チェコは治安が良く、ヨーロッパでは物価も比較的安いため、長期滞在に向いている国でもあります。
チェコはシェンゲン協定加盟国でもあります。
そのため、日本人にとって入国しやすい国ではありますが、長期滞在となると必要な書類も出てきます。
ややこしいイメージもあるビザですが、長期滞在するには必要書類を揃えて申請することが必要です。
チェコ滞在時に必要なビザ
- 就学、留学
- 就労
- 駐在
- ワーキングホリデー(2018年11月〜)
- 配偶者
について、まとめてみました。
ビザって?チェコのビザの種類
「ビザ(査証)」とは、その国に入国したい人に対して、その国の在外大使または領事が発行する、入国を許可したことを証明するものです。
「パスポート(旅券)」は、国民が合法的に国を出発して良いという資格を与えるだけのものであり、パスポートを持っているからと言ってどの国でも無条件に出入りできるわけではありません。
チェコはシェンゲン協定加盟国のため、計90日以内の観光目的の滞在であればビザは不要です。
パスポートに関しては、以下が必要になります。
- シェンゲン加盟国からの出国予定日から有効残存期間が3ヶ月以上残っていること
- 10年以内に発行されたパスポートを所持していること
- 査証欄の空白が2ページ以上残っていること
シェンゲン協定とは、ヨーロッパの国家間において国境検査なしで国境を超えることを許可する協定です。
シェンゲン加盟国内では、最初の到着地で入国審査があり、最後の出国地で出国審査が行われます。
このため、経由地で入国スタンプを押されることは原則的にはありません。
チェコのビザはどんなものがある?
チェコで観光目的以外で滞在するためには、大きく分けて
- 短期ビザ
- 長期ビザ(留学、就労、駐在)
- ワーキングホリデービザ
- 配偶者ビザ
があります。
短期ビザ。観光の場合はビザなし滞在可能
前述したように、日本人が観光または非営利目的でチェコを訪れる際、90日まではビザなしで滞在できます。
ただし、営利目的やあるいは短期間でもビザが必要な場合(例えば日本人家族と共に旅行をする外国籍を持つ方で短期ビザが必要な場合)、この短期ビザを申請することができます。
長期ビザ
チェコ滞在が90日を超える場合には、長期ビザを取得する必要があります。
長期ビザには大きく分けて
- 留学ビザ
- 就労カード
- 駐在員の家族のための同伴ビザ
があります。
いずれも最長期間は1年で、それ以上の滞在を希望する場合には現地で更新することが必要です。
就労カードとは:
就労許可と滞在許可の二つをあわせ持ったものです。
ビザ申請に共通して必要なもの
- パスポート
- カラー写真(3.5×4.5cm、首から上、顔のアップ。背景は薄い色。)
- 申請用紙
- 短期ビザ申請用紙
- 長期ビザ申請用紙
- 就労カード申請用紙
- 住居が確保されている証明書
入寮証明書やアパート等の賃貸契約書(公証が必要)がこれにあたります。住居の所有者(オーナー)の署名を公証人に公証してもらう必要があります。 - 滞在費が十分にあることを証明する書類
銀行や郵便局の預金通帳または残高証明書。国際的に通用するクレジットカード(ビザ、マスター、アメリカンエクスプレスなど)。 - 滞在の目的を証明する書類
受け入れ先の学校の入学証明書、会社からの派遣状など。 - 海外旅行傷害保険
各種ビザ申請にかかる費用
ビザ申請用の書類には、チェコ語や英語などの翻訳や署名認証、アポスティーユ(公文書を外務省が証明すること)など必要なものがあります。
それらにはそれぞれ費用がかかります。
申請するビザの種類によって必要書類は異なるため、費用に関してもそれぞれのビザで異なります。
ビザ申請に関る費用の一覧についてはこちらを参照してください。
ビザの種類別でそれぞれ必要なもの
短期ビザ
- 航空券予約確認書と支払い証明、あるいは航空券のオリジナル(eチケット)
- 勤務あるいは在学証明書(できれば英文)
就学(留学)ビザ
- パスポートのデータ面のコピー1部
- 日本における無犯罪証明書とそのチェコ語訳
