「世界で最も幸せな国」との代名詞を持つフィジー。
フィジーには大きく分けて2つの民族が共存しています。
フィジアンとインディアンがそれぞれ約50%を占め、全く違う文化や言語を話す民族同士が共存しており多様性を肌で感じる事もできます。
2つの全く違った文化を持つ人々がお互いを受け入れ、共存している国は、フィジーならではです。
またそれぞれの言語を持ちながら共存するため、民族を超えてコミュニケーションする事が求められることから、幼い子供でも問題も無く英語を話せます。
ここでは、フィジアンとインディアンの家庭両方に滞在経験を持つフィジー 在住者から文化・習慣についてご紹介します。
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1.ケレケレ
フィジアンはとてものんびりしていて、もしお互いが困っていたら物の貸し借りを積極的に行う「ケレケレ」という文化が根付いています。
ケレケレという文化はフィジー人に切っても切り離せないものです。
また、何か依頼するときも「ケレケレ」といってお願いします。
個人主義が強い日本社会では考えられないくらい色々なものを共有していることが最初はとても新鮮でした。
こういった助け合いが根付いている文化は、なんだか温かい気持ちになります。
家族や友達という枠を超えて、お互いに手を差し伸べあっている光景を日常的によく目にします。
例えば、他人に譲れるほど裕福でなくても困っている人がいたら、食べ物を分けたり市場でものの貸し借りを行っていたり、とにかくなんでもシェアします。
タクシーを利用する際もケレケレです。見ず知らずのひとが大概あいのりしてタクシーをシェアします。
車内でもまるで家族や友人のように楽しそうに会話をしていることなどは日常茶飯事です。
村に遊びに行くと見ず知らずの家族から泊まって行きなさいと優しく何度も声をかけてもらったこともあります。
2. フィジータイム
フィジー人はとてもおおらかで、細かい時間などは気にしません。
実際にフィジー人同士が約束時間の2時間後に現れても、お互いに気にすることなく、いたって普通の様子であるのを見て、最初はカルチャーショックを受けました。
その際に、彼らから「これがフィジータイムだから!」と明るく言われたことを今でも鮮明に覚えています。
そういったお国柄ということもあり、バスの時刻表はありません。
毎日バスがくる時間はバラバラです。
しかし、バス移動が主流のフィジーでは多くのバスが走っており、それほど不便ではありません。
日本で時間におわれて疲れてしまっている人にはおすすめできる習慣かもしれません。
3. カバの儀式
カバとは南太平洋諸国で愛されている嗜好品です。
ヤンゴーナという植物の根を細かくして水で抽出した飲み物。
見た目は泥水のようで決して美味しそうとはいえない感じですが、フィジー人にはなくてはならない存在で大変愛されています。
私も飲んだことがありますが、お酒と違って鎮静作用があり、落ち着くような、眠いような感覚を味わいます。
飲みすぎると一時的に舌がしびれたり、二日酔いのような症状をともなうことがあります。
この飲み物を村の集落はもちろんのこと、都市部などフィジアンの家庭が楽しんでいます。
彼らがカバを好んでいるのは、カバ自身の味というよりも、仲間と集まって話したり交流する場を楽しんでいます。
私も何度もカバセッションに招かれましたが、カバを交わすのみならず永遠と語り明かしており、そこで仲間の絆を強めているように感じました。
何か行事がある時はもちろんのこと、普段の生活の中でも「カバ」はフィジーの生活に深く根付いています。
4. メケダンス
フィジアンは陽気で嬉しいことがあったり感情表現をする際によく踊ります。
フィジーにはメケと呼ばれる伝統的な歌と踊りがあります。
また、男性・女性で踊りや、意味が違います。
男性は戦の前に勇気や闘志を奮い立たせるため、女性はお客様をもてなすために踊ります。
女性はブラウスにスルというフィジーの伝統衣装のスカートを履くか、スル・チャンバというフィジーの民族衣装を着ます。
メケダンスは村でしかあまり見ることができず近年あまり主流ではなくなっていますが、観光客向けのメケダンスショーなどは根強く人気を誇っているそうです。
しかし、スル・チャンバは日常生活でも着用されています。私もフィジー滞在中は毎日スル・チャンバを着て暮らしていました。
南国風の色鮮やかなスル・チャンバは見ていて飽きることがありません。
街には布を販売しているお店がたくさんあり、お気に入りの生地を選ぶと体型にぴったりなスル・チャンバを作ってもらうことも可能です。
5. 食文化
フィジアンとインディアンが共存するフィジーでは両者の食生活は全く違います。
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私は両者と一緒に住んだ経験がありますが、フィジアンはキャッサバというイモを主食にしており、ココナッツ風味の料理が多いのも特徴です。
週末には海ぶどうやカメカレーなどを作ったり、バナナの葉でさまざまな食材を蒸して食べるロボといった伝統料理もあります。
一方で、インディアンは、基本三食カレーです。
また、宗教上の理由から牛肉、豚肉を口にしない方やビーガンの方など口にできる食材に制限がある場合が多いことから、豆を使った料理も多いのが特徴です。
私が住んでいた際のインディアンのお気に入り料理は、ひよこ豆で作ったダルというスープでした。その他サモサやロティも主流です。
6. フィジアンビレッジの様子
フィジー第二の都市ラウトカに住んでいた際、たびたび田舎の村の集落に遊びに行ったことを今でも鮮明に覚えています。
中でも印象的なのがサブサブ島というフィジーのなかで3番目に大きな島の村に滞在した際です。
本島から12時間以上かけて船にのって行き着いた村は都市部とは全く違います。
集落の家は木造かトタンでできたものがほとんどで、多くの人々が高床式のうちに住んでいます。都市部では鉄格子をつけた窓が主流ですが、村では鍵のみならずドアも開放していて村人同士が出入りできるようにしています。
毎日同じ時間に集合して歌を歌ったりお祈りをしたり、村人の一体感を肌で感じることができました。
隣人がうちにはいってきて急遽ご飯を食べていったり、就寝時にも隣人が泊まっていくことも日常茶飯事です。
また、赤ちゃんが生まれても村の人々が協力して育てます。彼らの本当の意味でのケレケレ文化を実感しました。
7. 宗教の多様性
フィジーの3大宗教は
- キリスト教
- ヒンドゥー教
- イスラム教
です。
フィジアンはほぼ100%がキリスト教徒で、インディアンはヒンドゥー教徒、イスラム教徒などに分かれます。
フィジアンの休日はほとんどの場合、教会に足を運びます。
私がフィジアンと暮らしている際も聖書を家族で集まって読んだり熱心に朝や食事の前に祈っていました。
インディアンの大部分はヒンドゥー教を信仰しており、街中に寺院を見ることができます。
食生活もベジタリアンであるため豆料理も多いです。
ディワリというヒンドゥー教のお祭りには、派手に飾り付けをしたり盛大に花火をしたり街中がとても盛り上がります。
インディアンには2割程度イスラム教信者もいます。
街ではモスクからコーランが流れ、ラマダン時期には日が暮れてから食事をする風景もよく目にしました。
小さい国ですが3つの宗教が共存し人々はそれそれの宗教を熱心に信仰しています。
フィジーの文化・ぜひ体験してみてください
相手に対して見返りをもとめず、手を差し伸べたり、ものを共有しているフィジーの文化に触れ、自分の視野を広くすることができたり、自分の価値観や固定概念の殻を破ることができました。
みなさんもぜひユニークな文化で溢れているフィジーに住んでみてはいかがでしょうか。
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