アメリカの大学で学び、そして、そのまま就職を目指す方も多いでしょう。
今回、アメリカでの就活体験談をご紹介します。
高校を卒業後に単身でアメリカのアイオワ州へ留学生として渡米し、およそ6年間の学生生活を経て就職。就職活動をアメリカで行った経験者から、就活で知るべき知識や秘訣をご紹介します。
「アメリカで就活」と聞くとどんなことを想像しますか?
ぜひこの体験談をもとに、アメリカ留学についてもっともっと知ってもらえたらと思います。
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まず、留学生はアメリカで就労できるの?!と思われた方へ
留学生が現地で就労することは可能です!
アメリカにいる留学生はみなF1ビザという学生ビザを取得し、学校へ通います。
このF1ビザには様々な規定がありますが、そのなかでみなさん、OPTとCPTということばを聞いたことはありますか?
- OPT:オプショナル プラクティカル トレーニング(optical practical training)
- CPT:カリキュラー プラクティカル トレーニング(curricular practical training)
と訳されます。
実はこの2つ、F1ビザ保持者がアメリカの移民局から与えられる労働許可書のことなのです。
この2つの労働許可書を申請し、許可をもらうにはいくつかやらなければいけないことがありますが、後ほどお伝えしたいと思います。
CPTとOPTとは?
CPT
4年制大学で心理学を専攻していた私は、大学生活2年目(大学二年生)の頃にCPTを申請しました。
通っていた大学の留学生担当者と何度か面会を重ね、必要書類などを集めました。
CPTの許可書への準備から申請、そして許可書を得るまでは大体2ヶ月から3ヶ月かかります。
このCPTというのは留学生が自分の専攻分野に関連した企業で在学中に働き、実践的な体験を通しそれを学業の成功へとつなげていくためのプログラムです。
週に20時間以下の労働がアメリカ国内で可能です。
ちなみにこのCPTには2つ大きな決まりがあります。
1. 就労開始時期
1つめはCPTを使い就労を始められる時期についての決まりです。
CPTでの就労をする際、学生は大学で選択した専攻を1年間終えなければならないこと、というものがあります。
私のように4年生大学に通い心理学を専攻した場合、大学2年生の時にCPTを使い就労が可能になるということです。
2. 就労できる期間
2つめは、就労をする際の期間についての決まりです。
CPTでの就労期間は在学中のみ認められます。
在学中のCPTの際、就労時間はそのまま大学の単位へと換算されます。
一般的にアメリカでの大学単位、1クラス=3単位となっています。専攻によって多少異なりますが、CPTでの就労が許可された場合には1学期で取るクラスのうち1つがCPT用となり、就労したということでそれが単位として扱われます。
普段の授業では宿題、テストなどありますが、このCPTで就労することにより、1つのクラス分の単位が就労をしたということで取得できるということです。
私の場合、前のセメスター中にインターンシップを行っていた場所でひき続き働くことを決め、夏セメスターの単位をCPTを通し取得しました。
OPT
一方、OPTとは大学卒業後に与えられる労働許可書です。
この許可書には12ヶ月という期限がつきます。
取得後から約1年間、アメリカ国内での就労が可能です。
CPTと同様、就労先は自分の専攻分野に関連した企業で働くことができます。
ただし、このOPTには特殊専攻分野(STEM)というカテゴリーがあり、指定された特殊専攻分野を専攻し、卒業した生徒には通常の12ヶ月というOPTでの就労期限の際、のちに24ヶ月の就労期間延長ができることもあります。
この特殊専攻分野は
- 科学(例、森林学など)
- テクノロジー(例、コンピュータープログラミング)
- 工学(エアロスペースエンジニア)
- 数学(統計学)
などの専攻がに指定されています。
あくまでも私が記載した特殊専攻分野の例はほんの一部になります。
気になるかたがいたらSTEMの公式ウェブサイトを拝見してみてください。
URL:STEM OPT
特殊専攻分野に指定されている全ての専攻のリストも閲覧可能です。
参考記事:OPTとは?アメリカ留学からインターンシップ・就職を実現する方法
私の行動計画
CPTとは少し違い、私の場合はOPTの申請から許可書がおりるまでの時間2ヶ月から3ヶ月の時間を見計らい、大学卒業の4ヶ月前に申請をしました。
卒業後、すぐに就労し期限間の12ヶ月を有効に使うためでした。
ちなみに心理学は特殊専攻分野(STEM)に当てはまらないため、心理学専攻で卒業する自分には1年間しか働く期間が与えられないとわかっていました。
卒業が4月だったため、前の年の12月頃からOPTの申請、希望就職先を調べ始めました。
実際にOPTが届いたのは卒業の約1ヶ月前でした。
