観光国としての側面が強いカンボジアですが、もう少し踏み込んだ体験を求めて、多くの留学生、インターン生が渡航してきます。
土地や職種によっては外国人労働者の需要が大きいため、現地採用も頻繁に行われています。
では、カンボジアにおける日本人の就職事情はどのようなものなのでしょうか?
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就労ビザ
現地就職事情に入る前に、まずビザについて知識を整理しておきましょう。
今現在、カンボジアで商行為を行うには、商用ビザと労働許可証が必要になります。
カンボジアで働くことを考えているほとんどの人は「Eビザ(商用ビザ)」と呼ばれる種類の中の
- EB
- ED
- ER
に該当するでしょう。
就労ビザに関しては、こちらの記事に記載しています↓
参考記事:カンボジアのビザ6種類の特徴や取得方法を徹底解説!
個人で事業を立ち上げる場合、手続きなどは自分で行う必要がありますが、雇用される場合は、基本的に会社側が手続きや費用を負担します。
その点、多くの日系企業は従業員に対する滞在サポートを行っており心配する必要はないでしょう。
しかし、雇用形態によっては基準を満たさず、滞在に伴うサポートを受けられない場合もあるようですので確認をしながら進めてください。
カンボジアの求人事情と必要なスキル
日本人が就ける業種は?
カンボジアにおいて外国人労働者需要が大きい業種は、
- 観光業
- サービス業
- 通訳
- 翻訳業
などです。
やはり日本人観光客を相手とするビジネスにおいて、日本人スタッフが在籍しているのは会社にとっても大きなセールスポイントのようです。
また、カンボジア進出を考えている日本企業への代行サービス業なども需要が大きくなっています。
求められるスキル
カンボジアで働くうえで、まず最初に尋ねられるのは「言語能力」です。
特に有効な資格を持っている必要はありませんが、英語でのコミュニケーションが取れる必要があります。
公用語であるカンボジア語ができればなおのこと有利です。
とはいっても、完璧な外国語を話せる人は限られているので、より重要なのは外国語でも努力してコミュニケーションをはかろうとする姿勢です。
実際、現地企業もその点に注目し、採用の判断材料とするようです。
片言の英語や現地語でも、他のスタッフと積極的に話して、仲良くしようとする人はうまく働くことができるでしょう。
カンボジアでの平均給与や福利厚生は?
平均給与
これは会社によって全く異なるため一概に言うことができません。
ただはっきり言えるのが、現地採用の場合、日本から派遣されているスタッフや社員と比べて給与は安いという点です。
理由としては、現地カンボジア人の一般的な給与をベースに計算されるため、どうしても安くなってしまうのです。
仮に日本と同じように週休2日の8時間労働で計算すると、1,000ドルから1,500ドル(120,000円から160,000円)ぐらいが相場と思われます。
それに加え、語学力や職歴、特殊技術などに応じて前後します。
福利厚生
次は、カンボジアで働く方への福利厚生についてです。
会社によっては、住居、ビザやその他費用、日本への一時帰国の援助などがでる場合もあります。
一方で、日本のような厚生年金、社会保険、労災などの保証が無いところがほとんどです。
やはり自分である程度の備えをする必要があります。
カンボジアで仕事を得るための履歴書の作成
日系企業に履歴書を提出する場合は、日本と同じ体裁の履歴書を使用できます。
可能であれば英語に翻訳したものもあると印象も良いようでしょう。
外資系企業の場合は英語での履歴書が必須です。日本のような履歴書はなく、本人作成の体裁の良い書面であれば使用可能です。
ほとんどの場合、その後直接面接して採用・不採用の判断となります。
会社側も紙面上の情報より、人柄や性格、ビジネスマナー、仕事への意気込みを大切にしていて、経歴などあまり小さなことは気にせず、現地採用にチャレンジする人を応援したい、という考えが多いようです。
カンボジアでの仕事の探し方
1. インターネット求人情報
最近はインターネットでの求人が一般的になっています。
