仕事を探すとき、仕事内容、勤務地はもちろんのこと、給料の額にも注目するでしょう。
そんな事情はイギリスでも同じです。
イギリスでは日本同様、生活費も高く、給料の高い職業に就くことが「良し」とされる風潮にあります。
そんなイギリスで人々がどの程度の平均収入を得ているか、気になりませんか?
ここでは、イギリス人の平均年収、また平均年収を語るに外せない様々な情報について紹介していきます。
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イギリスにはクラス社会(階級社会)の名残りが残る
平均年収について紹介する前にまずはイギリスの社会的背景について少し説明していきましょう。
イギリスでは未だクラス社会(階級社会)の名残があり、クラスにより住む場所が違ったり、利用するお店が違ったり、また労働者階級は学費の高い学校に通うことが難しいため、その結果就く職業に違いがあったりということが稀ではありません。
つまり現代でもイギリスでは階級により生活に大きな差が出てくるということなのです。
しかしイギリスでは人々が最低限の生活を送ることができるよう、
- 医療費は無料
- 必要最低限の食べ物や子供服などは課税率が抑えられる
などの配慮がされています。
イギリスでは最低賃金が定められている!
先の項目で紹介したことと関連しますが、イギリスでは人々が最低限の生活が送ることができるように一定額以上の賃金が得られるよう、最低賃金というものが法律で定められています。
なお、最低賃金は年齢により、また年々変動しますが、以下に2018年の最低賃金(時給)を紹介いたします。
- 25歳以上 7.83ポンド/時給
- 21歳から24歳 7.38ポンド/時給
- 18歳から20歳 5.90ポンド/時給
- 16歳から17歳 4.20ポンド/時給
成人であれば、日本円にして最低1,000円以上の時給が保証されていることになります。
しかし、特に都市部では住宅費の高騰などにより、最低賃金でまともな生活を送ることが難しいことは否めません。
イギリスの平均年収は職業、年齢などによって大きく異なる
ここからはイギリス人の平均年収について詳しく紹介していきます。
日本同様年収は様々な要素で変動し、イギリスで年収を左右する7大要素は以下の通りです。
- 年齢
- 学歴
- 経験
- 業種
- 会社
- 性別
- 地域
イギリスのみならず世界中に多大な影響を与えたサッチャー首相、また2018年現在就任しているメイ首相など、政界にも女性が進出し、日本に比べ女性の社会進出が顕著と言えます。
しかし未だ男性と女性では賃金に格差があることは明らかであり、現在もその格差をなくすべく様々な議論がいたるところで行われています。
イギリスの年齢別・平均年収
日本同様、イギリスでも年齢別の年収の議論がされており、多くの人にとって仕事をする際の目標となっています。
この項目では年齢別の平均年収(2016年調査)を紹介していきます。
- 18歳-21歳:15,240ポンド-16,332ポンド
- 20歳-29歳:21,948ポンド-23,088ポンド
- 30歳-39歳:27,972ポンド-30,420ポンド
- 40歳-49歳:27,096ポンド-33,960ポンド
日本円に換算すると30代の平均年収は約450万円となります。
また40代でも約500万円となり、日本の同年代の平均年収に比べ若干低めの平均年収となっています。
なお、40代の年収が30代の年収とさほど変化がないのは、40代にとって収入の額より仕事内容を重視する傾向があるためとも言われています。
近年、イギリスではIT系の職種は高額年収ランキングにランクイン!
イギリスも日本同様、
- 弁護士
- 医師
などの高学歴や特殊な知識を必要とする職種が高額年収ランキングのトップに位置しています。
また
- パイロット
- 管制塔司令官
などの航空関連の職種も年収が高く、弁護士や医師などの職種を上回る給与を得ているとの調査結果もあります。
その他一般職では金融系、さらに現在ではIT系の職種が高額年収ランキングにランクインしています。
今回は日本でも人気の職種のロンドンでの平均年収を紹介します。
- ソフトウェアエンジニア 43,556ポンド
- ソフトウェア開発者 38,832ポンド
- マーケティング管理職 36,519ポンド
上記の通り IT関係の職種は軒並み平均年収を上回っており、売り手市場と言えます。
世界的な人材不足。IT業界は鉄板の有望株!