在学中は心理学、刑事司法制度を専攻したので犯罪学などにもすこし興味がありCriminal Justice (刑事司法制度)に携わる仕事先を必死になり探しはじめました。
大学生がアメリカで就労先を見つける方法
大学の設備を利用する
一番おすすめな方法は大学にあるキャリアセンターへいくことです。(ほとんどの大学がキャリアセンターを持っています)
在学していた大学には常時5人から8人程度のキャリアカウンセラーがおり、事前に面会の予約をしておきます。
留学生はこのような場合、大学の留学生カウンセラーも交えて話を進めていくことがとても大切です。
留学中、私たちは外国人として扱われるので現地の法律やきまりに当てはまったりそうではなかったりと。。いろいろ難しいことがあるので 特に気をつけなければいけません。
キャリアカウンセラーとの面会では就労先を一緒に探したり、レジュメの編集、面接の練習などなどのフルサポートが無料で受けられます。
このキャリアセンターで最終的に2箇所の希望先を見つけ出し応募をしました。
効率的にネットから仕事に応募する
アメリカでは以下のインターネットサイトが主に使われています。
これらのサイトは似たようなものどうしであり、就労先希望の場所(地域)や学歴を記入して絞られた中からたくさんのリストが表示されるようになっています。
気になった仕事があればサイトから直接仕事に応募することもできます。
日本の求人サイトと似たようなものです。
私は実際にIndeed.comでも数カ所の就労希望先を見つけ、応募しました。
人脈を有効に使う!It’s all about who you know in the field
これはいわゆるネットワーキングと同じです。
アメリカではよくこんなことを言います。
“It’s all about who you know in the field”イコール=“仕事では人脈や人間関係が大切”というニュアンスと意味です。
この人脈や人間関係をネットワーキングと例えることがあります。
例えば、興味がある仕事先に知り合いがいる、参加したセミナーまたは勉強会で知り合った知人がいる、など当たるつては様々です。
私の場合は大学の教授、そしてセメスター中に行ったインターンシップ先からつてを探しました。
膨大なEメール、電話のやりとりを行い多数の就労希望先を見つけることができました。
就労先への応募方法
書類審査
正直大変なのはここからです。。
卒業前に応募した企業は全部合わせて27社でした。
上に書いた3つの方法を使い希望就労先を探したところ、応募の際は多くの企業はレジュメとカバーレターを必要提出書類とし、それらを第1審査として使います。
レジュメ(レジメ)はいわゆる履歴書のようなもので、自分の学歴、職業履歴、スキルなどなどを詳しく書くものです。
留学生の私にはレジュメ(レジメ)の最後のページにContacts (連絡先)を付け加えることが大切です。
このセクションには大学の教授や留学生担当カウンセラーの名前、そして連絡先などを記載します。
企業は合否を決める際、このContactsの中から誰かを選び直接連絡をしてくることが多々あります。
この際、自分と親しい教授などをリストアップしておくといいです。
より自分のことをよく評価している(学面や生活面)教授こそ、希望就労先へ一歩近ずける鍵になります。
カバーレターとは就労希望先へ自分の熱い意思を伝えるための手紙のようなものです。
このレターのなかでは、
- どうして希望先へのポジションに興味があるか
- 自分の持っているスキルや過去の実績がこのポジションにどういう形で役に立つか
などを簡潔にまとめて書きます。
カバーレターに勢いがあるだけでも採用担当へとても良い印象を残せることができます。
これらのレジュメ(レゼメ)とカバーレターに関するアドバイスは大学のキャリアセンターからもらったものです。
アメリカ就職・面接の流れ
面接
応募した企業27社から私が書類審査を通過し、面接に呼ばれたのは6社だけでした。。
この結果を聞いた時とても落ち込みましたが、どうにかして仕事につきたいという気持ちがあったので面接に力を入れようといろいろな準備をしました。
これらの6社は、希望した刑事司法制度や心理学に関わるお仕事でした。
面接の日時などは事前に担当者からEメールで知らさせます。丁寧に返事を書き、あとはひたすら面接の練習をする毎日でした。
私が特に力を入れたのは、表情にも行動にも自信があるように見せる練習です。
すこしでも緊張している姿や、自信がなさそうな印象を残したくなかったのです。
実際の面接は・・
面接当日は日本でいう就活スーツ(すこしラフなものです)を着て向かいました。
ほとんどの企業が3人から5人の面接官を使用し、就職希望者に対して順番に質問を投げかけます。
刑事司法制度に携わるお仕事の面接では
- 道徳に関する質問
- 就職希望者の精神力(メンタルや意思の強弱)
を図るようなが多かったです。
例えば、
- あなたは人の幸せを恨んだことはありますか?
