誰もが一度は行ってみたいと憧れるアメリカ。日本からはハワイやグアムへの旅行者も多く、身近な国の一つです。
しかしながら、オーストラリアやカナダのような比較的取得が簡単なワーキングホリデーのシステムは無く、大使館の面接審査を通過した上でのビザ取得が必須となります。
では日本人がどうすればアメリカに滞在できるのか、ここでは日本人が取得できるビザの内容をご紹介致します。
※トランプ新政権への移行に伴い、各ビザの内容変更、申請条件変更の可能性が出てきています。申請時には必ず弁護士や大使館のホームページを再度確認ください。
尚、アメリカには約30種類のビザがありますが、ここでは特に多くの日本人が取得しているビザをご紹介します。
他のビザについてもこちらのWebsiteに記載しておりますので、ご確認ください。
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①ESTA(観光ビザ)
特徴:
観光の際に必要なビザで、最も多く利用されています。3か月以内の短期的な滞在の際はこのビザが手続きも簡単なので、とりあえずアメリカに行ってみたい!という方にはおすすめ。
アメリカ本国ではない、ハワイやグアムに渡航する際も必要です。過去に他の米国ビザが却下されたことがある方は許可が降りないケースもあるので、前もって専用ホームページから申請しましょう。尚、滞在期間での就業は違法となっているので、例え1週間の出張の場合であってもESTAは利用せず、就労ビザを取得してください。
滞在可能日数:
90日間
申請に必要なもの:
パスポート、滞在先の住所が分かるもの
申請方法:
オンライン(ESTA Website)内容に沿って個人情報、パスポート情報を入力(その場で申請結果が確認可)
条件:
- パスポートの有効期限が90日以上
- 観光目的であること
(入国時に「出張です」等と言うと「別のビザを取得してください」と日本に戻されるケースも有るので注意!) - 犯罪歴がない
- 他のアメリカのビザを取得していない
- シリア・イエメン・イラク等の中東国に2011年3月以降渡航していない
(その他の対象国については、Websiteで確認してください)→この条件は他全てのビザにも該当
②Fビザ(学生ビザ)
特徴:
主に語学留学の際に利用されるビザで、ESTAの次にポピュラーです。このビザを保持している人はアメリカで就業することが認められていないので注意。(特定の語学学校を卒業してからの1年間はOPTというビザが発行され、その期間は就業可能。OPTを希望される方は、必ず学校のホームページやアドバイザーへ確認を取ってください)長期でアメリカに滞在でき、比較的取得しやすいビザのためFビザです。
このビザを取得してからアメリカで就職活動をする日本人が多いのですが、Fビザ→HビザやEビザなどの就労ビザの取得は極めて難しいことを理解した上で取得してください。
アメリカで就職活動を開始後に就労ビザの難しさを知る日本人の方が多いので注意!長期滞在や移住よりは語学学校の為、と割り切って渡米できる方におすすめです。
滞在可能日数:
6か月~5年(語学学校の在籍期間により随時更新)
申請に必要なもの:
- DS-156フォーム(領収書を添付)
- パスポート
- 5cmx5cmの証明写真
- I-20、I-901 SEVIS費確認書
- 入学許可証明書もしくは許可が証明される書類
- 成績証明書(最終学歴の最後3年分)
申請方法:
- アメリカ大使館・領事館での面接(面接の予約はWebsiteから)
- 90日以上前から予約可
条件:
- パスポートの有効期限が6か月以上
- 認定された学校への入学が認められている
③H1-Bビザ(就労ビザ)
特徴:
アメリカの4年制大学へ留学した学生がそのままアメリカで働く場合、最もポピュラーなビザです。(日本在住の方の取得も可能)申請から取得できるまでの確立は約30%(2016年4月時点)以下と言われている難しいビザでもあります。
尚、取得する際に大学または大学院のメジャー(専攻)が大きく就職に影響するので、Hビザを将来的に申請したい方は専攻の選択を慎重にしてください。(例えばマーケティング学部卒にも関わらず、会計士としてビザを取得することはほぼ不可能です。)
①学部②職歴③米国での職業(ビザ取得時にどんな職種かタイトルがつけられます)に統一性があると審査に通りやすいので、将来を見据えた学校選びとビザ申請が必要です。
