中国人というと、皆さんはどんな姿を思い浮かべるでしょうか。
日本では中国人に関してあまり良いニュースがなく、これから中国に行くという方は、不安を感じるかもしれません。
しかしながら、実際に中国で暮らしてみると、イメージ通りの部分もある一方で、日本では報道されないさまざまな面が見えてきます。
ここでは、知っているようで知らないことも多い中国人の本当の姿を現地在住者からお届けします。
中国はとても広く、一口に中国人といっても都市部と地方では生活習慣や感覚の違いがかなり大きいといわれています。
本記事では、筆者が上海で暮らしている中で経験したことや、知り合いの中国人から教わった話などを紹介していきます。
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1. 二大行事「春節」と「国慶節」
中国では「○○節」という祝日が年に何度かあります。
その中で特に重要なのは
- 旧暦の正月にあたる「春節」
- 建国記念日とされている「国慶節」
です。
春節は旧暦をもとに決められるため毎年少しずれますが、だいたい1~2月頃(2017年は1月28日、2018年は2月16日でした)。
国慶節は10月1日です。
その日から約1週間、多くの会社や店舗が休みになったり、短縮営業になったりします。
中国人にとって非常に大切な祝日で、地方出身の人々が家族や親せきと過ごすために故郷に帰っていくため、上海の街は人がとても少なくなります。
近年は海外旅行に行く人々も増えているようです。
新暦の年末年始は1月1日が休みになるだけで、中国ではあまり重視されていません。日本人がお正月気分から抜け切らずにいる頃は、中国人にとっては年末が差し迫っている時期なので、不思議な感じがします。
2. 中国人の好きなもの
中国人が縁起が良いとして好きなものが3つあります。
- 8という数
- 赤
- 丸い形
です。
好まれる数字・8
中国では偶数の方が良い数とされており、結婚式のご祝儀などは日本のように3万や5万ではなく偶数の金額で渡します。
偶数の中でも特に好まれている数字が8で、車のナンバーも8のゾロ目が人気。
2008年の北京オリンピックの開会式は2008年8月8日午後8時8分に始められました。
赤いものや丸いもの
赤いものや丸いものはおめでたいときによく使われます。
ご祝儀やお年玉の袋は赤、結婚式の女性の衣装も赤(最近は白いドレスが多くなっているそうです)、春節のときには街中に赤い飾りが溢れます。
また、日本のお節料理のように春節のときに作られる料理には、地域によって異なりますが、胡麻団子など丸い形のものがあります。
3.面子を気にする
中国人は面子をとても重視しています。
- 学歴
- 収入
- 良い会社で働いているか
- 子どもはどこの学校で、どのくらいの成績か…
などはとても大事です。
また、日本のお中元やお歳暮のように、何かきちんとした贈り物をするときには、高級で豪華なものや大きなものが好まれます。
4.上海出身者は「上海人」としてのプライドが高い
上海には、上海出身者(上海人)だけでなく、地方から働きに来ている人などがたくさんいます。
どこの国でも都会はそういうものでしょう。
しかし、上海人から地方出身者に対する目は、日本の東京出身者から地方出身者に対する目とは異なります。
上海人は上海人と結婚したいと思っている人が多いですし、「ああいうのはダサいから上海人はやらないよ。あれをやってるのは地方出身の人」という言い方をすることもあります。
ビジネスの場においても、上海では上海人が圧倒的に優位なようです。
上海の男女関係
余談ですが、上海人の恋愛や夫婦関係では女性が強いとよくいわれます。
上海の女性はコワイ…のではなく(笑)、男性がとても優しく、女性を大切にして優先してくれるのです。
また、上海では男性(の親)は結婚にあたって家と車を用意するのが普通で、女が男を選ぶというようなところがあるのだとか。
上海人の女性には、日本人の女性はとても優しく控えめに見えるそうです。
5.中国人の食生活
中国の料理は炒める・揚げるなどたっぷりの油を使うものが多いにも関わらず、丸々と太っている人は意外と少ないです。
その秘密は、脂肪を燃焼しやくするものも多く摂っているから。
中国人は夏でもキンキンに冷やしたものはあまり飲みません。
飲食店でも常温の水や温かいお茶が出てくることが多いです。唐辛子や香辛料をふんだんに使った料理が多いのは、ご存じの通り。
上海人は辛い物が苦手な人も多いそうですが、その代わり(?)にダイエット効果もあるお酢が好き。
また、デザートやおやつとして果物もよく食べます。私たちも参考にしてみると良いかもしれませんね。
中国では作り置きしない
中国人の食に関する習慣をもう一つ。日本では、前日の残り物や作り置きの料理を食べることがよくありますよね。
しかし、中国では作ってから一晩経った料理(特に野菜を加熱したもの)を「隔夜菜(géyècài)」といい、食べるべきではないとされています。
真偽はわかりませんが、電子レンジで再加熱する際に、発がん性物質の生成に関与する亜硝酸塩が増加するからだとか。
世代や個人の考え方にもよりますが、中国では「隔夜菜」は体に悪いというのが一般的な認識で、食べ切れなかった野菜の料理は処分するという人も多いそうです。
6.基本的に大ざっぱ
上海の人々はちょっとしたことでは怒りませんし、細かいこともあまり気にしません。
