旦那様の駐在が決まったけど、行先は、EUに加盟しても相変わらず知名度が低いルーマニアです。
ルーマニアはヨーロッパ大陸の東の端っこに位置し、周囲をハンガリー、セルビア、ブルガリア、モルドバなどに囲まれた、どう見てもいまひとつマイナーな国です。
この国についての情報は、著しく乏しいです。
日本の本屋さんに行っても、まともなガイドブックすら置いていないし、ルーマニア語の辞書や参考書もほとんど売っていないです。「さて、どうしたものか、、。」とお悩みになっているあなたに、昨年秋まで在住していた駐在経験者から、出発前に知っておくべきことをいくつかあげたいと思います。
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ルーマニアへ持っていくもの
まず、「あちらに到着する前に、日本からは何を持ち込めばよいか」です。
衣類
最初に、衣類ですが、旦那様は基本的にスーツ着用と会社から指定がない限り、スマートカジュアル程度でよいでしょう。
奥様が主婦の場合なら、夏服を多めにして、プレーンでカジュアルなワンピースドレスを多めに持参すると便利です。
あとはTシャツ、セーター類、ジーンズやカジュアルスカートで大丈夫です。
ジャケット類は、薄手の物が割と有効で、レザージャケットなどが重宝します。
防寒着は、ダウンコートなどの厚手のものを1枚か2枚に、帽子と手袋が必要です。
基本的に、年間を通して、屋内の温度は高めにセットしてあるので、コート類の下は薄着で大丈夫です。
靴は、スニーカーとブーツ類が活躍します。舗道などにあちこち穴が空いているので、ヒールの靴はすぐに傷がつくし危険なので、スニーカー(あるいはフラットシューズ)がよいと思います。
また、ブーツなどは、雪道対応のものが一足あると便利です。年に1、2度ですが、大量に雪が降り、その後の処理がされずに道路が凍ってつるつる滑るので、できればスノーブーツがよいかな、と思います。
あまり華美で目立つ服装は(海外ならどこでもそうですが)犯罪などのターゲットになり得ますので、少し控えめな方が無難です。
薬品・トイレタリー
次は、薬品、トイレタリー類です。
私は、ロンドンにいたときと同じように、目薬、虫刺されの軟膏、胃腸薬、歯ブラシ、化粧水を持って行きました。
風邪薬や頭痛薬など基本的なものは薬局で手に入りますが、薬は日本の物の方が安心だし、特に日本でしか手に入らないものは持って行った方がよいと思うからです。
日本の薬には他の国にはない、よく効く薬がいろいろあるのです。
花粉症がひどい人などは、日本の抗アレルギー薬などを持ち込むこともお薦めします。
食品
食品なのですが、うれしい事に、ブカレストに日本の食料品を扱っている店があります。
ただし、非常に限られたものしか手に入らない、というのが現状です。
米、みそ、醤油、ごま油、わかめ、ひじき、インスタントカレールー、だしのもと、うどん、そば、らーめん、餃子、枝豆、菓子類が何とか手に入ります。
大手のスーパーで売っている「TOFU」というものは、塩味がきつくてチーズのような味がします。
恐いもの見たさで、一度くらい試すならいいと思いますが、日本のお豆腐のイメージとは全く違いますのでご注意ください。
ブカレストのスーパーマーケットに売っている食材は、非常に限られているので、毎晩、日本食で生活することは正直なところ難しいと思います。
ブカレストの物価 東京郊外と同じ程度
さて、物価はどうかと聞かれれば、ブカレストの物価は高いです。
東京郊外のあたりと同じぐらいと考えればよいのではないかと思います。
家賃
我が家(夫婦二人)では、アルコール類を入れて日本円で約40,000円を食費に充てていました。
光熱費、インターネット等は平均1000ユーロぐらいだったと記憶しています。
ルーマニアでは、賃貸時の契約によっては、建物内の冷暖房や電気代を他の家屋と等分することがあるので、契約によって多少状況が違ってきます。
家賃はどうかといえば、東京の賃貸マンションを基準に考えると、同じかそれより高いかもしれません。部屋の大きさもイギリスなどに比べれば非常に狭いので、それなりの場所を探すとなると1,500~2,000ユーロぐらいの家賃とみた方がよいと思います。
エリア
駐在員の場合、だいたい住むエリアが決まっていて、「セクター1」ゾーンの北部で地下鉄「M2」線の駅周辺に集中して住んでいます。
