チュニジアの地域別治安事情と危険対策

チュニジアの地域別治安事情と危険対策

チュニジアと聞くと、かつて起こったテロを連想する方も多いですね。

イスラム圏はすべて危ないという認識も持ちやすいのではないでしょうか。

チュニジアはイスラム教の国ですが総体的に治安は良く、チュニスや大都市では女性の一人歩きも難しくありません。

ただ、まったく危険がないわけではなく、治安には地域差もあります。

過剰に不安にならなくてもよい国とはいっても安全面について知っておくと、より生活しやすくなるでしょう。

この記事では、チュニジアに実際に住む場合に注意しておきたい治安事情が把握できます。

危険への予防や対策をしっかりして、安全なチュニジア滞在を実現しましょう。

チュニジアは地域により危険レベル1~3

海外安全ホームページによると、チュニジアの危険度は地域によりレベル1からレベル3までに分かれています。

https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2021T055.html#ad-image-0

最も危険な地域である危険度3は、アルジェリアとリビアの国境地帯を含む南部の砂漠です。

チュニジアは日本のような県にわかれており、カスリンと呼ばれる県も危険レベルは3とされています。

危険レベル2地域には南部砂漠の一部地域、ジャンドゥーバやシディブ・ジッドなどの県が含まれています。

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危険地帯と呼ばれる地域の実態

国境地帯がまず危険地域にあげられていますが、観光を目的とした滞在や、仕事や学業を目的とした移住ではまず行かないところといってよいでしょう。

そもそもリビアとアルジェリアはどちらも、日本人が渡航する際にビザが必要な国に含まれています。

興味本位で国境に近づく行動を取らなければ、問題にはなりません。

また、その他のカスリンやシディブ・ジッドなどの県はテロが多い地域といわれています。

軍や警察等がしっかりと配置されていますが、やはり単独で観光に回る地域ではありません。

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砂漠への旅も注意しよう

スターウォーズの撮影地として有名なマトマタやタタウィン(映画のタトウィン星の元となった地名)は、観光地として整備されているため危険地帯ではありません。

しかし、砂漠一帯への旅行はやはり信頼できるガイドに依頼したり、ツアーで回ったりしましょう。

ガイドやツアーも、不況により経験のない人が担当していることもあり、砂漠に置き去りにされた観光客もいます。

信頼できる会社や、日本人経営のツアー会社を選びましょう。

チュニジアの首都や都会の治安

首都チュニスの危険度はレベル1となっているため、少なからず不安を感じる方もいるかもしれません。

しかし実際には、首都チュニスや海岸地帯のスース、商業都市であるスファックス等の都会の治安は安定しているといってよいでしょう。

チュニジアの地域別治安事情と危険対策

夕暮れのチュニス近郊の町

窃盗や盗難の頻度はどれくらい?

