アイランドのビザ情報、いざ調べてみると物凄く少ない事に気づきます。
学生ビザやワーキングホリデー情報以外は、なかなか日本語ではないのが現状です。
そこで、ここでは11種類を一挙に紹介したいと思います。
ちなみに,アイルランドでは90日以上滞在する場合、ビザ以外に「居住証明(外国人登録)」をしなければいけません。
登録は移民局か警察署でできます。これはビザ同様とても大切です。
それでは、アイルランドビザの解説していきたいと思います。
*ビザの申請方法、条件などは変わりやすいので、常に最新情報を入手しましょう。※本記事の最後に記載
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観光ビザ
多くの国と同様、アイルランドの滞在期間が90日以内の場合、特別なビザ取得は不要です。
90日以内なら観光の他に語学留学もできます。
しかし、語学留学や商談の場合は入学証明書や滞在費証明、仕事の招待状や出張命令書などを用意した方がスムーズに入国できます。
90日以上滞在を延長したい場合、期限内にイミグレーションオフィスか警察署で延長可能。
最高で更に90日延長できますが、旅行保険がないと延長できない場合もあります。
・滞在期間
入国日から90日 1回更新可能で最長180日
・条件
- 3ヶ月以内の観光、業務(商談、視察など)、語学留学
- パスポート(入国時に有効期限が6ヶ月以上あること)
- 出国のための航空券
*1ヶ月以上滞在予定がある場合は、理由を英語で説明できるようにしておくと安全です。
学生ビザ
留学期間が90日を越える場合は、学生ビザが必要になります。
学生ビザでも週20時間と休暇中はアルバイトも可能です。
現地で学校を探す事も可能ですが、入国時に入学許可証がない場合、入国審査で手こずる原因になりますので、日本で学校を決めてくる事をおすすめします。
条件は学校の種類により異なります。
・滞在可能期間
語学学校:
8ヶ月 2回まで更新可能で最長24ヶ月
大学:
1年毎の更新。最長7年
・申請に必要なもの
- 語学学校の入学証明証
- 学費の支払い済み証明書(領収書)
- 滞在費証明(英文預金残高証明書など)
- 出国のための航空券
- パスポート
・申請方法
日本で事前の学生ビザの取得は一切ありません。
申請に必要な書類を入国審査官に提示し、入国審査が終わるとパスポートに学生ビザが捺印されます。
ワーキングホリデイビザ
1年間、観光・就学・就労と何でもできるビザです。
2007年から始まり、毎年1年間に400人、ワーキングホリデイビザを取得できます。
年に2回募集期間が決っており、それ以外の時は申請できません。
・滞在可能期間
最長1年 延長不可
・申請に必要なもの
- 申請料金€60(2018年1月時点8,100円)
- 申請書
- 申請許可のEメール(大使館から送られた申請許可のEメールを出力したもの)
- 写真2枚(6ヶ月以内に撮影したもの)
- パスポート原本(有効期限6ヶ月+滞在期間)とコピー
- 英文履歴書
- 英文卒業証明書(在学中の人は在籍証明書)
- 留学保険証券原本とコピー1枚
- 航空券 原本とコピー1枚
- 英文残高証明書(50万円以上の金額を示す本人名義の金融機関発行のもの)
・申請方法
大使館ホームページから申請書をダウンロードし、英語で記入してに送ります。
申請結果後、申請許可メールを受領した人は上記であげた必要書類を提出する準備に進みます。
返信用レターパック510(ご自身の住所と氏名を記載)と一緒に必要書類をすべて、VFSサービシズ・ジャパンに郵送。
必要書類受領後に、ワーキングホリデー許可証が発給されます。
入国審査の際に、このワーキングホリデー許可証を提示し入国します。
審査官によっては英文残高証明書の提出を求める場合があるので、準備しておく事をおすすめします。
・条件
- 現在日本に居住している事
- 一定期間(最長1年間)アイルランドで休暇を過ごす事を本来の目的とする事
- 18歳〜30歳までである事
- 扶養家族を同伴しない事
- 有効なパスポートと出国用航空券、またはそれが購入できる資金が十分ある事
- アイルランド滞在中の生活資金として、50万円以上預金がある事
