「グアテマラの食べ物や飲み物」と聞くとまず頭に浮かぶのがコーヒー。
スターバックスで酸味のあるグアテマラコーヒーを飲んだり、カルディでグアテマラ産のコーヒー豆を購入したことがある方もいるでしょう。
今やグアテマラコーヒーは、私たちにとって身近な存在です。
でも、グアテマラはコーヒーだけではなく、他にもおいしい食べ物や飲み物がいろいろあります。
この記事では、知られざるグアテマラの食べ物と食文化の魅力をご紹介したいと思います。
グアテマラの代表的な食べ物トウモロコシ
グアテマラではトウモロコシを使った料理がいろいろあります。
グアテマラ人になじみの深いトウモロコシ料理をご紹介します。
主食はトルティージャ
グアテマラ人の主食は、トルティージャです。
乾燥させたトウモロコシを石灰と一緒に煮込み、柔らかくなったら煮汁を捨てて洗います。
残ったトウモロコシの粒を機械で粉砕して、マサと呼ばれるペースト状にします。
マサを丸めて薄く円状に伸ばして焼いたものがトルティージャです。
小麦粉で作ったフラワートルティージャやメキシコの薄いトルティージャとは違い、トウモロコシの味がしっかりとする食べごたえのある主食です。
使ったトウモロコシによってトルティージャの色が変わるのが面白いところ。
定番の白色やおいしそうな黄色、黒いトルティージャまであります。
地方に行くと、トルティージャの形は変わることも。
グアテマラの第二都市ケッツアルテナンゴでは、マサを丸めてトウモロコシの葉っぱで包んで蒸したタマリートを食べます。
食堂でもトルティージャではなくタマリートが食事と一緒に出てきますよ。
コバン地方では、マサの中にフリホーレスと呼ばれる黒豆を練りこんだタユーヨが食されます。
土曜日はタマーレスの日
土曜日の夕方ごろになると見かける光景、ある家の軒先に赤い電灯が吊り下げられています。
何のサインだかご存じですか?
「タマーレスができあがりましたよ。売ってますよ」という意味なんです。
タマーレスとは、トルティージャと同じ原料マサの中に、鶏肉や豚肉、そしてさまざまな香辛料を混ぜて作ったトマトソースを加えて、バナナの木の葉っぱにくるんで蒸した食べ物です。
家庭によっては、ハラペーニョや赤ピーマン、オリーブの実、ドライプルーンも加えます。
土曜日の夕食はタマーレスとフランスパン、コーヒーが定番。
グアテマラの食文化の一つです。
クリスマスや新年のお祝いにはタマーレスが欠かせません。
タマーレスは、トウモロコシのマサを使わずに米粉や、ジャガイモで作る(パチェと呼ばれる)バージョンもあります。
米粉で作られるタマーレスは、まるでチマキを食べているようで日本人にとってもおいしい食べ物。
機会があったらぜひ試してみてください。
おやつはアトールとトスターダ、それとチュチート
朝の10時ごろや夕方になると、道端や公園で食べることのできるおやつ(レファクションと呼ばれる)にも、いろいろな種類があります。
その中でも、代表的なものはトウモロコシで作られたアトールとトスターダです。
アトール・ブランコは、マサをドリンク状にしたもの。
熱々のアトールを器に注いでもらって、お好みで塩、レモン汁、チリソース、砕いたかぼちゃの種、フリホーレスの煮汁を加えます。
一杯でお腹いっぱい、栄養満点の飲み物です。
茶色の土器を使っているところが、風情があっていいんですよね。
アトールのお供にはトスターダ。
トルティージャを高温の油でカラッと揚げたものの上に、これまたお好みでトッピングを選択できます。
トッピングの種類を例に挙げると以下のとおりです。
- ビーツのサラダ
- 茹で卵
- チョミンと呼ばれる焼きそば
- 鶏肉のペースト
- ワカモレ
- フリホーレス
- トマトソース
- カッテージチーズ・・・などなど。
一枚でずっしり、食べ応え十分。
トスターダを割ることなく、きれいに完食できればグアテマラのおやつ上級者です。
チュチートは、トマトソースや鶏肉をマサで包んで、トゥサと呼ばれる乾燥したトウモロコシの葉っぱに包んで蒸したもの。
タマーレスと似た味ですが、サイズは小ぶりでおやつにピッタリです。
一個オーダーすると、おばちゃんが手早く包みを取って、小皿に乗せてチーズを振りかけて渡してくれます。
グアテマラの食文化はトウモロコシ尽くし
トウモロコシはトルティージャだけでなくタマーレスやアトール、トスターダなど、形を変えてグアテマラの食文化を豊かにしてくれています。
お米を、ご飯やお餅、お粥など変化させて味わうのと同じ感覚かもしれませんね。
次はトウモロコシ以外でポピュラーなグアテマラの食べ物を紹介していきます。
グアテマラの食べ物 朝食編
グアテマラの定番中の定番の朝食は次の通りです。
食堂やレストランで食べるときは好みでメニューをアレンジできます。
◆卵
目玉焼き、または炒り卵、トマトのサルサをかけてほしいときはウエボ・ランチェーロと言います。
◆フリホーレス
インゲン豆をにんにく、玉ねぎと煮込んだ塩味の豆料理です。豆の形が残っているパラードスやペースト状になったボルテアードス、煮汁がたっぷり入ったコラードスなど種類があります
◆プラタノ
食用バナナでフリートという揚げたもの、もしくはコシードという甘く茹でたものがあります。
◆クレーマ
甘くないクリームでフリホーレスやプラタノにピッタリ。
◆ケッソ
シンプルなカッテージチーズ。
◆チョリソーもしくはロンガニッサ