私も市内北部に位置するAurel Blaicu (オーレル・ブライク)という地下鉄「M2」線の駅近くに住んでいました。
ルーマニアのアパートメント
ルーマニアのアパートメントは、どれを見てもあまり広いものではなく、収納スペースも少なく、ベッドルームに比べてリビングが妙に大きい、というような、アンバランスで使い勝手がよくないものが多かったです。
ですから、いろいろと注文をつけると予算を2500ユーロぐらいに引き上げなければなりませんでした。
エリアを替えれば、もう少し安くなるところもありますが、治安や交通の便利さからいっても地下鉄M2線沿いがブカレストに住むには一番安心で便利かと思います。
ローカルプライス(英語を喋らない不動産仲介屋を使う)になると、もう少し安く契約できるらしいです。
現地の同僚のルーマニア人に間に入ってもらい、交渉してもらうという方法もいいかもしれません。
外食費
外食は普通のレストラン(イタリアンなど)で食事をした場合、ワイン1本を入れても2人で7,000円から7,500円ぐらいです。
イタリアンはブカレストのおいしい料理のひとつですので、赴任後は頻繁に行くことになるかもしれません。
私はあまり行ったことはありませんが、ルーマニア料理なら高級店でなければ、2人で4,000円から5000円ほどで食べられると思います。
日本食は、少し高くなりますが、日本酒などを注文しなければ他のイタリアンなどと同じか、それより少しだけ高くなる、という感じです。
カフェやレストランでエスプレッソコーヒーは300円ぐらいで飲めます。
治安事情は?ブカレストは本当に危険な街か
治安は、どうなのかも気になるところです。
サイトを見ると、「誘拐されて殺害された」とか「ひったくりにあった」などと物騒なことが書かれてありますが、私の個人的な印象としては、それほど悪いとは思えません。
少なくとも、私の住んでいたエリアでは、間違いなく怪しい雰囲気などは一切ありませんでした。
ルーマニア人は、夜遅くまで遊んだりした後や朝夕のシフト勤務などの際に、暗い道を女性ひとりで歩いたり、あまり評判のよくないイエローキャブを使って帰宅します。
つまり、一般的にブカレスト市内は安全だということなのでしょう。
だからといって、外国人女性が、言葉も喋れないのに真夜中や明け方にひとりで流しのキャブに乗るのはいかがなものか、と私は思います。
この辺の判断は、ご自身の常識にお任せすることにします。
ブカレストの買い物事情 デパートはないけど・・
買い物はどうするのか、というのも女性には結構大きな課題です。
食料品等は、大型スーパーマーケットがブカレスト市内に何店舗も支店を出しているので、そこで調達できます。
マーケット(市場)もありますが、言葉が通じないとうまくコミュニケーションがとれないので、ちょっと難しいかもしれません。
とはいえ、「物は試し」好奇心旺盛な方は、観光を兼ねてマーケットに顔を出してみるのもいいかもしれません。
スーパーマーケット一覧
スーパーマーケットで有名なところでは、
- 「メガ・イマージュ」(Mega・Image)
- 「カルフォー」(Carrefour)
- 「Billa」
- 「Kafland」
- 「Lidol」
などです。
支店ごとにおいているものがバラバラで、どこでも同じものが手に入るというわけでもないので、行きつけの支店をつくって必要に応じて通うのがよいと思います。
醤油、のり、わさび、インスタントラーメン、オリエンタルのスパイスなど、案外バラエティがある支店もあり、お気に入りのスーパーの店舗を探すのもいいかもしれません。
ルーマニア生活で知るべきお肉の話
ここで、ひとつだけ覚えておきたいのが肉類のことです。
ラム、鴨、牛肉など一応、何でもありますが、品質の割に価格が高いのです。
特に牛肉は非常に高価で、あの日本のやわらかい牛肉に慣れている私たち日本人には噛み切れないほど硬いのです。
豚肉と鶏肉がおいしいので、この2つで毎日の献立を展開していくことをお薦めします。
魚類は、サーモン、たこ、まぐろ、すずき、等が手に入ります。
M2線のAviatorilo駅から少し西の方にフィッシュマーケットがあるので、そこで新鮮な魚が手に入ります。
ここで買った魚を、自宅で手巻きすしや刺身にして食べるというのも悪くないかもしれないです。
生活用品の買い物は?
