アメリカで生活していたり、配偶者がアメリカ人だったりすると、身内や、知人の結婚式・お葬式に参列する機会があります。
日本での冠婚葬祭のマナーは知っているけど、アメリカではどのようなマナー、日本との違いがあるのかな……?と気になりますよね。
ここでは、身内の結婚式、お葬式に参列して学んだ基礎マナー、文化の違いなどについて、アメリカ在住者からお届けします。
アメリカでは多種多様の結婚式がある。形式にはとらわれない
「人種のるつぼ」と呼ばれるアメリカでは、結婚式・披露宴も多種多様で、形式にとらわれていません。
アメリカの結婚式とは、日本でいう婚姻届けの提出のことです。
教会で行う結婚式は、カップルがキリスト教や、他の宗教を信仰してるからですが、基本的には、資格を持った人の前で証人と共に結婚を誓うことで法的に夫婦と認められることになります。
なので、日本で一般的に見られるような結婚式とは違い、お金をかけず合理的に行われることが多いです。
結婚式の場所も、市役所、裁判所、自宅、公園、海、山、レストランなどカップルの趣向でさまざまな場所で行われます。
結婚式と披露宴が同日に行われる場合もあれば、式だけ先に挙げていて、後日披露宴を行う場合もあります。
披露宴も、ダンスや、歓談、ビュッフェスタイルの食事だったりと参列者も気軽に楽しめるパーティとなります。
結婚式での服装は?
招待状に以下のように書いてある場合、
- 「カジュアルで来てください」:本当にカジュアルで大丈夫です。思った以上にカジュアルで来る人が多いです。
- 「Black Tie」:正装です。男性の場合、燕尾服かタキシードに蝶ネクタイ。女性の場合、肩や胸元が少し開いた品の良いロングドレスが好ましいとされてます。
- 「Black Tie Optional」:男性の場合ビジネススーツでもOK となります。女性の場合、上記で上げたロングドレス系が無難。
結婚式によっては新郎新婦の希望でテーマが決まってる場合があるので、特に指定のない場合、関係者に念のために聞いておくのが一番わかりやすいと思います。
私が参列したドレスコードの指定がなかった結婚式はこんな感じでした。
男性の場合
黒系、グレー系のスーツの人が意外と多かったです。
黒系スーツは、親族と近い関係者だけなので、避けた方が良いと言われてますが、今はもうなんでもあり?なんでしょうか。中に着ているシャツは、色鮮やかで明るめの無地が多かったです。
ネクタイの色、柄も色とりどりが多く、白に限られていません。チノパンにノータイの人もいましたよ。
女性の場合
ロングドレス、花柄、レース系ワンピース、肩も胸元も開いてる大胆な服装の女性もいました。
前の開いたサンダル、ミュール、冬場はブーツetc…… なんでもありなのかな?と思わせるほどカジュアルなコーディネートが多くて驚きました。
日本とは違い、ほんとに服装のルールは緩いので、参列する側としては気が楽です。
ご祝儀といったお祝いの形式は?
