オーストラリアに滞在するために必要なビザには様々な種類があります。
「日本では得られない生活環境に身を置き、英語を習得するための留学をしたい」
「同じ目的を持った同年代の友人を作ることで語学だけでなく異文化についても学びたい」
「就学すると言う明確な目的をもって海外に滞在したい」
このように考える方は学生ビザを使った留学が最適です。
今回は、オーストラリアに学生ビザを利用して留学したい方のために、正規豪州登録移民書士(WIDAUS)からビザ取得にむけた申請方法や注意点などを徹底解説します。
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オーストラリアの学生ビザの種類や取得までの日数
学生ビザの種類は1つのみ【sc500】
オーストラリアの学生ビザは2018年時点で1種類のみとなっており、小学生から大学院まですべて同じ「sc500」と呼ばれるビザに統一されています。
認可・取得までの日数
オーストラリア移民局ではビザ全種類について標準審査日数を定期的に公表しています。
全ビザの標準審査日数は移民局ウェブページで確認できますが、2018年4月時点では以下のように発表されています。
全申請書の70%の結果が出るまでの標準日数 | 全申請書の90%の結果が出るまでの標準日数 | |
---|---|---|
小・中・高校 | 46日 | 4ヶ月 |
語学学校 | 33日 | 50日 |
専門学校 | 33日 | 59日 |
大学・大学院 | 26日 | 41日 |
申請から認可までの日数は個々の状況を含めて様々な要因により前後しますのであくまでも参考程度にしておくと良いでしょう。
学生ビザを取得する目的とそのメリットとは
3ヶ月以上の就学を目的とする渡航には学生ビザが必須です。
観光ビザ・ワーキングホリデービザでも学校に通うことはできますが、
- 観光ビザでは3ヵ月
- ワーキングホリデーでは4か月の就学のみ
が許可されています。
長期で集中して就学するには学生ビザが最も適したビザになります。
語学学校だけでなく専門学校や職業訓練校、大学や大学院など、長期にわたるプログラムでのオーストラリア留学を考えている方は学生ビザの取得が必要です。
学生ビザの特徴
- 就学する期間についてはそれぞれの希望に沿って決めることができる。
- 数か月から一年間の語学留学から、数年に渡る大学や大学院への留学など、就学期間に沿ったビザ有効期間となる。
- 就労することできる。(期限なし)
学生ビザを保有するメリットは?
同一雇用者での就労期間に制限がない!
学生としてオーストラリアに滞在するとしても、学校に通いながら働くことも英語の成長に必要です。
観光ビザでは就労は許可されていませんし、ワーキングホリデーでは同一雇用主の下では基本的に最大6ヶ月しか働くことができません。
その点、学生ビザでは就労期間に関する規定はありませんので、一度決まった雇用主の下で学生ビザ期間中働き続けることができます。
次の雇用先を探す必要もなくなるので、より一層学業に対して集中的に取り組むことが可能となります。
学生ビザ保有中の就労について知っておくべきこと
オーストラリアの学生ビザは、勉強しながらでも就労が認められているという特徴があります。
オーストラリア留学期間中でも生活費の足しに少しでもなるように就労を考える方もいますし、就労すること自体が語学力の向上にも役に立つということから、留学中もできるだけお仕事をしたいという方は多いのではないでしょうか。
学生ビザには、就労に関する制限条項が付帯されており、特に学期中は就労できる時間数に制限があります。
学生ビザ保有中に許可されるの就労時間制限については、
「1週間に20時間まで」や「1か月で80時間まで」など様々な情報を聞くと思いますが、本当のところはどうなのでしょうか。
移民法に基づいた答えは
「2週間の枠の中で40時間まで」
と規定されています。
この2週間とは具体的に月曜日から始まる14日間のことになりますので、特に雇用後、週の途中から働き始める場合など、自身の判断で「今日から2週間」といった具合に枠を決めることはできませんので、必ず毎週月曜日から起算して2週間の枠の中で40時間内に収めるように注意してください。
こうした就労時間の制限は学期中(移民法での定義は”when a course is in session”)のみとなり、学校の休暇期間(同様に“when a course is out of session”)ではこの制限は解除されますので、時間的な制限がない状態での就労が許可されています。
では、学期中(in session)とは具体的にどういう期間中なのでしょうか?
