情熱の踊りタンゴの発祥の地であるアルゼンチンでは、恋愛観も結婚観も日本のそれとはだいぶ異なります。
男女の関係は永遠に男女の関係であって、例えば一緒に暮らしたり結婚したからと言って、”家族“になったり、”友達“になったり、ましてや“子育てのチーム”になったりということはまずありません。
それがこの国の高い離婚率の一因とも考えられますが、何歳になっても熱い恋愛を追求するアルゼンチン人の姿は、どこか生き生きとしていて素敵に見えます。
そんなアルゼンチン人ときちんとお付き合いを始めるための11のポイントをまとめてみました。
男性からの視点、女性からの視点それぞれを紹介したいと思います。
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アルゼンチン男性が女性を見るポイント
アルゼンチン人は男女共にヨーロッパ系移民の血を引く美形が多く、恋愛でもさぞや見た目が重視されるのかと思いきや、意外なことにいわゆる典型的な美男美女だけがモテるわけではなく、好みは千差万別、しかもルックスにはあまりこだわらないという人も多いのが現実です。
ではアルゼンチン男性は女性の何を見ているのでしょう。
1.アルゼンチン人は体型にさほどこだわらない
日本ではスレンダーな女性がもてはやされる傾向がありますが、ここアルゼンチンでは女性の体型にはあまりこだわりません。
痩せているかどうかよりもセクシーな印象が何よりも重要なため、あまり痩せていると逆に魅力を感じない、というのが一般的な感覚のようです。
男性の体型もまたしかりで、胸板の厚さについて女友達同士で熱い談義を交わすことはあっても、実際の交際相手にそうした条件を求めることはほとんどありません。
むしろ、ぽっこり出た彼氏のメタボなお腹を、笑いながらも愛おしそうにさする彼女の姿をよく目にします。
何より大事なことは人間性や信頼感であり、体型は二の次という価値観が定着しているため、誰もが自分らしくいられるように感じられるのは、この国の良いところと言えるでしょう。
「愛」と「体型」は関係ないと考えるアルゼンチンで、誰かの体について下手なコメントをしたり、批判的なことを言ったりすると、特に女性からは猛攻撃を受ける可能性が高いので気をつけましょう。
2. 服装の好みには傾向あり
アルゼンチン男性の女性の服装の好みは割とはっきりしているようで、体にフィットした洋服や、少しかかとの高い靴を履いた途端に、道ゆく人に口笛を吹かれるようになります。
要はどれだけ”女性的でセクシー”かということです。
ぴったりとした洋服のせいでたとえ体型が丸見えで、お腹に段々があったとしても、二の腕に袖がくいこんでいたとしても、そこは女性本人も男性も気にしません。
逆にNGなのは体型カバー的なふわっとした洋服です。
そもそも”体型カバー”という発想があまりないため、日本で人気のチュニック風の洋服で出かけようものなら、妊婦と勘違いされること間違いなし。バスで席を譲られたら赤信号です。
アルゼンチン人とのデートの時には避けた方がよいでしょう。
3. 手料理や家庭的な雰囲気で得点は稼げない?
日本では「ハートより胃袋をつかめ」などとよく言われるように、女性の手料理は男性攻略に欠かせないポイントと考えられているようですが、ここアルゼンチンではあまり効力がないかもしれません。
まず多くのアルゼンチン人はグルメではないということを押さえておきましょう。
食文化の極めて貧しいこの国では、日常的にさほど食事にこだわりがないため、美味しいものを愛でるとか、評価するとか、それを作れる人を讃えるというような文化が日本ほど根付いていないのです。
また食事に関して保守的な人も多いため、日本的な凝ったものを作っても、普段食べ慣れているものの方がよいと思われたり、怖がられてお皿に手をつけてもらえないこともあるので要注意です。
日本人のように「食べないと相手に失礼」とか「残したら悪い」という考え方もないため、大量に残されてショックを受けるかもしれません。
こうした事態を避けるためにも、あらかじめ招待する相手が食に関してリベラルな人か、日本食に興味があるかどうかをチェックしておきましょう。これは恋愛に関わらず、ホームパーティーを開く時なども同様です。
4. 大人しく従順なことは美徳ではない
日本ではにこやかで大人しい女性、従順で可愛らしいタイプは一般的に人気がありますが、アルゼンチンではそうした態度は評価されにくいと考えておきましょう。
黙ってニコニコしているだけでは何を考えているのかわからない、活発な議論ができなくてつまらないと思われてしまう可能性が高いです。
ヨーロッパ系移民の血を継ぐアルゼンチン女性は性格的にさっぱりしている人が多く、思ったことや自分の意見をはっきりと口にします。
自分の価値観に基づいた意見をしっかり言えること、嫌なことはきちんとNOと相手に伝えられることは、女性としてだけでなく、一人間として信頼してもらうために最低限必要なことと覚えておきましょう。
ただし、人前での議論や相手の面目をつぶすような態度は絶対にNGです。すねた顔や相手を無視するなどの子供じみた態度も周囲を不快にするので避けましょう。
この国では子供相手でも他人の前では叱らないので、文句や異議がある場合は2人だけのプライベートの時間に落ち着いて話し合うようにしましょう
女性が男性を見るポイント
では逆にアルゼンチン女性は男性の何を重要視するのでしょう?
