シンガポールの現地教育を受ける前に知っておくべき6つのポイント

2016年に発表された、世界72か国・地域の15歳の生徒対象に行われたOECD PISA学力調査で、 シンガポールが一位の成績を収めました。

これは、科学・読解力・数学・共同作業による問題解決の能力をテストしたものです。シンガポールは、建国以来、徹底した能力主義を貫いています。

これは、資源を全く持たない都市国家のシンガポールが発展していくには、有能な人材を資源とするしかないとの考えから、シンガポール独立時より行われている政策です。

今回は、そんなシンガポールでの教育制度について、ご紹介していきたいと思います。

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1)受験戦争は生まれた時から?

シンガポールの義務教育は6歳から15歳までとされています。日本でいうところの、小学校入学から中学校卒業まで、ですね。

シンガポール人であれば、殆どの子供は現地の小学校に入学しますが、どの小学校に入学するかが将来の進学先に大きく影響すると言われています。

小学校入学の為に特別な試験がある訳ではありませんが、やはりレベルの高い小学校に入り、その学力レベルを維持していくためには、幼児教育が非常に重要となってきます。

その為、人気のある幼稚園に入学させる為には、子供が産まれて出生届を提出したその日に、入学を希望している幼稚園に出向き、前金を支払いウェイティングリストに載せる、というカップルも少なくありません。

シンガポールでは、共働きでなくても、18ヶ月から日本で言うところの保育園に預ける事ができます。

ただ、シンガポールの保育園は日本のそれとは違い、英語や中国語などの読み書きを教え、現地の小学校へ入学する為の準備をしてくれるのが特徴です。

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2)シンガポールの教育システム

先述でお分かりの通り、シンガポールでは小学校入学前からすでに、日本でいうお受験競争が始まっています。

小学校に入学すると、その競争は更に過酷になります。

シンガポールの教育システムを簡単に紹介

プライマリースクール(小学校)6年間

セカンダリースクール(中学校)4年間

ジュニアカレッジ(高校)2年間
ポリテクニック(専門学校)など

セカンダリースクール卒業後の進路は幾つかあり、日本でいう高校にあたるジュニアカレッジ、専門学校にあたるポリテクニック、その他アート系の専門学校などがあります。

セカンダリースクール終了時に受けるOレベルまたはNレベル(成績によって異なる)と呼ばれる卒業試験の結果により、または各家庭の事情により、どのような教育機関に進むかが決まります。

小学校入学の際のシステムですが、親や兄弟が卒業生であるかどうか、また学校から住居までの距離などの条件により、シンガポール人及び永住権を所持している生徒から入学が許可されます。

人気校の場合は、すぐに枠が埋まってしまいますので、募集人数より多く希望者がいた場合、抽選となります。外国人が入学できることはまずありません。

入学後は、3年生になった時点で、1〜2年生の成績の結果でクラス分けされる為、1年生からしっかり勉強しないと、3年生の時点で落ちこぼれ認定されてしまうというわけです。

学力のレベルによって勉強する内容も異なりますので、更に差が大きくついてきます。

また、小学校卒業の際に行われる、PSLE(Primary School Leaving Examination)という全国統一試験の結果により、どのセカンダリースクールに入学できるかが決まるのですが、どのセカンダリースクールに入学するかどうかで大学入学までの進路が決まる、とも言われている為、小学校入学時点で、すでに大学入学までの受験戦争が始まっている、と言っても過言ではありません。

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3)大学入学までの道のり

小学校からの過酷な競争を乗り越えて、セカンダリースクールに入学した後は、セカンダリースクール終了時に受けるOレベル(又はNレベル)に向けての準備が始まります。

セカンダリースクールに入ると、出席率や部活動での活動、その他の課外活動も評価の一部となってくる為、学業だけに集中するのではなく、その他の課外活動にも力を注ぐ必要があります。

ジュニアカレッジに進んだ生徒は、高校卒業時に受けるAレベルという試験に向けて準備をします。その結果によって、どの大学に進学できるかが決まります。

ジュニアカレッッジは、いわば大学入学への準備機関のような役割を果たし、ジュニアカレッジに進んだ生徒は、高い確率で大学へ進学します。

ポリテクニック(専門学校)から大学へ進学するには、トップ5%の成績を収めなければならないと言われているほど困難で、ポリテクニックへ進んだ殆どの生徒は、そのまま就職する事が多いようです。

