フランスといえば愛の国。そういうイメージを持っている人も多いでしょう。
フランス人は情熱的で恋愛に生きている、そんなロマンチックなフランス人と結婚したらどんなに素敵な生活が待っているんだろう…そんな憧れもあるかもしれません。
たしかに文化の違う相手との恋愛は刺激的で、とてもロマンチックな気分にしてくれます。しかし夢のようなことばかりだけではありません。
文化の違いによって生じる問題は多く、悩まされている国際結婚のカップルはたくさんいるのです。
文化の違いからのすれ違い、喧嘩、ひいては離婚…そんなことにならないために、日本人が知っておくべきフランスと日本の5つの恋愛観の違いをご紹介します。
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はっきり言わないと伝わらない
フランス人は言語の性格からか、自分の意見や物事をはっきりと言います。
一方日本人は直接的な言い方はせず、あいまいな表現を用いて相手に察してもらうというコミュニケーション方法を取ります。
例えば日本人のカップル間の会話では、「○○して」という言い方ではなく「○○してくれたらうれしいなぁ」とか「時間ある?○○するのはどうかな?」というように、自分の要求を伝えるときに強制的な言い方はあまり使いません。
相手にそれとなく察してもらうような言い方を好む文化にあります。
しかし、フランスではそんな話し方は通用しません。
フランス人にははっきりと自分の要求や言いたいことを言わないと、理解してくれません。
あいまいな表現を使いすぎると、「相手のことが理解できない」「相手が何を考えているのかわからない」と悩ませてしまったり、ストレスを与えてしまうことにもなります。
伝えたいことははっきり、あいまいな表現は使わずに伝えましょう。
また、直接的な表現で何か言われたとしても、裏を読んだり、傷つく必要はありません。直接的に何かを伝えることが彼らのコミュニケーション方法であり、はっきり何かを言われたからと言って落ち込んだり引きずったりする必要はないのです。
例えば、こんな会話のとき・・
例えば、彼氏に料理を作って「おいしい?」と聞いたとします。
日本人であればあまりおいしくなくても「おいしいよ!」と、とりあえず褒めてくれ、その後に「ここをこうしたらもっと良くなるんじゃない?」とアドバイスしてくれるかもしれません。
そのアドバイスで、あなたは自分の料理が失敗したことに気づきますが、直接的に言われたわけではないのであまりショックは受けません。
一方、フランス人の場合「塩辛い」「あんま好きじゃない」と平気で言います。
彼らにとって素直に気持ちを伝えることは相手を信用している証拠であり、悪気は全くないのです。
しかし、いくら悪気はないとはいえ、そのようなコミュニケーションに慣れていないと受けるショックはかなり大きくなります。
直接的に何か言われて傷ついたりショックを受けたら、素直にその気持ちを言ってみましょう。そして、あまり言われたことを引きずらずに、「あ、そうなんだ。」程度で流しておくことが大切です。
主婦なんてありえない
フランスでは男女共働きが普通です。女性も働き、収入を得て自立することが期待されています。
出産育児の後も仕事に復帰する女性がほとんどで、出産を機に主婦になるということはフランス社会ではめったにないことです。
そのため、大家族の母親でもない限り、「夫の収入に頼りきりの主婦」というのはあまりいい印象は持たれません。妻も夫と共に家計を支える。それがフランス人男性が妻に期待していることです。
ですのでフランス人と結婚して優雅にフランスで主婦生活を楽しみたい!と考えている方は考え直したほうがいいかもしれません。
妻が働かないことで夫婦仲が悪くなり、夫が離婚を切り出すという話もよく聞きます。
そんな夫婦トラブルを避けるためにも、結婚後のキャリアもよく考えておきましょう。
愛情表現がオープン
バレンタインに真っ赤なバラの花束はもちろんのこと、特に記念日でもないような日に急にサプライズの花束をくれる。
そんな映画のようなこともしてくれるのがフランス人の彼氏です。
基本的に愛情表現はオープンで、家の中だろうと公共の場だろうと手をつなぐのは当たり前。