- 以前にワーキングホリデーで、アイルランドに行った経験がない事
- 犯罪歴がない事
- 滞在をカバーする医療保険に加入する事
就労ビザ
アイルランドで働く場合は、滞在期間に関わらず就労ビザ(労働許可証)が必要になります。
ワーキングホリデイビザ同様、事前に日本での取得が必要です。
就労ビザは全部で9種類ありますが、その中で特に日本人と関係がある4種類を紹介します。
1)一般就労ビザ(General Employment Permit)
最も一般的な就労ビザ。
・滞在可能期間
2年 次回から3年更新
・申請に必要なもの
- 申請書
- 申請料 6ヶ月€500(67500円) 6~24ヶ月€1000(135000円)
*2度目の更新は申請料が変わります。 - アイルランド人もしくはEU国籍保持者の雇用が難しく外国人スタッフが必要と言う証明
- パスポート
・申請方法
自分自身でも雇用主でも、どちらでも申請可能です。
申請は労働省のオンライン上で行います。その後必要書類を提出し、受理されると労働許可証が送られてくるので、入国時に労働許可証とパスポートを提示します。
・条件
- 現地の企業から雇用が決っている事
- 年収€30,000(405,000円)もらえる事
- 国が指定する職業リストに当てはまっている事
2)駐在ビザ(Intra-company Transfer Employment Permit)
現在日本で勤めている会社の支社がアイルランドにある場合、その支社に移動する際に取得するビザです。
・滞在可能期間
2年
次回から2〜3年毎の更新
・申請に必要なもの、申請方法、条件
一般就労ビザと同じです。
3)重要技術者就労ビザ(Critical Skill Employment Permit)
特種技術がある場合はこちらのビザを取得します。
このビザでは、家族をすぐに呼びよせる事も可能です。
・滞在可能期間
2年 次回から2〜3年毎の更新
・申請に必要なもの
- 申請書
- 申請料 2年€1000(135000円)
- 職業に応じた英文資格証明書
- パスポート
・申請方法
一般就労ビザと同じです。
・条件
- 現地の企業から雇用が決っている事
- 年収€30000(405000円)もらえる事(職種によっては€60000(8100000円))
- 国が指定する職業リストに当てはまっている事
- 雇用主は50%以上のアイルランド国籍、EU国籍保持者を雇用している事
4)就労ビザ取得者の配偶者、子供の滞在ビザ
就労ビザ取得者の家族が一緒にアイルランドに住むためのビザです。
就労ビザの種類によって、家族をすぐに呼びよせられる場合と1年待たなければいけない場合がありますが、配偶者と18歳以下の子供が同伴できるビザです。
重要技術者ビザ取得者の配偶者に限り、就労可能な配偶者ビザの申請もできます。
・滞在可能期間
就労ビザ取得者の有効期限と同じ
・申請に必要なもの
- 申請書
- パスポート
・申請方法
市民局のオンライン上から申請します。申請料は無料。
配偶者ビザ
アイルランド国籍、もしくはEU国籍保持者の配偶者を持つ人が取得できるビザです。
このビザでは、学校へ行く事も働く事も自由にできます。選挙の種類によっては参加も可能。
・滞在可能期間
1〜5年毎の更新 パスポートの有効期限まで滞在可能
・申請に必要なもの
- 英文婚姻届け
- 英文出生届け
- 英文戸籍謄本
- パスポート
- 申請料 アイルランド国籍の配偶者は無料、EU国籍保持者の配偶者は€100(13,500円)
・申請方法
上記にあげた全ての書類を用意し、入国審査の際に提示します。
大抵の場合、入国時は1ヶ月程度の滞在しか認められないので、期限以内に移民局か警察署でまた全ての書類を提示し、パスポートに1年〜3年のビザが捺印されます。
2回目以降はパスポートと居住証明カード、住所を証明できる公共機関等の手紙が必要です。
・条件
アイルランド国籍、もしくはEU国籍保持者の配偶者がいる人
関連記事:アイルランド人との結婚〜配偶者ビザ取得までの手続き
ディファクトビザ
本当の意味は「事実婚ビザ」ですが、これが婚約者ビザにあたります。
アイルランド国籍、もしくはEU国籍保持者と2年以上事実上のおつきあいのある人が取得できます。