ドライクリーニング、衣類、トイレタリーなどは、主なエリアにあるショッピングモールが便利です。
トイレタリーを買うなら、「dm」というドイツ系のドラッグストアが一押しです。
日本の「マツキヨ」ほどではありませんが、それなりのものがそれなりのお値段で棚にきれいに並んでいます。
ブカレストに「デパート」というものは存在しませんが、ショッピングモールがその代りをしています。
高級ブランドショップだって、ちゃんと5スターの付く一流ホテルやその近くに行けばあるのです。
ルーマニア・ブカレストに住むということ
ブカレストに住み始めだら、「自分はどこか知らない地方の町に、ちょっとの間だけ引っ越ししたのだ。」と考えればよいのです。
私は、そう思考転換した後に随分楽になりました。
とりあえず、生活に必要不可欠なものは、何でも買うことはできるのです。
他にもっと不自由な場所はたくさんあるのです。
ブカレストは、ルーマニアのりっぱな首都です。
あなたがルーマニアではどうしても手に入らないもの、満喫できないことは、ときどき近くの国に行ったときにでも、じっくりエンジョイしてくればよいのです。
ブカレストで、あなたがどうしても不自由さを感じるとすれば、たぶんそれは「ランドマークというものがすべて、地下鉄の駅から遠い」ということでしょう。
ホテル、劇場、ショッピングモール、など何でも徒歩圏内とはいいがたい場所にあるのです。
2つのことは抑えたい 車と駐車場
ですから、もし、ブカレストに2年以上お住まいになる予定があるのでしたら、絶対にクルマが必要であることをお伝えしておきます。
それと、駐車場が付いたアパートメントを見つけるということも必須です。
ブカレストは、駐車場がたいへん不足していますから、もし、アパートメントに駐車場が付いていないと、路上駐車を余儀なくされることになるかもしれないからです。
ルーマニア生活前に知るべきことまとめ
以上、私のブカレスト経験から、知っておきたいこと5項目をまとめてみました。
私がルーマニア行きを決めたときに参考にさせてもらった生活案内サイトやブログには、綺麗な写真やルーマニアへの賛美の言葉だけがちりばめられていて、どれを見てもポジテイブな事ばかりが書かれていました。
すべてを信じて行ったわけではなかったにしても、夫の赴任後、間もなく私に襲ってきたのは、生涯初めて経験するような困難だけでした。
それは、約半年近く続きました。
私はすっかり裏切りにあったような気持ちになって、よく落胆したものです。
そこで、今回、この情報を書くことになったとき、あえてネガティブポイントも包み隠さず書こうと決めたのです。
私の1年9か月間のブカレスト暮らしは、このほかにも、まだお伝えしていないことがいろいろあります。
今、振り返ってみれば、辛い事や腹が立つことだけではなく、いろいろ楽しかったこともありました。
以下の記事で、もう少し詳しいルーマニアの情報を載せていますので、参考にしてください。。
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