インドネシアの現地採用経験者が伝える就労事情と環境

インドネシアで日本人が働くには、主に2つの方法があります。

日本の企業に雇用され、海外に派遣される「海外駐在」と、現地の企業で直接採用される「現地採用」です。

今回は、インドネシアの現地採用として、ジャカルタ郊外の日系企業で3年間勤務した経験者から、インドネシアで働くことについてご紹介いたいます。

関連記事:日本人が海外で働ける職種23選(体験談付き)!有望分野や変わり種も

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インドネシアではどんな職種がある?

インドネシアでの日本人の求人は、おおまかに

  • 秘書、総務、通訳、翻訳、カスタマーサービス、等の事務系の職種
  • 営業、セールス等の職種
  • マーケティング、専門職(エンジニア等)、管理職(マネージメント等)などの職種
  • 飲食店やホテル勤務のホール、シェフ、料理人としての職種
  • マスコミ関係の職種

等に分けられます。

給与は、年齢、経験、スキル等で変動しますが、

  • 事務職で約15万円~20万円
  • 営業職で約17万円~25万円
  • 専門職、管理職は、管理とともにローカル社員の教育も求められるので、給与水準も高く25万円~50万円程度

となります。

今日の日本食ブームで、インドネシアでは飲食関係の仕事も多く、給与も腕や経験によって大きく異なります、新規立ち上げの店ではメニュー開発等から関わる仕事など、業務の幅も広いです。

インドネシアでは日本のアニメやバンドの人気が高いため、それらの情報発信やイベント開催に携わる、マスコミなどのメディアの職種も増えてきました。

また、インドネシア人向けだけではなく、ますます増加している現地の邦人向けのメディアの仕事もあります。

バリ島では、ホテルやスパ、ツアー会社等でのカスタマーサービスや営業の求人がありますが、給与水準はジャカルタよりかなり低く、5万円前後のところが多いようです。

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インドネシアでの、現地採用に対する一般的な福利厚生

では、現地採用ではどんながあるのでしょうか?

一覧で記載すると

  • ビザの手続き
  • 保険
  • 社用車
  • 住宅(または住宅手当)
  • レバラン手当およびボーナス
  • 有給休暇

等です。

ビザと諸手続き

インドネシアで働くには就労ビザの取得は必須であり、この手続きは、雇用する企業の義務となっています。

また、就労ビザで入国後も、一時居住許可証、警察や州への住民登録、所得番号取得等、さまざまな煩雑な手続きが待っているのですが、これらもすべて会社が行ってくれます。

保険 BPJS

保険は、現地採用者もBPJSという、日本でいう国民健康保険のようなものに加入することが義務付けられています。

また、海外旅行保険や、1年に1回の健康診断等を提供してくれる企業等もあります。

私の場合は海外健康保険も加入させてもらえましたが、歯医者で被せものを作り直す羽目になった際、保険がきかず8万円請求されてびっくりした記憶があります。

しかも、ジャカルタの一部のセレブな歯科医を除き、技術や設備は日本には遠く及びませんので、歯の治療はできれば日本で行うのが無難です。

社用車

通勤の交通手段に関しては、公共交通機関が発達していないため、ほとんどの会社でドライバー付きの社用車を提供してくれます。

とにかくジャカルタは渋滞がひどく、移動に時間がかかるので、社内でいかに快適に過ごせるかが、ストレスを軽減するカギになります。

枕やブランケット、お気に入りの音楽や映画等は必須ですね。

住宅手当

住宅は、会社がアパートを用意してくれたり、住宅手当として支払われます。

私の場合は毎月500ドルが住宅手当として支給されていました。

ジャカルタでの日本人の住まいは、コスアパートの場合が多いです。

コスとは、キッチンやバス、トイレなどが共有となっているシェアハウスのような低額のタイプから、各自の部屋にバス、トイレ、エアコンなどが備わっている少しリッチなタイプまで、様々なタイプがあり、家賃は月払いのことが多く、安いところは1万円程度から、デラックスなタイプで月額3万円ほどです。

倹約したい人にはぴったりですが、セキュリティの面で不安があるので、日本人の居住を禁止している企業もあります。

アパートは、コスに比べるとセキュリティもプライバシーもしっかりしており、多くの日本人はアパートに住んでいます。

立地、家具の有無、また掃除や洗濯等のサービスの有無等で家賃に非常に幅があり、単身者用で安いところでも6万円以上します。

レバラン手当およびボーナス

イスラム教徒が大部分を占めるインドネシアでは、1ヶ月の断食月(ラマダン)が終わると、レバランという断食明け大祭の休暇があり、その際に社員に支払われる手当がレバラン手当です。

現地採用に場合、給与の1ヶ月分がレバラン手当として支払われることが多いです。

また、業績や個人の査定の結果に応じたボーナスを年に1度別途支給する企業もあります。

有給休暇

有給休暇は年に約12日ほどで、レバラン休暇や年末年始休暇にあわせて取る人が多いようです。

休日は、週休2日の企業が多いです。

ジャカルタではスパやエステ、多彩な国のレストラン、郊外にはゴルフ場も多くあり、どれも日本よりも手軽な価格で楽しめるので、休日も退屈しません。

連休を使って、中部ジャワの世界遺産ボロブドゥールに足をのばしたり、バリ島やマナドでダイビング、なんていうのもいいですね。

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インドネシアの仕事探しには?

多数の日系企業が進出するインドネシアには、多くの人材派遣会社があるので、現地での仕事探しにはそれらを活用するのがいいでしょう。

3つのオススメ海外転職サイト。

海外、国内に限らず、転職サイトへの登録は済ませておきましょう。

海外の転職サービスは各国異なるため、ここでは日本の転職市場においてトップ3に入る転職サイトをご紹介します。

いずれも無料で、利用でき求人数が豊富です。また、職務経歴書・面接対策といったサポートがしてもらえます。

  1. リクルートエージェントに登録する
  2. DODAに登録する
  3. パソナキャリアに登録する

求人の検索の相談にのってくれ、希望する勤務地や職種、待遇の条件等にマッチする求人があれば、応募や面接の手配までフォローしてくれます。

現地採用者には、日常会話以上のインドネシア語を求める企業が多く、面接の際は簡単なインドネシア語のテストを行う場合もあるようです。

インドネシア語に自信がない場合は英語でカバーすることもできますが、その場合は中級レベル以上の英語力が必要でしょう。

さいごに

私がインドネシアで就職したのは、せっかく留学で身に着けた生きたインドネシア語を、ぜひ活かしたいと思ったからです。

採用される際に、社長に「ブリッジパーソンになってほしい。」と言われました。

言葉はもちろん、考え方にも大きな違いがある駐在員とローカル社員との間で、いかにスムーズに橋渡しして、皆が気持ちよく働けるようにするか、それらをいつも心がけてきました。

そこで得た経験は、コミュニケーション能力だけでなく、状況を打破するために伝え方を工夫する応用力や、いろいろな側面から物事を見る視野の広さを身に着けさせてくれたと思います。

きっと貴重な体験ができるインドネシアでの就労、あなたもぜひトライしてみてください。

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