バングラデシュ、と聞くと何を思い浮かべるでしょうか?
カオス、貧困、NGO、洪水、衣料品輸出、2016年に発生した日本人も犠牲になったテロ事件…
なかなかポジティブなイメージは持たないかもしれませんが、ここでは、現地に住んで3年になる筆者が、バングラデシュ移住のメリットやリアルな現状を紹介したいと思います。
バングラデシュ移住メリットその1. 圧倒的な子育てのしやすさ
現在、2歳児と0歳児の母親である筆者。
そんな私が心から感じているバングラデシュの一番のメリットは、何と言っても「子育てのしやすさ」にあります。
日本では、母親だけが家で子供の面倒を見て、父親は仕事で帰りが遅く、自分の実家は遠く離れたところにあるのでなかなか助けも求められない、と言ったような、いわゆる「ワンオペ育児」が問題になっていると思います。
そのワンオペ育児がもたらす母親への孤独感や疲労感、自己肯定感のなさと言ったら、言葉では表しきれないものがあるでしょう。
その点、バングラデシュで子育てをするにあたり一番助かっているのは、「身の回りに多くの人手があること」です。
メイドや母親が大きな助けに
私は現在、夫と2人の子供以外に、夫の甥っ子(20代後半)、メイドさんと一緒に生活しています。
甥っ子はともかく、メイドさんを雇う文化はバングラデシュではとても普通ですし、一ヶ月約1万円で雇えるので金額もリーズナブルです。
私と夫は共働きなので、普段はこの甥っ子やメイドさんが、子供達の面倒を見てくれます。
私や夫が仕事に行っている間はもちろん、在宅時でも自分の具合が悪い時や単に疲れを感じている時は、子供達の面倒を気軽にお願いできる人がたくさんいるのです。
たまにある出張も、子供達は自宅に置いて行ったりしたこともありました。
親無しで数日間も大丈夫かなという不安をよそに、元気に過ごしていてくれたようで本当に安心しました。
上の子が外に行きたがった時は、よく甥っ子が外に連れ出してくれますし、メイドさんは下の子にミルクをあげたり、 離乳食を作ったりしてくれ、私の外出中は食べさせておいてくれます。
ミルク用のお湯の準備やミルクボトルの洗浄、あとは紙おむつと併用している布オムツの洗浄もメイドさんの仕事です。
あまりにも手伝ってくれる人がたくさんいるので、最初はなんとなく「自分は楽しすぎなのではないか・・・」と思っていました。
しかしながら徐々に、当初自分の気持ちのどこかにあった「母親だから子どもは自分で世話をするべき」という、自分で自分の首を締めるような思い込みはいつの間にか消え、どちらかというと「家族みんなで育てる」というマインドに変わってきました。
今では、うまく人を使って、仕事とも両立しながら、バランスの良い生活を送れている、といった感覚です。
このように、たくさんの人手があるおかげで、夫とふたりで外食に行けたり夫婦の時間も取れるようになりました。
子育てや仕事、自分の時間や夫との時間のバランスも取れ、育児の悩みというのがほとんどなく、これまで過ごせています。
外出先でも子供の面倒を見てくれる人々
子どもの面倒を見てくれる人が多いという話は、家の中に限らず、外出先でも同様です。
息子を連れて外食した際、食事中はお願いすれば暇な店員さんが子供達の相手をしてくれるので、大人はゆっくり食事をすることができます。(店の規模やお客さんの数に対して、従業員の数がいつも多めなので、暇している従業員さんの比率も高めなのです。)
背景としては、バングラデシュでは大家族が多く、家族や親戚間のつながりがとても強いため、バングラデシュ人は昔から、普段の生活の中に小さな子どもがいる環境に自然と慣れているのかもしれません。
バングラデシュ移住メリットその2. 社会問題やソーシャルビジネスに触れられる
日本に住んでいると、貧困やインフラ・生活環境の悪さ、汚職など政治的な問題に、真正面から対峙する機会は少ないと思います。
ですが、バングラデシュでは日常的に、そのような社会問題を直視することになります。
- 道中を歩いて物乞いをしている乞食
- 穴だらけの道路やすぐ停電・断水する脆弱なインフラ
- 豪雨が降ったら家にも浸水し
- 仕事をすれば賄賂を払わないとプロセスが全く前に進まない…
などなど。
心穏やかに楽しい海外生活を送る、とはかけ離れていますが、このような体験はバングラデシュのような新興国でないと味わえられないものです。
ここから学びであったり、具体的な解決策、そして自分なら何ができるか?まで主体的に考えられる人にとっては、バングラデシュに移住することは自身の成長につながるため、適していると思います。
そして社会問題が山積みだからこそ、NGOをはじめとしたソーシャルビジネスもたくさん産まれているのがバングラデシュの魅力です。
一番有名な「グラミン銀行」
グラミン銀行といえば、ノーベル平和賞も受賞したムハマド・ユヌス氏が、貧困救済のため、少額融資を始めたことからスタートした、世界を代表するマイクロファイナンス組織です。
バングラデシュといえば貧困、そしてそれらを救済するためのマイクロファイナンスで有名なので、その金字塔のグラミン銀行は一見の価値ありです。
ストリートチルドレン問題
他に、バングラデシュに根強く残っている問題の一つといえば、ストリートチルドレン問題。
この問題解決のために、NGOなど多くの団体がストリートチルドレン救済のために活動しています。
中には、日本人が代表を務めていらっしゃる「エクマットラ」という団体もあります。
アポイントを取ればいつでも訪問できるようなので、訪れてみるとこの国の実態を垣間みることができると思います。
バングラデシュ移住メリットその3. 新興国ならではの急成長の活気を味わえる
まだまだ国力が弱いバングラデシュですが、主要産業の衣料品・縫製品や、安定的な農業生産、好調な輸出を背景に、実質GDP成長率が10年以上に渡り約6%を保っています。
そして、人口が1億5000万人を超え若者の比率も高く、豊富な労働力を有しています。
BRICSに次いで高い潜在性があるとみられる国「NEXT11」にも選出され、大きな成長性を秘めた国、と世界でも認識されているのです。
バングラデシュで今後成長が大きく見込まれているのは 、ICT産業です。
安い労働力に加え、高い理系能力や英語力(国内トップ大学の学生たちのTOEIC平均は950点だそうです! )は、バングラデシュの大きな強みです。
そのため現在では、バングラデシュで優秀なエンジニアを育て、中国やベトナム・インドに続く有力なオフショア開発拠点として注目する企業が増えてきているのです。
近年は特にこのITの分野で、バングラデシュを拠点にスタートアップを構えるビジネスマンも少なくないです。
ブルーオーシャンで勝負をしたいビジネスマンには、バングラデシュは外せないマーケットになります。
また、バングラデシュに少しの間住んでいるだけでも、中心部では大きなビルが続々と建設され、道路がきれいになり、メトロの開通のための工事も行われ始め、その成長をデイリーベースで、この目で確認することができます。
このような変化のスピードが極まりない環境で、その成長を直に感じたい方には、バングラデシュはこの上ない移住先の選択肢でしょう。
個性的な体験ができるバングラデシュ移住
バングラデシュは、その国の特殊性ゆえ、移住するメリットがかなり個性的で、それなりに強い目的意識が無いと、合う国ではないのかな、と感じます。
反対に、バングラデシュで自分の求めることが手に入りそう、と感じた方には、住む苦労も多いですがそれ以上の学びをたくさん得られるはずです。
自分のニーズと向き合った上で、バングラデシュ移住、ぜひご検討ください。
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