エジプト人の食に対する考え方は非常に保守的です。
古代エジプト人が食べていた物を、頑固に同じ調理方法で食べ続けています。
オスマントルコにもたらされた料理を中心に、キリスト教時代に持ち込まれた食文化も健在です。
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① お皿にもスプーンにもなるパン
スプーンやフォークなどはレストランで出てきます。
エジプト人は外食する時はカトラリーを使って食べている人も、家庭では手で食べていることが多いです。
エジプトで一番食べられているパンは、エイシュ・バラディと呼ばれる、丸くて開くとポケット状になっています。
サンドイッチにする時は、ポケット状になったパンの中に具を入れます。
サラダや、お肉など固形のものはパンをちぎってはさんで食べます。液状の物を食べる時には、スプーン状にしてすくって食べます。
②ご飯大好き!パンと一緒にご飯も食べます
ご飯は日本人にはうれしい、ジャポニカ種のお米です。
ご飯を炊く時は、お米を一握り油でいためてから炊きます。短いパスタが入っていることもあります。
肉料理を食べる時は白いご飯ですが、魚料理を食べる時は揚げ玉ねぎで味付けした茶色いご飯を添えるのが一般的です。
エジプトのご飯料理といえばマハシです。
マハシは野菜や鳩などのお腹にご飯と香菜、トマトソースなどを詰めて煮たり焼いたりした料理です。
マハシにはルールがあり、絶対一種類で出してはいけません。必ず二種類以上作らなければなりません。
ナス、ブドウの葉、キャベツ、ピーマンなど組み合わせは自由です。
古代ギリシャの歴史家ヘロドトスは『歴史』に、エジプト人はパン食い人と記していますが、現代エジプト人はパンと一緒にご飯もたくさん食べます。
③ 絶対欠かせないゴマペーストは万能調味料
レストランで注文するとまず出てくるのがゴマペーストのタヒーナです。
パンにつけて食べるのはもちろんのこと、お肉や、焼き魚につけて食べるのは、日本のお醤油的?存在です。
焼きナスをつぶしたものと一緒にタヒーナを混ぜてあるババガヌは日本人好みの味です。
④ ファラオの時代から変わらぬ味のモロヘイヤ
日本人は一つの食材を使って、様々な料理を楽しみますが、エジプト人は変化を好みません。
半月形の刻み包丁を使ってつぶすように刻むと、モロヘイヤの粘りが強く出ます。なんとこの包丁は日本製が一番良いものとしてエジプトでは売られています。
一番おいしいモロヘイヤはウサギ出汁のものですが、家庭ではリーズナブルなチキン出汁が一般的です。
スープというよりは、ディップとして食べます。
レストランのメニューでは、スープのところには書いてないので、エジプトのレストランで注文の際はご注意くださいね。古代からモロヘイヤの食べ方はこれ一本です!
⑤ 朝から豆の豆料理天国
エジプト人の郷愁の味といえば、フールとターメイヤです。どちらもソラマメ料理です。
フールは茹でたソラマメをつぶして、オイルや塩コショウ、スパイスで味付けして食べます。
ターメイヤはソラマメのコロッケで、揚げたてを二つに割ると、中はきれいな緑色です。緑になるように、パセリなど季節の緑の野菜を使っています。基本的に朝ごはんとして、サンドイッチにして食べます。
エジプト豆の別名も持つひよこ豆もよく食べられています。中でもエジプトのラーメン的存在、コシャリに入っています。
コシャリはパスタ、マカロニ、米の上にひよこ豆とレンズマメ、あげ玉ねぎが乗っています。
その上に、店独自のトマトソースをかけて食べます。レモンやお酢とニンニクで作るカルというソースと、辛いものが好きな人は、シャッタという唐辛子ソースで好みの味つけにして食べます。
お気に入りのコシャリ専門店に通う人、食べ歩く人など様々です。自宅で作ることもあります。
⑥ 何でもかんでもトマト煮込み!
