【現地在住者が語る】スロベニアのリアルな治安事情。8つの注意点と安全対策

スロヴェニアのリアルな治安と安全対策

近年、フランス、イギリスなどの大都市を中心にテロが多発しています。観光客も含め、人やモノの往来が自由にできるヨーロッパは、特に犯罪への警戒が必要です。

この記事では、現地在住者より東欧の国・スロベニアの治安について、日々の生活レベルで気を付けるべきポイントをまとめていきたいと思います。

外務省のスロベニアの治安情報

外務省の海外安全ホームページによると、2020年2月8日時点、スロベニアで国際的なテロ組織によるテロ事件が発生したことはありません。

しかし一方で、これまで3人のスロベニア人がシリアの戦闘に参加したことが明らかとなっていて、そのうち1人の自宅からは殺傷能力の高い武器が押収されました。

また、シリア、イラクを中心とした中東地域から、ギリシャを経由して欧州を目指す難民が増え、スロベニアもいわゆるそのバルカンルートに位置しています。

今のところ日本人が巻き込まれた大きな犯罪は報告されていませんが、テロはいつどこで起きてもおかしくありません。外務省や大使館が発表する最新の情報を常にチェックしましょう。

たびレジ:https://www.ezairyu.mofa.go.jp/

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スロベニアで注意するべき8つの犯罪と対策

スロベニアは比較的治安が良い国といえるでしょう。

昨年のThe Global Peace Indexのランキングでは、世界8位の治安の良さを誇り (日本は5位)、筆者自身スロベニアで生活をしていてそれほど恐い思いをしたことはありません。

ですが、人口あたりの犯罪発生率は日本の約4倍に上り、日本人の被害も年々増加しています。

日々の生活で少し気をつけるだけも犯罪に遭うリスクは大幅に減らせます。以下ではその対策も含めてまとめたいと思います。

①スリ

これはスロベニアだけでなく、どこの国に行っても注意が必要です。人の多い空港、観光地では特に気をつけましょう。

あからさまに現地に慣れていない日本人は恰好のターゲットになりやすいです。

まずは混雑したバス。

スロベニアのメインの交通手段がバスなので一番気を付けなくてはいけませんが、逆に慣れてしまうと気が緩みがちです。混んだバスではスリに十分気を付けましょう。

対策:

マナーとしても、混雑した公共機関を利用する際、リュックなどは体の前に持ちましょう。カバンの口もきちんと閉まっているか確認しましょう。居眠りもなるべくしない方が良いです。

どうしてもというときは、カバンは斜め掛けにする、人がいない窓側に置くなどして気をつけましょう。

②置き引き

駅や公園のベンチなどでカバンを脇に置いてスマホをいじる…やりがちなことですが、荷物から目を離すのは危険です。

私の友人は、実際そういうシチュエーションで荷物を盗まれかけました。

盗られる瞬間に気づいたので慌てて「それ私のです!」と言ったものの、「どうして証明できるの?これは僕のだよ」と返されてしまったそうです。なんという大胆さ…!!

また、日本ではフードコートなどに行くと荷物を置いて席取りをすることが多いと思いますが、それも置き引きのリスクにつながります。見落としがちですが大学の構内も注意しましょう。

対策:

スリの対策と同じです。

荷物を体から離さないようにするだけでも被害を減らせます。

カバンを置いたまま席を立つときは、面倒かもしれませんが、仲間と順番交替するなどして常に手荷物のそばから離れないようにしましょう。大学では、隣の席の人に荷物を見ていてくれと頼むのも有効です。貴重品は肌身離さず持ち歩きましょう。

また置き引きとは違いますが、持ち逃げにも気をつけましょう。

観光地で他の人に写真を撮ってもらうこともあると思います。そのままスマホを持ち逃げされたという話はスロベニアでは聞いたことがないのですが、観光地にはいろんな人が集まってきていますから念のため注意しましょう。