あいまいにしておくと、ルールに反する就労をすることになりますので、オーストラリア移民法を詳しく見ていくと、主に三つに分かれて定義されています。
学期中とは
- 大学や専門学校などの講義が開催されている期間で、試験期間中も含まれる。
- CoE(入学許可証)の有効期限最終日を待たず、勉強が前倒しで修了した場合、CoEの有効期限内。
- 前学期が終了し、次学期が始まるまでの休暇期間であっても、学校の卒業規定を満たすために他の授業を受講している場合、その期間中。つまり学期休みの間であっても、他の授業を受けたい場合、そしてその授業が卒業のために必要な単位を取る目的である場合、就労制限がかかることになります。
もう一点就労について注意するべきこと
学生ビザが認可されても、学校の授業が始まる前にオーストラリアへ入国した場合は学校の開始日まで就労は認められていません。
学生ビザの申請・取得方法
では学生ビザはどのようにして取得するのかを紹介します。
申請のために抑えておきたいポイントは
ー申請料金
$560
ー申請時に必要な書類
- パスポート
- 就学先の教育機関からの入学許可証 (CoE)
- 海外学生健康保険 (OSHC)
ビザ有効期間中をカバーする海外学生保険を申し込む必要がある。ほとんどの場合、学校の申し込みを行うと教育機関が保険の申し込みを併せて行い、入学許可証と同時に保険加入証明を発行してもらえる - GTE エッセイ(この下の記事で詳しく説明しています)
- 生活費の申告
銀行残高証明書等、書類の提出は移民局からの指示を受けた場合になるが、滞在期間中をカバーするのに十分な金額を準備しておく必要があり、ビザ申請の際はその金額を申告する必要がある。生活費の部分については、移民局からのガイドラインとして1年間で20,290豪ドル(2018年5月時点)と指定されている。
ビザは時間に余裕を持って申請しましょう
学生ビザの申請は、学校の開始日から遡って3ヵ月前を目途に申請しましょう。
時間的に余裕を持って申請することで認可まで心に余裕を待つことができ、その間にオーストラリアの留学生活を始める準備をしておくこともできます。
移民局では、毎日世界中からビザの申請が提出され書類審査を行っているため、突然到着する緊急を要する申請に対して対応しきれないこともある、ということを心に留めておくと良いのではないでしょうか。
直前になってビザ申請を行い、学校が始まるまでにビザが認可されない場合は
- 入国をすることができないのはもちろん
- 認可までは授業を欠席せざるを得ない状況
になってしまい、最悪の場合、申請したビザがキャンセルされてしまうことも考えられます。
せっかくの留学でこうした事態を招かないよう、はじめの一歩は確実にしておきたいですね。
GTEとは
学生ビザを申請する上で確実にクリアしなければならない条件がGTE。
必要書類のなかにありましたよね。
これは、学生ビザの申請をする理由が正当なものであり、オーストラリア滞在の目的を意思表示するもので、滞在が一時的なものであることを移民局に申告するためのものです。
ビザ申請の際に同時に提出する書類になるので、留学の目的をしっかりと自分の言葉で説明できるようなエッセイを準備するようにしましょう。
ここでは、ビザの認可を判断する担当者が基準とする移民局によるガイドラインを基に、GTEエッセイで網羅するべき内容を詳しく書いていきます。
ガイドラインには、主に4つの側面を確認ポイントとしており、申請者の状況を総合的に判断しています。
以下、基本となる4つの項目を見ていきましょう。
4つの項目
1. ビザ申請者の自国における状況と、ビザ申請者の将来にとって就学先がどのように役に立つのか。自国で就学するのではなくオーストラリアで就学することがビザ申請者にとってどのように有益となるのか、について記載する必要がある。就学後に自国に戻るだけの理由があるのかどうかについても判断基準とされる。
