便利な日本から外国に行くと、いろいろなことにカルチャーショックを受けますよね。
ヨーロッパの島国であるイギリスでは、どんなことにビックリするのでしょうか。
イギリスに実際に住んでみると驚くことは、日本に住んでいたら想像できないような、意外なことかもしれませんね。
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1. イギリス人は雨が降っても傘をささない
イギリス人に限らず、ロンドンの街中などで雨が降り出しても、傘をさしている人を見かけることはあまりありません。
日本では雨が降ったら傘をさすのが当たり前なので、ちょっとビックリですよね。
実は、イギリスの雨は日本の雨とは少し種類が違っています。
ミストのようにしとしとと降り続けたり、ドリズルと呼ばれるポタポタとした雨、さらに風が強すぎて横向きに降る雨などがあります。これらの雨は、傘をさしてもあまり意味がなかったり、強風の場合、傘をさすのが危険な場合もあります。
そこで、イギリス人は傘をさすことをあきらめて、潔く濡れている人が多いのです。また、防水加工のコートや、フードつきのジャケットなどを着ている人が多く、少しの雨なら大丈夫、という人が多いのですね。
ご存知のように、イギリスでは雨が降る日が多いので、いちいち雨のことを気にししていたら、どこにも出かけられないのかもしれません。
寒い日の雨はかなりこたえますが、室内は打って変わってとても暖かいので、濡れてもすぐ乾くようになっています。
そんなわけで、雨が降り出すとみんなパブやカフェに駆け込み、ゆっくりとビールなどを飲みながら、体を温めるのですね。
「雨降ってきて嫌んなっちゃうね」なんて、知らない人同士でも話がはずむこともしばしばです。
2. 食器は洗剤で洗った後すすがない
イギリスで初めて生活する多くの日本人が一番驚くのが「イギリス人は食器を洗剤で洗った後すすがない!」です。
イギリスでは日本以上に食器洗浄機が普及しており、食器を手洗いする機会は減ってきていますが、それでも食器を手洗いする機会は多くあります。
そして、その手洗いの食器洗浄法が日本とはかけ離れており、多くの日本人を驚かせているのです。
イギリス人的食器洗浄法
- キッチンのシンクにお湯と洗剤を入れ、洗浄液を作る
- そこに汚れた食器類を入れ、しばらくつける
- 洗浄液の中でスポンジを使って、食器類の汚れを落とし洗う
- それらの食器を洗浄液の中から出し、水で洗剤を洗い落とさずにそのまま水切りラックに並べていく
- 食器布巾(イギリスではティータオルと言います)で食器をふく
上記が、基本的なイギリス人的食器の洗い方です。
イギリスは水の質が硬水である地域が多く、そのため水垢(英語ではライムスケールと言います)が発生しやすく、日本のように水洗いをして放置しておくとライムスケールが発生しやすくなります。
そのため、水で洗浄せず、すぐに布巾で拭いた方が食器がきれいに見えます。
もしかしたら、そのためにこのような洗浄方法が取り入れられるようになったのかもしれません。
3. 髪は毎日洗わない&バスタブにも浸からない
日本では髪を毎日洗うのは当たり前となっているのではないでしょうか?