- 貧しい親子がお腹の空いた子供に食べさせるために盗みを犯すのは罪ですか?
- 過酷な状況に置かれ、ストレスを抱えた時にどのような方法であなたは対応しますか?
などなど、心理学に携わるお仕事の面接では多くの状況質問を聞かれました。
こんな状況の時あなたはどうしますか?幾つかの対応法を答えてください、などでした。
面接が終わると、何か質問はありますか?と尋ねられ、その会話が終わると部屋を出され、家路へと向かいました。
採用合否の通知
6社の全ての面接を終えたのは5月の半ばでした。
もうOPTの使用期間は始まっていたので早く合否が来るのを日々待っていたのを思い出します。
1週間、1ヶ月とどんどん時間だけが過ぎ全く連絡が来ませんでした。
まさか全社落ちてしまったのかと心配になり、とった行動は・・・こちらから連絡を入れることでした。
- 担当者へEメールを送ったり
- 電話をかけてみたり
- 時には自分の足で企業へ行ってみたり
もしました。
この期間は今思えば本当に辛かったです。
先が見えずかなり落ち込んでいました。
信じられないことに6社中、連絡が来たのはなんと3社だけでした。しかし・・
ここからが本当のアメリカでの就活体験です
3社とも電話で合否を通知をされ、残念ながら3社からの返事は不採用でした。
不採用の理由を尋ねると3社揃い伝えられたのが
- アメリカ国籍を持っていないため
- 就労期間が短すぎる
の2つでした。
おおまかに言うと私が希望していた刑事司法制度に携わるお仕事は、政府の元で経営が成り立っているため(いわゆる公務員)外国人は仕事にはつけないということです。
日本でも同じですよね。
事前にリサーチなどを踏まえ知っていた事実でしたが、実際に目の当たりにするととてもショックでした。
もう1つの理由として、“就労期間が短すぎる” というのは就職活動をする全ての留学生に当てはまるとても残念な事実です。
企業側としては、業務に必要なトレーニング、研修などを1年間しか就職期間が与えられた者に与えるのはかなりの損なのです。
そこを踏まえると、同時に企業へ就職したアメリカ人へ仕事を与えるのが当たり前の状況になってしまします。
厳しいですがこれが私が直面した現実です。
実体験から学んだアメリカでの就職活動を成功に近づけ、より効果的にするためには
就活に大失敗をしてしまった私がみなさんにアドバイスできることは、
- 留学をする際に専攻分野を見極めること
- インターンシップを多くの場所で行う
- そしてもし失敗したからといっても目標があるならば諦めないこと
です。
最初の方でも話したように、OPTには特殊専攻分野(STEM)というカテゴリーがあり、これらの専攻分野は12ヶ月後の期限後に24ヶ月の延長ができることもあります。
卒業後の先(就職)を見据えて留学を始めようと考えている人にはこの専攻分野の選択がとても大事になると思います。
労働期間が長ければ長いほど就職に成功する確率も上がると思いますし、特に特殊専攻分野に携わる人材への需要は私が勉強した心理学などよりかはかなり多いと思います。
そしてインターンシップを多くの場所で行うことはネットワーキングに繋がります。
専門としている職の間で知っている人、親しい人が多ければ多いほど仕事の紹介や面接してもらえるなどといった機会が舞い込んでくると思います。
やはり諦めないこと
最後に、もし就職活動に失敗したからといっても目標があるならば諦めないことです。
これはまさに私自身のことなのです。
惨敗のニュースを目の当たりにした時はかなり落ち込みましたが、わたしにはこの留学を通し夢と目標ができました。
将来は刑事司法制度と心理学を交えた犯罪心理学者になりたいのです。
就職活動に失敗したからといえども目標を達成したい気持ちはブレませんでした。
それから、大学院へ行くことを決め、さらなる学業の飛躍を叶えるために日々勉強しています。
私にとって今回の惨敗がとてもいいバネとなり、やる気を与えてくれた気がします。
一生懸命に取り組んだ就職活動には一切後悔の気持ちはなく、清々しい気持ちで幕を降ろせたことが何よりです。
留学はひとそれぞれ違うものであり、今回は私のアメリカでの就職活動体験をお話しさせていただきました。
アメリカで大学後の就職を視野に入れている方は、私の体験をぜひ参考にしてくだされば嬉しいです。
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