の中から公共福祉税などが引かれているため、福祉関係への浪費はほとんどありません。
低所得者への保護も手厚いので子供手当や生活補助を得ることができます。
エストニアの家賃は一か月どのくらいかかる?
大きな街の立地の良い場所は一か月300EUR(ワンルームタイプ)ほど。
少し郊外の物件やシェアハウスなどを利用すればさらに安くなります。
賃貸の場合の平均
- タリンのアパート 11EUR/㎡
- タルトゥのアパート 8~11EUR/㎡
エストニアは基本的に賃貸よりも購入するのが一般的なので、賃貸となると学生向けの物件が多く、割と家賃が高めに設定されています。
しかし、家具や家電つきがほとんどでセキュリティやリフォームもしっかりされている物件が多く、快適に生活できると言えます。
アパート購入の場合の平均
- タリンのアパート 2,100EUR/㎡(約28万円/㎡)
- タルトゥのアパート 1,570EUR/㎡(約21万円/㎡)
東京の新築マンションの平均は 96万円/㎡です。
エストニアではある程度まとまった資金がある場合は、物件を購入して住むのもいいかもしれませんね。
エストニアの公共料金(電気、ガス、水道)は比較的安価
日本と同じように地域差がありますが、公共料金は比較的安価です。
水道代:120EUR
一家族一か月あたり120EUR。(冬場の一番高い時期でアパート管理費も込み)
町から送水される温水のセントラルヒーティング代込みの値段(つまり暖房費込み)
水道代は上水と下水それぞれをカウントします。
タリンの場合
- 水道代は安く(1.14㎡/EUR)
- 下水道代は高ぃ(0.94㎡/EUR)
タルトゥの場合
- 水道代は高く(0.739㎡/EUR)
- 下水道代は安い(1.296㎡/EUR)
それぞれ運営の会社が違うので、支払いのしかたは様々ですがアパートなどの集合住宅は、一括して支払う場合が多いようです。
ガス代:20EUR
一家族20EURくらいです。
アパートの場合は温水は送水で来るので給湯にガスは使いません。ガスコンロのみに使われている場合が多いです。
都市ガスの他にプロパンガスはガソリンスタンドで売っています。郊外に住んでいる人や都市ガスがきていない物件の人に使われています。
プロパンガス5㎏で15EURです。
電気代:20EUR
一家族一か月あたり20EUR前後。(冷暖房には一切使用しない場合)
電気も日本の様に運営会社が違うので電気使用料と電線使用料は別々の会社だったりします。ほとんどは電気代として、まとまって請求がくるので問題は無いかと思います。
冬場の暖房費は暖房の仕方によって変わります。
たとえば
- 都市送水のセントラルヒーティング
- アパート、マンション各々のセントラルヒーティング(薪、ペレット、ガス、炭など)
- 暖炉
- エアコン
暖房のコストはあまり変わりありませんが、設置の際の利便性や安全性を考慮して様々な設備が利用されています。
エストニアは高断熱が当たり前の国なので割と暖房費は寒冷地のわりに低いかと思います。
また、建物内はどこも半袖で居られるぐらい暖かいので外が零下にであっても本当に住み心地が良いのです。
夏は比較的涼しいので冷房代はほとんどかからないと言ってもいいでしょう。
ただしアパートなどの場合は夏に修繕積立費(数十EUR)を請求する物件があります。
エストニアの食料物価は?〜1家族で100EUR程度〜
一家族(4人程度)で一か月はだいたい100EUR(13,000円)程度が平均です。(アルコールは除きます。)
食材はエストニア産はもちろんEU各国から輸入しており豊富で安価です。
日本食やアジアの料理も人気があるため意外とアジア食材が手に入ります。ネットショップでも安価で宅配してくれるため割と安く日本食が作れます。
味噌、醤油、みりん、出汁のもとなどの調味料は簡単に手に入るでしょう。
品目 | 物価 |
---|---|
じゃがいも、人参、玉ねぎ 1㎏ | 0.3 EUR |
牛乳 1ℓ | 0.7 EUR |
鶏もも肉 1㎏ | 4.0 EUR |
食パン 一斤 | 0.8 EUR |
白米(イタリア産) | 2.0 EUR |
ビール 500ml | 1.0 EUR |
外食費はどのくらい?
もしもレストランで食事がしたいなら、エストニアでは最低一人6EURほどで可能でしょう。
外食費が100EURほどあれば週2回以上外食できる計算です。
観光地などの好立地の場所は価格が高騰していますが、レストランにもよりますが日替わりメニューのランチなどは4EURから提供している所もあります。
地元の人が行くアットホームなレストランなどは労働者向けの格安のランチセットがあります。
チップも強制ではなく席代もかかりません。
ドリンクはだいたいどこの店舗も似た値段でビールは一杯3EURからなどてす。
スーパーには弁当や惣菜などが豊富にありエストニア料理が手ごろに食べられます。
ファストフードはケンタッキーやマクドナルド、SUBWAYなどが進出していますが、ガソリンスタンドや地元オリジナルの小型バーガー店が安くて美味しいので人気です。
日本食について
日本食料理店もいくつかあり、味も様々です。最近は日本人がオーナーの店舗が増えてきたので安心です。
日用品や衣料品はどのくらいの値段?