もちろん好みは人によりますが、意外と洋服のセンスとか、身長とかのルックスにはこだわりがない人が多く、むしろ絶対に欠かせないポイントとして、品性、人間性、信頼感に重きを置く人が多いようです。
5. 紳士的な態度は基本中の基本
建物に入る時には女性のためにドアを開けて先に通す、タクシーに乗る時もドアを押さえて女性を先に乗せる、レストランでは女性を座らせるために椅子を引くなどの作法はこちらの国では当たり前のことですが、日本人男性でさらっとできる人は意外といません。
気づかずに女性よりも先にタクシーに乗ったりすると、相当な違和感を相手に与えることになるでしょう。
また食事の席でも、自分の注文を女性よりも先に言ったり、音を立てて食べるなど、基本的なマナーを守れないと嫌がられます。
嫌悪感の前では「文化の違い」という言い訳は通らないこともあります。教育のない人と思われたら致命的なので、最低限のマナー、身のこなしには十分気を付けましょう。
直接デートの相手に対してだけでなく、お年寄りに席を譲ったり、助けが必要な人に手を貸したりする態度もしっかり見られています。
こうした態度はアルゼンチン人にとってはとても自然なことなので、普段から見習って習慣として身に着けたいものです。
6. マメさが重要!彼女を想っていることをアピールしよう
好きな女性には「どうしてる?」とか「先日のプレゼンどうだった?」「風邪治った?」のように、常に彼女のことを気にかけていることを、うるさくない程度にアピールしましょう。
アルゼンチンではLINEではなく、WhatsAppというメッセージアプリが使われています。
WhatsAppのボイスメッセージを使えば、忙しい人や、長いメッセージを書くのが苦手な人でも、短時間に想いを伝えられて便利です。仕事中に相手の声が聴けるのも、お互いに嬉しいですね。
「言わなくても通じているだろう」という思い込みや、「放っておいても待っていてくれるだろう」という勝手な期待、「好きなら彼女から連絡してくるだろう」という甘い考えは厳禁です。
わかりやすい思いやりをきちんとコンスタントに示すことが、アルゼンチン女性の信頼と好感を勝ち得ることに繋がるでしょう。
7. DIYで男を上げる
アルゼンチンでは水道の蛇口が閉まらなくなる、ドアノブが回らなくなる、お湯の出が悪くなるなど、日常的に家の中で不具合が生じることがしょっちゅうあります。
なので、簡単な修理が最低限できることはもうほとんど必要不可欠な条件と言ってもいいでしょう。
蛇口を明けて中のゴム部品を交換する、ドライバーでドアノブの閉まり具合を調整する、給湯器の水圧を調整してみる程度のことは、彼女のためだけでなく、アルゼンチンで一人暮らしをする上でも知っておいた方が何かと役に立ちます。
こうして問題を解決できれば”頼れる人”という印象を強くするでしょうし、自分で修理ができないことは、信頼できる業者をすぐに探して連絡するという行動力も女性に感謝されるでしょう。
8. マチスモは絶対にNG!!