就労カード
- 労働許可証
- 労働契約書、労働行為に関する同意書
- 大学の卒業証明書や成績証明書
- 会社からの派遣状
- 日本における無犯罪証明書とそのチェコ語訳
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これらの書類は全て原本か、認証を受けたコピーでないといけません。
チェコ語でない書類にはチェコ語訳を添付する必要があります。(翻訳の認証は大使館で行ってもらえます)
また書類は、申請時点で180日より古い日付ではいけません。
※無犯罪証明書は外務省によるアポスティーユ認証が必要です。
また、過去3年の間に第三国に6ヶ月以上滞在した場合には、その国の無犯罪証明書も必 要になります。
駐在員・留学生の家族のための同伴ビザ
- 駐在員の家族の場合、駐在員本人の労働許可証のコピー
- 日本のおける無犯罪証明書は15歳以下の場合は不要
ワーキングホリデービザ
2018年11月から、チェコでのワーキングホリデービザ申請の受付が開始されました。
申請のための資格要因としては…
- 日本国民であること
- チェコ共和国から以前にワーキングホリデービザを受給されていないこと
- チェコ共和国の休暇を意図しており、就労は訪問の不随意的理由に過ぎないこと
- 大使館の申請受領日に18歳以上30歳以下であること
- 被扶養者を同伴しないこと
- 予定滞在期間よりも3ヶ月以上長い有効残存期間のあるパスポートを所持していること
- 帰りの渡航切符、またはその十分な購入資金を所持していること
- チェコでの滞在に必要な少なくても当初1ヶ月分にかかる費用を賄えるだけの資金を所持していること
- チェコの法令に従って入国するための健康条件を満たしていること
- チェコの法令で義務付けられている医療保険の証明書を提示すること
- 無犯罪歴証明書を提示すること
- ビザ申請手数料を支払うこと
一年におけるビザ発給上限数は400件と決まっており、現在の発給残数はチェコ大使館に問い合わせることができます。
ワーキングホリデービザを所持している場合、就労許可がなくてもチェコでの就労ができます。
滞在可能な期間はビザの有効期間(ビザ発行から最長1年間)で、延長は不可です。
また、このビザの配給は1人につき1回までという決まりがあります。
チェコ人配偶者との滞在ビザ
チェコ人との結婚の後に現地でビザを申請する場合はパスポート、顔写真、結婚証明書、保険証券、居住証明等が必要です。
各自治体によって必要書類が異なる場合がありますので、詳しくは現地の役所への問い合わせが必要です。
留意点
ビザを申請してからできるまで、そのビザの種類にもよりますが、最大で3ヶ月かかると言われています。
また、申請したビザは同じ場所でしか受け取ることはできません。
つまり、東京で申請したビザをチェコで受け取るということはできないのです。
場合によっては申請からそれほど時間がかからずに受け取ることができることもありますが、できるだけ余裕を持って申請することをお勧めします。
また、ビザ申請に必要な書類や方法等が変更される場合もあります。
申請準備をする段階で、大使館や外務省のホームページで新しい情報を随時確認したり、問い合わせをすることも必要です。
また、チェコ大使館で申請をする場合には申請予約が必要です。(2019年3月時点)
チェコのビザ情報まとめ
チェコでの滞在に必要なビザは大きく分けて6種類と、他の国々に比べるとそれほど多い方ではありません。
それぞれのビザ申請の際に必要な書類で共通しているものは
- パスポート
- 証明写真
- ビザ申請用紙
- 住居証明
- 滞在費の証明
- 滞在目的の証明
- 保険証書
と、大まかにはこのようになります。
必要書類の準備や、言葉・文化が異なる現地での書類のやり取りに、心が折れそうになることもあるかもしれません。
ですが、ビザ取得の後にはチェコでの新たなスタートが待っていますよ。
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