日本や世界のあちこちにあるアイリッシュパブ。行った事ありますか?
アイルランドを語る上で、パブの話しは避けて通れません。本場アイルランドでパブに行ってみたいと思っている人は多いはずです。
でも、注文の仕方とか、いざ行こうと思うと色々気になりますよね。
ここでは、アイルランドに来たら必ず行くであろうパブでの、注文方法や楽しみ方
を解説いたします。
事前に色々知っておけば、パブを2倍楽しめる!
パブ文化の歴史と楽しみ方
アイルランドは長い間イギリスに支配されていたので、イギリス文化が色濃く反映されています。パブもその1つ。
パブとは「パブリック・ハウス(Public house)」の略で、イギリスで誕生しました。
人々の憩いの場として地元でできたお酒を提供したのが始まりです。
その後、アイルランドは独自の変化を遂げてきました。
パブ文化の移り変わり
パブはアイルランドのどんな町にもあります。
小さな町にも必ず1~2件はあり、コンビニのようなお店と郵便局も兼ねたパブもあります。
これこそがパブの原型です。
イギリスとはちょっと違うパブのスタイルです。
パブに行けば、買い物もお金の出し入れもできて、ついでにお酒を飲んで近所の人とおしゃべりを楽しむ事ができる。そんなスタイルがアイルランド独自に発展しました。
伝統はお酒をひたすら飲む
伝統的なお酒の飲み方は、ひたすらお酒だけを飲みます。
日本やフランスのように、食事をしながらお酒を飲むと言う考え方はなく、家で食事をしてからお酒だけを飲みにパブへ行きました。
だからかパブの料理はまずいと噂されますが、以前は料理にそこまで力を入れていなかったようです。
しかし、現在では食事ができるパブは多いですし、尚かつ美味しいです。
ケルティック・タイガー(アイルランドの経済バブル)以降人々はグルメになり、美味しい食事を求めるようになりました。
そして、食事をしながらお酒を飲む人も増えてきました。
今では、
- 食事も出来る昼からオープンするパブ
- 軽いおつまみ(ナッツやポテトチップス)しかない夕方からオープンするパブ
- 家族連れやパーティも出来る大きなパブ
- 窓も小さめの昔ながらの小さなパブ
- ライブ演奏が有名なパブ
- 地元の人が集まるパブ
- 観光客が多いパブ
等々、大きな街には本当に色々なタイプのパブがあります。
パブの6つの楽しみ方
パブと言えばお酒を飲む場所というイメージですが、アイルランドのパブはもっと色々な楽しみ方ができます。
・お酒を楽しむ
これは言わずもがなですね。
アイリッシュパブと言えばギネスビール。どこのパブでもギネスビールは必ずあります。
工場から直送で届くギネスビールはとってもまろやかでクリーミーです。日本のギネスビールとはひと味違います。
是非1度は飲んでほしいです。
ギネスビール以外にも美味しいビールがありますし、今はクラフトビールがブームです。
ジンも大人気で沢山揃えているパブもありますし、ウィスキーも有名ですね。
パブでは色々なタイプのお酒を楽しむ事ができますよ。
・食を楽しむ
お酒だけでなく食事もできます。
しかもパブ料理、なかなか美味しいです。昔はまずいと言われてましたが、今は美味しいパブがいっぱいあります。
スープにサンドイッチ、フィッシュ&チップスにロースト(+マッシュポテトと温野菜)など、パブ料理を楽しめます。
・ティータイムを楽しむ
食事やお酒じゃなくても、ティータイムだって楽しめます。
これまた昔はパブのコーヒーはまずいと言われてましたが、今やほとんどのパブでコーヒーマシーンがあります。
コーヒーとデザートを楽しむ事だってできますよ。
・おしゃべりを楽しむ
お酒が入ると、フレンドリーなアイルランド人はさらにフレンドリーに陽気になってきます。
彼らは誰とでも仲良くなることが上手で、パブでのチャット(おしゃべり)も、楽しみの1つです。
・スポーツ観戦を楽しむ
今や大きなテレビがないパブはやっていけないと言われる程、ほとんどのパブにテレビがありスポーツ観戦できます。
アイルランドでは、国技(ハーリングとゲーリックフットボール)、ラグビー、サッカーが人気なので、大きな試合の時にはパブは大混雑です。
・ライブ演奏を楽しむ
これぞアイリッシュパブの醍醐味!アイリッシュ音楽のライブ演奏です。
観光客が集まるパブはもちろんの事、地元の人が行くパブでもあります。
パブによってはアイリッシュ音楽だけでなく、他のジャンルのライブ演奏もあり選択肢はいっぱいです。
ビール片手に生の音楽を聞く。コンサートとは違い、もっと身近で音楽や人々の熱気を感じられて、これが一番の楽しみ方かもしれません。
パブの基本情報
ここでは、パブの開店時間や閉店時間、料金などの情報をお伝えします。
開店時間と閉店時間
- 食事があるパブは、12時頃のランチの時間からオープンしています。
- お酒のみの場合は、夕方5時位からオープンします。
閉店時間は、意外と早く夜中1時までです。
遅くまで開いているパブだと、3時くらいまでやっています。
クリスマスだけは休みです。
一人で行っても大丈夫?