ラテンアメリカには”マチスモ”という言葉があります。平たく言えば「男尊女卑」ですが、実際には広く多くのテーマに関わって来ることから、マチスモは様々な形で日常生活に現れます。
例えば、自分の彼女にはミニスカートを履かせないとか、自分は自由に外出するのに彼女の行動は細かくチェックを入れるなどの行動、また家事や育児は女性の仕事と決めつける態度もマチスモの典型です。
家に招待された時なども、積極的に彼女を手伝うようにしましょう。
食後の皿洗いなどを進んでするなど、どんなことも二人で分担するという意識でいることが、アルゼンチン人女性とお付き合いする上では大切なことです。
出会いからお付き合いまで
最近のアルゼンチンでは、出会い系サイトを通じて知り合うことが一般化しています。
サイトにも色々あり、カジュアルなお付き合いがしたい人、真剣交際したい人など、目的に応じて使い分けができるようになっています。
またフィエスタやホームパーティーなどもよく行われるため、日本と比べると異性と出会うチャンスは多いかもしれません。
ただし出会ってからの流れは日本で一般的とされるパターンとは異なる部分も多いと言えます。
9. まずは体の相性を見るのは当たり前
日本でなら知り合ってからしばらくはデートを重ね、信頼の置ける相手かどうかを見極めた上で交際に発展、そして男女関係を持つというのが一般的かもしれませんが、アルゼンチンではまず会ってみて気に入れば、次は体の相性が合うかどうかを確かめ合うというのが、いたって普通のパターンです。
気分が盛り上がれば、会ったその日にベッドへ直行というケースも多いよう。
こうして関係を持ってみたものの、体の相性が合わなかったり、お互いに大して魅力を感じなかったり、衝動が過ぎたら興味が湧かなかったりすると、その後2度と会わないとか、何度か会ったりはしても交際には発展しないなどのケースも当然あります。
ただしこうした場合でも、女性が男性に弄ばれたとか、男性が遊び人とか、逆に女性が軽いとか、そうした考え方はまず存在しません。
この国では女性も男性も同等に性的な欲求を表現しますし、それは自然で当たり前、しかも健康的なことであるという解釈が浸透しています。
なので、たとえ交際には発展しなくとも、お互いに良い時間を過ごせたからいいよね、という雰囲気で関係は平和的に解消されていきます。
10. デートはしているけれど恋人じゃない、という仲
アルゼンチン人は情熱的ではありますが、真剣交際には意外と慎重です。
仮に定期的に会うような関係に発展した場合でも、即座に「お付き合いしましょう」とか「私たちは恋人だよね」という確立した関係にはなかなかならないかもしれません。
「あの人とは出かけたりしてるけど、、、」とか「お互いに知り合いつつある関係」という、日本人から見たら実に曖昧な関係がかなり長い期間続くことも一般的なのです。
そうした友達とも恋人とも言えない関係が数ヶ月とか1年以上も続いた後で、正式に付き合おうという話しになったりするので、最初から関係性をはっきりさせたい、させるのが当たり前の日本人的な発想で相手に迫ると引かれてしまうでしょう。
「好き」という動詞から「愛している」という動詞を使ってもらえるようになるには、とても大きな隔たりがあります。
お互いの信頼感と愛が深まるまで、2人の関係になかなか”名前”は付けてもらえないかもしれませんが、それもまたアルゼンチン流と割り切って、日々大切な相手と幸せに過ごせるように集中しましょう。
11. 離婚率の高いアルゼンチンでは子持ち同士の交際は当たり前
アルゼンチンでの離婚率は極めて高いため、20代でも30代でも、知り合った相手に子供がいるケースは非常に多いです。
40代なら既に当然の条件と思っておいた方が良いでしょう。
日本人にとってはあまり馴染みのない経験で戸惑うかもしれませんが、交際相手の連れ子との関係は非常に重要なので、あらかじめ心の準備をしておきましょう。
こうした場合、日本のように”自分と血の繋がっていない子は他人の子“という発想はなく、連れ子のことは誰もがよく可愛がります。
カップル同士だけでなく、双方の親もまた我が孫のように分け隔てなく受け入れて可愛がる懐の深さを持っています。
仲の良い3世代の家族連れを見かけても、意外と血の繋がっていない関係も中には多いのです。
ただし、人にもよりますが、自分の子供への躾や教育には口出しされたくないと考える人が多いことは覚えておきましょう。
お付き合いだけならまだしも、一緒に暮らすようになったり、ましてや結婚ともなると、連れ子との関係構築は2人の関係の最も重要な部分になってくるため、より慎重に対応した方がよいでしょう。
相手の子供との最も無難な付き合い方は、一緒にいる間は仲良く楽しく過ごすこと。それ以上立ち入るのも、何か真面目なコメントをすることも、よほどの信頼関係が築かれるまでは控えておきましょう。
まとめ
ところ違えば、考え方も身のこなし方も全然変ってくることがお判りいただけたでしょうか。
地球の裏側に位置するアルゼンチンと日本とでは、全く異なる価値観が多くありますが、特に恋愛や結婚、また離婚についての考え方や習慣には天と地ほどの違いがあります。
異文化理解の中でのお付き合いは大変なことも多いですが、ポイントをつかんで分かり合えれば、自分の見識を大きく広げることのできるよい経験になるはずですので、オープンにチャレンジしてみてください。
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