ファラオもトマトを食べていたのではと思うほど、エジプトではトマトをよく食べます。
サラダには必ずトマトが入っています。特に煮込み料理ではトマトは欠かせません。
ジャガイモや豆など、お店のおすすめ煮込みを聞いて食べてみるといいですよ。ムサカというマスやジャガイモのオーブン煮込みや、バーミヤといえば、オクラのことですがエジプト人はオクラのトマトソース煮込みをイメージし、定番の家庭料理です。
⑦ 羊・牛・鶏・豚、肉はなんでも食べられる!
イスラームの国なので、基本的に食べられているお肉は羊、牛、鶏が一般的です。
しかし、コプト教という、原始キリスト教の流れをくむキリスト教徒がエジプトにはいます。
彼らは豚を飼っているので、コプト教徒や外国人が経営するレストランでは豚料理が食べられます。
肉料理はカバブやコフタなどの焼きもの、ターゲンという煮込み料理が一般的です。鶏料理はバリエーションが豊富です。
臓物系も豊富です。ケブダというレバーは臭みがなく食べやすいです。
羊や牛の脳みそ、モッホのから揚げは白子が好きな人はぜひ食べてみてください。
⑧ ナイル川も海も湖もある、豊富な魚介類
安価でよく食べられている魚はボルティという魚で、現在はたくさん養殖されています。アフリカ原産のナイルティラピアのことで古代から食べられています。
古代からエジプト人が大好きなのは、ブリというボラです。卵はからすみにして古代から食べられています。
エジプトではぜひ炭火で真っ黒に焼かれた、焼き魚を食べてみてください。フワフワの身がおいしいですよ。
海や湖の近くでは、サマク・ムーサ―という舌平目がおすすめです。
モーゼの十戒で海が割れた時に、たまたま割れ目にいたので、姿がつぶれてしまったと言われています。
エジプト人が年中食べたいのは、ガンバリというアラビア語で日本人には覚えやすいエビです。
エビは高価なので、そうそう食べられません。海寄りの地域では、モロヘイヤの出汁にエビを使った料理もあります。
⑨ 甘いものは夢の味
オスマントルコの通った道にある国のお菓子はよく似ています。
その中でエジプトといえばというのがバスブーサです。
セモリナ粉のケーキにたっぷりのシロップをかけた、非常にシンプルなお菓子です。エジプト人は、「バスブーサ」と聞いただけで幸せな気持ちになる人が少なくありません。
⑩ 一杯のお茶が至福の時
エジプトの喫茶店には、豊富なホットドリンクのメニューがあります。ハイビスカスの花のカルカデは、ビタミンたっぷりの甘い花茶です。
シナモンたっぷりのホットミルクや、日本ではカレーに入っているイメージのフェングリークを煮出したちょっと苦みのあるヘルバなどが通年通して飲まれています。
地中海食文化圏ではよく飲み物として摂取されているラン科の根のサーレッブは、冬の甘い飲み物です。これはトルコのアイスクリームなどにも入っています。
いろいろありますが、一番飲まれているのは紅茶とトルココーヒーです。
紅茶はアラビア語でシャーイと言います。特に紅茶には溶け切らないほどの砂糖を入れて飲むのがエジプト流です。ミントやミルクを入れて飲むこともあります。
ローマ帝国に「穀物蔵」と言われたエジプトは、古代からナイルの恩恵を受けた豊かな食の国です。古代人が食べていたモロヘイヤや魚は、古代とほぼ同じ調理法で作られています。
エジプトを訪れたら、ツタンカーメンやクレオパトラになった気分で、エジプトの景色を見ながら食べてみてはいかがでしょうか。
モスクや宮殿でイスラーム文化に触れてからケバブなどを食べるのもいいです。歴史のスパイスをたくさんかけて、体の芯からエジプトに染まってみてくださいね。
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