ウズベキスタンは中央アジアに位置する旧ソビエト連邦の共和国です。
北にカザフスタン、南にトルクメニスタンやアフガニスタン、東にタジキスタンやキルギスタンの5ヶ国と隣接しています。
世界に2ヶ国しかない「二重内陸国」(国境を最低2回超えないと海に達しない)の1ヶ国でもあります。
「~スタン」と聞くと、日本では危険な国なのでは?と思う人も多いと思います。
ウズベキスタンは中央アジアで最も早く地下鉄が整備された国でカザフスタンとともに中央アジアのビジネスの中心国となっています。
古くからシルクロードの中継地点として栄えてきたため、歴史的な場所も多く中央アジアで人気の観光地ともなっています。
ここでは、ウズベキスタンの「リアルな治安事情」についてご紹介します。
世界と比較したウズベキスタンの治安レベル
日本の外務省が出している世界の危険レベルからのウズベキスタンを見てみましょう。

レベル4:避難してください
レベル3:渡航はやめてください(渡航中止勧告)
フェルガナやナマンガン、アンディジャン各州のタジキスタンやキルギスタンとの国境沿い山岳地帯
レベル2:不要不急と渡航はやめてください
スルハンダリョ州のアフガニスタンとの国境付近で立ち入り制限がされている地域
レベル1:十分注意してください
首都タシケントを含む上記を除く地域
ウズベキスタンの危険レベル
ウズベキスタンは、レベル4の赤で示されている地域はありません。(2021年6月現在)
ウズベキスタンの国土のほとんどがレベル1の黄色で示されています。
ウズベキスタンの東にあたるフェルガナやナマンガン、アンディジャン各州のタジキスタンやキルギスタンとの国境沿い山岳地帯が、レベル3の濃いオレンジ色で示されており、ウズベキスタンで最も危険レベルの高いエリアとなっています。
この地域では、イスラム過激派組織や麻薬の密輸売買などに対する対策の一環として、過去にタジキスタンやキルギスタンとの国境沿いの山岳地帯に地雷が埋没されました。
今現在も地雷の一部が残っているとされており、非常に危険なため、同地域への渡航は禁止するよう勧告されています。

また、南部のスルハンダリョ州のアフガニスタンとの国境付近は、イスラム過激派組織の勢力が強いアフガニスタンからの影響を受けやすく、不足の事態が発生する恐れがあるとされている地域になります。
日本人でも安心して住めるウズベキスタンの地域は?
上記に示された国境沿いの地域でなければ、比較的問題ないと思われます。
1999年に首都タシケントの政府庁舎や付近で爆弾テロがありました。

