フィギュアスケート、バレエ、音楽…「ロシア」と聞いて何を思い浮かべますか?
「ロシアに留学してみたい!」と思っても、ビザの手続きや厳しい寒さに抵抗を感じる人も多いのでは。
実は、しっかりと事前準備をすれば、物価も安く、コミュニケーション好きな人の多いロシアは、留学生にやさしい国なんです。
今回は、実際にモスクワに留学中の筆者が、留学方法や7つのおすすめ大学など、ロシア留学の準備を始める前に絶対知っておきたい基礎知識についてご紹介したいと思います。
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ロシア留学3つの方法と学費について
日本とは違い、ロシアでは国立大学であっても学費はまちまちです。
一般的に、レベルが高い大学ほど学費も高いと言われています。
留学生が利用できる返済型・無返済型の奨学金もさまざまなので、利用してみるのが良いでしょう。
まず、ロシアに留学する方法は、大きく分けて3つあります。
1.交換留学
日本で通っている大学の制度や、政府が提供するプログラムを利用して留学するという方法です。
交換留学の場合、大学が協定を結んでいる大学に1年間在籍するという方法が一般的です。
単位互換制度がある場合がほとんどなので、大学生には最もおすすめです。
在籍大学の制度にもよりますが、たいていロシアの大学に併設されている語学学校に通って勉強します。
日本の大学に学費を払うので、ロシアの大学への学費は必要ありません。生活費や寮費は自己負担です。
寮の滞在も協定で決まっている場合が多いので、一番留学しやすい方法だといえます。
2.私費留学
日本の大学等の制度を利用せず、個人で手続きをして留学をする方法です。
大学生の場合、日本の在籍大学を休学する必要があります。
ロシア留学の斡旋に特化した会社もあるので、そちらを利用してみるのもいいでしょう。
斡旋会社を仲介した場合、留学は語学学校でのロシア語学習がメインになることが多いようです。
費用は学費・生活費・家賃や寮費など、すべて自己負担になります。
ですが、留学先を語学学校ではなく学部にしてみたり、留学期間を長くしてみたりするなど、自分の好きなようにコーディネイトすることができるので、一番自由度が高い方法といえます。
3.国費留学
ロシアや日本の政府が提供する奨学金を利用する方法です。
また、海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN」などの留学支援制度を利用する方法もあります。
政府の奨学金を利用するので、学費は必要ありません。
しかし、交換留学と同じく、生活費や寮費は自分で負担する必要があります。
留学におすすめの大学は?
ロシアに留学する日本人のほとんどが、一年以内の短期留学でロシアの大学に滞在しています。
また、大都市のトップレベル大学のほかにも、留学生の受け入れを積極的に行っている大学は多くあります。
その中でも留学におすすめの大学7つのをご紹介します。
1.モスクワ大学(モスクワ)
260年の歴史を持つ、旧ソ連・ロシアで最大・最高レベルの総合大学です。
世界有数の科学・学術センターの一つで、多くの著名な研究者が教育、研究に携わっています。
併設の「ロシア語文化研究所」という語学学校への留学が一般的ですが、1年間の学部留学をすることもできます。
学部留学では英語の授業も充実しており、英語もロシア語も両方勉強したい!という人にはおすすめです。
壮麗なスターリン様式の建物は、モスクワのランドマークにもなっています。
モスクワ大学公式サイト:https://www.msu.ru/
ロシア語文化研究所公式サイト:http://www.irlc.msu.ru/
2. サンクトペテルブルク国立大学(サンクトペテルブルク)
こちらも旧ソ連地域で最も古く、歴史ある総合大学です。
学術レベルもたいへん高く、モスクワ大学に並ぶトップレベルの大学です。
18世紀にヨーロッパを目指して建設されたサンクトペテルブルクは「北のヴェネツィア」と呼ばれ、ヨーロッパ的な美しい建築を目当てに来る観光客が後を絶えません。
