トルコでは日本国籍を持っている方の90日未満の短期滞在にはビザは必要ありません。
ただし
- 90日未満でも就労や就学が目的の場合
- 90日以上の滞在の場合
にはトルコ入国前にビザの発給を受けたのち入国後30日以内に入国管理局にて滞在許可証の申請をしなければいけません。
この滞在許可証のことをトルコでは「イカメット」と言い、長期滞在の外国人にはとても大切なものです。
そして外国人がイカメットを取得するのはかなり大変なことでもあり、大抵の外国人は必ず何らかのトラブルに巻き込まれてしまいます。
では、そんなトルコのビザとイカメットについて詳しくご紹介しましょう。
最後に大使館や連絡先をまとめて記載していますので、申請する場合には最新の情報を取得するようにしてください。
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ビザと滞在許可証(イカメット)の関係
ビザとは査証のことを指します。ビザの発給は主に国外の大使館や総領事館で行われる通行手形のようなものです。
なので通常入国をしてしまえば効力を失ってしまうシングルエントリータイプのビザです。
尚、期間内の出入国が自由なマルチエントリータイプのビザもありますが、一般の人には通常シングルエントリービザが発給されます。
一方、滞在許可証は入国後に合法的な目的がありそこに滞在するための許可を貰った証明書のことを指します。
トルコでは以前は最寄りの警察で発行、管理をしていましたが、現在は入国管理局が一括で管理をしています。
ここで一つ疑問に思われるかもしれません。
トルコにシングルエントリービザで入国した場合は、帰国までトルコを出国できないのではないかということです。
でもご安心ください。答えはノーです。
例え、シングルエントリービザで入国しても、イカメットを取得した後であれば、イカメットの期間内は自由に出入国が可能です。
必ずパスポートとイカメットを携帯しておきましょう。
このようにビザと滞在許可証は全くの別物であるということは理解をしておいてください。
そしてトルコでの長期滞在は必ずイカメットが必要であるということも忘れないようにしましょう。
イカメットとは何?
イカメットとはトルコ語で滞在許可証を指しています。
現在は入国管理局が管理、発行しているもので、トルコに住んでいる長期滞在の外国人が必ず携帯することを求められている公的書類です。
イカメットの申請は最寄りの入国管理局に出頭する必要がありますので、必ず必要書類を揃えて出頭しましょう。
このイカメットが無ければ銀行口座の開設などの手続きに困ることが多いので注意が必要です。
更にトルコ国外へ出国するときにも必ず携帯する必要があり、出入国審査の際には必ず審査官に提示する必要があるので忘れないようにしましょう。
では、トルコの4つのビザ/イカメットをご紹介します。
労働ビザ
この項目では労働ビザ及び労働者用イカメットについて解説します。
必要書類はその時々によって変わることがありますので、必ず大使館や入国管理局の担当者に確認しましょう。
医療、法律、警備、漁業等の特定分野に関してはトルコ人のみに労働が許可されています。
この労働ビザ、イカメットは申請者本人だけではなく、勤務先の企業も同時に申請手続きを進める必要がありますので注意してください。
また労働者向けに発行される労働許可証はトルコ国内でのイカメットの役割を兼ねることになりますので、申請者がトルコに入国後別途申請が必要なことはありません。
申請方法
まずは東京の駐日トルコ大使館に労働ビザの申請をする旨を伝えます。
大使館からオンラインで申請を指示される場合と郵送での申請を指示される場合がありますので、担当者の指示に従ってください。
申請者がビザの申請をすると申請番号が大使館領事部より通知されます。
この申請番号をトルコで勤務予定先に伝えて、勤務予定先は10日以内に申請番号と必要書類を揃えてトルコ労働社会保障省に労働許可の申請を行います。
労働許可が承認されたら大使館からビザが発行されますので、申請代金を支払ってビザを受け取ります。
またトルコの勤務先には労働許可証が送付されます。
ビザの申請に必要なもの
申請者本人:
- ビザ申請書
- 顔写真
- パスポート(VISAを添付するため)
- 現在の勤務先からの嘆願書若しくは推薦状(英語、トルコ語)