シンガポールの国立大学は現在6校あります

その他、海外の大学の分校もここ数年増えています。また海外の大学へ進学する生徒も多くいます。

シンガポールの国立大学は、2016年ある機関の行った調査で、アジア地域第1位と高く評価されている、レベルの高い大学です。

シンガポール人でも、国立大学へ進学できるのは、全国生徒のトップ20〜30%と言われています。

学歴社会のシンガポールで、この国立大学を卒業し、大企業に就職する、医者や弁護士になる、という事を、シンガポール人の多くが最終目標としています。

4)母国語教育について

シンガポールは、ご存知の通り多民族国家です。

主に、中華系、マレー系及びインド系で構成されています。

公用語は英語ですので、学校の授業も英語で行われますが、それぞれの母国語である中国語・マレー語及びタミル語教育も、熱心に行われています。

これは、それぞれの民族のアイデンティティーを失わないように、またそれぞれの民族を尊重し、融和できるよう始めた、政府の政策の一つであったようです。

今では、それ以外の民族も多くいる為、例えば学校行事などの国際友好のイベントなどでは、色々な国の文化を学ぶ機会も多く設けられています。

学校で授業として教えられているのは、先述した通り中国語・マレー語・タミル語の3つとなりますが、昨今それ以外の言語を母国語とする生徒が増加している為、教育省が認める場合のみ、上記3つの母国語の単位取得を免除される事があります。

両親が日本人で、家でも日本語だけを話し、英語以外の言語に触れる事がなかった、等の理由で免除される永住権をお持ちのご家庭も多くあるようです。

但し、このような場合、中国語・マレー語・タミル語に代わる言語を、学校外で学習する必要があり、申請時に教育省への確認が必要となります。

5)日本とシンガポールの違い

シンガポールの小学校、先述の内容だけで、勉強熱心なのはお分かり頂けたと思いますが、それ以外にも日本と異なる事が、多くあります。

尚、学期始まりは1月となります。

1. 制服がある

シンガポールの公立の学校は制服があります。学校によって異なります。

体育のある日は、学校で着替えるのではなく、家から体育用のTシャツとハーフパンツを履いて行きます。

また、靴も学校により色が指定されており、だいたいなるべくデザインの全くない、白か黒のものとなります。

2. 時間割

シンガポールの学校は、始業がだいたい朝7時30分と大変早いです。

終業は13時30分ですが、高学年になると日本でいう部活に入る生徒もいる為、その場合には夕方5時〜6時頃に帰宅となるようです。

学校により多少異なるようですが、休み時間は10時頃から30分のみ。

その間に、ランチを取り、校庭で遊んだりします。授業は30分刻みで、授業の間にそれぞれ5分ほどの休憩があるようですが、基本的に教室移動やトイレに行く為の時間となり、ランチ休憩の30分以外は、基本的に休憩時間はありません。

3. 給食がない

シンガポールの学校には給食がありません

生徒は、家からランチを持参するか、学校にあるキャンティーン(学食)で購入します。

しかし、このキャンティーン、入っているお店もメニューも年中同じで、日本のように日替わりランチなどがあるわけではありません。

4. 教科書は別途購入

先述のように、生徒によって選択する母国語が異なる為、必要となる教科書も異なります。

その為、教科書は年度始めに、選択する教科に必要な教科書を自分で確認し、学校内にある本屋で購入する必要があります。

6)シンガポール教育の実情 〜シングリッシュが不安?学費は?〜

シンガポールの学校では英語で授業が行われ、また算数や理科などのレベルも高く、外国人にも人気が出てきています。

シンガポールでは、シングリッシュと言って、アメリカやイギリス英語とは異なったアクセントや言い回しのある英語を話します。

シンガポールの学校に行くと、このシングリッシュが身についてしまう事を心配される方もいらっしゃるようですが、家庭で話される際、気をつけるなどの努力をすれば、子供は自然とシングリッシュと、あまり強いアクセントのない英語を使い分けられるようになる、と聞きます。

また、何といってもインターナショナルスクールに比べて学費が安いのが、魅力ではないでしょうか。

参考までに、小学校の学費はシンガポール人及び永住権保持者で毎月143シンガポールドル、アセアン以外からの外国人で613シンガポールドルとなります。

先述した通り、人気の高い学校はシンガポール人と永住権保持者で埋まってしまうので、外国人にはハードルが高いですが、エリアや学校などにこだわらなければ、外国人でも受け入れている学校も幾つかあるようです

子供にとっては、ハードな学生生活となりますが、それでも色々な国籍の子供と交流する事ができ、英語と日本語以外の第3ヶ国語も学べるいい機会となります。

ローカルの学校の外国人の受け入れについては、ここ数年厳しくなっているようですが、シンガポールでは政策などが割と頻繁に変わります。

ローカルの学校に興味のある方は、政府の教育省などのホームページ等で、入学申請前に情報を確認される事をお勧めします。

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