日本人が観光目的でエクアドルへ入国する際は、90日以内の滞在であればビザは不要です。(パスポートの残存期間はエクアドル入国時に6ヶ月以上必要)
しかし仕事や研究、留学などで長期滞在をする人は別途手続きが必要となります。
今回はエクアドルのビザ14種類についてご紹介します。
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長期滞在ビザの概要と種類
まずエクアドルの長期滞在ビザは大きく以下の2つに分けられます。
(以下2020年3月時点、エクアドルの外務省Ministerio de Relaciones Exteriores y Movilidad Humanaの情報による)
- Visa para residente permanente(永住者向けビザ)
- Visa para residente temporal(一時滞在者向けビザ)
です。
①のビザは現時点で7種類、②のビザは16種類あります。
※記事執筆時は、ワーキングホリデービザはありません。
その中でも今回は日本人が取得できる長期滞在ビザ14種類に絞ってご紹介します。
また、以下の項目はどの申請にも必要になる共通条件です。
ビザ申請時の共通必要条件
※ビザの種類を問わず全ての申請に必須の項目です。
- 以下のリンクから外務省のページで受付(手続きをする日時を選択、この日までに全ての書類が揃っている必要があります)
- 申し込み用紙をダウンロードし記入、要写真(背景白、3.5×4.5cm)
- パスポート原本とコピー(コピーは顔写真ページと入国時のスタンプがあるページ1部ずつ)
- 無犯罪証明書(日本もしくは過去5年間に居住した国発行のもの、日本の場合はアポスティーユ、他国の場合はハーグ条約加盟国の場合アポスティーユ、加盟国以外は公印確認が必要、発行から180日以内のものに限る、18歳未満は必要なし)
- エクアドルの犯罪証明書(エクアドルに21ヶ月以上の滞在者のみ)
- 生活の存続可能性を示す証明書を以下から1つ選択
1. エクアドル国内の銀行口座の残高証明書過去1年分(各月の残高が400米ドル以上必要)
2. 日本または海外の銀行口座の残高証明過去1年分(米ドル建てかつ英語またはスペイン語表記で、また各月の残高が400米ドル以上必要)
3. RUC(Registro Único de Contribuyentes, 納税者登録)の過去6回分の税金申告証明
※更新の場合、ビザの期限が残り6ヶ月を切った段階で居住地から一番近い移民局へ立ち寄ることをお勧めします。エクアドルでの手続きは、街の移民局によって、また担当者によって対応が異なる(独自ルールがある)ことをよく耳にしますし、筆者も実際に体験済です。6ヶ月という余裕を持った上で、もう更新手続きが可能かどうか、まだであればいつから手続きが開始できるか、またその際に対応してくれた人の名前や役職を尋ね、情報の確証として持っておくと安全です。
①エクアドルへの永住者向けビザ(4種)
1) Por cumplimiento de veinte y un meses de residencia temporal:21ヶ月以上エクアドルに一時滞在者ビザで在在している人向けのビザ
【申請方法】
- ▼共通必要条件
- 申請料50ドル
- ビザ代金500ドル
- 申請者が未成年(18歳未満)の場合、アポスティーユまたは公印確認付きの出生証明書(翻訳済み)が必要。
- 65歳以上、または障害のある場合、条件に該当していれば申請料が減額されることがあるので申請時に要確認
2) Por matrimonio o unión de hecho:エクアドル国籍の人と結婚または事実婚(日本の法律でいう“内縁関係”、オフィシャルなカップルではあるものの婚姻の意志がない場合)をする人向けのビザ
【申請方法】
- ▼共通必要条件
- 婚姻証明書(エクアドルの登録役所Registro Civil発行のもの)もしくは事実婚証明書(同役所発行のもの)
- 申請料50ドル
- ビザ代金200ドル
- 申請者が未成年(18歳未満)の場合、アポスティーユまたは公印確認付きの出生証明書(翻訳済み)が必要。
- 65歳以上、または障害のある場合、条件に該当していれば申請料が減額されることがあるので申請時に要確認
3)Para familiares(親族の二親等までにエクアドル人がいる、もしくは姻戚関係にエクアドル人またはエクアドルに永住権のある人がいる人向けのビザ)
【申請方法】
- ▼共通必要条件