- トルコでの勤務予定先からの嘆願書若しくは推薦状(英語、トルコ語)
- 雇用契約書のコピー(トルコ語で記載されていること。就業予定者と雇用主のサインが入っているもの)
- ビザ申請代金
勤務先:
- 申請者のパスポートコピー(トルコへの出入国履歴があればそのページを含む)
- 顔写真のデータ
- オンラインビザ申請書
- 申請者の英語の卒業証明書を現地代行業者若しくは勤務先がトルコ語へ公証翻訳したもの
※申請書類は最新のものを確認するようにしてください。
労働者用のものは現地との連携が必須になったり、労働許可証が滞在許可証を兼ねたりするなどの特例があります。
初回申請分は原則最長2年間の労働許可が下ります。
その後は原則都度2年ごとに更新をしますが、1年などの例外も存在します。
学生ビザ
トルコで進学や語学学校に通う場合には学生ビザと学生用イカメットを申請する必要があります。
学生用ビザ、イカメットは労働者用と違ってほぼ申請者自身ですべての手続きを行います。
また、トルコ国内での労働は禁止されていますのでアルバイトもできません。
申請方法
ビザを大使館に申請し受領後入国します。
入国後は速やかにオンラインで申請後に入国管理局へ出向いて手続き後にイカメットが自宅に郵送されます。
ビザの申請はオンラインではなく郵送で行うので、まずはトルコ大使館へ連絡をしてください。
ビザ申請に必要なもの
- 学生ビザ申請書(トルコ大使館のHPからダウンロード若しくは担当者からメールで送られてきます)
- 顔写真
- パスポート原本
- 通学予定の学校の入学許可証
- 現在もしくは以前在籍していた組織や学校関係者2名の申請者に対する推薦状(英語若しくはトルコ語)
- トルコでの滞在中労働をしないことの誓約書
- ビザ申請代金
※申請書類は最新のものを確認するようにしてください。
これらを郵送し、ビザの許可が下りたら大使館に出向くか郵送で受け取ります。また東京にお住まいの方は直接大使館に出向いて申請もできます。
入国後は、まずオンラインでイカメットの事前申請を行います。
この申請で面接日を決めて当日に指定された最寄りの入国管理局へ出頭し、イカメットの申請を行います。
申請用URLは最後に記載しています。
イカメット申請に必要なもの
- オンラインイカメット申請書のプリントアウト
- 顔写真4枚
- パスポート原本
- パスポートとビザ欄のそれぞれのコピー
- 健康保険加入証明書(トルコ語で記載されたトルコ国内で有効な証券)
- 滞在先の賃貸契約書(トルコ語)
- 所属学校の在学証明書(トルコ語)
※申請書類は最新のものを確認するようにしてください。
これらを揃えて申請をすると、後日、滞在先にイカメットが郵送されます。
イカメットは初回申請分が最長2年、その後は最長2年毎に更新されますが、中には大学等の在学期間分をまとめて期間が認められる場合もあります。
詳しくは面接時に担当官へ問い合わせてください。
なおトルコ国内で有効な健康保険とは、日本で加入した海外旅行保険などは却下となります。
トルコ国内でイカメット申請者向けの健康保険がありますのでそれに加入しましょう。保険期間は自分が滞在する分をまとめて加入しておきましょう。
短期滞在ビザ
トルコの短期滞在者用のイカメットは世界でも珍しい制度だと言われています。
これは労働でも就学でもないただ長期滞在を目的としている人にも資金証明ができれば滞在を許可する制度です。
この申請をする際はビザの申請は必要ありません。
日本国籍を持っている方は90日以内であればビザなしでの滞在が認められているからです。
トルコに入国後、イカメットの申請をオンラインで行って、指定された面接日に入国管理局へ出頭します。(申請用URLは最後に記載しています。)
申請が許可されたら滞在先にイカメットが郵送されてきます。
イカメット申請に必要な書類
- イカメットオンライン申請書のコピー
- 顔写真4枚
- トルコ国内での税金番号
- 健康保険加入証明書(証券)
- 資金証明書1か月500USD×滞在予定分
- 滞在予定分の手数料と税金の納付
※申請書類は最新のものを確認するようにしてください。
トルコの税金番号は最寄りの税務署へパスポートを持っていけ即日で発行される番号です。
また資金証明はトルコ国内での資金証明なので外国のものは無効とされます。
トルコ国内銀行口座に保有しているか両替商で発行をしてもらいます。