2. ビザ申請者のオーストラリア渡航後に考えられる状況。渡航後、ビザの有効期限内やビザの有効期限を過ぎた後にオーストラリアに残る可能性について判断される。就学先やオーストラリアでの生活についてある程度の知識があるかどうかについても判断基準となるので、申請前には就学先やプログラムについて、またはオーストラリアでの生活についてある程度の知識を持ったうえで申請することが必要となる。学生ビザの申請が、単純にオーストラリアでの滞在期間を延ばすことを目的としていると判断された場合は認可をする前に更に申請者の状況について調査されることになる。
3. ビザ申請者にとっての就学の意義。就学先が申請者の将来にとって有益であり、目的を持った就学であるかどうかを判断される。これまでの学歴や職歴とかけ離れた分野での就学・学生ビザの申請である場合、その就学により自身の将来にどのように有効に作用するのかを明確にする必要がある。就学後に自国(またはオーストラリア以外の第三国)でどれだけ就労のチャンスが広がるのかについて述べるのも必要になる。
4. ビザ申請者の過去のビザに関する経歴。過去の滞在ビザ保有時の状況に基づいて、学生ビザ申請の正当性を判断される。過去にビザ付帯の条件に反した行動を指摘されている場合や、ビザのキャンセルなどがあった場合は、ビザ申請が正当である理由付けを詳しく記載する必要がある。オーストラリア以外の国でビザの認可拒否やキャンセルがあった場合についても懸念事項となり、認可判断に関して調査が必要になる。
こうした内容を網羅したエッセイを提出することは非常に重要であり、万が一GTEの要件を満たさない場合、学生ビザは認可されない恐れもありますので注意しましょう。
これまで説明してきた内容を完全に理解し、特にGTEについて説得力のある内容を準備できる場合、ご自身で申請をチャレンジしてみても良いかもしれません。
学生ビザを自分で申請・取得する方法を紹介
学生ビザをはじめとするオーストラリアのビザはほとんどの場合、オンラインで申請することができます。
もちろんすべて英語でのやり取りになるので、辞書を片手にチャレンジしてみましょう。
以下、申請の流れについて簡単に画面を追ってみましょう。
(それぞれの設問への回答は個人個人で異なるためここでは割愛しています)
ステップ1:
まずは移民局のウェブページから自身のimmiaccount(イミアカウント)を作成しましょう。
https://online.immi.gov.au/lusc/register
ステップ2:
イミアカウントへのログイン後、「My application」ページから「New application」へ遷移します。
ステップ3:
「New application」ページではオンライン上で申請できるすべてのビザが選択できます。この中でStudent – Student Visa (500)を選択し、ビザ申請書を有効にします。
ステップ4:
申請書は全部で25ページの入力ページがあり、初めに氏名・パスポートを含む個人情報や就学先の学校情報、家族の情報についての項目を入力し、ページが進むとGTEの入力欄や滞在中の費用の申告欄などもありますので、ご自身で準備した内容を入力していきます。
ステップ5:
全ての項目への入力が完了すると、パスポートなどの必要書類を添付するページへ移行します。申請に必要な書類を全て忘れずに添付しましょう。
ステップ6:
必要書類を全て添付し、次ページに進んで「Submit Now」をクリックして申請書を提出します。申請書を提出後はビザ申請書の支払いに進みます。申請料金の支払いが済むと移民局による審査プロセスが開始されます。支払いを忘れずにしましょう。
留学をする上で必要な学生ビザの申請。
この申請を留学の第一段階としてご自身でチャレンジしてみるのも良いでしょう。
質問の項目も多く、正しい回答が何なのか悩むこともあると思いますが、自分の力だけで頑張って学生ビザが取れれば留学へ向けてより一層モチベーションが上がることは間違いありません。
学生ビザ取得を専門家に任せる方法は確実
上述したとおり、学生ビザは自分でオンラインから申請できます。
ただし、ビザの申請は準備にも申請そのものにも時間や労力がかかるのも事実です。
質問への回答が間違えていたり、提出書類が足りなかったりした場合にはビザが認可されないこともあります。
オーストラリア渡航までは慎重に進めたい!