しかし、イギリスでは、先の項目で紹介した通り、水の質が硬水の地域が多いため、毎日髪を洗っていると、髪が軋んで傷みやすくなってしまいます。
またカラーリングしている場合、退色が早くなってしまいます。
そのため、イギリス人は髪を洗うのは週に1〜2回という場合が多いようです。
また、水を使わずに髪を洗うことのできるドライシャンプーと呼ばれるシャンプーがどのドラッグストア、スーパーで販売されており、それらを愛用している人も多くいます。
ドライシャンプーは日本ではあまり馴染みがありませんが、ペビーパウダーのようなもので、頭皮にシャンプーをふりかけ、毛穴に擦り込むようにします。そして最後に髪についた余分なパウダーを振り払うだけで、さっぱりする便利なシャンプーです。
特に女性の場合、髪が痛まないように通常のシャンプーとドライシャンプーを併用している人が多いようです。
イギリス人はバスタブにはほとんど浸からない
お風呂にゆっくりと浸かる文化がある日本人とは反対に、イギリス人はあまりお風呂に浸かりません。
というより、シャワーも外に出かける予定がなければ浴びない、という人がけっこういます。
イギリスでホームステイをすると、家庭によっては「お風呂は2日に1回」など、決められていることもあります。
寒いイギリスでは、日本人ならゆっくりお風呂で疲れを癒したいところですが、イギリス人にしてみれば、寒いから汗もかいていないし汚れていない、という考えの人が多いようです。
さらに日本に比べて乾燥しているので、髪も毎日洗わないというのも普通のようです。
また、家によっては一回のシャワーで使えるお湯の量が限られていて、連続してお湯を使っていると、突然冷水が出てくる、ということもあります。
冬の寒い日に突然冷水が出てくると、さすがにビックリしますよね。
そんなこともあってか、イギリス人は「シャワーを浴びる必要がない日には浴びなくても良いかな」と考える人が多いのです。ケチというよりは、合理的、と言えなくもないでしょうか。
4. 洗濯は週に1回が当たり前
最近の日本でも共働きの家庭や一人暮らしの場合、毎日洗濯をしないということも増えてきています。
イギリスでは大家族であろうと一人暮らしであろうと、基本的に洗濯は週1回という人がほとんどです。
日本のように洗濯を毎日するのは水道代や電気代がもったいない、という印象を持つようです。
また、ロンドンなどの大都市の中心部では外に洗濯物を干すことを禁止している地域もあり、乾燥機の使用が当たり前、もしくは室内干しが基本となっています。
5. イギリスの冷凍食品は種類が豊富!
イギリス人は、冷凍食品をよく食べます。
よくイギリスの食事は不味い、と言いますが、基本的には食事に関して日本人に比べて意識が高くないのかもしれません。
イギリスのスーパーに行くと、まず冷凍食品のコーナーが広いことに驚かされます。
種類は非常に豊富で、それだけでディナーになるようなものもたくさんあります。
イギリスならではの料理、シャパーズパイは、ひき肉と野菜をブイヨンなどで炒めて煮込んだものに、マッシュポテトを乗せてオーブンで焼いたものです。
オーブンに入れて焼くだけの状態で冷凍してあるので、とても便利です。
その他にも、サーモンのグリルや、スキャンピという名前の小ぶりのエビフライ、キッシュやガーリックバゲット、インドカレーとナンのセット、春巻きなどの中華、さらにビーフキャセロールというビーフシチューのパイ包み、ローストチキンなど、かなりバリエーションは多いです。
これらは決して安いものばかりではなく、パーティー向けのオーブン料理などは、冷凍食品であってもけっこう値段が張ることもあります。
メインからサイドディッシュまでがセットになっているものもあります。
ローストチキン、付け合せのブロッコリーや芽キャベツ、ローストポテト、グレービーソースがセットになっており、2人前セットなどで販売しています。これさえあれば、オーブンに入れるだけできちんとしたディナーの出来上がりです。
また、カット野菜やフライドポテトなども、大きな袋入りで販売しているので、すべての料理が冷凍食品でまかなえると言っても過言ではありません。