両替商に必要な額の資金を持参すればその場で発行可能です。
イカメットの期間は初回申請分が最大2年、それ以降も最大2年ごとに更新されますが、人によっては1年毎に更新するように言われる場合もあります。
期間については申請時の面接で担当官へ問い合わせましょう。
また健康保険に関しては滞在期間分の保険に加入しましょう。
イカメットの期間は保険の加入期間より長くなることはありませんので、もし半年分の保険にしか加入していない場合、許可される滞在期間も半年になってしまいますので注意してください。
永住ビザ
トルコに永住者用のビザというのは基本的にありません。
結婚等のトルコ人との婚姻関係や合法的に8年以上滞在した人、または別途定める条件を満たす人に無期限の滞在許可証を発行します。
ここでは合法的に8年以上滞在した人に対する手続きをご紹介します。
合法的にトルコへ8年以上滞在し無期限のイカメットへ切り替えをしたい人は以下の書類を揃えてオンラインで事前申請をしたのち、入国管理局へ申請を行います。
申請書類
- オンラインイカメット申請書のコピー
- パスポート原本
- 以前のイカメット
- 顔写真2枚
- 過去3年間で申請者が政府機関及び組織からいかなる社会的支援も受けていないことを示す書類
- 警察記録書類
- トルコ国内で有効な健康保険
※申請書類は最新のものを確認するようにしてください。
永住者用は発行されれば無期限で有効なものなので実質永住と言えるものです。
トルコのビザの最新情報の入手先
ビザに関しては東京のトルコ大使館へ問い合わせましょう。
大使館のホームページにも最新情報が載ることが少ないので、ビザに関しての書類や申請方法は必ず電話連絡をおすすめします。
残念ながらイカメットに関する質問は管轄外の為ほとんど答えてくれません。
直接トルコの入国管理局へ問い合わせましょう。ただしすべてトルコ語か英語なので注意してください。
在京トルコ大使館
http://tokyo.be.mfa.gov.tr/Mission
+81-3-6439-5700
embassy.tokyo@mfa.gov.tr
トルコ内務省入国管理局
e-Residence (オンラインイカメット申請ページ)
イカメットの申請のコツと注意点とは
イカメットの申請から受領までにはコツと注意点があります。
是非下に書いてある内容を参考に頑張ってください。
- 申請の担当官から予定外の書類の提出を求められても抗議せずに用意しましょう。
- 申請には時間がかかります。面接当日に大事な予定を入れないようにしてください。
- イカメットが取得できるまでは原則出国ができません。
申請は大変混雑していて、面接日の予約が3か月先の日程になってしまうこともあります。
通常であれば入国後すぐにイカメットを取得しなければいけませんが、申請に時間がかかっている状況を鑑みて、申請中は合法的にトルコに滞在できるように法改正されていますので、安心してください。
また申請中にどうしても国外へ出国しなければいけない場合は、期間中15日まで出国ができます。
詳しい手続きなどは入国管理局へ相談しましょう。
そしてイカメットの申請には担当官の一存が非常に重要です。
講義をして喧嘩になってしまうと申請が却下されてしまう可能性があります。日本人には理解しがたいことかもしれませんが、トルコでは普通のことです。
公的機関でも担当者によって求めてくる提出書類が違うということも良くありますので、その時は淡々と書類を用意して提出しましょう。
トルコでのビザ/イカメットの取得をお考えの方へ
トルコのイカメット取得は100人中100人が苦労したと答えるほど大変な作業です。
言葉の通じない異国で書類を揃えたり、面接に備えたりと不安な中でも皆さん書類を揃えて手続きを行っています。
トルコに住んでいる外国人の間では、イカメットの申請苦労話がよく話題にあがるほど有名な話です。
でも皆さんトルコに住んでいてトルコが好きだと言っています。
国内に観光名所がたくさんあり、気候も湿気が少なく過ごしやすいです。そして何よりヨーロッパのどこへでも4時間以内に行けるので滞在中にヨーロッパ制覇も夢ではありません。
日本とは全く違う環境で心機一転、新しい生活をトルコで始めてみるのも良いかもしれませんね。
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