ロシアと東ヨーロッパの間に位置する小国ベラルーシ。
ベラルーシで検索すると独裁国家や放射能汚染などのキーワードも出てくるため、治安についてかなり不安に感じる人もいることでしょう。
ここでは、首都のミンスクを中心に治安情報についてご紹介します。
さらにベラルーシ滞在時の注意点や近づかないほうが良いエリアも記載したいと思います。
ベラルーシではどのような犯罪が起きている?
外務省の海外安全ホームページによると、ベラルーシの南東部にあるゴメリ州を中心にレベル1の危険情報がなされています。
ベラルーシに危険情報が発表されている理由は、1984年に隣国のウクライナで発生したチェルノブイリ原発事故による放射能汚染の影響による危険があるためです。
実際はところは、1994年の建国以来、四半世紀に渡ってルカシェンコ大統領による独裁政治が続いており、テロや凶悪犯罪に対する徹底的な取締りを行っている結果、平穏な状態が保っています。
ベラルーシの治安は周辺の国々と比較しても良好といえるでしょう。
ただし、窃盗や傷害などの一般的な事件については注意も必要です。
ベラルーシの犯罪件数
ベラルーシ共和国内務省が発表した犯罪統計によると、2018年1月1日から9月30日までのベラルーシにおける犯罪総数は62,626件です。
2016年の1月1日から9月30日までの犯罪総数は71,052件のため、犯罪は減少傾向にあるといえます。
10万人あたりの犯罪発生件数を周辺諸国と比較すると、ベラルーシは3.8件、ウクライナ6.34件、ロシアは10.82件のためかなり安全であることが分かります。
ベラルーシでは、日本と同じようにお年寄りへの詐欺犯罪が増加しています。
日本人が詐欺の犯罪に巻き込まれる可能性は低いものの、就労などでベラルーシに滞在するときには、労働契約書や商取引での契約書についても騙されてはいないかなどの確認も必要です。
放射能汚染の危険性に関して
ベラルーシでは1986年に起きたチェルノブイリ原発事故による、放射の汚染の影響を受けています。
事故から30年以上経過したため事故当初と比較したらかなりの改善は見られますが、ベラルーシとウクライナの国境付近をはじめ、一部の地域ではいまだに立ち入りが禁止されています。
ベラルーシ緊急事態省の報告では、首都のミンスクを含むほとんどの大都市では年間1ミリシーベルト以下とされており、東京や大阪などの都市とほとんど変わらないため、過度に気にする必要はないと言えます。
さらにスーパーマーケットなどで販売されている野菜や果物、肉類や乳製品については、全ての商品で厳重な放射能の残量チェックがなされているため安心して購入できます。
ただし市場や路上などで販売されている食品については多少の注意が必要です。
特にきのこ類については放射能が溜まりやすいと言われているため、スーパーマーケットで購入することをおすすめします。
ベラルーシで特に気をつけておきたい2つのこと
ベラルーシでは通常の犯罪以外で、気をつけておきたいことがあります。
不要なトラブルを避けるためにも、以下の点を覚えておくのは便利です。
・デモ
ベラルーシでは、独裁政治による影響で警察などの組織がきちんとしています。
そのため治安については過度な心配は不要ですが、一方で大統領などのデモについては十分な注意が必要です。
ベラルーシではデモについては法律で禁止されており、大統領府の前で拍手をするなどの好意をしただけでも逮捕になることもあります。
たとえ興味本位だとしても、デモの集まりに近づいたり、デモ行進についていくなどの行為は控えましょう。
・政治批判
ベラルーシには通常の警察だけでなく公安警察もいます。
公安警察は常に私服で監視しており、パスポートのチェックだけでなく、大統領に関する批判的な発言や行動について目を光らせています。
たとえ冗談だとしても、大統領や政府について批判的な発言を公共の場で行えば、逮捕される危険性もあります。
そのため、個人の家であれ公の場所であれ、基本的に政治に関する発言は避けるようにしましょう。
ベラルーシで注意したい軽犯罪とその対策
ベラルーシで犯罪に巻き込まれないためには、普段から犯罪への意識を持っていることが大切です。
ベラルーシで起こりやすい犯罪は以下の通りです。
・スリや置き引き
ベラルーシでは、強盗事件などは少ないですが、スリや置き引きなどはかなりの頻度で発生します。
そのため公共の場所では注意が必要です。
注意が必要な場所としては、
- 空港や駅の待合室
- バスや地下鉄の中