EU内でエストニア消費価格のランキングでは下位のほうです。
個人差が激しいため具体的な数字はありませんが衣料品、日用雑貨、化粧品などのものを購入するのは、日本とあまり違わないように思います。
ですが、物品への消費税は20%なのでそう考えると、それ自体の値段は安いのかと思います。
ショッピングモールやデパートには日本でもお馴染みのH&MやZARA、フライングタイガーなどもあります。
やはり北欧というこで北欧デザインのものばかりでオシャレなものが沢山あります。
さすがに通信費は格安?FREE Wifiも充実
携帯電話の通話と2GBのネット回線で 一か月10EUR です。
家のインターネットとTV受信は 一か月20EUR 程度です。
ネット大国ですから通信会社は数社あります。
もしもできるだけ安く携帯電話を使いたい場合は、その数社をまわって競合させるとディスカウントできるみたいです。
FREE WIFIも至る所にあり市街地の広場などの屋外でも簡単に接続できるためとても便利です。
数年前にテレビは全てデジタル化されインターネット回線での受信となり受信する番組数によって月極で支払いするようになりました。
ですから、家のネットとTVは同じ会社で接続するというのが基本的です。
そして北欧圏内ではネットのコネクションがよく、隣国のフィンランドやラトビアなど他国に行った際に携帯電話を利用しても少し価格が高くなるだけです。
エストニアの健康保険などの保険料 〜月35〜85EUR〜
保険会社と契約をする場合は一年で400~1,000EUR、ひと月35~85EURです。
エストニア内の会社で働く場合は給料から33%分を公共福祉税などで引かれて、その中には国の年金や健康保険料が含まれ、自動で支払います。
例えば1,500EURの稼いだ時は33%分の495EURは事前に国に支払われ、残りの1,005EURが銀行の口座に給料として振り込まれます。
外国人が居住する条件には保険に入っていることが必要です。(居住許可を得るのに)
居住許可の後にもらえるIDカード(個別コード)が無ければ、働くこともできないので、外国人が移住した際は最初に民間保険会社と保険契約をしてから居住許可を申請して、IDカードを取得するという少し回りくどいシステムです。
ですが、後に仕事を得たりして国の健康保険に加入できた際は、民間会社との契約を中途解約でき、残りの期間の保険料を返してもらうことも可能です。
仕事がある人は給料から必ず税を引かれるので自動で国民健康保険に入ることになり、配偶者と子供も入れます。
交通費はどのくらいかかる?
自家用車に税はかからない
車検をすることと、保険に入っていれば誰でも簡単に自家用車を持てます。
車検も保険も会社によって様々ですが、日本よりは確実に安く自家用車を所持することができます。
ただしガソリンとディーゼルの燃料は税金が少し高く
- ガソリンは1ℓあたり0.493EUR
- ディーゼルは1ℓあたり0.512EUR
の税金が含まれどちらも大体1ℓは1.3EUR前後です。
自動車保険は日本と同じく車種によって、だいぶ差があり金額も日本と同じくらいです。
事故が発生した際は何パーセントで評価されるのではなく、事故を起こした方が全額負担となります。
けが人などが発生した場合は警察を呼びますが、明らかに原因がわかる場合や軽度の事故の場合は当事者が現場写真を撮影し保険会社に申請すればよいとなります。
中古車は20万キロ走行しているものでも、普通に売っていて年代も新しいとあまり値が下がりません。
新車は日本と同じくらいの価格設定ですので、自家用車を持つとなると車両代が高くつくかもしれません。
他の国と陸続きなため車があればイタリアやフランスなど南欧にも自由に行くことができます。
タクシーは安価!