豚肉の粗挽きソーセージ、といった感じ。香草やスパイスが入っています。
◆トルティージャもしくはフランスパン
◆コーヒー
ボリューム満点な朝食ですよね。
もちろん、週中は忙しいのでここまでしっかり用意はしません。
でも週末になると、家族一同が家やレストランで集まって、この定番の朝食を楽しんでいます。
ここでひとつ、どうしてもお伝えしたいことがあります。
それなりのレストランでは大丈夫ですが、ローカルな食堂や一般家庭で招待されて朝食を食べるとき、コーヒーの味に衝撃を受けることでしょう。
私はこれをひそかに「グアテマラの七不思議のひとつ」と呼んでいます。
コーヒーが、とても…残念な味なのです…。
カップに入っている飲み物は確かにコーヒー色、でも砂糖の甘ったるい味しかしないのです。
「グアテマラはコーヒーの産地ではなかったの?なんで?」とプチパニックになる前に、一般家庭でのコーヒーの作り方を知っておくと謎が解けます。
実は、煮出しコーヒーなのです。
コーヒーの粉を沸騰したお湯に混ぜ、砂糖を「ウソでしょ?」というほど入れます。
糖尿病の方はぜひ気を付けてくださいね…。
これもまた、グアテマラの食文化の一つなのです。
でもご安心を。
マクドナルドやバーガーキングをはじめ、ファーストフード店やレストランではおいしい、砂糖なしのドリップコーヒーが飲めますよ。
グアテマラの食べ物 昼食編
グアテマラ人は昼食をしっかりとります。
午後の1時から2時半に昼食をとる人が多いようです。
午前中に学校で勉強している子供たちの帰宅に合わせて食べるので、ランチタイムは遅めなんですね。
定番の昼食メニューは、ワンプレートにメインが一品、つけ合わせに野菜サラダ、ご飯、それにトルティージャと新鮮なフルーツで作ったジュースなどです。
◆メイン
大抵は鶏肉や牛肉をソテーしたり煮込んだもの、またはフライドチキンです。
◆野菜サラダ
キュウリ、トマト、レタスなどの生野菜のサラダ。ブロッコリー、ハヤトウリ、ニンジン、ビーツ、じゃがいもなどの茹で野菜。
◆マカロニやご飯など
◆トルティージャ
◆フルーツジュースまたは炭酸飲料
フルーツジュースはレモナーダやパパイヤ、パイナップルなどのジュース。
炭酸飲料はコカ・コーラやペプシなどです。
ここで「マカロニやご飯もあるのに、なんでトルティージャ?」と疑問に思った方もいるかもしれません。
これもグアテマラの面白い食文化の一つ。
「炭水化物を炭水化物で食べる」のです。
ちなみにグアテマラの中華レストランでチョミンと呼ばれる焼きそばを注文すると、セットで食パンが付いてきますよ。
また、昼食時に炭酸飲料をよく飲みます。
子供もお年寄りも、みんな大好き。
私が水だけを飲んでいると、よく驚かれます。
グアテマラの食べ物 夕食編
グアテマラ人の夕食は、軽めで質素です。
なぜかというと、夕食前にコーヒーと甘いパンを食べる習慣があるからです。
そのため、夕方になると町のパン屋さんは混み合います。
トスターダ、チャンプラーダ、コンチャと呼ばれるパンを、例のあのコーヒーに浸しながら食べます。
グアテマラ人は甘党が多いですね。
夕食は7~8時ごろで、フリホーレス、卵、チーズ、ソーセージ、パンなどで軽く済ませます。
グアテマラの食べ物 プラト・ティピコ
グアテマラには代々家庭の味を伝えているおいしい食事がいろいろあります。
プラト・ティピコと呼ばれる伝統的な郷土料理です。
どの料理も手間暇のかかるもので、家庭ならではの隠し味があります。
地方では、結婚式やお葬式にふるわれる特別な料理であり、グアテマラの豊かな食文化を垣間見ることができます。
◆ペピアン
白ゴマ、カボチャの種、乾燥唐辛子やシナモン、クローブなどのスパイス、食用ほおずき、トマトなどを念入りに乾(から)煎りしてミキサーにかけ、チキンスープと混ぜ合わせて作ります。
フランスパンでとろみをつけてあり、見た目はカレーのようですが深い味わいです。
うま味のある地鶏や七面鳥を使ったぺピアンは絶品です。
◆ホコン
パクチーやレタス、食用ほおずきなど緑色の野菜を乾煎りして作る優しい味わいの料理です。
◆カルド
ニンジン、カボチャ、インゲン、ハヤトウリ、じゃがいも、トウモロコシなど野菜がゴロゴロ入ったスープ。
地鶏か牛肉が入っています。
お好みでチリソースやレモン汁、パクチー、生玉ねぎを加えます。
ホッと体が温まる料理です。
カルド・デ・マリスコは、カニ、エビ、貝、白身魚がたっぷり入った海鮮スープ。
魚の出汁が効いていて、おいしいですよ。
◆アサード
グアテマラ版バーベキュー、炭火で焼いた牛肉にトマトのサルサやワカモレ、長ネギの炭火焼、チリソースがつきます。
熱々のトルティージャとピッタリ、人気のある週末メニューです。
ウエウエ テナンゴ県では子羊のアサードが一般的で、臭みもなくジューシーな味わいです。
グアテマラの食文化のまとめ
いかがでしたか?
「グアテマラっていろんな食べ物があるんだ」とビックリされたかもしれません。
紹介した料理はほんの一部です。
グアテマラの食べ物はどちらかというと華やかさや繊細さはありませんが、自然の恵みをたっぷり使用した、愛情のこもった料理といえます。
グアテマラの多彩な食事を通して、この国の食文化や習慣を知ることができたらすばらしいことです。
そして、もっとグアテマラのことが好きになるでしょう。
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