例えば、待ち合わせをすると5~10分くらい遅れてくるのは当たり前です。
その代わり、こちらが遅刻をしてしまっても迷惑そうな顔一つせず、「いいよいいよ、じゃあ行こうか」となります。
ただし、中国人は相手が文句を言ってこなければ問題無しと思っていますので、それでは本当に困るという場合にははっきりと伝えましょう。
7.公共の場でのマナーは…
これに関しては、日本のワイドショーなどで見る通りです。
公共の場で
- 大きな声で話す
- 飲食する
- ポイ捨てする
- 通り道を塞いで立ち話をする
などは、日常的によく見かけます。
上海の歩道には20~30mおきにゴミ箱と灰皿が設置され、清掃員もたくさんいますが、それでもきれいとはいえないところが多いです。
8.子連れやお年寄りに優しい
上海では、バスや電車で子連れやお年寄りに席を譲るのは当たり前です。
譲る方も譲られる方も変に躊躇ったり遠慮したりすることはありません。
また、赤ちゃんや小さい子どもが泣き出したり騒いだりしても、周りの大人たちがニコニコと声をかけてくれます。
注意点:他人の頭や顔に触れてはいけない
家族や友人でも、頭や顔に触れるのは嫌がられます。
日本人はふざけたり親しみを表したりするときに触れることがありますが、中国では侮辱だと受け取られることもありますので、むやみに触れるのは避けましょう。
9.驚きの英語力
筆者が上海に来て最も衝撃を受けたのは、英語でのコミュニケーションを取れる人が非常に多いということです。
- お店で店員に声をかけられたとき
- 出前の配達員とエレベーターで乗り合わせたとき
- 道でチラシを配っている人が何やら説明しながら付いてきたとき…
相手の中国語がわからず、「私は中国語をあまり話せません」と言って逃げようとすると、次の瞬間、英語に切り替わります。
それも、知っている単語をどうにか繋いでいるというふうではなく、とても流暢で、日本人と比べると発音もきれいです。
また、見知らぬ人に何かをお願いしなければならないときでも(例:高額紙幣しか持っておらず、券売機で切符を買うために両替をしてほしい)、話しかけた相手が中国語を話せないとわかると英語でお願いをしてきます。
別の人に改めて声をかけるより、英語で用件を伝えた方がラクって、すごいですよね。
なぜ中国人は英語が上手?
ところで、なぜ中国人は英語の発音が上手なのでしょう。
その理由の一つとして、母音や子音の種類の多さが挙げられます。
下の表に示したように、日本語は英語よりも音の種類が少ないのに対し、中国語は英語よりも多いのです。
母音 | 子音 | 音の種類に関するその他の特徴 | |
---|---|---|---|
日本語 | 5 | 14 | 長音(「くうき」など)や促音(小さい「っ」)などがある |
英語 | 15(16) | 24 | 隣接する音が繋がることがある、子音だけの発音がある |
中国語 | 21 | 36 | 4種類の成声調(音の高さ)+軽声(軽く発音)がある |
例えば、日本語では「L」と「R」はどちらも「ら」行になってしまいますが、中国語には「L」と「R」両方の音があります。
母国語の音の種類が少ないと、外国語を習得するには少し不利なのですね…。
※日本語の全ての音が英語や中国語に含まれているということではありません。似たような音でもそれぞれの言語で微妙に異なります。音の種類の数は、それぞれの言語の「標準語」のものです。他にもそれぞれ多くの特徴があります。
一方、40代以上で地方から出稼ぎに来ている人などは「kitchen」「window」といった簡単な単語もほとんど通じないことが多いです。
教育の世代間・地域間格差に加え、外来語がカタカナ語として定着している日本との違いですね。
10.一歩踏み込んでくれる優しさ
中国人は、赤の他人に対してはあまり関心を抱きませんが、親しみを感じる人には(ビジネスなどに関係なくても)とても良くしてくれます。
自宅に招いて手料理を振る舞ってくれたり、旅行や故郷のおみやげを買ってきてくれたりするなど、相手を喜ばせるのが好きなようです。
何か困ったことが起きたときも、相談に乗ってくれるのはもちろん、快く手を貸してくれます。
例えば、銀行でちょっと難しい手続きが必要になったとき。タクシー会社に忘れ物の問い合わせをしたいとき。
中国語に自信があれば良いですが、日常会話レベルの中国語では対応しきれないかもしれません。
そんなとき、「あなたの代わりにやってあげる」「私も一緒に行こうか」「うまくできなかったら私に電話していいよ」と積極的に協力してくれるので、とても心強いです。
こちらも何かできることがあったら喜んでしてあげよう、という姿勢でいれば、どんどん仲良くなれますよ。
中国・上海の文化まとめ
中国人のマナーに関しては、やはりお世辞にも良いとはいえませんが、インターネットを駆使して世界中の情報を得ている若者たちは、そのことを自覚しています。
中国政府も国民の意識向上に取り組んでおり、少しずつではありますが、変わりつつあるのです。
一方、壁がなくフレンドリーなところは、遠慮がちで他人に踏み込むのが苦手な日本人が見習うべきところかもしれません。
中国人と接する機会があったら、ぜひ笑顔でどんどん話しかけてみてくださいね。
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