スイス現地採用者が語る!4つの就業ルールと基本文化

スイスで働く前に抑えよう!現地企業の就業4つのルールと知識

スイスで働く場合、スイスに支社を持つ日系企業で働き、出向者として支社勤務する方法がありますが、思いきって現地企業で就業するのも選択肢の一つです。

ここでは、スイス本社の日本法人で働いた後、本社と直接契約して移住した現地在住者から、日本とスイス両方の勤務で見えた4つのルールについて説明します。

  • 時間管理はとても重要
  • 効果的な仕事の進め方
  • 個人的なつながりを忘れずに
  • 休暇は存分に楽しんで!

現地企業で就業する場合「郷に入っては郷に従え」で、現地の作法を理解しておくことはとても重要です。

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スイスでは時間管理はとても重要。残業超過すると法律で罰せられる!

日本でも残業を減らす取り組みが盛り上がっていますが、スイスの場合は昔から法律で徹底されています。

私が勤務する会社の労働時間は週に42時間です。

毎週日曜日に会社のシステムが自動計算し、先週の超過勤務時間が表示されます。

超過時間は基本的には休暇を取ることで調整します。

たとえば毎週金曜日の午後は帰宅するとか、まとめて1週間分休むといった方法です。

どうしても超過時間が消化できない場合は年に一回、残業代として支払われますが、残業代の支払い月は所得税が跳ね上がりますので、現地の人たちは休みとしてもらった方がお得だと考えているようです。

また、超過時間が年間170時間を上回ると、直属の上司と人事部門のマネージャが法的に処罰される仕組みになっています。

会社全体が処罰されるというのではなく、個人が処罰対象になるのが面白いところです。

この170時間というのは累積の数字となっており、超過勤務分を休暇として調整しても減らない数字です。

要するに、1年間にリミットを超えた残業は認められていないということになります。

自分自身が処罰対象になりますので、労働時間についてはマネージャの目が厳しく光っています。

その中で求められるアウトプットを出さなければならないため、常に時間を気にした働き方になるのは当然になります。

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スイスの業務は責任範囲が明確!効果的に仕事の進めるためには

日本企業ではまだあまり馴染はありませんが、現地企業では仕事の内容はJob Description(以下、JD)に明記され、責任分担が明確です。

日本では、仕事のできる人に仕事が集中しやすい環境が当たり前と思っていますが、スイスではそんなことはありません。

JDに記載されていることがすべてで、自分の責任範囲以外は全くと言っていいほど気にしません。

JDに記載されたことを規定の時間にこなすことが優秀な社員ということであり、気になるからとJD以外のことをやると「人の仕事を取るな」とクレームを受ける羽目になります。

また、若干の配慮はありますが、基本的には仕事をスタートした当日から「これはあなたの責任範囲だから」とアウトプットを求められます。

多くの場合は前任者のポストが空いてから後任が採用されますので、引き継ぎを受ける機会はないと考えておいた方が良いでしょう。

日本の企業のように会社が社員を育てるという感覚はありませんので、就業する前に「自分は何ができるか」を明確にしておく必要があります。

以上のように、スイスでは責任分担が明確ですので、一つの仕事で複数の担当者に責任がまたがる場合、担当者全員を集めて会議を行い、全員の合意を取ることが効率的に仕事を進める秘訣です。

プロジェクトの最初には声がかからず、あとになって声がかかった場合、へそを曲げてしまう人が多く見受けられます。

その場合、仕事の完結は難しくなりますので、「最初に誰に声をかけるか」、この点はくれぐれも注意が必要です。

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個人的なつながりを忘れずに

会社の中ではJDに従い、一つの枠で働き、人のことはあまり気にしないという一面がある一方で、個人的なつながりの大きさは無視できません。

といいますのは、こちらでは数年単位で会社を渡り歩くことが当たり前だからです。

補足しておくと、こちらの企業では日本のように通勤手当は出ません。

どこに住んでいるかは会社の責任ではないという考え方です。

よって、転職する場合は基本的には自宅近く、30分以内で通える企業を探すのが普通です。

結果として、一つの地域内で人がグルグル回る格好となりますので、その地域のなかで認められ、ある程度の評判を獲得するのが重要となります。

会社で転職者を採用する際、その人の知人が社員にいれば、その知人の意見が採用に影響を与えることは多分にあります。

例として、私の同僚の話。いざこざが一点・・

ある案件で彼が他の社員といざこざになりました。

この先どうなるのかとハラハラしながら見ていましたが、ある日突然、2人が仲良く話しているのを見ました。

とても不思議で、何があったのかと質問したところ、「自分たちには共通の友人がいることが分かった。友達の友達は友達だろう?」というどこかで聞いたようなセリフが飛び出し、2人肩を叩いて大笑いしていました。

スイスでは各地でイベントを多く開催していますので、積極的に参加してみるのは大事です。

会社の中では、顔を知っているけど話したことのない人を見かけたら、積極的に話しかけてみてください。

趣味が合う場合は一気に打ち解け、こちらでの生活が公私ともに充実したものになります。

スイスでは休暇は存分に楽しむ

最後にスイスの休暇の仕組みを説明します。

日本での有給休暇は病気になった場合に割り当てるケースが多く、付与された日数すべてを使い切ることは稀なのではないでしょうか?

スイスでは、支給された有給休暇は全て使い切らなくてはなりません。

会社の新年度が始まり、新たに休暇が付与されるとマネージャに休暇計画を提出します。

マネージャは部下からの計画を見て仕事が回るように調整をかけてきますが、休暇の位置付けはかなり高く、調整する場合も「もし、まだ予約していないようだったら日付を変更してほしいんだけど…」といった具合です。

年に1度は2週間連続の休暇を取得することが会社の就業規定のなかにも記載されており、つくづく休暇ファーストな国だなと感じています。

病気になった場合は、上司に会社を休むと連絡を入れればOKです。

病欠は有給休暇とは別枠で設けられています。

2日まではそのまま休めますが、3日以上連続で休む場合には医師の診断書の提出が求められます。

日本のように病院に行けばすぐ診療してもらえるというわけではなく、かかりつけの医師に予約をとる必要がありますので、こうした仕組みになっているのだと思います。

また、小さい子供がいる場合、子供が病気になった場合にもこの病欠休暇は認められています。

会社の役員は別かもしれませんが、マネージャであっても休暇中に仕事をすることはなく、存分に休暇を楽しんでいます。

完全に仕事から切り離される時間を持つことで、より良いアウトプットを出すことができると考えているため、休暇を取っている社員に対して仕事上の連絡をすることはありません。

会社との雇用契約において、フルタイムで働く場合は100%となりますが、80%や60%の契約も多く見受けられます。

いわゆるパートタイマー的な扱いですが、こうした人たちにも有給休暇の日数だけは100%与えられます。

スイスで働く前に抑えよう!

スイスの現地企業で働く場合、日本での村社会のような仕組みが絡み合っており、なかなか最初の土俵に乗るのが難しいですが、一度入り込み、馴染んでしまえば芋づる式に機会が与えられる仕組みになっています。

最初が肝心ですので、何とかしてコネを作る、もしくは自分にしか出せない価値を磨いて、ぜひチャレンジしてみてください。

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