滞在可能日数:
最長6年(随時更新/雇用先から解雇された場合は2週間以内にアメリカから出国しなけばならない)
申請に必要なもの:
- DS‐160フォーム
- パスポート
- 5㎝×5㎝の証明写真
- I-129S フォーム
- 成績証明書
- 卒業証明書
申請方法:
アメリカ大使館・領事館での面接(面接の予約はWebsiteから)
通常はビザをサポートしてくれる企業側が弁護士を雇い、書類を揃えるためご自身で手続きをする可能性は低いです
条件:
4年制大学を卒業もしくは4年制大学卒業者と同程度の学力を有する。※短大卒の方は最低6年以上の職務経験が必須。専攻(職歴)と職種に統一性もしくは関連性がある
④Eビザ(貿易業者・投資家用ビザ)
特徴:
主に会社からアメリカに出向される駐在員が取得するビザです。
各企業ごとにEビザの取得枠が決められており、その範囲内で駐在員の人数を調整します。駐在員以外の現地社員へも取得が可能であり、条件として同業での経験・管理職レベルの人材であることなどがあげられます。最低でも社会人経験5年と言われています。
尚、Eビザをサポートしてくれる他企業への転職も可能ですが、ビザの切り替え(トランスファー)で却下されてしまい、残念ながら日本へ強制帰国というケースもあります。Eビザ取得後のトランスファー時は弁護士と慎重に相談をしてから行うことをおすすめします。
滞在可能日数:
5年(その後、企業側の判断によって更新可能)
申請に必要なもの:
- DS-160 フォーム
- 5㎝×5㎝の証明写真
- パスポート
- DS-156E
- 組織図
- 英文レジュメ
申請方法:
企業登録後にアメリカ大使館・領事館での面接(面接の予約はWebsiteから)。Hビザと同様に通常はビザをサポートしてくれる企業側が弁護士を雇い、書類を揃えるためご自身で手続きをする可能性は低いです
条件:
- 日本国籍保持者(他の国籍の方は申請できませんので注意)
- 管理職以上のポジションでの採用
- 米国への永住意思がないこと
⑤K-1ビザ(婚約者ビザ)
特徴:
アメリカ人(US Citizenであり、アメリカのパスポートを保持している)の相手と婚約となった場合は、日本からKビザを申請→渡米→結婚→Green Card申請という流れになります。2017年1月現在では半年から1年かかると言われているので、プロポーズされた方は一日も早く申請してください。
今回は日本からの申請方法について記載していますが、他国やアメリカ国内からも申請可能ですので、弁護士の方と相談して最短の方法を選ぶのがベストです。
関連記事:
アメリカのK1ビザ取得までのステップ(申請の流れや面接について)
滞在可能日数:
入国後90日間→結婚
あめり申請に必要なもの:
- I-129Fフォーマット
- パスポート
- DS-160
- 5㎝×5㎝の証明写真
- 戸籍謄本
- 犯罪歴証明書(警視庁で取り寄せ)
- 健康診断結果
- 交際していたことを証明できる写真や手紙、クリスマスカード
申請方法:
申請者のプロフィール登録後にアメリカ大使館・領事館での面接(面接の予約はWebsiteから)
条件:
- お互いが未婚であること
- 米国入国後に結婚する意志があること(90日以内)
まとめ
アメリカのビザは頻繁に法律が変わり、申請条件にも影響するケースが多くあります。冒頭に記載しているようにトランプ新政権に伴い、各ビザの審査基準を変更することも発表されています。(例としてHビザは審査時の初期段階として抽選システムを導入していましたが、今後はエンジニア職などの高給な人材から優先的に審査することが発表されている)
ご自身のスキルや職歴によって申請可能なビザが増える可能性があるので、渡米を考える際はまずは弁護士へ相談されることをおすすめします。
尚、アメリカ政府の申請手続きは非常にルーズであることもお忘れなく!
1か月でビザが取得できることもあれば、1年以上かかるケースもあります。いち早く取得する唯一の手段は、書類の不備をゼロにすること。不備があると再提出となり、審査員の手に届く日がさらに遅くなってしまいます。
あなたのアメリカライフが素敵なものとなるよう、どのビザを申請し、さらには将来的には切り替えをするのかどうかまで検討することをおすすめします。
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