夫婦でも共働きが普通のイギリスでは、毎日の料理に時間をかけるのが難しいのかもしれませんね。
もちろん手作りの味には劣りますが、味はなかなか美味しく、種類も豊富にあるので、一度食べてみると便利で重宝する存在です。
6. 生野菜より温野菜が好き
最近はイギリス人も健康志向の人が増えてきており、ベジタリアン専門店なども多く見かけられます。
けれど、基本的にイギリス人は生野菜を食べるのが苦手で、食べるとお腹の調子が悪くなってしまう人も多いのだそうです。
それは、イギリス料理の定番、肉のローストに付け合せの温野菜がついてくる、というスタイルに慣れているからではないかと思います。
ブロッコリーや人参など、とても柔らかく調理されていることが多いです。
ですから、生野菜のサラダなどは食べ慣れておらず、苦手なのですね。
レストランや家庭によるかとは思いますが、この付け合せの温野菜、日本人からしてみると少し茹ですぎでは?と思ってしまうことがあります。
ブロッコリーや芽キャベツ、インゲンなどが定番ですが、フォークで触ったら崩れてしまいそうなくらい、茹でてあることもあります。
それに対して、ローストポテトは、外はカリッと、中はホクホクで非常に美味しいです。
イギリス人は、オーブン料理がとてもお得意だと思います。
7. 飲みに行くと言ったら飲むだけ
イギリス人の社交場、パブ。
ロンドンのような大都市では石を投げればあたるほどあり、またどんな田舎町でもカフェはなくともパブは必ず一軒は存在しています。
パブではイギリス人がパイントグラス(イギリスではジョッキではなくパイントグラスでビールを飲みます)を片手にフットボールなどの中継を見ながら、友人たちと語り合いながら、ビールを味わっている姿が日常的に見られます。
これらの光景はイギリスならではの光景と言えるでしょう。
もちろん、パブで食事もすることも可能です。
ただし、たとえば仕事の後に「飲みに行く」といった場合はひたすら飲むだけです。
日本のように居酒屋で飲みながら食べながらと過ごすということはなく、ビールやお好みのお酒を飲みながら、数時間パブで過ごすということが当たり前なのです。
イギリス人女性は酒豪?
パブでビールやお酒を楽しむのは男性だけではありません。もちろん女性も楽しみます。
そして、多くの女性が男性と負けないペースでパイントグラスを空けていきます。
それどころか、どちらかというと男性はビールより議論やサッカーなどの中継に夢中になり、グラスを空けていくペースがゆっくりになるも、女性はペースを崩さず、という光景をよく見かけます。
淑女はパイントグラスで飲むのは避け、いくらパイントグラスの量を飲みたくてもハーフパイントを2つ注文するのが淑女のたしなみ、などと言われた時代もありましたが、現在はそんなことはどこ吹く風です。
8. イギリス人は花束やカードを送るのが好き
イギリスでは、帰宅前に旦那さんが奥さんに花束を買って帰ったり、何かというとカードを送るという習慣があります。
花束は、花屋の前にすでに作ったものが並んでおり、気軽に選んで買っていけるようになっています。色ごとにセンス良く作られており、すでにラッピングをしている場合が多いです。
もちろん、新たに作ってもらうこともできます。金曜日の夕方などは、恋人や奥さんに花束を買う男性が、花屋の前に集まっている光景が見られます。
カードの種類はとても豊富で、いろいろなシチュエーションに合わせたカードがあります。
バレンタインやクリスマスはもちろんのこと、引越し祝いのカード、仕事が決まったお祝いのカード、親友に贈るカード、「いつもあなたを想っています」というカードなど、本当にたくさんの種類のカードがあるのです。
カードには、素敵なメッセージがすでに書かれているので、カードを選ぶ時には、デザインとともにメッセージの内容もじっくりと読んで、自分の気持ちに近いものを選びます。
そして「たくさんの愛を込めて」などのひとことを添えて、名前を記す場合が多いです。
中には、皮肉や冗談が効いたものもあり、仲の良い友達の誕生日などは、そんな遊び心たっぷりのカードが人気です。
「カードにどんなメッセージを書くか」よりも「どんなデザイン、メッセージのカードを選んだのか」ということが、重要になってくると思います。
