シンガポールは、東京23区とほぼ同サイズの、小さな都市国家ですが、人口の3割程度を外国人が占める、非常に多国籍な国です。
そのうち、世界各国から駐在員として来ている家族も多く、そのニーズに合わせてインターナショナルスクールも数多くあります。
これから赴任を控えているご家族、また母子留学などを考えていらっしゃる方に、その数多くあるインターナショナルの中から、お子様に合った学校を選ぶ際少しでも役立つ情報を、今回はお伝えしたいと思います。
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1)インターナショナルスクールを選ぶ際に気をつけたい事
インターナショナルスクールと一概に言っても、学校によってどの国のカリキュラムに沿っているか、またIB(国際バカロレア)コースがあるかどうかによって、学ぶ内容、また卒業後の進路に大きく差が出てきます。
IB(国際バカロレア)とは、3歳〜19歳までの総合的な教育プログラムで、様々な国で世界共通の大学入学資格として認められています。
日本国内でも、幾つかの中学校・高校で取り入れられている他、大学入試の際、バカロレア入試を導入しているところも増えています。
また、英語力が低い生徒に、英語の補強授業を行うESLコース(English as a second language)があるかどうかも、日本から初めて海外に来られるお子様にとっては、重要になってくるのではないでしょうか。
シンガポールには、ESLコースがある学校が10校前後、また、日本人教師による日本語クラスのある学校も10校程あり、英語に不安を抱えるお子様、日本語力を保持されたいお子様にとっても、安心してスクールライフに早く馴染む事が出来ますね。
なお、通常スクールバスがありますので、送り迎えの心配もありませんし、シンガポールは端から端まで車で45分と、とても小さな国です。
たとえ住居より少し遠い学校に通う事になっても、日本で私立の学校に混雑した電車で1時間通う事に比べたら、スクールバスで例え1時間かかったとしても、快適に通学する事が出来ますし、何よりも安心ですね。
2)どのようなシステムなのか
学校により異なるものの、ほとんどの学校は3歳から18歳までの生徒を受け付けています。
途中で転校などしなければ、高校卒業まで同じ環境で一貫教育を受けられるのは魅力的です。
プリスクールから入園であれば、英語が出来なくても問題ないところが殆どですが、小学校からとなると、ESLでの補修が必要となります。
IBコースを採用している学校では、
- 3歳〜12歳が初等教育プログラム
- 11歳〜16歳が中等教育プログラム
- 16歳〜19歳がディプロマ資格プログラム
と呼ばれるプログラムに沿って進級します。
これは、他の国に途中で転勤などになり、転校が必要となった場合でも、同じIBコースを採用している学校を選択すれば、同様のプログラムを継続して続ける事ができるメリットがあります。
3)スクールの費用について
学校により多少の差異はありますが、平均して年間、シンガポールドルで20,000ドル〜30,000ドル程度の費用がかかるようです。
これは、授業料のみとなりますので、この他に、返金のない登録手続き手数料が1,000ドル前後、入学料が3,000ドル前後、また施設料等も他にかかります。
寄付金などを募るところもあるようです。
また、お誕生日会などに呼ばれる事も多く、そのお付き合いの費用も、バカにならないとよく聞きます。
4)授業内容について
IBコースには、初等教育で、言語・社会・算数・芸術・理科・体育などの教科があります。
中等教育では、これらに加えてもう一つの言語・数学・テクノロジーがあります。
国際バカロレア教育の基本理念に、多様な文化の理解、そしてその尊重とあるように、授業ではディスカッション等の機会が多く、自分の意見を述べる機会が多くあるようです。
今後、ますますグローバリズム化が進むであろう世界で、自分と違ったバックグラウンドや考えを持った人がいるのが当たり前、という概念を小さい頃から自然と身に付けられる、非常に恵まれた環境であると言えるでしょう。
また、アートやスポーツに力を入れている学校も多く、バイオリン、チェロなどの弦楽器を授業に取り入れているところも多くあります。
第2ヶ国語として、中国語やスペイン語・イタリア語などの授業を提供しているところも多いですが、先述の通り、日本人教師による日本語の授業を受けられる学校も10校ほどあり(Australian International School/Overseas Family School等)、日本語力をキープされたいお子様の選択肢が多くあるのも、魅力です。
5)スクールホリデーについて
ほとんどのインターナショナルスクールは、毎年9月が新学期となります。
その後、
- 10月に1週間程度の秋休み
- 12月に3週間程度の冬休み
- 4月に1週間程度の春休み
- そして8週間程度の夏休み
があります。
日本の学校に比べて、お休みが多いですね。特に長い夏休み中は、サマーキャンプなどを用意している学校も多くあります。
費用は、授業料とは別途発生しますが、キャンプでは、スポーツ、言語、アート、演劇、オンラインデザイン、映像制作、化学実験、クッキングクラス等多岐に渡る内容となっており、夏休み中も充実した生活を送る事が出来ますね。
サマーキャンプ中は他の学校の生徒も受け入れているので、興味のある学校の様子を知る、いい機会にもなりますね。
6)親の学校との関わりについて
インターナショナルスクールでは、学校行事が日本のそれよりも多くあります。
ボランティアの内容は、国際交流のイベントの手伝いから、バザー、絵本の読み聞かせ、遠足の補助等多岐に渡るようです。
お子様の普段の学校での様子も分かり、また、他の父兄との交流の場にもなり、是非参加をお勧めします。
学校によっては、入学に際し、父母の以前の学校でのボランティア参加度合いを加味するところもあるようですので、出来る限り参加するのがいいかもしれません。
また、担任の先生との連絡は、親子面接の他は各先生に一任されているようで、カジュアルにSMSで連絡を頻繁に取られる先生もいる一方で、こちらから問い合わせない限り、全く学校での生活の様子がわからない、というケースもあるようです。
7)シンガポールのインターナショナルスクールの実情
シンガポールには、インターナショナルスクールがすでに20校以上あるにもかかわらず、ここ数年は毎年、新設、または増設されています。
実際、新しい学校や、知名度が低い学校は、生徒の獲得に必死となり宣伝に力を入れるでしょう。
実際に入学してみると、先生の質が良くない、授業の内容も思っていたのと違う、などという事もあるかもしれません。
また、いじめ等の問題も、全くない訳ではないようです。
日本人が多い学校だと、英語の上手な日本人のクラスメートに通訳をしてもらい、本人はちっとも英語が上達しなかった、などという話も聞きます。
先述した通り、シンガポールには本当に数多くのインターナショナルスクールがありますので、実際に入ってみたが、校風が合わなかった、などの理由で転校をするご家庭も、数多くあるようです。
事前の調査も大切ですが、やはり親も子も、実際に通学してみないと分からない事もありますから、お子様が一度しかない学校生活をエンジョイ出来るよう、途中で転校させる選択肢が多くあるのも、シンガポールでインターナショナルスクールに通う大きなメリットではないでしょうか。
さいごに
治安が非常によく、気候も一年を通して温暖なシンガポール、日本の食品や製品も多く揃い、インフラも整備され移動に困ることもありません。
シンガポールという国自体、多様性を受け入れなければ成り立たない都市国家ですので、学校外でも多くの事を学べる、素晴らしい機会になるのではないでしょうか。
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