スマホケースにカード類を入れている人はそれらを抜いてから渡す、パスワードロックを解除しないカメラを使う、などの対策ができます。

他にも、長距離バスなどで荷物を預ける際に、荷物に名札をつけておくと取り違いの防止になるだけでなく、持ち逃げに気付いた時に自分のだと主張できます。

ダミーの財布を用意する、常にリュックを体の前にもつ、とまで厳重な対策は必要ないとは思いますが、最低限の警戒心は常にもっておきましょう。

【厳選!安全対策グッズと知識をお伝えします】

・財布の数は2つ以上
・革財布で高級感を。さらにチェーンも複数つける
・「スキミング防止」機能付きのパスポートケースやバッグを選ぶ
・体に密着したかばんを持つ
・窃盗防止アイテムをいくつか所持する
・犯罪の100倍遭遇!?交通事故を防ぐ反射リストバンド
・スーツケース施錠は必須。必須の南京錠
など、防犯グッズと安全対策を押さえておきましょう。

詳しくは:【海外生活に必須】オススメ防犯グッズ15選(スリ・盗難〜自宅の安全対策まで)

③デモ

2012年末から、リュブリャナやマリボルといった都市を中心に大規模な反政府デモが数回にわたり行われています。

中には警察隊と衝突し、負傷者がでる騒ぎになったものもあるようです。近年は落ち着いていますが、ヨーロッパ中でデモの機運が高まっている現状を踏まえるとやはり警戒が必要です。

対策:

集会には近づかない。配布物をもらわない。

プレシェーレン広場で開かれた5G反対集会

2020/1/25:プレシェーレン広場で開かれた5G反対集会

④署名活動

リュブリャナの中心街やプレシェーレン広場では、署名活動が頻繁に行われています。

スロベニア語で内容がわからないものはもちろんスルーしてください。

見た感じ人道的な活動団体のようでも、いざ署名をすると金銭を要求される場合があります。

対策:

サインだけだから!と言われても、絶対に応じないでください。名の知れた慈善団体か金銭を要求してくるタイプの団体か、一目では区別がつかないのでトラブルに巻き込まれない為にもきちんと断りましょう。

⑤物乞い

特にリュブリャナの中心街で動物を連れて道端に座ったり、ベビーカーを押しながらペットや子供の治療費や生活費を求める方をよく見かけます。日本人の友人は一度コインを渡したら付きまとわれたこともあります。

また、スーパーに行くと出入り口でお釣りをくれと頼まれたり、新聞を買わないかと声を掛けられることが多くあります。

外だけでなく、ファストフード店などで食事をとっていると、テーブルを一つ一つ回ってお金を要求する方に出会うこともあります。

対策:

本当に心が痛むのですが、そこでトラブルに遭った場合、責任は自分にあります。駐車場代だけ、今日分の生活費だけ、と言われてもまずは自身の安全を第一に責任をもった行動を心がけましょう。

⑥男女交流、クラブでの注意点

スロベニアでバーやパブは日本よりもずっと親しみやすい老若男女の交流の場です。実際、私の通う大学の留学生歓迎会はクラブで開かれました。お酒の力を借りて友達を作ることもできてとても楽しいです。

ですが、ここでも注意が必要です。

クラブで飲んでいるときに自分の飲み物に薬を入れられるという危険もあります。

対策:

そういったものに手を出さないことはもちろん、知らない間に事件に巻き込まれないためにも、飲み物はグラスではなくキャップ付きのボトルを頼む、飲み物を置いてトイレなどに立たないなどの注意が必要です。

また、慣れないうちは一人で知らないクラブに行かないのも大切です。

だれが主催しているものか、だれが参加するのかを事前にチェックするだけでも安心です。まずはネットで店の評判を調べたり、留学生であったら学校が主催するものから参加してみるのが良いと思います。

⑦夜道、一人歩き

スロベニアは、日中なら女性一人でも安心して出歩けます。

ですが、首都を離れた湖や山にハイキングに行く場合などは、地図がスロベニア語で現在地が表記されていないことも多いので、そういった意味でも携帯電話や身分証は持ち歩いておくと良いでしょう。