また、芸術の中心地としても知られ、バレエやクラシック音楽が好きな人にはおすすめです。
大学には外国人のためのコースがあり、留学生は一般的に「ロシア言語文化インスティトゥート」という語学学校で勉強します。
日本人だけでなく、中国、韓国などさまざまな国からの留学生を受け入れています。
サンクトペテルブルグ国立大学公式サイト:https://spbu.ru/
3.モスクワ国立国際関係大学(モスクワ)
ロシア外務省付属の国立大学です。
外交官や国際関係専門家を養成するために設立された大学で、国際ジャーナリズムや外交分野のエリートを多数輩出し、ロシア国内でも非常にレベルの高い大学として定評があります。
ラブロフ外務大臣の出身大学としても有名です。
国際関係学部で日本語教育が行われているので、日本に関心のある学生も一定数います。
英語での講義もたいへん多く、ロシア人学生と留学生が一緒に授業を受講することができます。
モスクワ国立国際関係大学公式サイト:https://mgimo.ru/
4.ロシア国立人文大学(モスクワ)
モスクワの中心部に位置する人文・社会科学の国立総合大学です。
文学、歴史学から広告、観光まで様々な人文系学部があり、学生も個性的な人が多くみられます。
立地が良く、ロシア第一の観光名所「赤の広場」まで歩いていくことができます。
大学の規模が大きくないので、ロシア人学生たちとの距離が近いのがポイントです。
語学学校と学部の建物が大変近いので、気軽に学部の授業を聴講したり、ロシア人と交流したりすることもできます。
ロシア国立人文大学公式サイト:https://www.rsuh.ru/
5.プーシキン記念ロシア語大学(モスクワ)
モスクワ大学の語学教育センターが独立し、外国人にロシア語を教えることを目的とした、比較的新しいロシア語専科大学です。
モスクワ郊外にありますが、最寄りの地下鉄が徒歩10分の所にあり、アクセスは悪くありません。
首都モスクワにありながら、自然豊かなキャンパスは落ち着いて勉強するにはぴったりです。
外国人留学生は、語学研修学部というところで教育を受けます。授業は比較的多めで、ロシア語に打ち込めます。
プーシキン記念ロシア語大学公式サイト:https://www.pushkin.institute/
6.極東連邦大学(ウラジオストク)
120年の歴史を持つ、シベリア・極東地方で最も古い総合大学です。
東洋研究所を基礎として設立されたため、現在でもウラジオストクとアジア太平洋地域のかかわりを研究する「東洋学部」が有名です。
なんといっても日本から近く、飛行時間約2時間半で行くことができるのがポイント。
豊かな自然の中で、静かに勉強に打ち込むことができます。
物価も安く、大学内には無料シャトルバスも運行しているため、生活しやすいといえるでしょう。
極東連邦大学公式サイト:https://www.dvfu.ru/
7.ブリヤート国立大学(ブリヤート)
シベリアのブリヤート共和国の州都、ウランウデにある国立大学です。
ロシア語だけでなく、少数言語のブリヤート語や、モンゴル語も勉強することができます。
ロシアの地方の文化を学びたい人におすすめです。
ブリヤート国立大学公式サイト:http://www.bsu.ru/university/general/
ロシア留学3つの方法と7つのおすすめ大学まとめ
ロシアでは、宇宙開発分野や化学の分野が発達しているので、語学系・国際系の学部ではないけれど、留学してみたい!という人の留学にも、たいへんおすすめです。
ロシアでは気候のみならず、食習慣やコミュニケーション文化が日本とは全然違うので、「日本ではできない体験がしたい!」という人も必ず満足のいく留学ができるはずです。
ロシア留学では、大学付属の語学学校で勉強することが多いので、大学のレベルが高いからと言って、必ずしも満足のいく学びが得られるわけではありません。
寮や大学の立地、大きさなどさまざまな条件を見きわめて、自分に合った大学選びをすることが大切です。
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