配偶者ビザ同様、学校へ行く事も働く事も自由にできます。
・滞在可能期間
1年毎の更新 パスポートの有効期限まで
・滞在に必要なもの
- 2人のおつきあいを証明できるもの(一緒に借りている家賃の証明や日付入り写真など)
- 英文出生届け
- 英文戸籍謄本
- パスポート
・申請方法
申請の流れは配偶者ビザとほぼ同じですが、おつきあいを証明する物を沢山集めなければいけません。家族が二人のおつきあいを認めている英訳の手紙や二人で出かけた時のレシート等、なるべく多く証明できる物を集めておく事をおすすめします。ただし、提出した物は返却されない場合が多いので、その点だけ気をつけなければいけません。
・条件
アイルランド国籍、もしくはEU国籍保持者と2年以上おつきあいがある事
永住権
正確にはLong-term Residencyと言い、永住はできるけど更新も必要なビザです。
通常5年以上合法的に滞在した人が取得できます。
・滞在可能期間
5年毎の更新 パスポートの有効期限まで
・申請に必要なもの
- 就労ビザ、もしくは配偶者ビザ、ディファクトビザ
- パスポート
- 居住証明カード
・申請方法
通常の就労ビザ、配偶者ビザ、ディファクトビザ更新時に、5年以上合法的に滞在している場合は、5年の滞在期間が取得できます。
市民権
市民権とは、アイルランドへの帰化を意味します。
市民権を取得すると、無期限で滞在でき、選挙の種類によっては参加もできます。
社会保障もアイルランド人同様に得られます。
ただし、日本は二重国籍を認めていないので日本国籍を失う事になります。
そのため、実際には市民権を得る条件下にあっても、取得する人は少ない状況です。
・申請に必要なもの
- 申請書と申請料€175(23625円)
- 滞在日数とビザのステイタスの証明
- 取得料€950(128250円)
- パスポート
・申請方法
市民局のオンライン上から申請し、申請料と必要書類を提出します。
受理されるまでに約6ヶ月かかります。受理の連絡が着たら取得料950ユーロを支払います。
市民権取得者の式が開催されるので必ず出席し、そこで市民権が授与されます。
・条件
就労ビザの場合:
9年間の間に5年分合法的に滞在日数がある事。そのうちの1年は連続してアイルランドに滞在している事。
配偶者ビザの場合:
5年間の間に3年分合法的に滞在日数がある事。そのうち1年は連続してアイルランドに滞在している事。
スタンプ(Stamp)
ビザのステイタスを表す記号の事をさします。居住証明(外国人登録)カードにビザの種類がスタンプの数で表されます。
スタンプ1 就労ビザ、ワーキングホリデイビザ
スタンプ2 学生ビザ
スタンプ3 観光ビザ
スタンプ4 配偶者ビザ、ディファクトビザ、永住権
スタンプ5 市民権
です。
このカードは、ビザと同じ位大切なので、各種手続きもアイルランド国外にでる時も必ず携帯しなければなりません。
アイルランドのビザ情報まとめ
以上、アイルランドのビザの種類と特徴、申請方法等を紹介しましたが、アイルランドは入国審査官や移民審査官によってかなり対応が違います。
運が良ければすんなり、運が悪いとさらに色々な書類を催促されたりします。
ビザの種類は沢山ありますが、日本人が簡単に取得できるのは学生ビザとワーキングホリデービザだけで、残りはかなり取得困難な状況です。
しかし、アイルランドは人々は皆フレンドリー、緑いっぱい自然いっぱい。程よく都会で程よく田舎。
とても住みやすい国なんです。
最初は学生やワーキングホリデイで味わって、それから仕事に挑戦、もしくはアイルランド人の恋人を探してみるなんて方法もいいかもれません。
参照;
- アイルランド大使館
- JAWHM 一般社会法人 日本ワーキングホリデー協会
- Department of Business, Enterprise and Innovation(英語サイト)
- Irish Naturalisation and Immigration Service(英語サイト)
- 市民局(英語サイト)
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