肩を抱いてくれたり、キスしたり、愛してるよと言ってきたり…人目をあまり気にすることはありません。
また年をとってもそれはあまり変わらず、夫婦連れ添って仲良く歩くカップルも街中でよく見かけます。
しかし日本人は、人前でいちゃいちゃしたり、公共の場で愛情表現をすることはあまりしません。
愛してるよなんて毎日言い合ってるカップルもあまりいないと思います。
このように愛情表現に関して文化の違いがあると、フランス人としては「僕/私のこと好きじゃないのかな」と不安になったり、相手の愛情表現に満足できなくなったりします。
もちろん、自分らしい愛情表現の方法は人それぞれあると思いますが、彼氏が人前でキスしてきたりハグしてきたりしてもあまり避けたり嫌な顔をせず、にこにこ笑って受け入れてあげましょう。
好きじゃなくなったら離婚
夫婦になって数十年、二人とも40代後半、子供達も20代になって家族として熟成してきた頃・・。
そんな状況でも、愛がなくなれば離婚してしまうのがフランス人です。
日本と比べると、結婚に対して強い思い入れやこだわりはなく、それゆえに結婚率は低く離婚率が高いのがフランスの現状です。
離婚率が多いがゆえに、バツイチ、子持ちの人は多く、離婚は日本ほどタブーでも深刻なことでもありません。
また、驚くのが年を取ってからでも、愛がなくなれば簡単に離婚を決めてしまうということです。日本でいうと熟年離婚でしょうか。
人生を一人で終えたくない…なんてことは考えず、自分の一緒に生きたい人と生き、合わないと思えば別れる。
そんな生き方はフランス人の結婚に対する考えを表しているように思います。
日本と全く違うルール。片方が望めば離婚!
またフランスで結婚した場合、片方が離婚を望む場合、他方の同意がなくても離婚を成立させることができます。
一方が裁判所に申し出て、裁判所が離婚成立を認めれば、たとえ相手が離婚したくないと考えていても離婚は成立してしまいます。
フランス人の夫や妻が「離婚したい」と言い出したら、落ち着いて一度真剣に話し合ってみましょう。
無視・放置しておくと離婚成立、日本へ強制帰国ということにもなりかねません。
日本の「親への挨拶」の重さ
日本では結婚前に相手の親に挨拶をしに行くというのが慣習となっています。
厳しい両親の場合、婿の品定めや嫁チェックなどが行われることもあります。
そして古典的ですが親への挨拶を通して「相手の両親に結婚の承諾を得る」というのが日本の結婚の文化の一つになっています。
近年はそうでもなくなってきていますが、やはり一人娘の嫁入りとなると父親がぴりぴりします。
そして義母や義父との関係はとても重要なもので、結婚は二つの家族が一つになるというイメージがあります。
しかしフランスは家族よりも個人中心の文化です。
個人が決めた結婚相手を尊重し、親は子供の結婚に関して干渉しないというのが普通です。
そのため「結婚することにした」「あら、おめでとう」くらいの感じで、親はむやみやたらに結婚相手をチェックしたりしません。なおさら「結婚前の親への挨拶」は「結婚の承諾を得る」なんて意味は全く持たず、知り合って仲良くなろう、くらいの意味合いです。
義父や義母からの変なプレッシャーはありませんし、リラックスして楽しんで大丈夫です。
しかし、問題なのがフランス人の結婚相手を日本の両親に紹介するときです。
もしあなたの両親が厳しいタイプの親であれば、事前によくそのことを相手に伝えておきましょう。
日本の「親への挨拶」の重みは知らなければ理解できないものです。
どのように行動して、どのように話すべきなのか。二人でリハーサルをしてから望むと結婚相手も緊張しすぎずにすみます。
最後に
フランス人に限らず国際結婚は様々な困難があります。
言語の違い、文化の違い、ちょっとしたすれ違いや誤解が積み重なってしまうと、気づいたら大きな溝ができていたということになりかねません。
そうならないように、小さなことでも辛抱強く相手を理解し、自分を理解してもらう努力をこつこつ続けていくことが必要です。
相手の文化を尊重しつつ、自分の考えや文化を丁寧に相手に伝えていくことが良い関係を築く上でとても大切だと考えます。
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