そんなロマンチックな習慣を持っているイギリス人は、仲良くなるととても優しく、また日本人と似たような奥深さや謙虚さを持っています。
それが、日本人がイギリスを訪れて、何となくしっくりとくる理由なのかもしれませんね。
9. 日曜日は休息日
イギリスでは日曜日は休息日という認識があり、お店の営業時間は基本的に6時間と決まっています。
スーパーなどもオープンはお昼頃から、そして閉店時間も通常より早く夕方の4時か5時となっています。
また、カフェやレストランも日曜日は営業時間が短いことも当たり前となっています。
ロンドンのような大都市では、週末でも一部のスーパーが夜遅くまでオープンしていることがありますが、日本のようなコンビニエンスストアはイギリスにはないため、深夜に買い物に行くこともできません。
しかし、イギリス人はそれらを不便に感じず、家族や友人らとともにゆったりとして日曜日を過ごすことを楽しみにしています。
10.伝統を重んじる国民
イギリス人は古いものを大切にする国民です。
そのためアンティーク家具や食器、ヴィンテージの服などは人気があります。
家屋も、内装はモダンに変えても外観は古いレンガ造りのまま残すことも通常となっています。
逆に、都市部などで建設された近代的な建物はランドマークとして注目を集めるも、不人気なことがほとんどです。
そして、古いものを愛する心はテレビドラマ界にも表れています。
イギリスで大人気のテレビドラマは1985年に放送が開始された『EastEnders』と1960年に放送が開始となった『Coronation Street』。
もちろん、次から次へと新しいドラマも製作され、人気を博していますが、この2つのドラマはイギリス人で観たことがない人はいないと言ってよいほど国民的ドラマとなっています。
イギリス人は新しいものも広く受け止める寛容な国民ですが、古きを重んじる、その心は若い世代にも受け継がれています。
11.ロイヤルファミリーをこよなく愛する
イギリス人にとって、エリザベス女王をはじめロイヤルファミリーはイギリス人の象徴であり、イギリス国民の誰もが愛する存在といっても過言ではありません。
イギリスの通貨、紙幣すべてにエリザベス女王が描かれており、新聞にロイヤルファミリーのニュースが記載されない日はありません。
また、エリザベス女王の誕生日は国民全体が祝い、クリスマスのエリザベス女王のスピーチを誰もがテレビ中継で視聴します。
ロイヤルファミリーはイギリス人にとってどんなアイドルや俳優、女優よりも愛すべき存在なのです。
12. イギリス人男性はシニカルなジョーク好き?
日本でもお笑い番組やお笑い芸人は人気がありますが、イギリスでもコメディ番組やコメディアンは大変人気があります。
ロンドンにはコメディーショーを楽しむことのできる小劇場がいくつもあります。
コメディアンでなくてもイギリス人はみな共通してジョークを常に会話の中に織り交ぜるなど、ジョーク好きな人ばかりです。
ただし、イギリス人のジョークは少しシニカル(皮肉的)なものが多く、真に受けていると傷ついてしまうこともなきにしもありません。
イギリス人男性のジョークはジョークとして受け流すことが重要です。
最後に
イギリスならではの習慣に、驚くことがあったのではないかと思います。
イギリスには、日本のようにお風呂に浸かる文化がなかったり、冷凍食品をたくさん食べていてビックリ!と感じますよね。
また、毎日パブでビールを楽しみ、太陽が顔を出せば季節問わず日光浴、ロイヤルファミリーのニュースを新聞で読むのが日課、そんな国民なのです。
また、目が合うとニッコリと微笑んだり、知らない人でも店のドアを開けて、次の人を待ってあげたりする親切さを持っています。
イギリスに住んでいるうちに、日本の便利さや快適さが恋しくなることが多いと思いますが、素敵な文化に目を向けて、違いを楽しむことが大切かもしれませんね。
海外生活ならではのストレスも、考え方次第で楽しむことができると思います。
ぜひ、イギリスに来た際には、そんな違いを楽しみ、寄り添ってみてほしいと思います。
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