世界的な有望職種は『IT業界』。
日本においても2020年には、30万人超のIT人材が不足すると言われ、この傾向はグローバルでも同様に起こっています。
ITのスキルを身に着けることは、海外で就職するための非常に大きな武器となることは間違いないと言えます。
実際に、世界各国の平均年収ランキングでもIT業界が上位にランクインしており、その需要の高さがうかがえます。
これから、海外在住日本人がどんな職種に就いているかを紹介しますが、やはり需要の高さ、収入の高さなどを考えた場合、ITスキルの取得は強くオススメしたいところ。
カフェスタッフやショップアシスタントは最低賃金ギリギリの年収
その一方、特別な技能を持たなくとも就職が可能なカフェスタッフやショップアシスタントは軒並み年収が低めとなっています。
これらの職種は最低賃金ギリギリの給与が支払われていることが多く、特にロンドンなどの大都市部では生活が厳しく、仕事を掛け持ちする人も少なくありません。
例えば、約8ポンドの時給で毎日カフェで8時間、週5日働いたとすると、月収は1,280ポンド、年収は15,360ポンドとなります。
しかしロンドンなどの中心部ではシングルルームのフラットシェアでも約600ポンド近くの家賃がかかります。
つまり家賃が収入の約半分を占めることになってしまい、日々切り詰めた生活を送らざるを得ません。
契約社員の方が年収高め!?
日本でも転職することがタブーではなくなってきていますが、それでも転職を繰り返すことはあまり良いことと見なされません。
しかし、イギリスでは同じ職に長く従事していると、どちらかというと
「向上心がない」
「上昇志向がない」
と見なされてしまいます。
そのため、多くの人が定期的に転職しています。
そして定期的に転職し、自身の知識や経験を増やしていくことを目指している人は正社員ではなく、あえて契約職員という立場で仕事をしている傾向があります。
というのもイギリスでは契約職員で仕事をした方が給与が高くなる傾向があるからです。
イギリスでは正社員としてもボーナスが支給されることはほとんどなく、有給休暇や福利厚生制度が適用される反面、契約職員に比べ、給与が低めとなっています。
契約職員は有給休暇などが取得できない、契約の延長が簡単ではないなどのデメリットがある反面、給与は高めに設定されています。
住宅補助や交通費支給はない
日本では正社員で働くとボーナスが支給されるほか、住宅費や交通費が一定額支払われることが一般的です。
一方で、イギリスでは正社員であっても住宅費や交通費がサポートされることはありません。
そのため、給与の中から住宅費や交通費をやりくりしなければいけません。
イギリスは住宅費が高く、ロンドンなどの大都市部では東京より家賃が高いと言われています。
また交通費も高く、特に通勤時間帯は料金が高めに設定されています。そのため、家賃が少し高くても勤務地の近くに住むか、それとも勤務地から離れていて交通費がかかっても家賃の安いところに住むか、多くの人が悩みながら職探しをしています。
日本人に有利な職種は?
現在のイギリスではワーキングホリデービザや学生ビザで働く日本人が多くいます。
また日本企業から派遣され駐在員として働く日本人やワーキングビザを取得して働く日本人も多くいます。
しかし、イギリスにはイギリスで自由に働くことのできるEU諸国からの移民が多くおり、イギリスに来る前に仕事が決まっている駐在員やワーキングビザ保持者以外の日本人が仕事を見つけることは簡単ではありません。
もちろん日本食レストランやカフェなどは日本語のできるスタッフを求めているものの、賃金は低く、生活が厳しくなることは覚悟した方がよいでしょう。
現在のイギリスでは、IT系のスキルを持っている人が国籍に問わず高く求められています。
もちろん日本語と英語のバイリンガルを求めている職も多くありますが、語学だけで高額収入を目指していくことは簡単ではありません。
もしこれからイギリスで職探しを予定しているのであれば語学のスキルはもちろんのこと、IT系のスキルを保持しているとよいでしょう。
平均年収は低め。だけど生活は豊か
イギリスの平均年収、またそれにまつわる情報を紹介いたしました。
上記の通りイギリスの平均年収はけして高いとは言えません。
また住宅費や交通費などの高騰が人々を苦しめていることも事実です。
しかし、人々が最低限の生活を送ることができるよう配慮されているため、決して裕福でなくとも、イギリス人はギスギスすることなくささやかなことで幸せを感じる術を得ているようです。
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