- エクアドル人またはエクアドルに永住権がある人との血縁または姻戚関係を示す書類(必要に応じてアポスティーユまたは公印確認)
- 申請料50ドル
- ビザ代金200ドル
- 申請者が未成年(18歳未満)の場合、アポスティーユまたは公印確認付きの出生証明書(翻訳済み)が必要。
- 65歳以上、または障害のある場合、条件に該当していれば申請料が減額されることがあるので申請時に要確認
4)Mercosur:(メルコスール=南米南部共同市場*に属するいずれかの国籍を持ち、またエクアドルで有効な一時滞在ビザを所持している人向け)
※メルコスールとは南米諸国の関税同盟であり、加盟国はアルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、ボリビア(批准手続き中)、ベネズエラ(資格停止通知を受けている)、準加盟国はチリ、コロンビア、エクアドル、ガイアナ、ペルー、スリナム。
【申請方法】
- エクアドルで有効なビザの残存日数が90日以上あること
- ▼共通必要条件
- 申請料50ドル
- ビザ代金250ドル
- 申請者が未成年(18歳未満)の場合、アポスティーユまたは公印確認付きの出生証明書(翻訳済み)が必要。
- 65歳以上、または障害のある場合、条件に該当していれば申請料が減額されることがあるので申請時に要確認
②エクアドルへの一時滞在者向けビザ(10種)
1)Visa de trabajo(就労)
【申請方法】
- ▼共通必要条件
- 勤務先が発行した契約書
- Ministerio del trabajo(労働省)発行のCertificado del registro del contrato 契約登録証明書(勤務先が公的機関以外の場合)
- 下記のどちらか該当する方を1つ選択
ー 公的機関で働く場合:SRI(Servicio de Rentas Internas al Ecuador=エクアドル国税庁)とIESS(Instituto Ecuatoriano de Seguridad Social=エクアドル社会保険庁)発行のCertificado de no mantener obligaciones pendientes 無懸案事項証明書(支払いやその他の義務事項について問題がないということを示す証明書)
ー 公的機関以外で働く場合:上記に加え、会社発行の無懸案事項証明書 - 申請料50ドル
- ビザ代金400ドル
- 申請者が未成年(18歳未満)の場合、アポスティーユまたは公印確認付きの出生証明書(翻訳済み)が必要
- 65歳以上、または障害のある場合、条件に該当していれば申請料が減額されることがあるので申請時に要確認
2)Rentista(金利生活者)
【申請方法】
- ▼共通必要条件
- 申請者名義のエクアドル国内外での収入を示す書類(必要に応じアポスティーユまたは公印確認、スペイン語訳必須)
該当例:銀行預金の利息、株式の配当金、家賃収入など - 申請料50ドル
- ビザ代金400ドル
- 申請者が未成年(18歳未満)の場合、アポスティーユまたは公印確認付きの出生証明書(翻訳済み)が必要
- 65歳以上、または障害のある場合、条件に該当していれば申請料が減額されることがあるので申請時に要確認
3) Jubilado(退職者・年金受給者)
【申請方法】
- ▼共通必要条件
- 退職者であると示す正式書類(エクアドル国外の機関が発行した年金受給者であるという証明書、アポスティーユまたは公印確認必須)
- 毎月800ドル以上の年金を受給していることを示す書類(配偶者同伴の場合は1人あたり100ドルの追加)
- エクアドル国内で年金の受給ができることを示す銀行などの書類
- 5年分の年金相当の現金(約5万ドル)を現地銀行に保証金として預金できること
- 申請料50ドル
- ビザ代金400ドル
- 申請者が未成年(18歳未満)の場合、アポスティーユまたは公印確認付きの出生証明書(翻訳済み)が必要
- 65歳以上、または障害のある場合、条件に該当していれば申請料が減額されることがあるので申請時に要確認
4)Inversionista(投資家)
【申請方法】
- ▼共通必要条件
- 下記いずれかの書類を1つ選択
ー 行政機関、銀行、有名企業が発行した債券、やり取りが証明できる収入印紙、残高証明書など(730日以上の期間、投資に関してアクティブであったこと、収益がエクアドルの最低賃金400ドル×70ヶ月(28,000ドル)を上回っていることの2点を証明する必要あり)