「カンボジア 求人」と検索すると見つかります。
旅行会社なども積極的に現地求人・現地採用を行っているので公式ホームページなどを定期的にチェックすると良いでしょう。
2. 飛び込み採用
また、日本ではあまり耳にしませんが、飛び込みでの採用も稀にあります。
「カンボジアで仕事したい」というチャレンジ精神が、雇用側からも評価されるみたいですね。
3. 知人・友人の紹介も有効
さらにもっとも有効な手段として知人、友人からの紹介というのがあります。
やはりすでに知っている人からの紹介だと会社側も安心できるようで、ほとんどの場合が採用されるようです。やはり海外での日本人ネットワークは大きいですね。
雇用までの流れ
カンボジア現地での採用が決まってから、実際に働き始めるまでの流れや期間ですが日本と比べると比較的短いようです。
日本のような複雑な手続きや研修プログラムを採用している会社は少なく、採用が決定したらすぐ働けるところがほとんどです。
理由としては、現地採用を希望する人は依然として少数であり、新入社員で足並みを揃えて、グループ研修…というようなことが必要無いためです。
そして、仕事も働きながら学ぶので、すぐに現場で働き始めることが多いように思います。
カンボジアの雇用形態は日本とどう違う?
カンボジア現地での採用の場合、どのようなポジションで雇われるか?、またどのような雇用形態になるのでしょうか?
先ほども少し述べましたが、同じ企業に雇われていても、日本から派遣されている従業員と、現地採用者で雇用形態も多少異なります。
行う業務や仕事量はあまり変わりませんが、やはり現地採用という特殊枠での扱いになります。
多くの場合、
- 管理職
- マネージメント
- 部門監督
などの重要なポジションを任せられます。
地元のカンボジア人を取りまとめる役割を担うことが一般的です。
仕事の経験や能力によっては、本社直接雇用というステップアップもあるかもしれませんが、基本は「現地雇用者」としての立場で働きます。
日本でいう「契約社員」と似たような立場かもしれません。
そのため、経営不振、人員削減で優先的に解雇、職を失うということも十分考えられます。
労働環境
外国人労働者を雇う企業は、基本的には大企業であり、プノンペンといった都市部に所在しています。
そのため労働環境や周囲の環境は、外国人にとって働きやすいと言えるでしょう。
職種、企業によっては日本と変わらない環境の場合もあります。
一方で「地方の新事業の立ち上げなどで田舎で生活する」というのもあるかもしれません。しかしほとんどの場合は都市部で働くことになるでしょう。
企業が大きいということは、「労働基準や労働環境への配慮や取り組みもしている」ということでもあります。そのためいわゆる「ブラック企業」のような会社も少ないと言えます。
カンボジアで働く魅力
「カンボジアで働く魅力」とは一体何でしょうか?
人それぞれ魅力と感じるものは違うかもしれませんが、「異国での本当の生活を知る」というのをあげる方もいます。
観光や退職で長期滞在するのと、現地のビジネスに携わり地元の従業員と一緒になって働くことには、かなりの差があります。
実際に働くことで「その国での本当の生活」を体験することができるでしょう。
また、コミュニケーションスキルが磨かれたり、自己処理能力の強化にも役立ちます(何かと自分で解決しなければならないことが多いです…)。進出している企業ゆえに、何かのプロジェクトの立ち上げに関わることも多々あるのでやりがいもあります。
また、海外で働いたことがあるということは日本に帰国することになったとしても大きな体験であり、その後の自分のちょっと自慢できるセールスポイントにもなります。
まとめ
確かにカンボジアで働くことは、日本で働くのと比べると給料も安く、難しい側面もあります。
しかしそれに負けないぐらいの魅力と経験が詰まっていることは間違いありません。
海外就職は誰でもできるというわけではなく、行動力と勇気とチャレンジ精神を持っている皆さんだからこそできる、貴重な体験と言えます。是非カンボジアへの就職に挑戦してみてください。
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