北欧はバルト海に面した小さな国の一つ・ラトビア共和国。
よく、エストニア・ラトビア・リトアニア、とバルト三国というくくりで日本のTVでは紹介されたりします。
知名度は徐々に上がってきているものの、日本からは地理的にも遠く日本人にとっては未知数の国。
そこで今回は、ラトビア移住者が現地に住んでいるからこそ分かる、未開の地・ラトビアの魅力についてお伝えします。
ラトビアに移住してからは
- 「ラトビアってどこにあるの?」
- 「どんな国なの??」
- 「何語はなしているの??」
とさまざまな質問を受けるようです。
ここでは、5つの視点からラトビアならではの魅力を紹介します。
【ラトビアの関連記事はこちら】
↑ラトビア滞在に役立つこちらの情報もご覧ください。過去のラトビアの記事一覧はこちら
ラトビアの食材の豊富さ、安さ
・定番食材のお手ごろさと質の良さ
ヨーロッパのほとんどの国がそうなように、ラトビアでも主食とされているものはジャガイモです。
日本ではメークインや男爵しかスーパーでは見かけませんが、こちらでは種類も豊富で10種類くらいさまざまに用意されています。
また一袋10キロ単位のジャガイモが、旬の時期では0.20€/kg(約40円)~。
それ以外の時期でも0.60€(約80円)というかなりのお手ごろ価格で販売されており、オーガニックのジャガイモでも1キロ1.20€(約150円)と、日本では考えられないような値段でオーガニック食材を楽しむことができます。
また日本では高級食材である「ビーツ」もこちらでは昔から料理に使われており、値段もジャガイモ同様オーガニックのものでも安価に手に入ります。
ビーツを使った定番料理は、コールドスープ(ビーツを使ったピンク色の冷製スープ)やビネグラッツ(マリネされたビーツのサラダ)で、ラトビアの伝統料理の一つです。
・世界中から集まる食材たち
ラトビアはEU諸国の一つであるということ、また大陸と陸続きであるという利点から、東欧諸国はもちろんのこと、中東から南米、アフリカまで世界中から果物や野菜も入ってきます。
日本でお目にかからずこちらで初めて食べためずらしい果物といえば、
- フラットピーチ
- ウズベキスタンメロン
- チェリモヤ(アオモヤ)
- カクタスフルーツ
などです。
またマンゴーもアフリカ、チリ、スペイン、と様々な産地から種類の違う果物や野菜がそれぞれの旬の時期に合わせてスーパーに並びます。
こういった輸入物はジャガイモなどの定番食材に比べてお値段ははりますが、日本では手に入れることさえできない食べ物なので旬の時期にはここぞとばかりに楽しんでいます。
ベリー狩りにキノコ狩り、世界有数の自然が残る環境
・オンとオフの切り替えにも
やはりなんと言っても自然のきれいさ、広大さは特筆すべき点です。
現在私が住んでいる場所はウワゾルニエキ(Ozolnieki)といって、首都リーガ(Riga)から車で40分ほど南へ下った郊外になります。
マンションのすぐ目の前は湖、15分ほど歩くと森があり、早朝・夕刻は何千種類とも思える鳥のさえずりがあちらこちらから聞こえてきます。
同時に、リーガへの主要道路が通っていることから比較的早く首都へ行くことができるので、首都勤めの若い夫婦やファミリーが子どもを育てる環境として理想的、と人気エリアになっています。
自然を思い存分楽しめ、同時に首都への通勤も便利で、仕事と家庭ーオンオフの切り替えが自然とできる環境になっています。
有数の自然が与えてくれる恵み
・白樺ジュース
またラトビアの国土の大部分を占める森は「手付かずの自然」が残っている世界でも有数の場所で、ラトビア人達はその森からの恵みを今でも受けています。
一例をあげると、春にはスーパーや市場に必ず登場する白樺ジュースとよばれる飲み物があります。
寒い冬を乗り越えて、いよいよ気温が上がり木々に若葉がつき始める前のわずか1週間ほどのタイミングに、カエデや白樺の樹木からその樹液をラトビア人達は採取します。
白樺ジュースの収穫🍃 pic.twitter.com/DnS7PAr6P9
— miki (@_mir441) 2016年4月4日
冬の時期、寒さを乗り越えるためにラトビア人はカロリーの高い食べ物ををたくさん食べます。
なので冬の時期につけたそういった脂分を体から洗い流す、というデトックスの意味も込めて人々は樹液を飲みます。
春芽吹こうとしている樹木には樹液がなみなみと流れるため、1日10リットルはくだらないほどに採れます。
・野草(ソーラルやガルサなど)
またこの時期には、野草も芽吹いてくることからその若葉を採り、料理にします。
代表的に使われているものはソーラルやガルサと呼ばれる野草です。
ソーラルはサワースープ(酸っぱいスープ)に、ガルサはそのままサラダに使ったりします。
そして夏には多くの人々がキノコ狩り、ベリー狩りに出かけ、(運がよければ)何十リットルもバケツ何杯も採って帰ってきます。
採ったベリーはジャムにして保存したり、冬の時期のビタミン源として冷凍したりします。
キノコは大抵の人がバターでソテーして冷凍保存し、冬の時期にスープにしたり、お肉にかけるキノコのクリームソースを作ったりして食べます。
このように森という存在はラトビア人達の欠かせない生活の一部となっています。
季節ごとの過ごしやすさのあるラトビア
・気分は軽井沢でバカンス
日本では夏になると熱帯夜で寝られない・・・ということはもう当たり前になっている昨今ですが、ラトビアでは熱帯夜など無縁です!