ー エクアドル国内の不動産(所在地にある不動産登記所 Registro de la Propiedadに登録済みであること)の売買証明書(収益がエクアドルの最低賃金400ドル×80ヶ月(32,000ドル)を上回っていることを証明する必要あり)
ー エクアドル国内の会社における売買の動向が証明できる書類(収益がエクアドルの最低賃金400ドル×70ヶ月(28,000ドル)を上回っていること)
ー 自営業の場合、出資金額が分かる法的効力のある証明書、権利書など(収益がエクアドルの最低賃金400ドル×70ドルを上回っていること) - 申請料50ドル
- ビザ代金400ドル
- 申請者が未成年(18歳未満)の場合、アポスティーユまたは公印確認付きの出生証明書(翻訳済み)が必要
- 65歳以上、または障害のある場合、条件に該当していれば申請料が減額されることがあるので申請時に要確認
5)Científico, Investigador o Académico(科学者、研究者)
【申請方法】
- ▼共通必要条件
- 公的/民間機関、教育機関が発行したプロジェクト内容、プロジェクトにおける申請者の必要性や正当性の記載がある書類
- 契約書、協定書など申請者の状況を説明する書類(申請者の専門分野に関する記載が必要)
- エクアドル内で遂行する活動に関連した称号や資格の証明書、もしくは遂行する活動の関連業務経験があることを証明する書類
- 契約を交わしている機関の代表が発行した辞令書類
- 申請料50ドル
- ビザ代金400ドル
- 申請者が未成年(18歳未満)の場合、アポスティーユまたは公印確認付きの出生証明書(翻訳済み)が必要
- 65歳以上、または障害のある場合、条件に該当していれば申請料が減額されることがあるので申請時に要確認
6)Deportista, artista o gestor cultural(スポーツ選手、芸術家、カルチャーマネージャー)
【申請方法】
- ▼共通必要条件
- スポーツ機関、制作関連機関、非政府機関などとの契約書または協定書
- 契約当事者の法的規則、役割が分かる書類
※上記申請者に関わるエージェント、マネージャーなどがビザの申請をする場合
- ▼共通必要条件
- 契約または協定を結ぶ機関が発行する辞令書
- 契約または協定を結ぶ機関の上層部、または代表者が作成した推薦書
- 法的効力のある所得の分かる書類(エクアドルの最低賃金400ドル×33ヶ月(13,200ドル)を上回っていること)もしくは固定資産の分かる書類(エクアドルの最低賃金400ドル×66ヶ月(26,400ドル)を上回っていること)
- その他
契約または協定を結ぶ機関はSRI(Servicio de Rentas Internas エクアドル国税庁)、IESS(Instituto Ecuatoriano de Seguridad Social エクアドル保険庁)、SUPERCIAS(Superintendencia de Compañías 労働基準監督機関)の全ての指示に従うこと
非政府機関の場合は関係省庁にSRIとIESSの指示に従う内容の書類を提出すること - 申請料50ドル
- ビザ代金400ドル
- 申請者が未成年(18歳未満)の場合、アポスティーユまたは公印確認付きの出生証明書(翻訳済み)が必要
- 65歳以上、または障害のある場合、条件に該当していれば申請料が減額されることがあるので申請時に要確認
7)Religioso o voluntario religioso(就労宗教活動家、ボランティア宗教活動家)
【申請方法】
- ▼共通必要条件
- 宗教法人/団体の代表者の署名付き嘆願書(Ministerio de Relaciones Exteriores y Movilidad Humana エクアドル外務省宛て、また活動内容の詳細、ビザ申請者の役割、団体のミッションに関する記載が必要)
- 所轄官庁が発行した法人/団体規約の証明書のコピー
- 公証人事務所で作成のDeclaración juramentada(宣誓供述書)(詳細な活動内容、ボランティアの場合は加えて無給で活動する旨、またそれら以外の活動をしない意志を示すこと)
- 申請料50ドル
- ビザ代金200ドル
- 申請者が未成年(18歳未満)の場合、アポスティーユまたは公印確認付きの出生証明書(翻訳済み)が必要
- 65歳以上、または障害のある場合、条件に該当していれば申請料が減額されることがあるので申請時に要確認
-8)Voluntario(ボランティア)