- バーやレストラン
などがあげられます。
ベラルーシでは、自家用車を所有している人の割合が低く、かなりの人が公共の乗り物を利用します。
そのため朝や夕方のラッシュ時にはかなりの乗車率になることもあります。
カバンやリュックは手元にしっかりと持つようにしましょう。また不用意に財布の中身を出すことはやめましょう。
・夜間の一人歩きに注意
ベラルーシのバスや地下鉄は深夜まで運行をしています。
そのため、慣れてくるとついつい夜間の一人歩きをしたくなります。
しかし昼間と違い、深夜には麻薬・売春など、注意が必要です。
帰宅が遅くなるときは、徒歩ではなく公共の乗り物やタクシーなどを利用するようにしましょう。
・バスやトロリーバスの乗車で注意しておきたいこと
ベラルーシでバスやトロリーバスを利用するときには切符の購入が必要です。
切符はバス停の脇にあるキオスクで購入できますし、バスの運転手から直接購入することも可能です。
しかし、乗車するときには、ただ切符を持っているだけでなく、バスやトロリーバスに設置されている穴あけパンチのような機械で切符に穴を開けなければなりません。
切符に穴が開いていない場合には不正乗車とみなされ高額な罰金を請求されます。
外国人だから分からなかったでは通用しませんので、公共の乗り物を利用する際には忘れないようにしましょう。
首都のミンスク市で注意すべきエリア
犯罪に巻き込まれないための対策として、犯罪の発生件数の高いところには近づかないという方法があります。首都のミンスク市で避けておきたいエリアが2カ所あります。
・Шабаны(シャバヌイ地区)
Шабаныはミンスク市の南東部にあるエリアです。もともとはチェルノブイリの原発事故による移民を受け入れていた地区でしたが、現在ではたくさんの工場が建設されています。
日中はそれほど危険を感じることはありませんが、夜になると麻薬犯罪などに手を染めた前科者や失業者が徘徊(はいかい)しています。また暴力事件やレイプ事件なども度々発生しています。
ベラルーシでは薬物犯罪については重い罰則を課すことが多く、長い懲役刑や多額の罰金お支払うこともあります。興味本位で行って犯罪に巻き込まれないためにも。不用意に近づくのは避けましょう。
・Чижовка(チジョーフカ地区)
Чижовкаもミンスク市の南東部にあるエリアです。ミンスク市は北西部や北東部は新しいマンションやビルも立ち並び発展していますが、南東部は古い町並みが広がっており、道路も陥没している箇所が多く、ゴミなどもあちらこちらで見かけます。
Чижовка地区は、他の地区と比較してもかなり貧しく、雰囲気もよくありません。アルコール中毒者などもたむろしているため、必要でない限りは近づかないようにしましょう。
ミンスク市以外で注意すべきエリア
ベラルーシ国内には特に注意しておきたい危険な都市はありません。
ただし、ベラルーシの西部にあるГродно(グロドノ)市、南西部にあるБрест(ブレスト)市」については国境の街ということもあり、薬物などの犯罪事件が他の都市よりも頻繁に発生します。
また外国人を狙ったスリや置き引き、高いレートで両替を持ちかけるなどの詐欺事件も発生しています。
グロドノ市やブレスト市への移住を計画している人や旅行で訪れる人、陸路で国境を通過予定の人は十分に注意しましょう。
犯罪に巻き込まれたときの連絡先
窃盗や傷害などの犯罪に巻き込まれたときには必ず警察や大使館に連絡をするようにしましょう。
- 消防の電話番号
101 - 警察の電話番号
102 - 救急車の電話番号
103 - 在ベラルーシ日本国大使館
017-203-6233または017-203-6037
開館時間は午前9時から午後1時まで、午後2時から午後5時45分までです。ベラルーシと日本の祝日や土日は閉館していますので、ご注意ください。
海外へ渡航される際は、たびれじへの登録もお忘れなく。
ベラルーシの治安まとめ
ベラルーシは他の周辺諸国と比較すれば治安が良好ですが、スリや置き引きなどの犯罪は度々発生します。
財布やスマートフォン、パスポートなどの貴重品は常に身に着けるようにしましょう。
ベラルーシで特に気をつけておきたいこととして、大統領や政治関係には関わらないことがあげられます。
デモの集団に近づいたり、大統領についての発言をすることは即刻逮捕の危険性もありますので十分に注意しましょう。
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