確実に学生生活を始めたい!
という方は無理せず専門家のアドバイスを活用しましょう。
海外へ留学をする上で学生ビザはパスポートと同じくらい大切なものです。
学生ビザが無い状態だと入国もできず、せっかく長い時間と沢山の労力をかけて準備したオーストラリア生活が始められないことになります。
確実に、また時間をかけずにビザを取得したい方は専門家のサポートを受けることを考えてみて下さい。
ビザ専門家を通して学生ビザの申請を行う上での利点
ビザの申請は非常に繊細なもので、細かな部分まで気を使って進める必要があります。
申請項目のひとつひとつの意味や、記載する回答が正しいのかどうか判断に迷う人もいることと思います。
人生で非常に大きな意義を持つ留学を実現するためのビザですが、その申請を人生で何度も行うものではありませんので、慣れないのも仕方のないことです。
特に2回目以降の学生ビザ申請になると必然的にオーストラリア滞在の期間が長くなることになり、移民局も永住を含む長期滞在を目的としていないかどうかをしっかりと判断するようになります。
ご自身の目的が本当に勉強だったとしても、伝え方(申請書の書き方)次第ではそう受け取られない可能性もあります。
ビザ申請を専門に扱っているビザエージェントに相談することで、ビザの申請に関する労力や心配を減らすことができます。
番外編:学生ビザの延長や他ビザへの切り替えは可能?
学生ビザを含むすべてのビザには、認可される際に条件が付帯されます。
ビザの認可時に以下の条件が付帯されている場合はオーストラリア国内からビザの延長や切り替えができない可能性があるので気を付けましょう。
- 8503 – ビザが認可され、オーストラリアへ入国後、国内から保護ビザを除くビザの申請をすることはできない。
- 8534 – ビザが認可され、オーストラリアへ入国後、国内から保護ビザ・卒業生ビザ・保護者ビザを除くすべてのビザを取得することができない。
- 8535 – ビザが認可され、オーストラリアへ入国後、国内から保護ビザ・(特定の条件に当てはまる)学生ビザを除くすべてのビザを取得することができない
ただし、特例としてビザの延長や切り替えが認められる場合もありますので、上記の条件が付帯されている場合でビザ延長や切り替えを考えている方は専門家へ相談してみると良いでしょう。
オーストラリアの学生ビザ取得方法まとめ
当記事における情報は全て2018年5月時点の移民法に基づいた情報となっておりますのでご注意ください。
ご自身でビザの申請を行う場合は、必ず最新の移民法を確認し、ご自身の判断の下で申請を行ってください。
ビザ申請に役に立つリンク集
在日オーストラリア大使館や移民局ウェブページなどには学生ビザを含むすべてのビザに関する情報が公表されていますので参考にしてみてください。
在日オーストラリア大使館:
http://japan.embassy.gov.au/tkyojapanese/visas_and_citiz_jp.html
移民局ウェブページ:
https://www.homeaffairs.gov.au/trav
本記事はオーストラリアの移民エージェント;WIDAUS Pty Ltdから提供しています。
正規豪州登録移民書士(MARN登録番号 1794585)として政府に認定された機関への登録をしており、移民法に精通し常に最新の情報を提供できる日本人の専門家が責任をもってビザの申請をサポートし、納得するまで母国語で話し合うことができます。
また、WIDAUSはオーストラリアのクイーンズランド州ブリスベンにオフィスを構え、オーストラリアへのワーキングホリデーや留学のサポートを行っております。
滞在を100%楽しみ満足できるようにサポートしていますので、気軽に相談してみてください。
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