基本的には、どんなパブも一人で行けます。ただし、居心地の良し悪しはあります。
女性やパブに慣れていない人が一人で行きたい場合は、食事ができるパブがオススメです。
大抵、このタイプのパブは店内が明るめです。
入った印象でわかると思います。客層も色々で、一人でも大丈夫そうと感じるはずです。
夜9時前なら混み過ぎていなくて入りやすいです。カウンターでお酒を飲むのは勇気がいると感じる人は、席についてチップス(フライドポテト)や軽めの食事を頼むと、さらに入りやすいです。
男性の場合は、もう少し範囲が広がります。
軽いおつまみだけのパブは男性率が高いですし、一人で来ているおじさんさん達も増えます。ちょっと冒険してみても大丈夫かもしれません。
誰でも入りやすいパブは、ライブ演奏をやっているパブです。
ライブ演奏をしていると、外からも音楽が聞こえてきます。そのようなパブは音楽を聞きに来ている人が多いので入りやすいですよ。お酒も楽しめて音楽も楽しめます。
お酒の料金は高い?安い?
観光客が多いパブ、地元のパブで値段は少し変わりますが、ここでは平均的な値段を上げていきます。
メニュー | 値段 |
---|---|
ビール 1パイント(約560ml) | 約€5(650円) |
ビール ハーフパイント(グラス)(約280ml) | 約€3(390円) |
サイダー(りんごビール)1パイント | 約€5(650円) |
ワイン グラス | 約€6~7(780~910円) |
ウィスキー | 約€3~10(390~1300円) |
ジン | 約€7~10(910〜1300円) |
カクテル | 約€10~(1300円) |
*2018年10月時点、 €1=130円で計算しています。
ウィスキー、ジン、カクテルは銘柄によって値段がかなり異なります。
ウィスキーやジンをジンジャーエールやトニックで割る場合、トニック等の別料金がプラスされます。
例:ジン&トニックを頼んだ場合、ジン€7+トニックウォーター€3=€10になります。
日本の居酒屋よりはパブは高いですが、パブの中ではビールが安い方です。
ウィスキーやリキュール、カクテルは高いです。
沢山飲まない女性は、ワインやリキュールを頼む事が多いですが、男性はほぼビールです。
どうやら、男性がパブでビール以外の物を頼むのはかっこ悪いと思われるそうです。
そんな暗黙のルールがあるんですね。ワインを飲みたいならレストランか家で飲むそうです。
パブでの注文方法と知っておくといいルール
さあ、行きたいパブが決まったら、入ってみて注文してみましょう。
注文方法
ビールの注文方法を例にあげて説明します。
- 席を決めたら、バーカウンターへ行きます。
ビールの場合メニューはないので、バーカウンターのタップの銘柄を見て何を飲むか決めます。 - 決まったら、バーマンに「Can I have a pint of ◯◯, please?」と注文します。手短に、「A pint of ◯◯, please」でもオッケーです。
- ハーフパイントが欲しい場合は、「A glass of ◯◯, please」と注文します。
- バーマンがビールを注いでくれるまでその場で待ちます。
(ギネスビールの場合は、泡が上がってくるまで時間がかかるので長く待たされます) - バーマンからビールを受け取ります。金額を教えてくれるので、その場で払います。
バーカウンターでの注文方法はこんな感じです。
ビールとサイダーは基本的にメニューがありません。バーカウンターのビールのタップの銘柄を見て決めます。値段も表記していません。
ワインやカクテル、リキュールの場合は席にメニューがある所が多いです。ない場合は、バーカウンターで聞かなければいけません。
最初は、ビールとサイダーが一番頼みやすいかなと思います。