いわゆる途上国では、置き引きや窃盗を警戒するようによく言われます。

チュニジアで最近聞くのはスマートフォンの窃盗です。

少し話してみると、友人や知人が最近窃盗に遭ったケースがポロポロと出てきます。

ポケットにいれていたスマホを知らないうちに盗られた、犯人がスマホを奪って逃げて行ったケースなら、危害は加えられていないのでまだよいかもしれません。

スマホを出せと言われて渡さなかったら殴られた、ナイフを持った犯人にスマホを差し出すように迫られた人もいます。

当たり前かもしれませんが、スマートフォンは外では極力バッグから出さないようにし、人通りの少ない道や時間帯は避けるようにしましょう。

都内ならでは?薬物に要注意

チュニスやその近郊で、薬物をお菓子だといって渡してくる事件も起こっているようです。

旧市街や中央市場などではお店の人たちが積極的に試食を勧めてくるので、何かを渡されてその場で食べるのは、さほど不自然ではありません。

しかし食料品を販売しているわけでもない人が渡してきた場合には、絶対に受け取ってはいけません。

薬物を使用したり販売したりしているのはかなり若年層も多いといわれています。

子供や学生だからといって警戒は解かないほうがよいでしょう。

住む場所によって気を付けたいこと

チュニジアは居住地区と観光地が入り組んでいるところもあります。

カルタゴのように、高級住宅街と遺跡が隣り合っている地域では、居住者や長期滞在者と見慣れない人たちの区別がつきにくいのです。

チュニジアの昔ながらの下町に住むと、近所の人たちも顔見知り、○○さんのところの人、どこに住んで何をしているなんていうのもまるわかりです。

プライバシーの面では気になるものの、知らない人が町に入ってきただけで警戒モードとなるでしょう。

一方で、カルタゴのような場所は観光客や短期滞在者も少なくありません。

政府要人も住んでいる高級住宅街もあるため、警備も行き届いていますが、田舎町や下町のような地域の人たちの警備は期待できないでしょう。

カルタゴの遺跡から望む海

カルタゴと同様に、首都チュニスも居住者と短期滞在者の区別がつきにくいところです。

アパートや一軒家どちらも頻繁に住人が変わることも多いため、警戒が難しいかもしれません。

また新興住宅地も増加中で、新たに造成しているところは住人もまだ少なく人通りもあまり多くないため住居を決める際には要注意です。

住む場所を選ぶ際に注意したい点

チュニジアでは庶民的なことを「シャアビー」といいますが、住む場所としてシャアビーなところを選ぶと少し住みにくいかもしれません。

シャアビーな地域がすべて悪いわけではないのですが、日常的な不便とちょっとした治安の悪さを感じやすいことが多いです。

庶民的な地域では下記のことがおこりやすいと考えられます。

  • 交通マナーが悪い
  • 店の前で人がたむろしている
  • 道でお酒を飲む人が多い

交通マナーの悪さは、チュニジア全域で当てはまるのですが、場所によってはどこでも駐車する、細い道でも待たずに突っ込んでくる等がおこりやすいです。

ガレージ前に堂々と車を停めていき長時間不在、車を出せずに困るといったこともあります。

チュニジアは住宅地でも軽食のサンドイッチを売ったり、コンビニのような雑貨屋があったりして便利です。

しかし、買い物をしているわけでもない人が店前に大量にたむろすることがあります。

時間を気にせず騒ぐ、ゴミを放置するなど、実際に生活するうえで気になることもしばしば。

住居を決める際には、家の位置だけでなく周辺の雰囲気も気にしたいところです。

またチュニジアはイスラム教の国ですが、飲酒する人は少なくありません。

通常は、飲んでいることをあまり人に知られないようにし、ホテルのラウンジ、レストラン、自宅など限定された場所で飲酒します。

ところが、道でお酒を飲んでいる人が多い地域もあります。

大騒ぎすることは少ないかもしれませんが、飲んだ後の瓶や缶を放置していくのは日常茶飯事です。

女性が夜間に出くわすと、危険につながってしまうかもしれません。

必ず助けを求めよう

チュニジアはきちんと警戒しておけば、かなり安全に過ごせるものの、万が一の事態がおこってしまうかもしれません。

そんなときは周囲の人に必ず助けを求めましょう。

チュニジア人の大半は親切のかたまりのような人ばかり。

誰かが困っていれば、手を差し伸べずにはいられないといってよいでしょう。

言葉や詳細がわからなくても、とにかくなんとかしようと手伝ってくれます。

もちろん、チュニジア人だけでは解決できないこともあるでしょう。

危険に遭遇したら、日本大使館への連絡も忘れずに入れておいたほうがよいですね。

まとめ

チュニジアの治安は、地域によってはさほど警戒せずに過ごせます。

危険レベルが高い地域を避ける、人通りが少ない場所には行かないといった基本的なことに注意すれば、夜間の外出、女性の一人歩きのハードルもそれほど高くありません。

ただし、窃盗その他の犯罪はやはり起こっています。

チュニジアに来てみると気軽に過ごせるので、ついつい油断してしまうのですが、最低限の警戒は解かないほうがよいでしょう。

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