初乗り2.5EURで、1㎞ごとに0.5~0.7EUR加算されます。
タクシーは市街地では数多く走っており、ネットでも簡単に予約ができます。
黄色い「TAKSO」と書いた看板が屋根にいて、自家用車を使用しているのがほとんどです。
電気自動車を使用したタクシー会社もあり、燃料車より少し安いです。
日本と違って普通は一人で乗車する場合でも、運転席の隣に座るみたいです。
バスは長距離移動に便利です
各都市間を走る高速バスは安いので、旅行の際は重宝します。
街のメインの停留所から他の街まで接続され、価格はバスのグレードによって違いますが本数が多く効率的です。
タリン~タルトゥ間は片道 6~14EUR(2時間半乗車)
また、どのバスもFREE WIFIがついていたり、グレードの高いバスは各席にモニターもついているので便利です。
ラトビアやロシアに接続する長距離バスもあります。
シティバスは市街地中心部を移動するのに便利です。
街により運営会社が違うので価格も様々ですが、だいたいは日本の様にコースによって、番号がついていて定期的に循環しています。
ですから、行きたい場所を調べて何番のバスに、乗ればよいか調べれば簡単に利用できるでしょう。
タリンにあるトラム(路面電車)なども同じです。
料金の支払い:
- 乗車する際に運転手さんに直接支払いう(街により違うが1~2EURぐらい)。
- 電子カードか携帯電話で機械にタッチして支払う(事前にカードに入金しておく)
後者の電子決済の際は直接支払うよりも割安です。
1時間券から一か月の定期までいろいろな種類のチケットがあります。
ただし街のはずれに向かう本数が少ない便は支払いの仕方やバスの種類が違うので注意が必要です。
セベバス:http://www.sebe.ee/
ゆったり移動するなら鉄道
鉄道は主に貨物輸送がメインなので都市間を結ぶ長距離路線しかなく本数も多くありません。
時間に正確なのと景色を楽しむにはいいでしょう。
タリン~タルトゥ間 10~12EUR(自由席)。プラス10EURで指定席
エルロン鉄道:http://elron.ee/
船も利便性がよくサーレマー島へは3EURです
エストニアには数多く島があります。その島へは定期的に船がでていて3EUR程度でいけます。
観光地で有名なサーレマー島などへ行くには船がよいでしょう。
自動車も運ぶことができます。
長距離の船ではフィンランドやスウェーデンへといけます。
フィンランドですと2時間の航路で、最安値20EUR前後です。
タリンク(船舶運営会社):https://www.tallink.com/
飛行機はEU諸国へ早く安く
エストニアと言えばタリン国際空港です。
残念ながら日本からの直通便は無く、他国の空港を経由します。
最短ではフィンランド経由で、フィンランドまでは10時間弱そこからタリンまでは30分ほどです。
トランスファーの時間を含め大体12時間程度で、往復15万円くらいからです。
タルトゥにも空港はあり、日に数本ですがフィンランドからの便があります。
他の国を経由すると時間がかかりますが、費用がもう少し抑えられる場合があります。例えば、トルコのターキッシュエアラインやロシアのアエロフロートなど。
もちろん他の国からの便も多数ありEUを行き来するにはとても便利です。
ディスカウント時期を狙うとイギリスまで50EURで行けることも!
その他娯楽のための費用は?
映画は 3~10EUR
DVDなどのレンタルは無いですが売っているDVDが安いです。
- ボーリングなどの屋内遊技場利用 大人一人4EURから/一時間
- レンタルのスポーツ器具(スキー、自転車など) 5EURくらいから/一時間
- 美術館や博物館の入場料 2EUR~
- 大きな博物館などは10EUR以上するところもありますが、学生や年金受給者は無料だったりします。
- ミュージカルやオーケストラ観覧料 10EUR〜
芸術分野は国からの補助を受けていることもあり観覧料は比較的安いです。
ネットでディスカウントしている時もあり人気のミュージカルでも25EUR程度で見られることも!
余暇を有意義に過ごすヨーロッパ人らしくアクティビティをするのは安価でいろいろなものがありますので、楽しめるでしょう。
オリエンテーリングやマラソン、自転車などの大会も豊富でレベルも様々なので気軽に参加してみてください。
冬にはサウナマラソン、夏は奥さん担ぎ競争など(笑)、面白い大会がありますので、是非、参加してみては如何でしょう☆
また、日本で温泉施設が多数あるように、エストニアにはスパホテルがたくさんあり、価格もスパ代込みで一泊40EURくらいからあるので週末の楽しみも増えます。
エストニアの一ヶ月の生活費まとめ
すべての項目とコストをまとめてみると、
品目 | コスト |
---|---|
家賃 | 300 EUR |
食費 | 100 EUR |
水道光熱費 | 160EUR |
通信費 | 30 EUR |
保険料 | 35 EUR |
合計 | 625 EUR |
以上が最低限の一か月の生活コストになります。(一家族あたりの平均として)
ということは7万円程度で安心して暮らせるということになりますね。
日用品、外食費、娯楽費は各々のスタイルがあると思いますので各自で計上してください。
保険料は仕事があればかかりません。
水道光熱費は冬場の値段なので夏は少し安くなります。
この様にエストニアでは収入は日本に比べて少ないものの一か月あたりにかかる費用が抑えられるため問題なく快適に生活することができます。
またヨーロッパ諸国にもアクセスがしやすいため旅行にも行きやすくビジネスにおいても国を越えての経営が可能なのです♪
活動の幅も広がり生活が充実するエストニアは暮らしやすい場所で移住するのに好条件の土地と言えるでしょう。
世界中の日本人が参加する「せかいじゅうサロン」
世界へ広がる海外移住コミュニティ
世界中の日本人同士が繋がり、情報提供したり、チャレンジしたり、互助できるコミュニティ「せかいじゅうサロン」
参加無料。気軽に繋がってください。(2022年6月時点:参加者3600名超えました)
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