また、2004年にはタシケント市チョルスー・バザールで爆弾テロ事件他、ブハラ市やアンディジャン市でも爆発事件などが2009年までみられていました。
2016年12月に第2第代大統領が就任してからは、ウズベキスタン国内の治安は平穏を保っています。
実際、首都のタシケントにも多くの日本人駐在員が住んでいます。
タシケントは首都ということもあり、公共の交通機関でも市場(バザール)でも常に人が多いです。
地下鉄も夜12時まで運行しており、便利ですが人込みはできるだけ避けたり、夜間の単独行動や外出は控えるなど自身の生活行動に十分配慮する必要があります。
日本よりもウズベキスタンのほうが安全だと思う理由 5つ
筆者はウズベキスタン在住7年目になりますが、日本よりもウズベキスタンのほうが安全だと思うことが多々あります。
理由1:レベル1で示されている地域は「平和」
上記で示された国境付近に近づかない限り、他の地域の日常は平和です。
治安が悪いところへ近づかなければ、身の危険を感じることは全くありません。
理由2:大統領を尊敬し、愛国心が強い国民性
ウズベキスタンは多民族国家で約130もの民族が住んでいます。
ウズベキスタンの人々は民族間の差別もなく、どの民族の人々も愛国心が強く、大統領を尊敬しています。
大統領の仕事ぶりも常にテレビで放送されおり、常に国民から注目されています。
また、ウズベキスタンでは18歳~27歳の健全な男子に徴兵制が義務づけられています。
期間は1年間もしくは1ヵ月で1年間従事した場合は国からお金が支払われ、1ヵ月に短縮した場合は国にお金を払うというシステムになっています。
国民の義務であると同時に「ウズベキスタンを守りたい」「ウズベキスタンをより良くしたい」という愛国心はこの徴兵制からもうまれているのでしょう。
理由3:人が集まるところでは常に警察官が監視
首都のタシケント市内では、数メートル間隔で警察官が常に監視しています。
首都以外でも主要都市の中心部や人々が多く賑わう駅や市場、銀行などでは警察官が監視しています。
ウズベキスタンでは、身分証明書の携帯が必須であり、首都タシケントの地下鉄などでは、外国人が目立ちやすいため、身分証明書の掲示や職務質問をされることがあります。
理由4:いたるところに監視カメラを設置
首都のタシケントをはじめ、主要都市の駅や地下鉄、ショッピングセンターや観光地など人々が多く集まるところには、いたるところに監視カメラが設置されています。
理由5:自然災害がほとんどない
1966年に首都タシケントでM5.0の地震が起こってからは、大きな地震はありません。
この地震で多くの建物が倒壊したにもかかわらず、日本人捕虜のシベリア抑留者が強制労働で建設したナヴォィ劇場は無傷でした。
このことは、ウズベキスタンの教科書にも記載されており、ウズベキスタンの人々は日本人を今もとても尊敬しており、日本人というだけで歓迎してくれます。
二重内陸国で(国境を最低2回超えないと海に達しない)海もないため、台風や津波などの自然災害もありません。
ウズベキスタン渡航前後の安全対策チェック
ウズベキスタンに限らず、世界各国で活躍する日本人が増えたことにより、強盗、誘拐、テロの他、事故、内乱、クーデターなどに巻き込まれる事態は増えています。
犯罪や事故に遭遇する可能性をゼロにすることはできませんが、適切な安全対策をとればその可能性と被害を最小限にすることはできます。
ウズベキスタン住むための安全対策に対する基本的な考え方
・自分が犯罪の良いターゲットであることを認識すること
ウズベキスタンにおいては、自分自身は外国人であり、日本人であることだけで犯罪のターゲットとして狙われるという状況にあることを認識する必要があります。
一般的に、日本人は金持ち、警戒心に欠ける、外国語が苦手、と「狙いやすい存在」であると認識されがちです。
・目立たないように努めること
貴重品、金品を人前で出したり、派手な服装や高価な装飾品を身につけて人前に出ることはできるだけ避ける。
・犯罪などに遭遇した時のシュミレーションをしておくこと
万が一、犯罪などに遭遇した場合は家族や自分の身を安全第一に考える。
犯罪者への抵抗は、身体の危険を招く可能性があるため、適切な対処がとれるように日ごろからシュミレーションをしておくことが必要です。
ウズベキスタンに住むなら渡航前に「たびレジ」登録を!
外務省が推奨している「たびレジ」に登録しましょう。
出発前から海外での最新情報や安全情報、事件や事故についてメールでチェックすることができます。
滞在場所に限られず、希望者誰もが登録でき、情報を得ることが可能です。
日本やウズベキスタンでも報道されないような小さな治安情報や事件まで確認できます。
現地語のウズベク語やロシア語がわからない方、英語も得意でない方へも日本語でウズベキスタンの最新情報が入手できるのも魅力の1つです。
ウズベキスタンに住み始めたら「在ウズベキスタン大使館」へ登録を!
旅券法第16条により、外国に住所または居所を定めて3ヵ月以上滞在する日本人はその住所または居所を管轄する日本の大使館または総領事館(在外公館)に「在留届」を提出するよう義務付けられています。
ウズベキスタンに住み始めて、住所が決まったら「在留届」を行ってください。
「在留届」を提出することで、ウズベキスタンの最新の海外安全情報を受け取れるだけではなく、緊急事態発生時の連絡メールや、いざという時の緊急連絡が受け取れます。
「在留届」を提出しないと、在外公館はあなたがウズベキスタンに住んでいることを認識していないため、大災害や事件、事故が起きた時にあなたの安否確認や連絡をとることができません。
外務省 「たびレジ」「在留届」電子届出システム:https://www.ezairyu.mofa.go.jp/
ウズベキスタンでの緊急時の連絡先
- 警察:102
- 救急車:103
在ウズベキスタン日本大使館
執務時間:月曜日から金曜日(休館日を除く)09:00~13:00 , 14:30~18:00
住所:UZBEKISTAN 100047 , Tashkent , Sadyk Azimov st ., 1-28
電話:+998-78-120-80-60~63
夜間など緊急時における連絡先:+998-91-162-50-09
公式ホームページ:https://www.uz.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html(日本語)
ホームページでは、領事・安全・医療・外交情報のほか、様々なニュースの確認ができます。
日本のウズベキスタン大使館
執務時間:月曜日から金曜日(休館日を除く)10:00~12:00 , 15:00~17:00
住所:東京都港区高輪2丁目1-52
電話:03-6277-2166 , 03-6277-3442
公式ホームページ:http://uzbekistan.jp/site/
ウズベキスタンの治安事情のまとめ
「~スタン」と聞くと、日本ではアフガニスタンやパキスタンの報道が多く、危険な国と思われがちです。
ウズベキスタンでも危険な地域はありますが、近寄らなければ全く被害なく、安全に暮らせます。
自然災害もむしろ日本より少なく、親日国でもあり、ウズベキスタンが比較的安全な国であることが理解いただけたでしょうか?
ウズベキスタンに住むことを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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