夏には日中の気温は暑くて30度ほど、でも夜間には16 ~20度ほど気温も下がるため寝苦しくもなく、すやすやと快適に過ごせます。
それに日中の気温が上がってもこちらは湿度が低いためべたべたとした暑さが無く、体感としてはそこまで暑くは感じません。
そのため普通の一般家庭ではクーラーをつけておらず、暑い時は窓を開けて風を入れたり、扇風機でしのいだり、というほどです。
気分は軽井沢でバカンスしているような感覚です。
・北国だからこその暖かさ
「じゃあ、冬はどうなの?」と、北国ということから冬の厳しさをよく指摘されますが、もちろん外は寒いです。
マイナスはざらです。冬場は0度で「あぁ、今日は暖かいな」という感覚です。
しかし山がなく平地で国土が構成されているため積雪量は日本海側ほど多くはなく、温暖化も進む近年では雪が降ることが稀になってきています。
外はそのような様子ですが、室内の温度は常に24~26度に保てます。
それだけ冬に備えた家のつくりになっていて、セントラルヒーティングシステムが整っていることから、冬でも暖かく過ごせます。
逆に日本に冬帰ったら室内の寒さから風邪をひいてしまうほどです・・・。
人々のきれいさ、素直さと忍耐づよさ
・ラトビア人の美しさと素直さ
なにを隠そう、実はラトビアは美男美女がとても多い国で有名なのです。
通りをちょっと歩いているだけでも、ふつうにモデル級の美男美女が歩いているのを目にします。
この地は古くから大陸各国の侵略にさらされており、スウェーデン、ドイツ、ロシアなどさまざまな大国が宗主国としてラトビアを支配していました。
そういう歴史的背景もあり、ヨーロッパ諸国からの血もまざった結果、もともとの美しさに更に磨きがかかったのかなぁ、とあくまでも私の勝手な憶測ですが、そのように推測しています。
また英語教育が幼稚園からスタートしているという教育事情もあり、若い人たちは英語が得意な人が多いです。
英語で会話することはできますが、ラトビア人達はシャイな人たちが多いです。
なので少しでもラトビア語で話すと「わぁ、ラトビア語が話せるの?」ととても喜んでくれます。
・ラトビア人の芯の強さ
旧ソ連邦の一部として共産主義的考えに長く支配されていたせいか、人々はとても忍耐強いです。
逆に「そこ、もっと改善していったら?!」と思うことでも、文句を言いません。
そういう保守的な部分は年老いた人たちに多いですが、ラトビア共和国として独立した後に育ってきている若い世代はより柔軟になってきていますが「弱音を吐かない」というところは若い世代にも共通して見られ、私も見習わなければと感心させられることが多いです。
環境がどうであれポジティブマインドを持ち、自分の手で未来を切り開いてゆくこと。
そういう大事なことをここでは教えてもらえます。
ラトビアからお手軽にヨーロッパ旅行
ラトビアに住んでいて得しているなーと思うのは、他ヨーロッパ地域への旅のお手軽さです。
例えば、イギリスに行くのもLCCで往復100€(約13,000円)のものがあったり、日本からは36時間くらいかかるポルトガルの離島へも6時間ほどで行けたり。
こちらに住んでいるからこそ味わえるお得さがあります。
この頃は日本からの旅行者の数も増え、首都や観光のための情報はいろいろと出てきているラトビアですが、今回は実際に居住しているからこそ感じる魅力についてお伝えしました。
みなさんに少しでもラトビアの魅力が伝わっていれば幸いです。
【ラトビアの関連記事はこちら】
↑ラトビア滞在に役立つこちらの情報もご覧ください。過去のラトビアの記事一覧はこちら