特に冬場は16時くらいには真っ暗になるので、観光や用事は明るいうちに済ませておくことをオススメします。

また、いくら安全と言われるスロベニアでも、男女問わず夜の一人歩きは控えましょう

ナイトクラブは夜中に始まって明け方終わるものが多いですが、途中で抜けて一人で帰るのは危ないです。

首都のリュブリャナも、メインストリートを一本外れるだけで街灯も人通りも少ない路地裏が多くなります。

対策:

夜道は一人で歩かない、これに尽きます。

やむを得ない場合は、

  • スマホを見ながら歩かない
  • イヤホンをして歩かない
  • 早歩きで歩く

これらを意識しましょう。

また、住居を探すときから、路地裏やバス停からあまりに離れたところを避けることも大事です。

ここで注意があります。

私の失敗談:

ナイトクラブで知り合った人が家まで送っていくよと申し出てくれました。夜道が不安だったこともありお願いしたところ、その後数週間、毎日のようにその人が家の前まで来るようになったのです。知らない人に住所を教えない、これは絶対に守りましょう。どうしても送ってもらう場合は、自宅近くまで来たところでもう大丈夫だと伝えましょう。また、車で送迎するなどの申し出は絶対に断りましょう。

⑧その他、交通機関

特に初めてスロベニアに来る方が陥りがちな失敗に、高額な交通機関の利用があげられます。こちらは犯罪とは異なりますが注意が必要です。

海外といえば、土地に不慣れな観光客を狙って、メーターを回さない、わざと遠回りをするなどして運賃を引き上げる、いわゆる「ぼったくりタクシー」の心配をする方も多いと思います。

私の周りではタクシーでぼったくりの被害に遭ったという話は聞いたことがありません。

しかし、タクシーはそもそもの値段が高いので、使うのはあまりオススメしません。バスや送迎サービスを調べて利用するのが一番お得です。

参考:リュブリャナ駅からリュブリャナ空港に行く際

ZUP PREVOZI、Go Opti:

…ネットか電話で日時を指定すると片道€10から利用できます。

家の目の前まで送迎してくれるので楽々です。

支払いは手渡しで領収書ももらえます。空港から利用する際は、空港出口のデスクからすぐに申し込めます。これらは他の空港や観光地への送迎サービスもやっています。

シャトルバス:

ブレッド湖やポストイナ鍾乳洞などの観光地に行く際は、専用のバスを利用すると安上がりです。

リュブリャナ駅から発着して、チケットも駅で手軽に買えます。座席さえあれば当日でも取れますし、入館料の割引などもあるので、私は友人が遊びに来たときはいつもこちらを利用しています。

ZUP PREVOZI公式HP:http://www.zup-prevozi.eu/
Go Opti公式HP:https://www.goopti.com/sl/

以上がスロベニアの治安情報です。

ですが、いくら気をつけても犯罪から100%身を守ることはできません。実際にこうした被害に遭ってしまった場合はどうしたら良いのでしょうか?

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それでも犯罪にあってしまったら?

緊急連絡が必要なときは…

  • 警察:113
  • 消防署、救急車:112
  • リュブリャナ大学病院緊急サービス:01-522-8408/8409・在スロベニア日本国大使館:01-200-8281/200-8282

クレジットカードを盗られてしまったときは…

お手持ちのそれぞれのクレジットカード会社の緊急時の連絡先をメモして、持っておきましょう。

紛失したときは、すぐに連絡をして利用停止の措置を取りましょう。

スロベニアの治安まとめ

日本で暮らしているときに当たり前のようにしていたことが、海外では犯罪のリスクをぐっと高めてしまいます。

染みついた習慣を直すのは難しいと思いますし、海外の生活で色々なことにチャレンジしてみたくなる気持ちもよくわかりますが、「自分の身は自分で守る」を第一に、一つ一つの行動に細心の注意を払いましょう。

それだけでも安全で楽しい留学生活、海外生活が送れるでしょう。

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