現金を包みご祝儀を用意する必要はありません。
その代わりに、アメリカでは「ギフトレジストリ」と言って、事前に新郎新婦が好きなお店で欲しい物リストの登録をします。
たいてい、招待状にレジストリについて書いてあるので、そのお店のウェブサイトでレジストリのリストを閲覧し、ギフトを買うことができます。
式の当日に、包んだギフトにお祝いのカードを添えて持っていきます。
合理的なこのギフトレジストリは、ギフトを贈る側ともらう側の両者にとって、とてもありがたいシステムです。
既に購入済のもは削除されるのでダブることもありません。
もちろん、レジストリの中から選ばず、自分たちが贈りたい物を贈っても大丈夫です。
その場合、お店で「ギフトレシート」をもらって、贈り物とカードの中にそっと入れておくといいかもしれません。
ギフトレシートとは、ギフトをもらった側が、例えば同じ物をもらってしまった場合、そのギフトレートをお店に持っていけば他の商品と交換することができるというものです。
その他、もちろん、現金やギフトカードを贈るのもOKです。
アメリカの結婚式は日本よりカジュアルな印象
アメリカの結婚式は参列者皆が楽しめ、日本の結婚式より和やかでカジュアルな印象です。
DJを用意している結婚式も多く、音楽やトークを楽しみ、そしてダンスが始まったらクラブ並みに盛り上がったります。
- 「ブーケ投げ」:花嫁が後ろ向で未婚の女性客にブーケを投げること
- 「ガーター投げ」:新郎が花嫁の付けてるガーターを脱がして未婚の男性客に投げること
これを受け取った人が次に結婚できると言われていて、最後はブーケの取り合いで盛り上がり、結婚式が幕を閉じるような流れです。
では、次にお葬式についてご紹介したいと思います。
明るく故人を送り出すお葬式
日本のお葬式は暗くしんみりしている雰囲気ですが、アメリカではどちらかといえば、この世からの旅立ちを祝うような感じです。
天国へ召されて、おめでとう!の雰囲気で、暗さはそれほど感じません。
服装
アメリカでも基本は黒です。
男性の場合、遺族だったら喪服=黒いスーツ、黒ネクタイです。
会葬者は、黒系のスーツや、ダーク系でまとめた、いわゆるビジネスカジュアルな服装でも大丈夫な印象です。
女性の場合、スーツ、ワンピース、アンサンブルニットにパンツのようなスタイルが多く、肌の露出はさけ、アクセサリー類は控えたほうが好ましいと思われます。
私が実際に参列したお葬式では、黒系が多かったものの、白黒のロングドレス、ダーク系に水玉や花柄などが入ったドレス、ワンピースを着ている女性もました。
靴は、エナメルのパンプス、サンダル、ブーツ(お葬式が真冬だった)など、黒系が基本かなと思わせたものの、日本のお葬式のイメージからするとさすがアメリカ、なんでもなんでもありの印象です。
お香典はいらない?
日本はお香典を用意するのがマナーですが、アメリカではカードを添えた献花を贈るのが一般的とされてます。
遺族の方の希望で生け花を受け付けていない場合、寄付金を募ったりしています。
日本のようにお香典がないので、お香典返しももちろんありません。
通夜とお葬式
通夜
アメリカでは、Viewing(ビューイング)と呼ばれるものが日本でいう通夜です。
フォーマルな感じは全くなく、好きな時間に訪れ、故人に別れをつげたり、遺族とお話しをします。
遺族の希望でViewingはやらない場合もあります。
仕事帰りに訪れる人も多く、服装もそれほど気にしなくて良いです。
お葬式
お葬式はViewing の翌日あたりに行われることが多いです。
葬儀場か教会で行われます。
宗教によって違いがありますが、私が参列したお葬式では、故人の友人や遺族の何人かがスピーチし、写真のスライドショーなどを見て、最後に讃美歌(ハレルヤ)を歌ったりしました。
友人のスピーチでは時々笑いも起こり、故人の生前の生き方を讃え、楽しく明るく天国に送り出す感じで、心が温まるお葬式でした。
お葬式が終わると会食、埋葬です。
会食は、生前故人が過ぎだった料理をケータリングオーダーしたり、皆で持ち寄るポットラックだったりと、アメリカらしいカジュアルなスタイルです。
埋葬する墓地までは、リムジンカーで棺を運ぶのが一般的です。パトカーが先導し、そして親戚・友人の車が後へ続きます。
アメリカでは霊柩車が最優先であり、ほかの車は道を譲ることになってます。
墓地に到着し、皆で棺が埋葬されるのを見守ってお葬式が終了となります。
私が参列したお葬式は冬に行われ、天候が良くなく強風でかなり寒い日だったため、墓地まで行ったものの、結局埋葬は後日に延期。
その日は参列者は埋葬するところまで見守る事が出来ず、アメリカらしいなと感じたお葬式でした。
アメリカでの冠婚葬祭まとめ
アメリカでの冠婚葬祭のマナー、あり方は宗教などによって多種多様です。
日本でありがちな「冠婚葬祭ではこうであるべき」という決まり事はあってないような感じです。
ここで書いてある事は一例に過ぎないですが、私が実際に経験して思ったことは、結婚式もお葬式もどちらにしても
- 人間味が溢れている。
- 形式ばってない
- 堅苦しくなくい。
- 気楽に参列できる
- お金がかからない
アメリカならではといった印象でした。
服装や、お祝儀お香典の事でそれほど頭を悩ませる必要はなさそうですよ。
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