【申請方法】
- ▼共通必要条件
- 所属団体/機関(エクアドル国内で認知されている所に限る)が発行した嘆願書
(Ministerio de Relaciones Exteriores y Movilidad Humana エクアドル外務省宛て、詳細な活動内容と社会的根拠から見た受益者、申請者に付される規約、滞在に関わる費用に関し問題がなく、また滞在終了まで問題を起こさない旨の記載が必要) - 公証人事務所で作成のDeclaración juramentada(宣誓供述書)(申請者が所属する団体/機関へ無給でサービスを提供すること、またそれら以外の活動をしない意志を示すこと)
- 所属団体/機関の代表者が発行した任命書
- 所属団体/機関の役割を示す補助書類(団体/機関が合法的に成立し、エクアドル国内で認知された団体/機関であることを示す必要あり)
- 申請料50ドル
- ビザ代金200ドル
- 申請者が未成年(18歳未満)の場合、アポスティーユまたは公印確認付きの出生証明書(翻訳済み)が必要
- 65歳以上、または障害のある場合、条件に該当していれば申請料が減額されることがあるので申請時に要確認
9)Estudiante (学生)
【申請方法】
- ▼共通必要条件
- 入学登録簿またはエクアドルの教育機関が発行した証明書(教育機関の規模(概ねの学生数)学校制度の分類(初等/中等/高等教育など)の記載が必要)
- 申請料50ドル
- ビザ代金80ドル
- 申請者が未成年(18歳未満)の場合、アポスティーユまたは公印確認付きの出生証明書(翻訳済み)が必要
- 65歳以上、または障害のある場合、条件に該当していれば申請料が減額されることがあるので申請時に要確認
10)Profesional, técnico, tecnólogo o artesano(専門家、技術者、科学技術者、芸術家)
【申請方法】
- ▼共通必要条件
- 技術者、科学技術者などとしての専門性を示す資格や称号(アポスティーユまたは公印確認が必要、かつ発行から3ヶ月以内のもの)
- 芸術家の場合、Autoridad de Movilidad Humana 移民局にて作品の紹介、また活動内容の登録と正当性をJunta Nacional de Defensa del Artesano 工芸品保護の評議会にて立証する必要こと(これより3ヶ月以内にビザの申請を行うこと)
- 申請料50ドル
- ビザ代金400ドル
- 申請者が未成年(18歳未満)の場合、アポスティーユまたは公印確認付きの出生証明書(翻訳済み)が必要
- 65歳以上、または障害のある場合、条件に該当していれば申請料が減額されることがあるので申請時に要確認
エクアドルのビザまとめと注意点
以上がエクアドルで取得可能な長期滞在ビザです。
筆者の実体験、また周囲の外国人のビザ取得状況からして明らかなのは、出国前にビザの申請・取得ができる状況であれば、日本での手続きを強くお勧めします。
日本で手続きを行う場合は、下記から必要条件を確認できます。
▶︎在日エクアドル大使館:※より詳細な内容はへメールで直接問合せが可能です。
エクアドルで手続きを行う場合は、下記から必要条件を確認できます。
▶︎エクアドル外務省移民局:
現地の外務省(特にビザの対応部門)では手続きにとても時間がかかり、残念ながらたらい回しにあったり、対応者によって異なる情報、誤った情報を言われることも日常茶飯事です。
また書類の提出や受取時には、都度外務省のwebページから日時の予約が必要となりますが、多くの場合その予約があてになりません。(予約日時に行っても数時間待たされる、待った挙句また明日また来てくれ、など)
公的機関ですので平日の9時〜16時まで(場合によっては16時前に終了)のみの対応で、仕事や学校がある人にとっては大きな負担となります。
さらに書類の不備不足、手続きの遅れによる書類の有効期限切れ、ビザの更新や切り替えの場合には手続きが追いつかず古いビザが切れてしまうなど様々な理由で自分に非がなくても罰金(状況により100〜2000ドル)の支払いを求められることがあります(拒否すれば強制退去)。
以上のことを踏まえ、エクアドルでビザの申請をする際には、時間と心にかなりの余裕を持って行動しましょう。
また手続きがよりスムーズに、罰金などの不要な出費を防ぐ為にも、対応者の名前や訪問日時を書き留めるなどの工夫も重要です。
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