食事も一緒に頼む場合は、席までウェイトレス・ウェイターが来てくれる所が多いので、食事と一緒にお酒も頼む事ができます。
追加で欲しい時は、バーカウンターに行ってもいいですし、ウェイターを呼んで注文してもいいです。
この辺りは、臨機応変といった感じです。
知っておくといいルール
1. 喫煙エリア
アイルランドでは、パブ店内の喫煙は禁止です。そのため、屋外の喫煙エリアがあります。
最近では喫煙エリアがかなり大きく設けられていて、ストーブ等も置いてありかなり快適に過ごせるようになっています。
日本はまだしっかり分かれていないので、いつものくせで店内でタバコを吸いそうになるかもしれませんが、くれぐれも吸わないように。
誰も吸っていないですし、灰皿もないしタバコの匂いも全くないので、すぐに気づくかなと思います。
2. ラウンド
「アイルランド生活を楽しくする10のこつ」のお酒との関係にも書いてありますが、アイルランド人は順番におごり合いながら飲みます。
これを「ラウンド(Round)」と言います。
混んでいる時に、一人一人バーカウンターへお酒を買いに行くのは効率が悪いので、一人が友達の分もまとめて買いに行った方がいいと言う理由から生まれたようですが、今では暗黙のルールのようになっています。
友達同士はもちろんの事、アイルランド人はその場で誰とでも仲良く会話ができるので、その場で知り合った人にもおごったりします。
そしたら必ずその後おごり返します。こうやって飲む量が増えていくんですね。。。
ラウンドを知らないと、ケチだと思われがちです。アイルランド人と飲む時は必ず実行しましょう。
3. パブ・クロール
パブ・クロール(Pub crawl)、それはパブのはしごです。
今夜は飲むぞ!という時は、1件のパブでずっと飲むのではなく、数杯飲んでは違うパブへ移動するアイルランド人が多いです。
小さな町では別ですが、大きな都市では徒歩で移動できる範囲内にいくつもパブがあるので、2~3件行ってみると、1夜に色々なパブを経験できますよ。
4. 持ち物は肌身離さず
週末のパブは、とても混み合っている所が多いです。貴重品は常に身につけておきましょう。
基本的に治安はいいですが、スリや置き引きは多いです。
5. 酔っぱらいに気をつける
欧米では、人前で酔っぱらう事はとても恥ずかしい事と聞いた事がありませんか?
でも、アイルランドではみんな堂々と酔っぱらっています。
以前は女性が人前で酔っぱらう事は恥ずかしい事でしたが、今や女性の酔っぱらいが問題なほど男性と変わらず酔っぱらっています。
パブだけでなく、路上でも同じです。
酔っぱらい同士の喧嘩など怪しい雰囲気の近くには寄らないように気をつけましょう。
ダブリンのパブおすすめエリア
・テンプルバー・エリア(Temple bar)
初めてアイルランドでパブへ行くなら、テンプルバーエリアがおすすめです。
Temple Bar, Dublin. pic.twitter.com/ve7sjGCPUt
— Mr Cillian OSullivan (@kil_os) 2018年10月25日
ここはダブリンで一番有名な観光客の集まるパブのエリアで、沢山のパブがあります。
毎日どこかのパブでアイリッシュ音楽のライブ演奏がありますし、いつも賑わっています。
ただし、お酒の値段は高めです。
・グラフトン・ストリート(Grafton street)
ダブリンで一番有名なショッピングストリートです。
ここにも多くのパブがあるので入りやすいです。
1本奥の道に入ると、地元の人も行くパブが増えます。観光客が多いパブとは一味違った雰囲気が楽しめます。
まとめ
パブリックハウスと言うだけあり、お酒だけでなく色々楽しめる憩いの場、「パブ」。
旅行で来ても住んでいても、パブはいつでも楽しめます。
是非、基本情報をおさえてあなた流の楽しみ方を見つけてくださいね。
Have a craic!!!